2001年第2回臨時市議会での日本共産党議員団の討論(要旨)


■第36号議案「専決処分の承認を求めることについて」(稲城市市税条例の一部を改正する条例)への討論  楠原市議

 今回の市税条例の一部改正は,国の地方税法の改正に伴っておこなわれることはよくわかるわけですけれども,できれば専決処分ではなくて審議を事前にしたいと思っています。 市税条例について3つほど確認の意味で質疑をします。
 法人税割の課税の特例の関連(第34条6の2)は,国の法律から言えば企業の分割・分社化をやった場合には減税してあげますという内容だと思うのです。そのことが稲城市にはどういうふうに影響してくるのか。例えばリストラ支援,あるいは産業再生法,こういったことで大変な失業・雇用不安が起きているなかで,分社化・分割ということになると,働く人の首を切ることにもつながっていき,税金を使ってそれを推進していくということになりはしないか。ですから,こういう点で稲城に影響はないということなのか,お訪ねします。
 二つ目は,特別土地保有税の課税の特例(付則第15条の2)。これも国の法律の改正のなかで言えば問題があるのではないかと思うのです。特別土地保有税については,徴収猶予の拡大そのものが不動産業者の求める土地の流動化政策といったことで,土地投機の基盤を拡大することにつながりはしないか。したがって,稲城市の中にある特別土地保有税がかかっている対象の関係にどういうふうに影響してくるのか。
 3点目は株式等にかかる譲渡所得等に係る個人の市民税の課税の特例(付則第18条の2)ということがあります。これは国の審議の段階で明らかになっていることは株式を売却した際の利益に係る株式譲渡益課税の申告分離課税への一本化を2年間延長する。このことは,その理由としてあげられていましたが,株式市場が低迷しているなかで何とかこれを活性化したいということなのでしょうか。私たち一般市民の立場からすれば今度の地方税法の改正あるいは稲城市税条例の中でのかかわりというのは,あまり大きな減税などがないなかで,企業だとか,土地をいっぱい持っているとか,あるいは株式の売買,こういったところへは減税の期間を延長するということになっていないか。ただそれは国の段階でいろいろ議論されてきたことですからさておいて,稲城市にそういうことがどれだけ影響するのか。全国レベルで国税への影響は平年ベースで752億円ほどあるといわれていますが,稲城市としてはどのような影響があるのか。

玉野修身企画部長の答弁  企業の分割・分社化の関係について,これに税法上の特例で,例えば負債等の持ち越し等ができるようなことを税法上対応していこうという形になる。稲城市への影響については過去のデータをとっていないので推測できない。
 特別土地保有税の徴収猶予の関係について。土地の売買等が滞っている,冷えきっているというなかで,土地の流動化等をすすめていくためには特別土地保有税の特例をさらに継続していこうという形になる。稲城市については,納付税額が1,787万9,700円ある。今回,税法上の特例があったとしてもとくに影響はないと考える。
 株の売却益の譲渡に対する税についても,今回の特例,これは今までは源泉分離課税と申告分離課税の2通りがあって,どちらでも対応できるようにどちらかを自分自身で選択できるようになっていたが,1999年の税法改正で申告分離課税にしていくということで税法上は一本化した。その施行が2001年4月1日からということになったのだが,これがさらに2003年まで2年延長される。
 源泉分離課税と申告分離課税の違いは,源泉分離課税の場合は地方税が入っていなくて,申告分離課税の場合は地方税が6%入っている。6%のうち都道府県分が2%,市町村分が4%になっている。株を売買した市民がこの税金をどちらで申告しているかというデータがない。そのような中で,申告分離課税の場合は,住民税相当分として入ってきた税額は446万5,000円あった。稲城市ベースの影響はつかめない。ただいえることは,地方6団体などでも国の方に向けて要請しているが,株式の譲渡所得が申告分離課税に一本化されると,市町村の方に税金が必ず入ってくることになるのだがそれがなくなったから,この2年間は稲城市ベースとしては今まで通りのような形になると思う。2003年まで延長され,もし2003年から申告分離課税として一本化されると,市町村民税分が残されるから,増額されていくのではないかと思う。

 第1点の問題ですが,なかなかわからないというのは確かにそうではないかと思います。例えば,これまで政府の方で進めてきたこの法律に基づいて減額された税額は,大手の10社だけで226億円にもなっています。この間どれくらい人が減らされたかと言うと2万3000人です。これは首を切ると1人100万円ぐらいの減額になっているわけです。たとえば稲城で言えば大きな会社もあります。その中では人の異動の問題とか分社化の話とか,うわさではたくさん聞きます。仮にそういうことがおきた場合に,稲城市はどういう対応になってくるのか,そこが見えないというか,対応については法律に基づいてただ対応するというだけなのかということを聞かせていただきたい。
 それから特別土地保有税。これは今はたいした影響はないのだということだが,土地を動かしていく促進剤にしようということで,けっきょく一般の市民にはあまりメリットがないのです。大きな不動産会社とか株式会社とかが持っている遊休地に特別土地保有税という形でかけてあります。これを緩和するということですので,市民との関係では疑問・問題があると思うのです。そういうことについての見解を聞いておきたい。
 あと,株の譲渡益にたいする課税の問題です。これも株式市場の低迷ということが言われていて,それを招くことを防ごうというので,それを2年間先延ばしするということです。一般の市民が株の売買をやるというのはそう多くはないと思うのです。ですからそういう点で稲城市への影響はどうなのか,市民の目から見たときにどうかという思いです。だからといって,悪いという話をしているわけではありませんので,実態としてどういうふうになっているのか,なるのかということを再度,わかる範囲で結構ですのでご答弁いただきたい。

玉野企画部長の答弁  1点目は,分社・分割化等をした場合にどうしていくのかということなのですが,我々としては税法であれば地方税法に基づいて対応していく形になろうかと思う。
 特別土地保有税ですが,目的のない土地については特別土地保有税という形で税を納めていただくわけです。これについてはより有効に活用,あるいは保有していると智東についてより適切に税が収納されるようにということも含めて特例を設けていくということで,当市にとっても税法の改正についてはそれなりの対応ができるのではないかと思っています。
 株の譲渡益の問題について。どういう階層の人が株式等にかかる譲渡所得税を払っているという,課税標準額の段階別の階層で追った数字があるのです。刻みがすごく大きいのですが,446万5,000円のうち200万円以下の課税標準額の段階の人が199万7,000円,200万を超えて700万円以下の人が160万3,000円,700万円を超える人が86万5,000円ということで,これが実態とどうかというと源泉分離課税があるわけですからそちらを選んだ人の方が多いのではないかと思います。はたして確実な実態なのかというと,そういうことは不明ですが,今あるデータとしてはその様な状況です。

 分社化の問題で,地方税法に基づく対応をしていくということだと思うのです。実際には,それは稲城ではやりませんということだと思うのです。考え方として,今これだけ不況で雇用不安があって失業が生まれているときに,それを促進するような税制のあり方は改めるべきではないかと私は思っています。ただ,国で決まってきたことですので,稲城市ではやりませんというわけにはいかない話だと思うのです。この点だけ聞いておきたいのですけれどもお断りすることはできるのですか。

玉野企画部長の答弁  国の方で地方税法が改正され,その地方税法に基づいて私どもの方は税を進めていく。地方税法から市税条例にゆだねられているものは,地方税法の枠のなかで条例を決めていくことになります。したがって,断ることはできないのではないかと言いますか,地方税法に基づいて事務を進めていかざるをえない,いくべきではないかと考えます。