日本共産党稲城市議団ニュース 号外(2004年11月)


市の総合防災訓練

米軍参加は防災力の強化につながるか


 新潟県中越地震がおき,防災の備えと防災力の強化が,現実味をもって切実な課題となるなか,11月7日に北緑地公園で,市の総合防災訓練が行われます。 この訓練の救援物資搬送に横田基地の米空軍374空輸団消防隊が参加します。 市町村の防砂幾連に米軍が参加するのは異例です。
 米軍が本当に市の「防災力の強化」に役立つのかあらためて検証しました。


◆訓練の概要◆

 市の想定は,「稲城市直下が震源。最大震度7。市内各所で崖崩れ,道路の損壊,家屋の倒壊と火災。死傷者あり。電気,ガス等の各施設に大被害。交通状態まひ。市,防災関係機関,市民(自主防災組織),事業所等は災害応急対策に万全を期することとなった」というもの。 これに,(1)災害対策本部活動,(2)災害活動,(3)応急復旧を柱に各訓練がくまれています


  

総合防災訓練に参加した米軍(2004年11月7日)



大震災での米軍の市への応援は非現実的


理由1 多摩サービス補助施設の火事で出動したのは稲城の消防

 横田基地消防隊の消防装備は,航空機(火災用のP23型),建物用ポンプ車,水タンカー,レスキュートラック,ダンプ,指揮車など。
 中心は横田基地の米軍機の火災対応の装備で,稲城にある多摩サービス補助施設には配備されていません。
 同軍空輸団と支障某本部は「消防相互応援協定」を結んでいますが,多摩サービス補助施設の山火事で出動したのは稲城消防本部だけでした。


理由2 震度7の大震災で30キロ離れた基地からの応援は非現実的

 「震度7」で「交通状態もまひ」したなか,市から30キロ離れた横田基地から救援に来るという想定は非現実的です。
 都は,稲城市よりも横田基地に近い福生・昭島など14自治体で全壊家屋2184棟,焼失家屋が1万42棟,死傷者が7929人に及ぶと想定し,「震度7地域では,通行障害が多数発生し通行可の道路比率は1割未満」と予測。
 自施設(多摩サービス補助施設)の火事にも来ない横田基地の消防部隊が,震災時に近辺の惨状を放って,破壊された道路を通り,稲城に来ることは現実的にはありえないでしょう。



この非現実的な想定を
「消防力の強化」という市長の姿勢こそ問題です


米軍との協力が消防力の強化とあおる

 市長は,2001年9月の広報いなぎ「時代の視点 No.108」で,「米軍374空輸団と市消防本部との間で「消防相互応援協定」を独自に結び,米軍の支援も受けられることになっています」として,あたかも米軍との協力が消防力の強化であるかのような「幻想」をあおってきました。
 今回の防災訓練についても,市は,米軍の応援が現実的であるかのように「米軍とも協力して市の防災力を高めたい」(朝日新聞9月15日付)とのべています。


まじめに防災を考えているのかが問われます

 多摩サービス補助施設(以下,施設)内での火事には,市の消防隊だけが出動して鎮火につとめており,防災力を高めるどころか防災の対象でしかなく,施設の返還こそ必要であり,当面,市民の広域避難場所に指定させることなどこそ必要ではないでしょうか。
 災害時のリアルな活動を考えるとき,ほとんど期待できない米軍の消防力を前提とする市の姿勢は,想定する震災をまともに考えているのかが問われます。
 また,市民の間では,今回の市の動きは,防災に名をかりた「有事」体制の先取りではないかといった疑問も出されています。



パフォーマンス的な米軍参加ではなく
市は防災体制の確立にむけ真摯な取り組みを


 日本共産党稲城市議団は,阪神大震災のような多数の人命にかかわる大災害が発生したときに,国と自治体が,あらゆる手段を尽くして,人命救助等の活動にあたることは当然と考えます。
 そして,市長自身が広報で,「『自分のまちは自分で守る』のが防災の原点」としているように,自治体のもつ力を動員して消防力を高めることを基本におくべきであり,現実味のないパフォーマンス的な米軍参加ではなく,公共施設の防災・耐震対策や防火水槽の増設の予算措置をはじめ,市が防災体制の確立に真摯に取り組むことを求めます。