今回の条例の一部改正は,公職選挙法及び公職選挙法施行例に基づき,選挙運動用自動車の使用,選挙運動用ポスター等の作成の公営に要する経費に係る限度額が引き上げられたことにともない,一つとして,選挙運動用自動車の一般運送契約,つまり借り上げ料を1日当たり6万0200円から6万4500円に,運転手報酬は1万1700円を1万2500円に,ふたつとして,選挙運動用ポスターについて1枚当たり501円99銭を510円48銭に引き上げようとするものであります。委員会の審議を通じて明らかになったことで,選挙運動用自動車の借り上げ料で1日当たり4300円,運転手報酬800円,ポスター作成で1枚当たり8円49銭,この引き上げがなくても支障がないとは言えないという答弁がありました。つまり,どうしても引き上げが避けられないということではありませんでした。
また,こんにち市民が置かれている生活実態や感情から判断しても,一方ではリストラや失業,賃金引き下げや社会保障の切り捨ての不安が募る日々の中で,議員選挙や市長選挙の公費負担の引き上げは,市民の理解を得られるものではありません。しかも今回の引き上げに必要となる金額は218万円ですが,これは第二次行革で削減された障害者手帳取得前の診断料助成の約4年分にも相当します。さらに,公費負担の総額は平成11年のときが1615万円,そして今回2000万円程度と報告されました。仮に25人の候補全員が活用したとすれば,1人当たり約80万円の公費負担になるということになります。これはたいへん大きな金額だとも思います。市民の議会参加を援助するという条例の趣旨を否定するものではありませんが,より多くの市民の参加ということであれば,定数枠を広げるなどの改善こそが本来のあり方ではないでしょうか。市民生活の実態や感情からしても,今回の公費負担引き上げは見送るべきだと考え,反対の討論とします。
今回の市税条例の一部改正は国の地方税法改正に基づくもので,稲城市の意思と責任においてではなく,法制度的に避けられない面もあります。中央政府による制約と結びついたものがあります。また今回の税制改正は,上場株式等の譲渡取得に対して源泉分離課税と申告分離課税の選択方式から申告分離課税に一本化することで,自治体にとっては源泉分離課税が住民税非課税となっていることから税収増が見込まれるという評価すべき点もあります。
しかし一方で,上場株式等に係る申告分離課税の税率の引き下げとして現行26%を20%に,さらに1年を加える長期保有上場株式等に係る特例措置として,申告分離課税の税率を2003年から2005年に限って暫定税率として10%にする。こうした問題など,実際には証券業界と一部のお金持ちのための減税となっているといった重大な問題を含んでいます。さらに上場株式に係る譲渡損失の繰越控除制度,損失が生じた年の翌年以降3年間を新たに創設したり,100万円未満の特別控除の期間を2003年3月31日から2005年12月31日まで2年間延長する。これは,げんざい個人の株式保有総額が全国平均で589万1000円となっていますが,そのうちの500万円以下が69.8%,約7割を占めていることからすれば,この措置によりほとんどの個人株主は非課税という状況になります。実際,委員会の審議を通じて明らかになった点でも,申告分離課税で市税の対象となった個人株主は平成13年度が32人,税額で553万2400円でした。平成14年度では22人,税額で714万3480円となっています。個人市民税を納めている多くの人,平成13年度では3万1701人ですが,こうした方から見れば,0.1%にも満たない数字になります。つまり,稲城市でも個人株主のほとんどは非課税になっていることを示しています。この特例措置をさらに延長するということであります。
もともとこうした改正は,株式投資に個人資産を流入させるという狙いから行われていることです。中には特定口座を有する者に係る住民税の申告不要の特例などの措置は,個人投資家にとって便利なものとして評価できる面もありますが,株式投資のためなら何でもありという政策の全体の流れ,これは重大な問題ではないでしょうか。そしてより重要なことは,申告分離課税の税率を26%から20%に引き下げ,さらに長期保有上場株式等に係る特例措置としての暫定税率を10%にする優遇措置。現在,株式・投資信託・公社債・外国証券のいずれかを所有している世帯は全国で25.6%と言われています。株式の大方は証券業界や一部の大金持ちの方が持っているということになります。そこへの大幅減税と言わざるを得ません。また市財政と市民への想定される影響についてはほとんどわからないということであります。
いま上場株式の譲渡取得に対する税率の引き下げや大規模な土地の譲渡益に対する減税を図る一方で,国民には消費税のさらなる増税や医療制度の連続改悪が押し付けられようとしています。それだけに国の地方税制改正に基づく市税条例の一部改正とはいえ,大きな問題を含んだ税制であることは明らかであります。したがって反対いたします。
新しい学校をつくっていくに当たっては,施設も大事なのですけれども,子どもたちにとって大事な時期でありますので,ぜひ少人数学級にも取り組んでほしいという思いがあったのです。とは言いましても,今回の平尾旧第五小学校の大規模改修にあたりましては,これから平尾の地域性を持たせた学校にぜひしていってほしいと思います。
大規模改修なので骨組みは変えられない,できる範囲のことでしかつくりかえられないということでしたけれども,統合準備会でまとめられた意見や地域から出されたたくさんの要望は大規模改修に十分生かしていってほしいと思っています。準備会の中でも「化学物質を含まない材料を使用してほしい」「設備には気を使ってほしい」と言った要望も出ていました。それに対しては「できるだけ使用したい」との市の回答でしたけれども,ぜひ体に優しい材料を使った建物をつくっていくことを進めていってほしいと思います。それから,地域に開かれた学校をつくっていってほしいという要望も強いのですが,日常的に地域の大人が学校に出入りできて一緒に地域の教育をつくっていけるようなコミュニティールームをつくって地域に開放できるようにするなど,ぜひこれから取り組んでいってほしいと思います。準備会でまとめられた意見をぜひ大規模改修に反映させていってほしいということを一言言わせてもらいまして,賛成討論とさせていただきます。
第4号陳情 有事立法反対の意見書提出を求める陳情,第6号陳情 有事法制3法案の立法化を行わないように政府に求める陳情 有事法制関連法案に反対する意見書の提出を求める陳情につきまして,日本共産党稲城市議団を代表して賛成の立場で討論を行ないます。
この3つの陳情は,げんざい国会で審議が行われている有事3法案について,危険な狙いやゆるがせにできない問題があることから,反対の意見書を稲城市議会として提出していくことを求めています。第4号陳情は,アメリカが引き起こす戦争に国民を総動員する,第6号陳情は,アメリカの戦争に日本が参戦し海外での武力行使に踏み切ろうとする,第7号陳情はアメリカの国際戦略に協力するための体制づくりと指摘しています。このことは有事法制そのものが日本国民の生命や財産を守るというより,アメリカのはじめる戦争に日本の自衛隊と国民を動員することに最大の狙いがあり,その危険性があることを指摘しているものではないでしょうか。また,3つの陳情は,(有事法制が)自由と人権を縛ろうとしており,戦争の放棄を宣言し基本的人権・地方自治を明記した平和憲法に抵触する重大な問題,地方自治体が有事法制の下では自主性を無視され軍事優先の責任を課せられ,政府や自衛隊の指示に従わされるなど,国民の基本的人権・地方自治などを侵す重大な内容を持つ法案であることを明らかにしています。
私は,有事3法案と地方自治体との関係について,この本会議上で市長の基本認識をお尋ねいたしました。いま有事3法案に対して自治体の首長や議会で反対の声が増えてきています。国の仕組みや進路,地方自治体のあり方にかかわる重大な問題なだけに,少なくとも慎重審議を求める声が急速に広がっているというのが実態です。ところが石川市長は,有事法制は賛成だというきわめて残念な態度を表明しました。しかし国民世論は,法案が提起された2月の段階と今日では,有事法制に賛成と反対が逆転するという状況であります。それは有事3法案が国民にとってまさにゆるがせにできない内容を持っていることが次第に明らかになってきたことの反映だと言っていいのではないでしょうか。それだけに稲城市議会がこの3つの陳情にどういう態度をとるのかも鋭く問われているところだと思います。そこで私は,この3つの陳情審議を通じてどんなことが具体的に明らかになったのか,また何が問われたのか,このことについていくつか絞って述べておきたいと思います。
そのひとつは行政の答弁であります。日本は法治国家だから有事法案が法律として制定されれば協力していくということでした。しかし法治国家というなら,現行の憲法こそまず何よりも遵守することが前提となるのではないでしょうか。憲法第9条は「国権の発動たる戦争と,武力による威嚇又は武力の行使は,国際紛争を解決する手段としては,永久にこれを放棄する」と明記しています。だからこそ国の最高法規に対して第99条は,「天皇又は摂政及び国務大臣,国会議員,裁判官その他の公務員は,この憲法を尊重し擁護する義務を負う」とされているのであります。有事法制はあくまでこの憲法とかかわりのない特別な法律だというのであれば,法治国家を語る資格はまずないということになるではありませんか。地方自治体の職員として,憲法や地方自治法を守ることを宣誓している行政のすべてのみなさんにも問われている問題ではないでしょうか。
ふたつめは委員会の審議の過程で議論になったいくつかの問題について述べたいと思います。委員会では,以前の周辺事態法と違って,自治体の拒否権を認めない有事立法で,たいへん重要な法案であるという議論もありました。私もその通りだと思います。現行自衛隊法の下では,自衛隊の防衛・治安・防災の出動行動に際しては関係地方自治体の機関は相互に緊密に連絡し及び協力するものと第86条に書かれています。周辺事態法においても地方自治体に協力を求める,第9条でこの関係にとどめられています。ところが有事法案は,このような関係を超えた強力な上下関係を地方自治体に強いるものであります。地方自治体の本来的な役割を否定するものとなっています。そこでもし有事立法は自治体の拒否権を認めないということをしっかり自覚し認識しているとするなら,疑問が浮かびます。なぜ陳情に「継続」を主張したのでしょうか。理解に苦しむところであります。また基地の島沖縄というところでそこのある種の首長にも挑戦してみようという”勇気”のある人(伊藤ちか子市議)であるなら,陳情に賛成してもおかしくないと思います。
さて次の問題は,有事法制はわが国に対する武力攻撃が発生した場合に必要ということについてであります。こういう議論がありました。これはまさに国会審議における政府や閣僚のこれまでの答弁でも,現在わが国に武力攻撃,いわゆる戦争を仕掛けてくる意図を持った,あるいは能力を持った国はないということが答弁されていますが,このことからしてもこの議論は「日本有事」ということを意図的に描き出す,そういう議論ではないでしょうか。むしろ現実の問題としていわれているのはアメリカが軍事介入をしたとき自衛隊が米軍を支援できる法律としてつくられた周辺事態法,これに基づいてすでに公海上や他国領域に展開している自衛隊への攻撃もわが国への攻撃とみなすことを国会論戦で政府は認めています。ここにこそ有事法制の政府の狙いがあるのではないでしょうか。それは海外での自衛隊の武力行使に道を開く危険であります。しかも武力攻撃事態の「おそれ」や「予測」,この段階でも政府の判断・首相の判断ひとつで有事法制が発動できるという仕組みになっている,文字通り危険な狙いがあると思います。
次に,有事法制は人権と平和を守るものであり非常事態に至らないための抑止力といった議論もありました。しかし,攻めてくる外敵はいないといっているのに,誰からどうして平和を守るのか。アメリカの戦争政策に国民と自衛隊・自治体に協力義務を負わせ,協力を断れば罰則を与え,犯罪として刑罰を科すとうたった有事法制が,どうして国民の人権を守るということになるのでしょうか。憲法は第9条で戦争を禁止しているだけでなく,何人も犯罪で処罰を受ける以外は苦役に服させられない,また財産権を侵されない,あるいは自由を奪われないとして,憲法が保障する基本的人権は侵すことのできない永久の権利と第11条で定めています。このこととまさに相いれない議論ではないでしょうか。そして平時においてこそ進めるべきというのは,「備えあれば憂いなし」論にほかなりません。この点では,日本は戦後から今日まで57年間,あの侵略戦争の痛苦の教訓に立って世界に戦争放棄を宣言した平和憲法を守ってきました。そのことが今日まで,どこの国からも日本への武力攻撃を許さない,また日本から戦争を仕掛ける必要のない,そういう状態をつくりだしてきました。こうした不断の努力こそが国際社会における日本の平和への貢献の道になっているといえるのではないでしょうか。「戦争をしない国」から「戦争をする国」への有事法制化は,日本やアジアのみならず,世界の平和への挑戦であり,「備えあれば憂いあり」の道と言わざるをえません。
さて次は,平和外交を進めることと自国を守る体制を整備することとは相反するものではないとか,両輪のように進めなければならないとの議論もありました。これは「武力による威嚇又は武力の行使は,国際紛争を解決する手段としては,永久にこれを放棄する」とした憲法第9条を真っ向から否定するものであり,平和外交に徹することと有事体制をつくることとは,現行憲法の下では両輪にもなりえないということではないでしょうか。さらに有事法制に反対することが即平和主義,平和を守ることとは考えていませんとか,自衛隊についても法的に定められていないことがあるなら,法治国家として不適切であり,フリーハンドにしておくことの方がはるかに危険であるといった議論もありました。
愛知県阿久比町の石川町長が,「有事3法案について,わが国の進路にかかわる重大な問題」としたうえで,次のように述べている部分があります。「憲法に違反し,すべての国民に戦争への協力を求め,一人ひとりの自由と人権を脅かし,近隣諸国との不信を強め,無用な戦争準備を強めるもの,また戦争協力を地方自治体の責務と明記し,知事や市町村長が戦争協力を拒否すれば首相が代行することをうたっており,地方自治体にとって重大な問題」と指摘したうえでさらに,「日本国憲法の全文及び第9条は日本が世界に誇る条項であり,国の内外で2000万人とも3000万人ともいわれる犠牲者を出した戦争の教訓の中から日本人が決意した憲法第9条であると考え,これまで生きてきました。この気持ちから,有事3法案の法制化には同意できず,国民の一人としてあくまで非核平和の立場を貫きたい」,これは6月18日の町議会本会議での町長の答弁であります。こういう記事を見ました。今まさにこの立場が非常に大事ではないかと思います。それは,有事法制に賛成か反対かで即平和主義かそうではないかを区別するということではなくて,みずから決めてきた平和憲法をしっかり守るというこの立場こそが問われている,そういう問題であろうと思います。
自衛隊についていえば,現行の自衛隊法でさえ国際法の順守を義務づけ,海外での武力行使を禁止しているのに,有事法案ではその歯止めを取り払っているではありませんか。自衛隊によりフリーハンドを与えようというのが有事法制であります。そしてこれは海外での武力の行使だけではありません。武力攻撃事態法では,自衛隊及び米軍に対する物品,施設又は役務の提供指定など,対諸措置として実施することとしています。さらにこの仕事を担当する職員には自衛隊の方面隊や師団の幹部が充てられ,そして指導的な役割を果たすということになっています。つまり,現行の自衛隊法の下では協力する,周辺事態法においても協力を求める,この関係にとどまっていたものが,地方自治体の組織や施策に関与し,あるいは影響を与える,これを直接握るということになります。この面でもますます自衛隊がフリーハンドの状況になるのが有事法制だと言わざるをえません。こうした様々な問題を含んだ有事3法案に対して市民が大きな心配を抱くのは当然であります。
私は最後に,稲城市における米軍野戦病院設置反対の運動についても議論がありましたので一言だけ述べておきます。これはあわせて自衛隊ホークミサイル基地建設反対の運動などを含めて,稲城における平和の運動としても大きな役割を果たしました。そして憲法第9条を守ることの実践的な意義を示したものとして,また今日の稲城の発展にも結びついた重要な教訓を私たちに与えていると確信しております。
私は今回の3つの陳情について,主に憲法の立場から,率直に述べさせていただきましたが,稲城市議会としてぜひ悔いのない意見書が提出できるよう,すべてのみなさんの勇気ある賛成を心から訴えて討論といたします。
この陳情は,全日本建設交通運輸一般労働組合東京トラック部会から提出されたものであり,日夜わが国のトラック輸送に直接携わり,全産業の流通部門を担っておられる方々からの陳情であります。陳情理由の冒頭に「国民生活と日本経済の動脈であるトラック輸送は,長期不況と規制緩和による過当競争のもとで,重大な危機に直面している」と鋭く告発をしています。どのような事態が進行しているのか。それを見れば第1に,大手荷主による「運賃買いたたき」が行われているとして,第2にその結果,賃金の定価と労働条件の著しい悪化,そして看過できないこととして過積載あるいは過労運転などの違法行為が急増し,住民を巻き込んだ形で重大事故が多発していると検証を鳴らしています。
最近の新聞報道によりましても過積載による荷崩れや車両運転事故,過労運転による死亡事故,また低賃金や過度な経費削減からの車両の整備不良,そのことによるタイヤのスリップや脱輪事故などによる痛ましい事故あるいは事件の発生など,一刻の猶予もできない状況が進んでいます。このことは政府も重く受け止め,増え続ける事業用トラックにかかわる死亡事故及び過積載の違反件数の増加という事態に対し一昨年,運輸省自動車交通局長名で荷主関係団体にあて,以下の通達を出しています。「トラック輸送事業は,一般道路を大型車両で走行するため,一たん事故が発生すると,多数の死傷者を伴う重大事故に結びつきやすく,事故が道路交通等を長時間にわたって遮断するなど,社会的影響も大きいことから,安全に対する配慮がより重要となっている」と指摘したうえで,この事故誘発の背景に売り上げを量で確保しようとする安易な過積載等違があることを挙げています。しかしながら通達は,「貨物の輸送依頼に当たっての過積載等違法な行為を惹起することとならないよう配慮し,指導をお願いする」という荷主に対する協力依頼にとどまっていることは問題であります。現に通達が出された以降も事故は繰り返されています。
事態の推移に業を煮やし東京都は昨年秋,労働局長名で荷主関係団体あてに通達を出しました。ここでの指摘は一歩踏み込んだものとなっています。道路貨物輸送事業の交通労働災害による死亡事故の半数以上は深夜時間帯に発生しており,その背景に到達時刻の指定や荷受け・荷おろしの混雑回避のための深夜走行・連続運転や車内仮眠・交通渋滞などの道路事情が自動車運転者の蓄積疲労や睡眠不足につながり事故を誘発していることを指摘しています。そしてなぜこの事態が改善されずこうした労働状態が放置されているかという問題に対しても,荷主の発注条件が道路貨物輸送事業の労働環境に大きな影響を与えていると断言しているところは重要であります。その上に立って,都の通達は荷主の発注に際して以下の協力要請をしています。ひとつとして,発注条件をあらかじめ明確にするとともに急な条件変更を行わないこと。ふたつ目に,輸送契約において適正な運賃設定を行うこと。みっつ目に,適正な運行時間を考慮した発送時刻の設定を行うこと。最後よっつめに,荷受け・荷おろしの輸送業者の手持ち時間を少なくするよう配慮すること。以上4つの指摘の中でも,とくに適正な運賃設定をするよう求めていることはたいへん重要な指摘だと考えます。
陳情は次のように求めています。政府に対し,過積載・スピード超過・過労運転などにつながる不正常な契約・取引関係を排除し,関係当局とも連携し,運賃取引の実態を調査・把握し,荷主の運賃引き下げ強要によって売り上げを量で確保する等の違法行為について,荷主に対し適正な指導を求めております。同時に,トラック輸送における産業別最低賃金制度の確立にむけ努力してほしい旨述べております。これは平成元年に施行された貨物自動車運送事業法ならびに貨物運送取引事業法の成立にあたって,参議院運輸委員会での審議を通事政府に求めた19項目の附帯決議のうち,貨物自動車運輸事業に従事する労働者の労働時間短縮を促進するとともに,累進歩合制の廃止等,賃金制度の改善指導,産業別最低賃金制度の確立に努めることとしたことによります。すでにトラック最低賃金制度は高知県をはじめ四国4県で実施ないしは今年度検討に入っているとも聞いております。以上の内容から,陳情にもあるようにトラック業者と荷主との公正な取引関係の確立と適正運賃の収受が安全確保にも欠かせない条件となっていることは明らかであります。運輸省通達を実効あるものとするためにも,本陳情を採択し,関係各所に意見書をあげることが求められると考えます。
また陳情の2項目目,ディーゼル車の排ガス規制については環境への影響排除の観点から,東京都でも条例化されたように一刻も早く国レベルでの取り組みが求められているものであります。陳情は政府とメーカーの責任で低公害車の開発,軽油の良質化を図ると同時に,中小トラック業者への適正な援助を求めており,当然の意見だと考えます。
建設環境委員会での審議は,陳情内容のすべての項目について否定するような議論はありませんでした。また,何らかの排除するような妥当な意見も述べられませんでした。稲城市内にも多くの関係業者が存在しております。行政答弁によりますと,稲城商工会加入の業者だけでも26社あり,赤帽など個人零細業者も含めると相当数あると思われます。また,日々市民が交通災害と隣り合わせの中で生活していることを考えれば,政府に対し所定の措置を求めていくことは一刻の猶予もできないことだと考えます。したがって,本陳情を全会一致で採択されることを求め,賛成討論といたします。