たらお治子市議:まず最初に,介護保険について質問します。介護保険については10月から第1号被保険者の保険料の満額徴収が行なわれます。保険料や利用料の負担の改善については,市民の要求は切実ではないでしょうか。こうしたことから,都内では,すでに42の自治体が保険料や利用料の低所得者対策に取り組みはじめています。多摩地域では,26市のうち22市が取り組んでいて,何も取り組んでいないのは八王子市,羽村市,あきる野市,稲城市だけとなってしまいました。厚生労働省が介護保険の保険料の減免制度について,こういうことをやっていくと,みんなで支え合うという保険原理が崩れて,以前のような公費で面倒をみる措置制度に戻ってしまいかねないと神経をとがらせているということですけれども,厚生労働省がいくらそう言っても,各自治体では,必要だからそれぞれの自治体の責任でやっているのだということで取り組みをはじめているわけです。
さて,そういう中で稲城市は最近,介護保険の利用者の満足度調査をおこないました。その結果,介護保険は順調に推移しているということを言われているわけです。しかし実際には,経済的な負担の重いことや介護者の負担がまだ重いことなど,市民からそうした声が上がっているわけです。介護保険について,市の認識と市民の実感との間には大きな隔たりがあるのではないでしょうか。こうした問題を放置したままで,介護を受けたくても受けられない,保険料の負担などに苦しむ人が増えてくるのではないかと危惧しています。そこで実態をさらに詳細に調べて,それをもとに介護サービスン充実をいっそう図っていく必要があるのではないかと思います。特に低所得者対策が求められていると思います。介護保険の実施によって利用者本人を含めた介護者・家族などへの経済的な負担がどのような現状になっているのかという調査も,これから行なっていく必要があると思います。
そこで(1)として,介護保険の利用者の調査報告書に関して,(1)調査報告書では「介護者等の負担が軽減されたと思わない」と回答した人も多く,いっそうの実態調査とそれにもとづく改善が求められると思いますが,この点についてお聞きしたいと思います。
福祉部長:お答え申し上げます。介護サービス利用後の介護者の負担軽減についてでございますが,調査結果では23.4%の方が「軽減されたとは思わない」と回答しております。介護者の負担には精神的な負担・身体的な負担などがありますし,家庭の事情によっても介護者の負担の感じ方は異なりますので一概には言えませんが,多くはサービスの組み方に問題がある結果と判断しているところでございます。介護保険制度は家族の精神的負担・身体的負担の軽減も目的としておりますので,サービスを選択するときには,要介護者の希望するサービスだけでなく,よく家族で話し合って選択することも必要と考えております。ケアプラン作成時にはケアマネージャとよく相談し,適切なサービスを選択し,有効に利用していただければ負担は軽減されると確信しているところでございます。
たらお治子市議:市のアンケート調査の結果でも,介護者の負担の軽減についてということで調査がされているわけですけれども,介護者の負担が必ずしも軽減されていないのではないかという印象を持ちました。それで介護者の方から「前よりも大変になった」と言う声などを私もたまに聞くのですけれども,実際にそうした介護者の実態調査ということで,もう少し詳しく調査していったほうがいいのではないかということを感じているところです。
民医連−全日本民主医療機関連合会という団体が2000年に介護保険の実態調査というものを行なっています。これは2万2,000件を対象にして全国調査をおこなった内容なのですけれども,この中でも介護者に対する調査ということを行なっています。その結果では,介護をするようになって「外出できなくなった」「仕事もできなくなってしまった」,それから「本人を一人にして留守にできない」とか「睡眠が妨げられてしまう」といったことが,このアンケートの中で答えられていました。
介護保険が実施されてからも,稲城市の中でも介護者の実態調査というものをもう少し詳しく進めていくべきではないかと思うのですが,その点いかがでしょうか。
福祉部長:お答え申し上げます。介護保険が始まりまして約1年半が過ぎようとしているわけでございます。そういう中で,介護保険制度のこういう措置から契約になってきたという,また各ご家庭またはご自分が自分に合った制度をどのように利用していくかということにまだ一面では慣れていないということもあろうかと思います。そういう中で,ケアプランをつくるとき等にケアマネージャ等と十分打ち合わせをし,実態に合わせていくような形が大事かと思います。また私どももこういう満足度調査を実施いたしましたが,それとは別に介護保険の介護相談員制度を今年,この秋には実際に立ち上げるとか,そういうことも考えております。また訪問調査,それから保険料の納入相談等さまざまな部分,またケアマネージャ等の連絡会なども実施しておりますので,そういう場面の中でも十分把握できるような状況かと思っております。
たらお治子市議:サービスの組み方にも問題があるのではないかということでこれからその点について気をつけていくということなのですけれども,今回の質問はもう少し掘り下げた実態調査をした方がいいのではないかということでして,その立場から質問をしたいと思うのです。
先ほどの民医連調査でも実際に介護が必要な人を抱えた世帯の収入調査などもしていまして,年収が100万円未満の世帯が46%もいたとか,150万円未満の世帯が62%になったということもわかりました。実際に介護が必要な世帯の多くは低所得の状態におかれているということで,老老介護をしていたり,それから家族が仕事を辞めてその人の介護をしているという世帯になりますと,収入が低くなっているという実態があります。こういう中で,また介護者本人も病気を抱えていたり,疲れがすごくたまってしまって不調になっていたり,具合が悪いという人がアンケート調査でも6割ぐらいいたということなのです。いろいろなサービスを組み合わせるということでの改善ということでも限界があるといいますか,例えばこういう低所得の状態にあってサービスを利用限度額まで使いたくても使えないという家庭の方もいらっしゃると思いますし,個々の家庭で実態はかなり違うと思うのです。そういう実態調査を市として行なって実態を市民にも明らかにしていくことが必要なのではないか。それによって介護保険になって前よりも大変になったという声を少しでも改善していくことにつなげていかないといけないのではないかと思いまして,改めて実態調査ということを考えてほしいと思うのですが,お聞きしたいと思います。
福祉部長:それぞれのご家庭,また本人で介護保険の必要度と言いますか,そういう実態は違ってくるかと思います。また負担感も同じような状態での方でも微妙に違う状況もあろうかと思います。そういう面からいきますと私どもとしては先ほど申し上げましたさまざまな制度を設けてきたこと,また現在進めているような状況の中で把握していくことで個別の中での対応ができる状況もあるのではないかということで,現段階の中ではこういう満足度調査を実施した状況も踏まえて,改めて実施する考えはないわけでございます。また国とか東京都でもさまざまな検討を進めている状況もありますので,そういう動向を注視してまいりたいと思っております。
たらお治子市議:それでは2番目の質問に移りたいと思います。今回の調査では介護保険の実施による本人も含めた高齢者家庭に課せられた経済的負担の実態が調査されていないわけです。いま保険料や利用料の負担が重いという声がある中で,市として経済的負担の実態についてさらに調査する必要があるのではないかと思いますがどうでしょうか。
福祉部長:経済的負担の実態が解明されていない,市として実態を調査する必要があるのではないかということでございますが,今回の介護保険サービス利用者満足度調査はサービス利用状況の実態把握をし質の向上のために活用したいということで実施したものでございまして,保険料負担など経済的負担の実態の解明を目的としたものではございません。しかしこの調査で,自己負担につきましてはサービスに対する不満の理由の一つとして聞いております。その結果では「自己負担が重い」と答えた人は5人6件となっており,回答者402人にしめる割合は1.2%となっております。保険料・利用料は新しい社会保険制度の創設にともない新たに発生した負担でございます。介護保険制度は40歳以上64歳以下の現役世代の方にも負担していただいて成り立っている制度ですので,実態調査を行なうことよりも老後の介護問題を社会全体で支えていくという介護保険制度の理念を理解していただくことが重要と考えております。今後も介護保険制度のPRに努めるとともに,保険料の収納状況などを見極めながら状況把握に努めてまいりたいと考えております。
たらお治子市議:これまで議会の方にも保険料や利用料の減免・軽減をということで何回も陳情が出されてきまして,いろいろ議論もされましたけれども,介護保険の実態調査をまってからという意見も出ていたと思いまして今回の市の実態調査にはすごく期待していたのですけれども,経済的負担ということでの詳しい調査がなされていなかったのでその点をもう少し注目して詳しく調べていかないといけないのではないかということを感じているところなのです。
先ほど紹介しました民医連のアンケート調査は,いま介護保険を利用している人が一番困っていることは何なのかということを想定しまして,経済的な負担についてどうなのかということについてかなり詳しく調査してきているのです。介護保険の実施で介護のかかる負担増というのは平均して1万円以上負担が増えてきているということです。それでこういうことに限って詳しく質問していきますと,5割の方が「負担を感じている」と答えてきています。保険料ではなくて利用料の方でも,厚生労働省の調査でも1割の利用料負担について38%が「高い」と答えているということです。こういった他のいろいろな調査結果があるのですけれども,今度10月からの満額徴収ということで,これを1年にしてみるとかなりの金額でありまして,収入の少ない高齢者家族にとっては負担はかなり重いのではないかと思っているところです。
そこで市としてこういう経済的負担の実態調査というのは,今まで実施計画とかをつくる前に詳しく調べておく必要があったのではないかと思うのですけれども,実際にはできていないのではないかと思います。ここで改めて,例えば所得段階別の負担増がいくらになっているのかとか,収入に対する負担増が何%ぐらいになっているのかとか,細かい実態調査みたいなものをやっていかなくてはいけないのではないかと思うのですけれども,その点についてはいかがでしょうか。
福祉部長:実態調査を改めてやるべきではないかというご質問でございます。先ほどの答弁の中でも申し上げましたが,私どもも個別の状況の中で把握する努力はしているわけでございます。また介護保険につきましては導入時より低所得者に対するさまざまな対応というものも含めて実施してきている経過があるわけでございます。一例を申しますと,高額化以後サービス比の限度額の問題,それからホームヘルプサービスの軽減措置と言いますかそれの経過措置とか,それからと生活福祉資金の貸付制度とか,さまざまそういう制度もやってきているわけでございますが,私どもこの制度が発足して一面ではまだご理解いただいていない点も多くあろうかと思います。介護保険制度を十分知っていただく努力はこれからもしなければいけない。また訪問調査のときにそういうことなどもお話しながらよりよい理解を深めていただき,また相談に乗っていくということは今後も進めていきたいと思っております。
たらお治子市議:個別のいろいろな話をする中で実態はわかっているということですけれども,私も利用している人から聞き取り調査をする中で,収入がどれぐらいで,その中からいくら天引きされているのかということで,いろいろ質問してやっとその中でこれは大変なのだということで相手から答えが出てくるのですけれども,なかなか自分からは市の方に要求として言い出せないという状況もあるのではないかと思いました。それでアンケートという形で実際に調査をして科学的分析をしていくといいますか,これだけの収入に対してこれだけの負担になっていくという負担の重い人に対してはそれなりの対策をとっていくことが必要だと思いますし,先ほどもいったように今もう多摩地域でも22市が何らかの形で取り組んでいて残っているのはあと4市だけとなってしまう中で,みんなそれぞれ必要性を感じてやっていることだと思うのですけれども,そういう調査をして実態を明らかにしていく必要があるのではないかと思いまして,改めてその点のお考えをお聞きしたいと思うのです。
福祉部長:経済的負担をどのように感じるかというのは一概に収入だけでは推し量れないと言いますかここの家庭の状況もかなりある部分かと思っております。とうぜん所得の状況等を踏まえてこの制度は発足しているわけでございます。利用料それから保険料という観点で低所得者に対してはそういう段階を追っての制度もございます。それで私どもは今回の利用者がどのように介護保険を利用されているか,それについて実態はどうなのかということで調査をしたわけでございますけれども,いちめん経済的になりますと先ほど申し上げましたような個々の状況もあろうかと思います。そういう部分については個々の状況の中で,またいろいろな問題がある場合には相談させていただくのが一番よろしいかということで現在進めているところでございます。
たらお治子市議:それでは次に,利用者の所得の実態を調べ,低所得者層のサービス利用状況などの実態を調査することについてということです。この間の質問の中でも触れてきているのですけれども,経済的な実態調査をおこなったうえで,特に低所得者層への負担増がどうなっているのかということを調べたり,サービスの利用状況について調査する必要があるのではないかと思います。この点についてお聞きしたいと思います。
福祉部長:介護サービスの利用にあたっては,要介護状態に応じた適切なサービスを受け,要介護状態の軽減,悪化の防止を図ることが重要でございます。このため低所得者に対しましては,負担が過重にならないように特別対策によるホームヘルプサービス利用者の負担軽減や利用料上限額を低額に設定した高額介護サービス費の至急などの対策がとられているところでございます。
さてご質問の低所得者層のサービス利用状況の実態調査でございますが,利用者の収入所得の実態調査をおこなわなくても現在所有している分析ソフトを加工することにより,保険料段階区分での状況把握がある程度可能となっているところでございます。また現在東京都におきましても都内被保険者共通の給付実績分析システムを開発中ですので,こんご保険給付全体の実績把握が可能となってくるものと判断しております。
たらお治子市議:私もこれはちょっと聞いていることなのですけれども,サービスの利用率と言いますか限度額に対するサービスの利用率ということでは,このかん市の方にお聞きしたら49%ぐらいだということでした。でももともと需要が低いだろうと見込んで供給されるサービスの料を少なめに設定してあるという話もお聞きしまして,そうだとしても49%の限度額に対する利用率だということだったのです。個々の家庭の事情によっては,うちの家計ではここまでのお金を利用料として払うのが限度だ,だから限度額いっぱいまでは使えないのだということを言われる方もいるわけです。そういう中で低所得者の方のサービスということについては,利用料の負担が気になるということや,また10月から保険料も満額になるということでそっちの方にお金がかかってしまうと今度はサービスの利用の方を減らすという声さえあるので,サービスの利用についてもまたこれから影響が出てくるのではないかと思っているのです。現在の低所得層のサービスの利用状況,限度額に対する利用率ということについては明らかにさせたほうがいいのではないかと思っているのですけれども,その辺についてはいかがでしょうか。
福祉部長:先ほど申し上げました給付実績の分析システム等を開発している状況の中で,こういうものをある程度把握できる部分があるわけでございます。5月の例を見ますと,それぞれの段階別の被保険者の利用状況とサービス状況を見ますと,一概に低所得者の方の利用が少ないという実態にはなっていないわけでございます。例えば第2段階の方の被保険者の占める割合は29.8%でございますが,サービス利用者の実態からみますと49.8%を占めるという状況も一つあるわけでございます。こういう利用もかなりされているという実態があります。私どもはこういうソフトを開発しながら,また個別的に状況を把握しながら,個別の相談に応じながらという形で考えているところでございます。
たらお治子市議:ではそういった各収入段階,それから要介護度別段階でそれぞれ利用率というのがどれぐらいになるのかということを明らかにしていただいて,特に低所得者層については負担がこれから重くなるということがないように注意していかなくてはいけないと思っていますので,その点についてぜひ今後明らかにして,またこれから減免対策などを行なってほしいと思うのですけれども,その点についてはまたこれからも質問していきたいと思います。
たらお治子市議:次に保育問題についてです。いま東京都の保育は1万2,000人を超える待機児の解消が緊急課題となっている一方で,認可基準が切り下げられたり,それから都独自の認証保育制度の実施ですとか企業の参入などということが促進されようとしているわけですけれども,ベビーホテルの乳児の死亡事故なども起っていまして保育の質をめぐり揺れ動いている状況ではないでしょうか。そういう中で社会福祉構造「改革」を東京都が先駆けて行なっており,まず行なわれたのが公私格差是正事業が廃止されてしまって民間社会福祉施設サービス推進補助事業ということで変わりました。これによって民間保育園への人件費補助金にかなり影響が出ているという話を聞いています。勤続年数の長い保育士が多い保育園ほど補助金が大幅カットになってしまって,勤続年数の長い保育士の給料についてはもうこれ以上上げられないという状況だと聞いているのです。そういったことが影響していきまして労働条件の切り下げ・パート・非常勤化・保育士の削減ということまで問題がいま広がっているという状況です。また公私格差是正に関しての激変緩和措置も今年度かぎりで終わりになってしまうということで,来年度からいよいよ本格実施となってしまいまして,その影響がどのようにこれから出ていくのかということで心配しているところです。
それで質問なのですけれども,民間保育園の東京都のこうした補助金カットによる影響について,民間保育園への影響を市として調べて,そして市としてできる限り支援していくことについてお聞きしたいと思います。
福祉部長:お答え申し上げます。東京都の財政健全化計画の実施にともない東京都補助金の見直しがなされてきており,民間保育所関係の補助金についても保育所運営費補助金の包括化・民間社会福祉サービス推進補助いわゆる公私格差是正事業が,それぞれ経過措置を講じ見直しが行われております。保育所の運営につきましては,児童福祉法の改正にともない措置から選択に仕組みが変わり,見直しされました補助金についてもこれまでの施設的補助から入所児童数に対する補助となり,また民間社会福祉サービス推進費補助についても,各保育所が自主的・柔軟に活用できるものとされております。民間保育所が主体的にみずから運営する方向に変わってきております。いっぽう稲城市はこうした状況の中にあっても継続して民間保育所に対しまして単独補助として民間保育所振興助成を行なってきております。原価の大変厳しい財政状況の中で,東京都補助金の見直しに対する支援等,新たな助成は困難であると考えております。
たらお治子市議:今回の質問では,いま東京都がさまざまな補助金の削減ですとか構造「改革」ということで次々と行なわれてきているという中で,稲城市にある民間の保育園への影響について市としてもアンケート調査などを行なっていったほうがいいのではないかということを要求している質問なのです。実際には東京都と地元の民間保育園とのやり取りだからその影響については市の方では十分には分かり切れないところもあるのではないかと思うのですけれども,影響がどれぐらいあるのかということは個々の園で違いますし,こういう問題はこれからもまた出てくるとは思うので,地元にある保育園の実態を稲城市でもうちょっとよく調べていくということが必要なのではないかと思っています。そういった調査について取り組んでいただきたいと思うのです。そして影響の実態を市の方で認識していただいて,東京都に市からも意見を言ってもらうということが大事だと思いますので,そういう取り組みをしてほしいのですけれども,その点についてはどうでしょうか。
福祉部長:民間保育所の関係では,今回のこういう補助制度ができるにあたってそういう団体と東京都との話し合いをなされて現在にきている状況は一つあろうかと思います。私どもとしましてはこういう補助制度につきまして,できたもとという観点から見ますと,先ほど答弁の中で申し上げました措置から契約と言いますか選択ということで福祉全体のあり方も変わってきている状況の中で,それぞれの法人の会計基準の見直しの中でかなり弾力化されてきている部分があるわけでございます。それは当然こういう民間保育所,社会福祉法人としての運営とか法人としての運営の中で努力すべき点,またはよりよい質の提供という点で今後そういう努力がいっそう求められる時代になってきております。そういう中で多くの利用の方に評価していただくという制度になってきているわけでございますが,そういう時代になったときにはそれなりの努力をしていただくことも当然必要だと思います。それで私どもとしてこういう補助のあり方を調査すべきではないかということはあるわけですけれども,毎年度市からも補助を出しておりますので,そういう中で私どもに決算の状況をいただいたりまた意見交換の中でいただいている状況もあるわけでございます。そういう中で,先ほども申し上げましたお互いの連絡協調という点を取っておりますので,改めてそういう調査をするということは考えていないわけでございます。
たらお治子市議:こういう補助金の削減により,こんご民間の保育園の運営の中でどのような影響が出てくるのかということでは,労働条件の切り下げですとかパートの非常勤化ですとか,そういうことにつながっていくことが結果的には子どもたちの保育に影響が出てくると思いますので,とても気になっているところであります。民間の保育園であっても公立の保育園であっても,稲城の子どもたちを預かっているということには変わりないので,何か影響が出てしまってからでは遅いと思います。民間の保育園へのそういった影響についてもきちんと把握していくこと,アンケートがダメだったら意見を聞いて実態を把握していくこと,どのような影響が出ているのかということを常に市の方で把握していくことが大事なのではないかと思っています。これからますます規制「緩和」とか構造「改革」とかが進められようとしているので,そういったことをぜひ調べていってほしいと思います。できることなら東京都にも意見を言ってほしいという思いがしておりますが,要望とさせていただきます。
たらお治子市議:次に,3番目の質問に移ります。参議院の国土交通委員会における土地収用法「改正」審議の参考人としての市長の発言についてということです。参議院の国土交通委員会において土地収用法「改正」の審議が行われた6月28日,市長は与党側の参考人として出席されていまして,三多摩地域廃棄物広域処分組合の副管理者として,土地収用法の「改正」に賛成するという立場で発言をしています。市長が個人としてどのような信条をもたれていても,それは個人の自由に属することなので,私たちがとやかく言うのはおかしいわけです。しかしながら,参議院の国土交通委員会において,市長は処分組合の管理者,また稲城市長という立場から発言したので,行政の長という立場にあるわけですから,その発言の中に見過ごすことができない内容がいろいろ含まれていましたので,その点について,市長の政治姿勢,稲城市の今後の区画整理事業ですとか,公共事業にもいろいろかかわってくることだと思いますので,質問していきたいと思います。
(1)として,「処分場問題に対する反対派の対応は反対のみに終始し,具体性や現実性のある対案を見出すことはできませんでした」と委員会の中で発言しているのですけれども,本当にそのようにとらえておられるのかということです。処分場建設反対の運動をしていた人たちというのは,決して反対だけに終始していたのではない。具体案も出していたし,そもそも反対したくて反対したのではないということは,参考人としてもう1人のかたが発言していました。反対したくて反対するなどというのは,労力ばかり使ってしまうことですし,大変なことなのです。そういうことではなくて,日の出の第一処分場での汚水漏れ疑惑が発覚して,第一処分場と同じ構造の第二処分場ができることになって,それで環境破壊が起きることが心配されたので運動が始まったということなわけです。ですから,市長が言われている「反対派の対応は反対のみに終始し,具体性や現実性のある対案を見出すことはできませんでした」と発言しているのですが,市長の住民運動観について,本当にそういうふうにとらえているのかということをお聞きしたいと思います。
石川良一市長:最初に,土地収用法改正審議における参考人としての発言につきましては,東京都三多摩地域広域処分組合を代表して発言したということをまずお断りしておきたいと思います。きょうは一般質問ということでございますけれども,市長としての答弁ということで,その範囲で答弁をさせていただきたいと思います。
ご質問の1項目目でございますけれども,「建設に反対している方々の大半は,何が問題なのか,反対のみに終始し,対案を見出すことはできませんでした」と発言したわけでございますが,具体的には,例えば学校や公園などの地下に一時的にごみを保管すればよいなどという提案もございました。こういった内容が現実的かつ具体性のある主張をしているとはとても理解できないわけでありまして,反対のための反対と言わざるを得ないと考えております。また,事業の計画,実施に当たりましては,豊かな住民生活に必要なものでありまして,すべての方々のご理解を得て事業が実施できるよう努力することは当然のことと思っております。ただ,事業実施に対しての賛成反対は自由であると思いますが,法の戸続きに沿って進めるということに対して,実力をもって阻止するということはいかがなものかと思っておりますし,何をやっても許されるものではないと考えております。いずれにしましても370万市民から毎日2,900トンのごみ,焼却残渣で換算しましても300トンが排出されているわけでありまして,こういう現実的な対応をどうしていくのかに対する回答は当然求められるべきものであろうと今でも思っております。
たらお治子市議:今お答えいただいて,こちらの側には科学者や弁護士なども多数ついていまして,かなり具体的な提案とかも実際にはされてきたのではないかと私も見ているところなのです。それはさておきまして,委員会での参考人への質疑の中で,議員の委員の人たちからは,意見を聞く場の必要性がどうだったのかとか,情報公開については積極的に開示されたのだろうかといった質問が出されていました。それに対して市長の方では,必要なデータは今まで開示してきているし,裁判でも一審で,あるはずだと言われたデータは存在しないということがわかったといったことを答えているのです。またその中で,それだけではなくて,住民運動をどういうふうにとらえているのかということで,気になる発言がありました。それが市長の住民運動への見方なのかということで気になりましたので,その辺について質問したいと思うのです。
市長が言われているのは,「日本の市民運動の一つの特徴かもしれませんけれども,かつて文化大革命というものがありましたけれども,あのときに造反有理という言葉がありました。何かに造反すること自体が有理なのだと,こういう思い違いといいますか,そういうことがどうもあるのではないか。まず何か問題なのか,きちんとした指摘があった上での問題指摘があればいいのですけれども,何しろ,何か反対することが意味があるというような,どうもそういう傾向があるので,結果として制度で保障されている議会等で決定されても,最終的に合意しない。こういうことは日本の住民運動や民主主義が成長していくうえで,非常に私はネックになるのではないか,そんなふうに感じている」と発言されていました。こういう住民運動のとらえ方というか,市民運動全体をそのようにとらえているのだろうかということで,この点についてはとても疑問に感じるのですけれども,その辺についてどうなのでしょうか。今までずっと,市民運動をすべてこのようなものだととらえられてきたのだろうかということで,ちょっとお聞きしたいのです。
市長:今指摘がありましたように,結論から申し上げますと,日本の住民運動,市民運動が,結局最終的には国民,市民からの支持を失ってしまう大きな要因ではないかと,私自身は考えております。そこでも指摘しましたように,中国の文化大革命で紅衛兵が造反有理ということで,いわば体制に反対することそれ自体に意味があるという運動が,実は中国内の権力闘争の一環として行なわれていたわけでありますけれども,我が国は,少なくとも戦後しっかりとした民主主義制度のもとにおいて民主主義が保障されていて,専制国家ではないわけであります。その中で決定されたことに対する対応,これはもう,どのような意見を持つ,あるいはどのような運動をすることも自由なわけですけれども,今回の広域処分組合の問題について指摘すれば,日々出されているごみに対して具体的にどう対応していくのかというしっかりした対案が当然出されていくべきだろうと思っております。ところが,実際に出されてきたのは,公園の中に保管所をつくって一時的に保管する,あるいは学校の校庭等に保管するというような,これが現実的であると考える方もおいでになるかもしれませんけれども,私は少なくとも現実的な対案とは考えませんし,また広域処分組合の中でも,その提案が現実的な提案であると考える理事は一人もおりませんでした。少なくとも,具体的な日々のごみの対応についての対案というものを示しながら対話をし,協議をしていくということが,当然必要とされるべき大きな課題であったのだろうと私は思っております。そういう意味で,非常に残念であったという意味で発言させていただいております。
たらお治子市議:稲城にもいろいろな住民運動がありますので,そういった運動に対してもこういう住民運動観で見ていられるとしたら,それはちょっと間違っているのではないかと思いまして,市長の住民運動観についてお聞きしたいと思いまして,今回質問したのです。
日の出の問題について言えば,先ほども具体的な提案がなされていないということで言われているのですけれども,そこに入る前に,組合側と反対運動をしている人たちとの話し合いというのが十分にできなかったのではないか,その合意形成がすごく難しくなってしまってできなくなったところに,問題が深刻化してしまった原因があるのではないかと見ています。それで,反対運動をしていても,その具体的な内容としましては,実際に地下水の汚染が1万9,000マイクロジーメンスですか,通常の地下水だったら200マイクロジーメンスで,生下水でも1,000と言われている中で,そういう値が出てきてしまったことに対して疑問の声が上がった。それに対して,では何とかしようということで,十分な議論や合意形成ができていたのだったらいいのだけれども,住民がそういう具体的なことをいっても,その内容を問うわけではなくて,結局話し合いができなくて,どんどんエスカレートして,あの運動は反対のための反対だったのだとしか見られなくなってしまっている。こういう運動の結末というか,こんなことでは,これこそ本当に民主主義の発展を妨げてしまうのではないかと思ってしまうのです。
これから住民運動をどうやって見ていくかということです。稲城にもいろいろな住民運動がありますので,その辺の心の持ち方というか,政治姿勢というものがすごく市長にも問われることなのではないかと思っています。稲城でもいろいろな運動が行われていますけれども,市長はそういった運動に対してどういう見方をしているのか。先ほどいったように,市民運動の一つの特徴だということで決めつけるのではなくて,どういうふうに市民運動自体を見ているのかということをお聞きしたいのです。
市長:戦後さまざまな市民運動,住民運動等があったわけですけれども,残念ながら,いわば反対することに意味があるというような風潮があることは事実だろうと思っております。こういうものを克服しながら,真に住民の利益を生かしていく,あるいは行政等の判断の過ち等が仮にあったとするならば,それをただしていく住民運動というのは,当然これは必要なことであり,それはきちんと保障されなければならないことだろうと思っておりますけれども,少なくとも反対することを目的とするというような風潮というものを克服することが,これからの21世紀に向けての日本の民主主義,あるいは住民運動の発展につながっていくのではないかと私は思っております。
たらお治子市議:それでは,2番目の質問に移ります。「住民にとって真に必要な公共事業の進捗が阻害されるようなことが決してあってはならない」と市長は述べているのですけれども,日の出ごみ処分場など,個々の公共事業の必要性について,どのような判断基準を持っているのかということです。「住民にとって真に必要な公共事業の進捗」と一言で言うけれども,住民にとって真に必要かというのは,住民合意がきちんとつくられてこなくては,それが本当の意味で住民にとって必要な公共事業かということでは,疑問も出てくるのではないかと思うのです。それで,環境問題だとか,今いろいろありますから,そういう中で,ではこの公共事業は問題が問題があるのではないかということで反対運動などが出てきて,それが「進捗が阻害されるようなこと」という意味になっていくのだと思うのですけれども,公共事業の必要性ということについては,住民合意というものが本当は必要なことなのではないかと私は思うのですが,市長の考え方,個々の公共事業の必要性について,どのような判断基準を持っておられるのかということをお聞きしたいと思います。
市長:多摩地域370万市民の健康的な生活を維持していくためには,ごみの最終処分場はきわめて公共性の高い不可欠な施設であると考えております。処分場の建設に反対している方々は,処分場がなくなればごみはなくなるなど,処分場の必要性を否定するとともに,都市化の進んでいる各自治体での現実的には不可能な自区内処理を主張しております。このような中,処分組合構成自治体では,ごみゼロを共通目標に,最終処分場を必要としないごみ処理の技術開発やリサイクルについても努力いたしており,本事業は公共公益性の高い事業であると考えております。
たらお治子市議:住民にとって真に必要な公共事業ということで言いましても,住民との話し合いが必要なのではないか。環境問題だとかいろいろ問題があれば,それは行政側が必要だからつくるのだといってつくってしまえば,後々問題が出てくることだと思います。何と言っても,住民と行政との話し合いで決めていくことが,本当の意味で必要な公共事業ということになっていくのではないかと思うのですが,その点についてお聞きしたいと思います。
市長:組合では,二ツ塚の関連につきまして,平成7年度以降幾多の話し合いを進めてきたわけですけれども,住民の反対闘争が実力阻止というような流れになった時点で,やむを得ず話し合いは打ち切らざるを得ないという判断をしてきたわけであります。また,訴訟につきましても,数知れず訴訟をおこなっておりまして,訴訟というのは,いわば話し合いがつかないがゆえに裁判所において決着をするということにもなっているわけでありまして,そういう観点からも,共通のテーブルでの話し合いというものがなかなか難しくなってきたという経緯であるわけでありまして,組合自体が話し合いを拒否したという経過ではないと思っております。
たらお治子市議:住民の運動が実力阻止という形になってきて,話し合いがつかなくなってきた,組合の側から話し合いを拒否したわけではないという意味のことを言われているのだと思います。でも実際には,こういう環境の問題というのは,よく考えていけば,めぐりめぐって人の命にかかわってくるものであるだけに,住民運動の側も必死の思いで訴えてきたわけであるし,行政の側は,それだけ権力のある側といいますか,住民のいろいろな運動があっても,要求があっても,それに付き合っていく,謙虚に話を聞いていくという姿勢が必要だったと思います。その運動体の方から話を聞くと,運動側の方では,話を阻止したのは組合の側ではないかという意見を持っているわけです。それで,本当に最後まで粘り強い話し合いということが大事なことだと思うのです。
全国的に見て,今,公共事業というのはいろいろ見直しがされてきています。そういう公共事業一つ一つは,行政が住民にとって真に必要な公共事業なのだと言ってやってきた事業なわけですけれども,それが現在では必要なくなりましたということで見直しされてきているものもあります。そういうことが各地で生まれてきているのです。そうなった理由は,事業の必要性に疑問をもって反対する住民の運動があったから,行政を動かしてきたということになるわけです。ですから,住民運動を「反対のための反対」だとかということで無視したり軽視したりしてそのまま行政側が進めてきてしまっていたら,今ある公共事業の見直しですとか,環境問題などを考えていったうえでの公共事業のあり方などという考えも起きてこなかったのではないかと思います。行政は住民側の発するメッセージを真摯に受けとめていって,住民とともに公共事業のあり方をしっかりと考えていく姿勢が求められていると思うのですけれども,その点について市長の考え方をお聞きします。
市長:ごみの発生抑制ということが第一のポイントになるわけであります。現に発生したごみをどうするのかということについては,当市がかかわっております多摩川衛生組合等でも,最終処分場の負荷を少しでも減らしていこうということで,灰溶融等の事業を導入し,最終処分場への持ち込みを最小限のものにするという努力もしてきているわけであります。また,エコセメントという新しい技術導入に向けて現在広域処分組合でも取り組みを行なっておりまして,ごみにかかわるさまざまな課題について,組合も,そしてそれにかかわる議会のみなさんも,また住民のみなさんも真剣に取り組んでいただいていると考えております。ただ,そのことがこういった運動の成果であるというのは,やや違うのではないかと思っております。
たらお治子市議:住民運動というのは,確かにそのときは行政側と対立する部分があるかもしれないけれども,それを克服していくというか,話し合いによって少しでもあらゆることにおいていい方向に進めていくというのが大事なことなのではないかと思います。今まであった日の出の運動なども,私は本当に残念な結果になったと思うけれども,あれも環境問題を考えるすごくいい結果となったとも見ています。住民運動の大切さというものをぜひわかっていただきたいと思っております。
3番目に,日の出町のごみ処分場の問題について,「汚水漏れがあったという事実もありません」と市長ははっきり述べられているのです。この点について,先ほども1万9,000マイクロジーメンスもあったという話をしたのですけれども,これは「ありません」と断言していいのだろうかというその点についてお聞きしたいと思います。
市長:谷戸沢処分場では,処分場内の地下水集水菅の浸水の影響をうかがわせる分析結果はございましたが,専門家の判断により,迅速的確に処置を施した結果,周辺環境に影響を及ぼしていないことがわかっております。その後,処分組合では,モニタリングのための井戸を100本以上整備するなど,調査を拡充し,数多くの水質調査結果から,周辺の水質には問題なく,周辺の地下水環境に影響を及ぼしているようなことは見られないという調査結果が出ております。
たらお治子市議:参考人の発言の中では「汚水漏れがあったという事実もありません」とはっきり言い切っていて,これに対しては,組合の方ですらも汚水漏れはないとは今ははっきり言い切っていない。あっても周りに影響を及ぼすものではないという言い方に変わってきていると見ているので,私も「ありません」と言い切れるものではないと思います。確かに,ひどいときで1万9,000とか,1万マイクロジーメン水上と。今でも3,000マイクロジーメンスくらいあって,生下水で1,000マイクロジーメンスということですから,今でも汚水漏れの可能性があるのではないかということで,疑いは晴れないわけですけれども,市長が「事実もありません」と言い切ったのが非常に気になったので,これについて質問しました。
そこで,(4)に入りたいのですけれども,「都市部での公共事業は全般的に遅れており,これはそこに住む住民の価値観あるいは利害とも錯綜していて」…。
議長:質問途中ですけれども,時間になりましたので,これで打ち切らせていただきます。
たらお治子市議:わかりました。では,途中で残念なのですけれども,これで終わりにします。