日本共産党稲城市議団ニュース No.174(2002年10月10日)


これ以上の医療費値上げやめて

10月からすべての医療機関で

窓口負担が1割に

 国の医療改悪にもとづく市の条例改正により,70歳以上の医療費の窓口1割負担が10月からはじまりました。

 同時に,外来の自己負担限度額は,低所得者で2.5倍,一般で3.75倍と大幅値上げとなります。しかも,限度額を超えた分は一旦窓口で支払い,後で市役所の窓口に申請し払い戻しを受ける(償還払い)ことになります。

 市は「どの程度の影響が出てくるかはわからない」と答弁しましたが,高齢者の負担軽減にもっと真剣に手をさしのべるべきではないでしょうか。

*低所得者Iの対象は,年金収入のみの場合,一人ぐらしで年収約65万円以下,夫婦世帯で約130万円以下。低所得者IIは,一人ぐらしで約267万円以下。

70


現行制度 改悪後(2002年10月から)
  窓口負担 自己負担限度額   窓口負担 自己負担限度額
外来 入院 外来 入院
一 般 1割

*診療所では1回850円の定額負担もある

3200円
(大病院5300円)

*定額負担の場合は3400円

3万7200円 一定以上所得者 2割 4万0200円 7万2300円
+36万1500円を超えた医療費の1%
低所

得者

住民税
非課税
2万4600円 一般 1割 1万2000円 4万0200円
老齢福祉
年金受給者
1万5000円 低所得者
(住民税非課税)
II* 8000円 2万4600円
  I* 1万5000円



ひとり親家庭・乳幼児の入院時の食事代負担

老健法適用すれば1日650円が300円に

なぜ都の言いなりに

 東京都の医療費助成事業実施要項の改正にともなう今回の市条例改正は,ひとり親・乳幼児の入院時食事代の自己負担額が,本来300円に軽減される部分を現状の650円にとどめるというものです。
 医療費負担に苦しむ低所得者に対する市の姿勢が問われます。

独自対応の自治体も

 国立市では,独自に償還払制度をつくり,本人負担を軽減しています。目黒区でも,老健法の改善部分を適用して負担軽減を図るなどの検討が行われています。
 稲城市でも,せめて,非課税世帯については老健法を適用し,都言いなりの負担増はやめるべきです。
 党市議団は,こうした立場から今回の条例改正には反対しました。




2002年度第3回定例会報告

医療改悪・福祉の後退・住基ネットなど

国や都,言いなりの石川市政

「自治体の役割」問われた9月議会


 稲城市議会第3回定例会は,国の医療改悪や住基ネットの押しつけ,さらには都の福祉後退などに,地方自治体がどう立ち向かい,どう「自治体らしさ」を取り戻していくのかが問われた議会となりました。


日本共産党市議団は一般会計補正予算に反対

 今回の補正は,アクティブシニア就業支援センター事業(55歳以上の職業紹介)などの改善面もありましたが,老人医療費など国の医療改悪を自治体としてすすめるための事務処理システム改定が特徴でした。

 同時に,電算システムの更新経費も問題です。国保会計も含め2433万円というシステム改定のため委託料が計上されましたが,市民の重要な情報管理を行なう部門を外部民間業者に委託するのではなく,市職員の能力開発を進め独自

 党市議団は,こうした立場から今回の条例改正には反対しました。


市税・子育て・融資で提案

沢田敏彦市議

 サラリーマン世帯の可処分所得が減少するなか,医療・年金改悪などの負担増が市民生活に追い討ちをかけています。

 こうしたことから,(1)事業が未着手にもかかわらず課税されている都市計画税の減免や集合住宅共有地に係る固定資産税の免除。(2)乳幼児医療費無料化の所得制限撤廃をゼロ歳児から就学前までとすること。(3)銀行の「貸しはがし」に対し,市内中小業者への市独自の直貸しも含めた融資制度の改善を求めました。

 市の答弁はいずれも「現行での対応」という消極的なものでした。そのほか南山開発,交通安全対策について質もしました。


介護保険料は据え置きを

たらお治子市議

 介護保険が始まり3年目。市では「順調に進んでいる」といいますが,「家族の負担は改善されていない」「少ない年金から保険料を引かれ苦しい」などの声が聞かれます。

 私は,利用者の希望が十分に尊重されているか,保険料・利用料などの経済的な負担が重くなっていないかなど,改めて実態調査を求めました。また,来年4月の事業計画の見直しでは,厚労省推計でも全国平均で約11%の保険料値上げが想定されていることから,市としては保険料の値上げをしないように独自の対策をとるよう求めました。しかし,明確な回答はありませんでした。


国の言いなりで住基ネット接続

楠原はるとし市議

 個人情報の漏洩や不当な利用が懸念されている住民基本台帳ネットワークへの接続について,市は「法律に基づいて接続する」と答弁しました。住基ネットは,国民的合意もなく,また,政府が「個人情報保護法の整備が前提」(政府答弁)とした約束も守らないで強引に実施すること自体大問題です。

 ところが石川市長は,この「前提」は施行の条件ではなく単なる“解釈の相違だ”という態度に終始しました。

 国の言うことには,どんなに市民の不安や疑問があっても従うという姿勢しか見られませんでした。


南山開発問題

このままでいいのでしょうか

 多摩丘陵の東側にあって都心からも至近距離に位置する南山は,動植物の宝庫です。東京都の環境影響評価審議会でも,オオタカなど希少種の生息確認が不十分だと指摘しています。

 計画中の南山東部土地区画整理事業について,党市議団の一般質問に対し,三井不動産など大手デベロッパーが約8割を占める崖地は「(地権者)個々の人たちが自力で(崖地処理が)できていれば今の状況にはなっていない」と,その責任の所在を明らかにしました。

 また,現在予定されている減歩率(65%)は,さらに予定を上回る可能性を示唆しました。

 オオタカについては,「保護するような手段を講じながら」も,開発はあくまですすめるとの姿勢を示しました。


民間福祉施設への人件費補助廃止

実施されれば深刻な問題に

六つの市立保育園で8509万円の影響

 民間福祉施設への人件費補助は,革新都政時代に,公私の格差是正のためつくられた制度です。稲城市でも六つの市立保育園がこの補助を受け,保育水準の維持・充実の努めています。

 しかし,この補助金が廃止されると「正規職員を5人から6人減らすことになる」「保育内容にも影響が出る」など,不安の声がでています。

 9月市議会では,東京都に意見書を出していくことを求めた陳情が審議されましたが,結果は趣旨採択となり,意見書提出には至りませんでした。

各園毎の影響額
平尾保育園
松葉保育園
向陽台保育園
城山保育園
もみの木保育園
バオバブ保育園
2689万円
893万円
2048万円
880万円
221万円
1778万円




楠原議員の討論通告に岩佐議員が

道理のない意義をとなえ最終本会議が空転 会期延長

◆議会ルール上も「問題なし」と確認済みの討論通告

 各委員会での陳情の審議結果は,最終本会議での議決を経てはじめて議会の意思として決定されます。したがって,委員会から本会議までの間に陳情に対する態度の変化が起こることはあります。
 その場合,本会議の場で討論を行なうのは議会ルールでも認められているごく当たり前のことです。
 ところが,24日の最終本会議の休憩中に,岩佐いづみ議員(稲政クラブ)が,自らも参加した議会運営委員会で「問題なし」と確認されていた楠原議員の討論通告に対し,道義的におかしいなどと突然異議をとなえだしました。
 その結果,午後からの本会議が開けず終日空転して会期延長となったものです。

◆委員長の職務放棄は明白で重大

 しかも,議会空転の最中に,異議をとなえていた総務委員長でもある岩佐議員本人が,議長にも議会事務局にも,所属会派の同僚議員にさえ連絡せず,無断で議会を抜け出していたことも明らかとなりました。
 午後の本会議日程では,各委員会報告の予定がある中で,その方こく責任を負った委員長が無断で議会を抜け出すなど,どんな理由があろうともあってはならないことです。
 道理のない異議申し立てに加えて,委員長としての職務放棄こそ重大問題と言わざるを得ません。
 その後に開かれた会派代表者会議で稲政クラブの石井直治代表代理は,「岩佐委員の一連の行動について,会派としては責任を感じている」,委員長の職務放棄についても「会派の責任で対処したい」旨の発言をしています。

◆議長はルールにもとづく運営を

 1日間の会期延長にまで至った事態については,議会運営に全責任を負う議長の対応も問われました。
 それは,議会運営委員会には正副議長も出席しているからです。そこで確認されたことをしっかり守り,ルールどおりの運営をすれば,今回のような空転は起こりえない問題だからです。
 この点では再開された本会議席上での議長陳謝は当然の措置だといえます。
 本会議への総務委員会報告は,岩佐委員長不在のため,楠原副委員長が行いました。