稲城市の南山東部土地区画整理事業をめぐって、「豊かな里山を守って」という市民の声が高まっています。焦点の一つとなっているオオタカです。
同地域におけるオオタカの生息をめぐっては、長年調査してきた市民グループが「南山全体がオオタカの高利用域であり、営巣もしている」としており、「高利用域はほんの一部で、九七年以降営巣はしていない」とする環境影響評価における土地区画整理事業者の見解に重大な疑問が提起されてきました。
ところが、最近の稲城市の文書やマスコミの報道などによれば、環境影響評価書案への都知事審査意見書にもとづく事業者の〇二年度の補足調査によっても、南山でのオオタカの生息・営巣がほぼ確実な状況となりました。
環境影響評価書では、〇二年度の補足調査について、「調査結果がまとまり次第、それに対応した措置を検討する」としています。都と事業者は、専門家によるオオタカ検討委員会を市民グループの意見も十分反映させた構成ですみやかにたちあげ、客観的な立場からの調査と保全策の検討を行うべきです。
同時に、今回の事態は、評価書作成の過程でオオタカ営巣の事実がわかっていたにもかかわらず、評価書にあえて反映させなかった疑いをつよめるものです。しかも、事業者も都も、補足調査の結果をいまだに正式には明らかにしていないことは重大です。これでは、「事実を隠して開発をすすめようとしているのでは」と批判されても仕方ないでしょう。都には事実経過と責任を全面的に究明し、明らかにする責任があります。
私たちは、南山東部土地区画整理事業をめぐる新たな局面にあたって、貴重な自然とオオタカを守る立場から、東京都が以下の対応をとられるようつよく要望するものです。
- 南山東部土地区画整理事業の環境影響評価書で、「環境保全のための措置」としてあげられたオオタカの生息補足調査(モニタリング調査)の〇二年度のモニタリング調査結果について明らかにすること。また、都は、それにもとづいてどのように業者への指導・要請を行っているのか、〇三年度の進捗状況とこれまでの知見はどうか、あわせて明らかにすること。
- 昨年九月に南山東部土地区画整理事業の環境影響評価書が提出された時点では、〇二年度のモニタリング調査の結果が当然出ていたはずである。それをあえて反映させず、「オオタカは営巣していない」とする評価書を作成したとすれば、市民への「虚偽報告」であり、環境影響評価をないがしろにする重大な問題である。この間、都は、事業者に対してどのように指導を行ったのか、この経過について都はどのように受け止めているのか、明らかされたへ。また、あらためて真相を全面的に究明し、必要な対応をとられたい。
- 生息・営巣が確実となった以上、すみやかに専門家によるオオタカ検討委員会を発足させること、また、検討委員会の構成にっいては、これまで当地のオオタカ保護のために調査や運動をすすめてきた主な民グループの意見が公正に反映された構成となるよう、事業者を強力に指導すること。
- 稲城市の南山地域は、坂浜・平尾地域とともに、多摩丘陵に残され貴重な自然であり、全体を保全する方向で都と稲城市が共同のとりくみをすすめること。
二〇〇三年七月二四日
日本共産党稲城市議会議員 多羅尾 治子
同 稲城市議会議員 岡田 学
同 東京都議会議員 渡辺 康信
同 東京都議会議員 清水 秀子
同 参議院議員 緒方 靖夫東京都環境保全局長殿