2000年度稲城市予算編成に対する要望書

稲城市長 石川良一殿

1995年11月5日
日本共産党稲城市議団
楠原治利
多羅尾治子
沢田敏彦

  長引く不況の影響が深刻なかたちで国民生活に暗い影を落としているとき、政府は大銀行への60兆円支援や大企業のリストラを支援して、国民の雇用不安に拍車をかけています。 こうした政策に象徴されるように、いまほど国の政治のあり方が問われているときはありません。

  都政もまた、「財政再建推進プラン」に代表されるように、都財政破綻の真の原因解明を不問にしたまま、都民犠牲と負担の増大でくらし・福祉の予算切り捨てを狙っています。

  新しく発足した自自公による連立内閣も、自民党だけではできなかった憲法違反のガイドライン法、国旗・国歌法、盗聴法など連立内閣を組む以前から自民党政治を数の力で後押ししてきたことに見られるように、国民の期待に応えるものではありません。 そればかりか、連立発足後の政策を見ても、不況対策として10兆円規模の補正予算を計画していますが、相変わらず大型公共事業が中心で、不況打開とは程遠いものです。 また、今国会を「中小企業国会」と位置づけるといっていますが、わずか1%にも満たないベンチャー企業への支援が中心で、中小企業全体の底上げではありません。 新たな国民的事業となる介護保険の問題でも、サービス基盤整備の遅れをそのままにした状態での保険料徴収の「一時凍結」がいわれていますが、「その場しのぎ」となるおそれがあり問題解決の先延ばしではとの批判が高まっています。

  こうした中で、地方分権が具体化され、地方自治体の独自性が試されるその最初の年度となる2000年度の市予算編成は、住民の安全と福祉の向上を基本に市民本位の抜本的な施策の拡充がこれまで以上に求められています。 平和や民主主義の問題でも、国や都の押しつけに対して、「住民こそが姿勢の主人公」の姿勢を貫くことが決定的に重要となっています。 日本共産党稲城市議会議員団は、この立場から以下について要望書を提出します。

番号

平成12年度予算編成意見要望

総務部門
市民サービス向上施策
  1. 各出張所での粗大ごみ受付などを含む窓口改善。
  2. すべての部門(病院、公民館等含む)での市民対応に対する意見箱(アンケート形式を含む)等の設置。
  3. 市庁舎1階ロビー、病院、出張所などにも議会開催中のモニターテレビ、ビデオなどの設置。
  4. 市役所から遠く高齢者の多い大丸都営などに出張窓口の開設。
  5. 職員の男女比率に応じた女性幹部職員の意識的登用を図ること(そのための独自研修等も行なう)。
  6. (仮)男女平等推進センターの早期建設。
  7. 「市民バス」の運行、路線バス(市立病院行の駒澤学園乗り入れ中止、スクールバスの要請、増便、路線新設、変更)など公共交通網の抜本的改善。
  8. 情報公開制度の改善、電話・ファックス・インターネット等による市民への情報提供システムの新設。
効率的行財政の施策
  1. 公共事業の入札制度は一般競争を原則とし、当面、条件付一般競争入札の対象事業金額3億円以上を1億5千万円以上に改めるなどの一層の改善を図る。
  2. 稲城市行革では住民サービスの低下やそれにつながる民間委託、人減らしは行なわないこと。
  3. 国・都の行革路線の押しつけを許さず、補助金カットに反対し、復活や超過負担の解消を要求すること。
  4. 稲城市行革では、「オンブズパーソン制度」の導入を。
  5. 都の調整交付金の大幅増額、市立病院運営費補助金は都立病院並みの増額を要求すること。
  6. 建設事業に対する補助率の引き上げを国に対して要求すること。
  7. 地方債の負担軽減を目指し、返済期限の延長、利率引き下げ、利子補給等を要求すること。
  8. 多摩ニュータウン建設にともなう「住宅建設対策都補助金」の全面復活を要求すること。
  9. 東京都の「財政再建推進プラン」にもとづく事業の見直しについては、市財政と市民サービスの低下につながるものは許さない姿勢でのぞみ、破綻の明らかな臨海開発等の見直しを行なうよう要求すること。
平和と民主主義を守るための課題
  1. 憲法改悪のあらゆる策動に断固反対すること。
  2. 憲法を市政に生かす市民へのアピール(垂れ幕等による)を。
  3. 「市民参加条例」を制定し、民主的行政の実現を。
  4. 同一人による複数の審議会委員の現状を見直すこと。市民の公募枠を増やすこと。
  5. 自衛官の広報または掲示板等を使った募集事業については返上すること。
  6. 米軍多摩弾薬庫跡地の全面返還のための市民検討委員会の設置。垂れ幕等による市民へのアピール。市民開放日など市民利用の拡大。
  7. 憲法違反のガイドライン法、周辺事態法にもとづく自治体への戦争協力要請には断固反対すること。いかなる軍事訓練も即時中止を要請すること。
  8. 平和とし宣言にふさわしい事業として、原水爆禁止世界大会への市民派遣補助、憲法記念行事、講演会、映画会、平和講座、シンポジュウムの開催などを行なうこと。
文教部門
学校教育施策
  1. 余裕教室の活用を含め、30人学級の実現を国・都に対して要求すること。
  2. 四小体育館の改修をはじめ大規模改修、雨漏り、トイレ改修、赤水対策など教育環境条件整備を急げ。
  3. 市立幼稚園父母負担の大幅削減を図ること。
  4. 就学援助基準の引き上げ、就学援助による眼鏡の支給や医療費の対象疾病を増やすなど内容を改善すること。
  5. 修学旅行の児童・生徒宿泊補助金の増額、校外授業、夏季施設、移動教室、クラブ活動に伴うバス代の補助(市バス貸し出しも含む)、演劇教室の児童・生徒負担の公費化をはかること。
  6. 高齢教諭の体育実技軽減のため時間講師の派遣などをおこなうこと。
  7. 教育振興費の消耗品費の増額。
  8. 学校給食は給食審議会の答申を尊重し、可能なところから自校方式の実現を。
  9. 個別食器の全校実施を一日も早く実現すること。
  10. 給食費への消費税転嫁をやめ、市負担で父母負担の軽減を図ること。
  11. 機械警備だけに頼らず、学校の地域コミュニティーをはかる上からも学校警備員の配置を検討すること。
  12. 副読本、資料集、教材・教具などの公費負担分の増額。
  13. 学校標準を見直し、備品費、修繕費は各校の実状に即したものとし、高額備品は別額予算とすること。図書費についても同様とする。
  14. 障害児の入学に対しては、担当教員の増員配置を。
  15. 教育委員の選考は、市民の意見も反映される制度へと見直しを。
  16. 良心の自由を保障し、日の丸・君が代の強制は行なわないこと。
  17. 事務職員、栄養職員の時間外手当について、市費時間外手当を支給すること。
  18. 都立稲城高校の一方的統廃合には反対し、教職員、父母、生徒、地域等の合意尊重を都に要請すること。
  19. 小中学校の統廃合につながる学区の見直しについては、保護者、教職員、関係地域住民の十分な理解と納得を前提とすること。
  20. 職員会議を校長の「補助機関」とした公立学校の管理運営規則は、現場教職員の民主的な議論の上から統制ともなるので運用の改善を求める。
社会教育施策
  1. 中央図書館の早期建設。
  2. 稲城市の文化財保全、歴史の伝承のための郷土資料館ないし博物館を建設すること。
  3. 公民館の主事は、規則通り「専門職員」を配置すること。また、当面研究予算を確保し、「社会教育主事講習」などを公費で受講させ、有資格者の増員をはかること。
  4. 保育者派遣制度は、単なる補助事業としてではなく教育事業と位置づけ、予算の増額をはかること。
  5. 新女性行動計画にもとづいた事業を促進すること。保育付きの長期講座を増やすこと。
  6. 各階層(中高生を含む)、分野を対象とした事業を充実させるため予算を増額すること。
  7. 各種団体等に対する印刷費補助について直ちに復活すること。
  8. 平尾幼児教室の存続と運営のため、市は最善の努力と協力(移転、施設改善費、運営費の補助、入室時の健康診断の実施など)をすること。
  9. 長峰・若葉台地域に児童館をつくること。
厚生部門
福祉対策
  1. 介護保険料・利用料の低所得者の減免制度をつくること。保険料の徴収は一定のサービス基盤が確保されるまで、延期することを国に要請すること。
  2. 介護を必要とする人がサービスを受けられるよう、サービスの基盤整備を整えること。
  3. 要介護認定は、高齢者の生活実態に即し、身体的な面だけでなく家族、住宅、経済状況など総合的に判断するよう、認定基準の見直しを。
  4. 自立と認定された人にも、これまでのサービスが受けられるようにし独自の助成制度を実施すること。
  5. 保険対象外となる現行サービスについては、市の福祉施策として(新たな市民負担とならないよう)一般財源で行なうこと。
  6. 地域福祉計画における各目標数値の改善をはかること。地域福祉計画見直しでは地域ごとの公聴会を開くこと。
  7. 高齢者入院見舞金の制度の充実をはかること。
  8. 高齢者医療費の無料化制度の復活を国・都に要求すること。
  9. 高齢者事業団への補助増額と内容の充実。高齢者、障害者の就労機会確保・促進をはかる窓口を確立すること。
  10. 共同作業所の補助増額、地域住民との協力関係を前提とした施設の増設。
  11. 高齢者、障害者の日常生活用具の給付種類にインターホン、高齢者用補聴器(性能のよいもの)などを増やすこと。
  12. 最低保障年金制度(月7万円位)を創設し、無年金者や低額年金者をなくすよう引き続き国に要請すること。
  13. 障害者医療、教育の充実に努めること。障害者の早期発見・治療、早期保育・教育の施策の具体化。
  14. 身障者ドライバーのガソリン代補助の増額。
  15. 総合福祉センター建設の早期建設。
  16. 障害者のための公共施設整備・改善を引き続き行なうこと。福祉センターの階段の改善。
  17. 障害者年金などを含めた障害年金の給付水準の引き上げ、年金最低額の生活保護費までの引き上げ、心身障害者福祉手当の年齢、所得制限の撤廃を引き続き国・都に要請を。
  18. 市立病院に障害者(児)の歯科治療の出来る体制を確立すること。
  19. 市敬老金をもとにもどすこと。
  20. ニュータウン地域など、点字ブロックの色を弱視の障害者にもわかりやすいよう全面黄色のブロックを使ってください。
保育施策
  1. 国に最低基準を改善させ保育予算の大幅増額を要求すること。延長保育の公的責任での実施を要求すること。
  2. 稲城市公私立保育園最低基準を職員、保護者の参加でつくること。
  3. 私立保育園に対し定員定額制を実施すること。
  4. 保育料の値上げは行なわないこと。
  5. 延長保育未登録者の遅刻は、「延長保育の臨時利用料」の徴収対象としないこと。
  6. 延長保育料の一律保護者負担金額は、保育料と同じように収入に応じた額にすること。
  7. 公私立保育園の職員交流(学習や実践交流の場の保障)をはかること。
  8. 児童処遇費の増額、職員・パート職員の処遇費の引き上げ、常勤パート職員の臨給の引き上げ。
  9. 施設の増築、設備改善、職員配置をした上で、乳児定員枠を広げ、保育園入所待機児をなくす努力を引き続き行なうこと。また、乳児保育の検討を行なうこと。
  10. 特別減税が行なわれたときは、保育料の算定は減税後の税額で行なうこと。
  11. 学童クラブの施設及び正規指導員の増員配置の抜本的改善を。
  12. 児童館は地域の青少年のための活動センターとして充実させること。
  13. 第3小学校区内に学童クラブの開設を。既存の学童クラブの安全対策(交通安全)を強めること。
  14. 市立病院に院内保育所を開設すること。
  15. 延長保育に対する都の補助制度の堅持を要求すること。
  16. 民間社会福祉施設職員給与公私格差是正制度の格付け方式の堅持を都に要求すること。
医療施策
  1. 入院給食費の自己負担導入、医療費の値上げ、薬剤費の自己負担増など医療保険改悪による患者や市民への負担増の実態を認識し、さらなる改悪を行なわないよう国に対して要求すること。
  2. 乳幼児医療費無料化制度の就学前までの拡大と所得制限の撤廃をめざすこと。
  3. 柔道整復師等の施術施設や待合室の固定資産税について減免措置をとること。
  4. アトピー性皮膚炎患者に医療費を助成し、予防の面からも専門医を置いた相談窓口を設置すること。
  5. 難病患者の医療費本人一部負担をやめるよう国に対し要求すること。
  6. 医療保険制度改革案の高齢者の患者負担の一割定率化はしないこと。高齢者の退院強制や差別診療につながるような診療報酬の改定は行なわないこと。
  7. 予防接種の方式に個別接種を取り入れること。そのための予算を組むこと。
生活保護施策
  1. 生活保護の申請は、必要即応の原則を守り、生活保護の案内所などカウンターや誰もが見やすい場所に置くこと。
  2. 自立厚生の道を閉ざす資産の活用、病人への就労指示などによる保護抑制はやめ、申請者の状況を十分に聞き取り、援助と励ましが行なえるよう取り組むこと。
  3. 生活保護基準の引き上げを国に対して引き続き要請すること。
  4. エアコンなどの電気料増大のための夏季手当を新設すること。
ひとり親家庭施策
  1. 父子家庭については、母子家庭と同等の施策を国や都に要求すること。
  2. 一人親家庭の医療費助成制度の充実。
くらしを守る施策
  1. 消費税の引き下げを国に対し要求すること。
  2. 国保税のこれ以上の引き上げは行なわないこと。国庫負担率引き上げを国に対して要求すること。
  3. 国保税の減免基準を引き上げること。
  4. 公団家賃の値下げを引き続き市として要求していくこと。
  5. ニュータウン住宅建設にあたっては、高齢者、身障者、低所得者向け都営2種住宅を大幅に増やすこと。
  6. 家庭ごみの一方的な有料化は行なわず、たい肥化など本格的な減量・リサイクルのシステムづくりを行なうこと。
農業・商工部門
商工施策
  1. 市内中小商工業者のくらしと営業を守る「緊急融資基金条例」をつくること。
  2. 無担保・無保証人融資制度、「緊急つなぎ融資」制度の創設。
  3. 小口事業資金融資については、利子補給(本人負担1%の継続)、据置期間(当面、現行6ケ月を12ケ月に)、限度額引き上げなど一層の融資条件の改善を。
  4. 融資申込みに際し、銀行や信用保証協会に窓口の貸し渋りをやめさせ、弾力的かつ適正・迅速に応えるよう指導すること。債券回収に際し非人道的なやり方はやめるよう指導すること。実態把握をすること。
  5. 既往債務のうえに融資を必要とする中小業者へ市が債務保障する制度を創設すること。
  6. 市内、近隣の大型店の影響から市内商店の経営を守るための施策を持つこと。影響を調査すること。
  7. 公共工事は住民生活に密着したものを優先し、市内中小業者への発注比率の拡大、分離、分割発注の推進で、市内業者の育成振興を強化すること。
  8. 商工会館の建設促進。
  9. 深刻な状況にある市内中小業者(特に従業員1〜9人のところ)の営業と生活の実態調査を実施すること。
  10. 市内商店街の駐輪場、駐車場確保を市の振興対策として強めること。
  11. 中小零細業者のごみ有料については、不況対策として補助制度を設け無料化すること。
農業施策
  1. 農産物の輸入自由化に反対し、食品の安全性確保、地域農業を守るための市の独自の役割を果たすこと。
  2. 農業後継者の育成と都市近郊農業の振興をはかること。
  3. 学校給食に市内農産物の買い上げ品目の拡大をはかること。
  4. 野菜の契約栽培等積極的に行ない、有機農法の奨励と援助をすすめること。
  5. 農地等の相続税評価については、近年の地価下落を踏まえ評価の見直しを行ない、税負担の軽減をはかるよう国に働きかけること。
  6. 都市農業公園構想の確立をはかること。
  7. 市の独自施策として、指定外生産緑地の保全と補助制度を確立すること。
建設・環境部門
住民本位の街づくり
  1. まちづくりにおける住民合意を確立し、住民本位をつらぬくこと。
  2. 榎戸地区、矢野口駅周辺地区など、区画整理事業など特に関係住民の合意を得ること。
  3. 住民参加による市施工区画整理、尾根幹線道路計画など大型開発事業の抜本的な見直しをすすめること。
自然と調和のとれた街づくり施策
  1. 緑化基金は計画的・積極的に積み立てること。自然と緑を覧開発から守るため、保全緑地指定をすすめること。
  2. 坂浜・平尾地区の市街化調整区域の開発は、生物の棲息エリアを保ち自然と調和のとれたものとすること。
  3. 南山開発の見直し、市民の声を生かして貴重な自然を残し、住民要求である公営施設の建設。
  4. 雨水浸透、土壌浄化方式などの積極的活用をはかり用水の清流化をすすめること。
  5. 市内の小河川は安全対策も考慮しながら、自然の形態を残した護岸の検討を行なうこと。
災害に強い人づくり、街づくり施策
  1. 消防自動車、救急自動車の入れない道路の計画的な拡幅整備を急ぐこと。
  2. 災害時の飲料水を各地区ごとに確保すること。
  3. 市内危険箇所の総点検を年次ごとに実施し、がけ崩れ対策など計画的な安全対策を行なうこと。
  4. 防火水槽の増設を急ぎ消化不能地域の早期解消をはかること。
  5. 自治消防団員の待遇改善をはかること。
  6. 公共施設の防災・耐震点検と対策を急ぐこと。
道路整備と交通安全対策
  1. 4メートル以上の既存道路の計画的な側溝設置(フタかけ含む)を。
  2. 指導の公道化を積極的に行ない、街路灯の増設を行なうこと。
  3. 通学路の安全対策、カーブミラーの増設、信号機、ガードレール、横断歩道、滑り止め舗装等全市的な点検と対策をとること。
  4. 6小正門前の交通安全対策を急ぐこと(歩道の一部拡幅など)。
公害対策
  1. 地下水汚染、建設残土対策を強めること。
  2. 主要河川、用公水路の水質検査(汚濁検査等)を定点定期で実施し、結果の公表と対策強化をはかること。
  3. ゴルフ場の農薬汚染対策を要求していくこと。
  4. 農地の土壌残留農薬の減少に市としても努めること。
  5. 産業廃棄物処理場からのホコリ(大丸)、臭い・煙(坂浜)対策を実施させること。
  6. 健康破壊につながるダイオキシンや有害ごみ対策を抜本的に強めること。(定期調査の強化と公開など)
  7. 小型焼却炉の環境への影響について、市としての実態調査を行ない対策を立てること。