法律豆知識No.51
質問
隣地に高層マンション建設計画がもちあがりました。日照など環境悪化、プライバシーの侵害が心配なのですが。
回答
日照を受ける生活上の利益は、「日照権」と呼ばれ法的な保護が与えられています。しかし、絶対的に保証されるわけではありません。
これまで受けてきた日照や、高層建築によって発生する日照障害の程度ばかりでなく、その地域の特性、被害回避の可能性、建築される建物の用途、これまでの交渉経過などを総合的に考慮して、受忍限度を超えると判断された場合には損害賠償の請求が認められます。損害程度がひどい場合には仮処分による建築工事の差し止めが認められた例もあります。
民法は、境界線より1メートル未満の距離に他人居住を覗くことのできる窓やバルコニーをつくる場合に目隠しを設置するよう規定しています。高層建築の場合には圧迫感も加わって私生活を覗き見られる心理的負担を強く感じるものです。窓ガラスを見通しのできない模様ガラスに換えたり、目隠しをつけたり、境界付近に樹木を植えるよう交渉してはどうでしょう。近隣対策は必要ではないと誤解している方もいますが、同法に適合していても民法上の責任を問われた例もあります。互いに誠意をもって交渉することが体制つです。
八王子合同法律事務所弁護士 岸本務