2002年第2回定例市議会における楠原はるとし市議の一般質問


「行革」問題について
  1. 第一次,二次行革で,経済給付施策や補助金の見直し,職員の削減などがすすめられてきたが,市民生活への影響についてどのように考えているのか。
  2. 国や都による高齢者,障害者,ひとり親家庭などの経済給付施策もこの間削られてきたがその実態と市としての救済施策について問う。
保育行政について
  1. 市立保育園における正規保母とパート保母の現状と課題について問う。
  2. 主任保母の現状本来の役割について問う。
  3. 保育園における事務効率化の現状と改善について問う。
教育行政について
  1. 30人学級の実施に向けて市教委の主体的努力について問う。
  2. 稲城市奨学金支給制度の活用と改善について問う。
有事法制問題と地方自治体の対応について
  1. 現在国会で審議中の有事三法案について,地方自治体の長としての基本的認識を問う。
  2. 武力攻撃事態法案は,地方自治体の責務として地方自治体が実施する義務を有する「武力攻撃事態への対処に関し,必要な措置」とは,どのような措置と認識しているのか。
  3. 武力攻撃事態法案で,内閣総理大臣の権限として「関係する地方公共団体の長等に対し,当該対処措置を実施すべきことを指示することができる」としていることについて,具体的な市長の認識を伺う。
  4. また,「国民の生命,身体若しくは財産の保護または武力攻撃の排除に支障がある」と内閣総理大臣が考えたとしても,地方公共団体の長がそうは考えなかった場合には,地方公共団体の長の判断に従うことが,憲法で保障した地方自治の本旨にかなうものと考えるが,市長の基本認識を問う。
  5. 市長は,市民の生命,財産を守るために戦争協力を拒否するという立場に立てるのか,その場合,当該自治体及び首長に対して,どのようなことが起こると認識しているのか。



■「行革」問題について

楠原はるとし市議:それでは、通告に基づきまして、一般質問を行います。

 最初に、いわゆる「行革」問題についてお尋ねいたします。この間、第一次あるいは第二次「行革」で、経済給付施策あるいは補助金の見直し、職員の削減といったことが進められてきましたが、このことが具体的には市民生活にどのような影響を及ぼしているのか、その辺の認識についてどのように考えているかをまずお尋ねしたいと思います。

玉野修身企画部長:お答えいたします。稲城市では、平成8年度に第一次となる行政改革大綱を策定し、7分野で167項目の改革を進め、5年間で24人を減少させ、職員数の適正化や、文化センターで住民票や印鑑登録証明書の交付ができるような事務改善など、平成12年度までにおおむね89%の改革及び改善を達成することができました。また、平成13年度から104項目の改革を掲げた第二次の行政改革もスタートし、1年を終わろうとしております。そうした中で、この行政改革が市民生活に与える影響という御質問でございますが、行政改革は、厳しい財政状況の中で新たな行政や市民サービスヘの対応を行うために必要不可欠なものであり、これまで数々の取り組みを行い、着実に進めてまいりました。

 御質問にある補助金の見直しでは、既にその目的が達成されている事業、より効果的で効率的に改善できる事業などを見直し、廃止を含む改定を計画的に進めることとしております。また、職員数の削減につきましても、業務の外部委託化や職員の再雇用・再任用制度、嘱託員制度などの活用により、これまでの行政サービスや市民サービスに支障を来すことのないよう配慮するとともに、杜会環境の変化に伴う行政需要にこたえ、また地方分権や介護保険などの新たな行政需要に即応できるよう、行政改革をさらに進めてまいります。このように、行政としての質の向上を今後も目指しながら、引き続き行政改革の着実な推進を図ってまいりたいと考えているところでございます。

楠原はるとし市議:第1点目の質問ですが、今の答弁では、第一次の「行革」で167項目の見直し等を進めてきたと。第二次では104項目を予定していると。例えば職員の削減間題などでは、支障を来すことのないように、嘱託その他の手当てをしているのだというお話がありました。そこで幾つか、個別に答えていただく必要はないのですが、市民生活にどのような形で影響が出ているのかということなのです。どういう認識でおられるのか。

 例えば、高齢者の入浴券の支給見直しがありました。これは、75歳以上の人にずっと券が支給されていたのを、おふろのない人ということに限って年間15枚を50枚にふやした。しかし、そのことが一体どういう影響を与えているのか。例えば、おふろのある人も受けていたけれども、ない人に支給されるのだと。では、ある人でも、例えば都営住宅などにお住まいの場合は、本当に小さいふろなのです。私などが入ると、上がるのにやっとというくらいの狭いおふろです。だから、仮に15枚で月に1回でも、おふろ屋さんに行ってゆったりできるという楽しみが逆になくなっているのです。場合によっては、体が弱っている上にそのおふろに入って上がれなくて亡くなったひとり暮らしの人もいるのです。ですから、市民生活への影響はどのようなところにどういう形であらわれているのかというのは、きちんと見ておく必要がある。

 敬老金なども、都から5,000円、それから稲城市から5,000円。これを外したのは三多摩では稲城市が初めてというか、最初のところで外してしまう。これは、自分が使うということではなくても、孫が来たときに何か買ってあげて、そして孫との接触をする。そのことはお年寄りにとっては非常に有意義というか、楽しみというか、こういうものを最初に削ってしまった。この影響というのは大きいものがあるのだろうと思うのです。

 それから、職員の話が先ほど出ました。95年度−−平成7年度からの市の方で出していただいた資料を見ても、2000年度まで、つまり前年度までで74人の削減、節減になったと言っています。しかし、その74人の職員の削減というのは、例えば公立の保育園の今の正職員の数は68人ですから、それがそっくりいなくなったと同じです。それをいろいろな形で補う。そうすると、本来のきちんとしたサービスがなかなか困難になるのではないか。これは数を移動しただけの話です。ですから、市民の生活にとって、「行革」というのはどういう形であらわれているのかということについては、再度認識を伺っておきますけれども、いかがでしょう。

玉野企画部長:行革でございますけれども、行革と言いましても、必ずしも減らすということではなくて、いかに効率的に行政運営を進めていくか、そのことによって新たな行政需要にこたえていくかということも一つではないかと考えております。そういう中で、時代の変遷とともに行政施策も刻々と変わっていくのではないかと思っております。今、具体例で出されました福祉施策の場合も、全体的に見ますと、給付福祉から施設福祉という流れもあります。そういう中で、稲城市としてどのように福祉を他の福祉でより充実していくか。そのためには、今までやってきた福祉についても見直しをせざるを得ないという状況も出てくるのではないかと思っております。また、せざるを得ないという状況にもあるのではないかと考えております。

 それから、職員につきましても、職員がいないことによってサービスの低下を来してはいけないわけですから、嘱託員だとか、専務的な職員だとか、職員を変えることによって、今までと同じような形でのサービスを提供でき、しかも経費的には節減ができる。そういうことも工夫の一つであるし、やっていかなくてはならないことだと考えております。そういう中で、お話ししましたように、新しい行政需要だとか、さらに必要なところへの行政経費の充当だとか、そういうこともできてくるのではないかと考えているところでございます。

楠原はるとし市議:今、主に歳出の部分でお話をさせていただきましたけれども、第二次行革でも引き続き人を減らしていくという方向が出ています。既に9人、金額にすると6,236万円に相当すると思いますが、それに加えて、障害者手帳取得前の診断書の補助の廃止だとか、これは56万2,000円ですけれども、こういうことも既に始まっている。では、入ってくる方、直接負担になる部分はどうかと見ますと、第一次行革の中で、学董クラブの保育料の導入もありました。最初は3,000円、翌年4,000円、その後さらに5,000円と段階的に引き上げて、結果としては1999年から2000年までの間に3,290万円負担がふえるということになっていました。国民健康保険税の改定なども当然あるわけで、3億9,100万円。あるいは、体育館使用料、施設の使用料、これだって1998年から2000年度の実績が1,137万円。それから、市立病院の分娩介助料は5万円から7万5,000円、証明書の発行についても800円から1,000円に引き上げる。それから、し尿のくみ取り手数料の改正も、今まで1回目は無料で2回目から500円だったのが、下水供用開始後3年たっている地域の処理料は1回目から1,000円と、これで1,410万円、大体3年間で負担がふえたことになります。こうやって見ますと、「行革」と言いながら、実際には市民の負担はふえているというのが現実の姿ではないでしょうか。

 そこで、3問目ですので、1998年度から2000年度、つまりこの4年間のうちの最初の3年間、第一次の分だと見ていただければいいと思うのですが、今言ったことをトータルして計算しますと、22億1,195万円の影響が何らかの形で市民にかぶさってきている。これを市民1人当たりに今の7万人で割り返しますと、3万1,600円です。4人家族だと12万6,400円です。つまり、いろいろな意味で、この経済的に大変な状況の中で、こういう影響が出ているはずなのです。だから、市民生活への影響というのはどのようにどのようなところにあらわれているのでしょうかというのをきちんと認識して、その上で本当に必要なものはやる必要があるだろうし、あるいはこれは今はできないというものは、改めて検討するとか。ところが、この間行われたのは、すべての項目を対象にしてやると。こういうやり方が果たしていいのか、@についてはこの点について最後に聞いておきたいと思います。

玉野企画部長:第一次の行革で22億7,700万円ばかりの行革効果があったのではないかという、効果といいますか、削減があったのではないかというお話ですが、これは9年度から年々累積した数字と理解しているわけです。これは、杜会全体的な動向もあろうかと思うのです。というのは、先ほども長期計画の見直しのお話が出たわけですけれども、バブルが崩壊して、今まで右肩上がりだった経済が右肩下がりになってしまった。各地方公共団体もそうだったと思うのですが、それも間もなく回復するのではないかという見込みでいたというところもあったと思うのです。ところが、なかなか回復しない。そういう中で、先ほどもお話ししましたように、行政需要は少子・高齢化等を含めてますますふえてくる。それではそのための財源をどうするかということです。財源を確保すると同時に、できるだけ効率的な事業をしていかなくてはいけないということもあるわけです。そういう中で、市民生活を守っていくためにも、行政改革はある意味では必要ではないかということを考えております。ただ、それがただ単に削減で、市民に影響を与えることではいけないわけですから、行革5カ年で、今度の二次行革もあるわけなのですが、毎年その行革の実態等を見直しながら進めていくということで実施しているわけです。先ほど来お話ししておりますように、できるだけ必要最小限の影響といいますか、影響はないということはないと思うのです。その中で、できるだけ影響を少なくしながら行革は進めていかないと、今後の財政運営等には支障を来すのではないかと思っているところでございます。

楠原はるとし市議:A国や都による高齢者、障害者、ひとり親家庭などの経済給付施策も、実はこの間削ってきている。給付的な施策というのはけしからんということも言いながら、一方ではそれをやらざるを得なくて、ちゃんとやっている。ですから、論理矛盾も起きているのですが、現実に大きな影響が出ているので、こういったものについて稲城市としての独自の救済施策を考えているのか、それとも国や都と全く同じ流れでそのまま受け入れていこうと思っているのか、お答えいただきたいと思います。

岩井堅太郎福祉部長:お答え申し上げます。東京都による福祉施策の改革は、平成12年2月に東京都福祉改革推進プランで新しい福祉の理念と展望を示し、それらを実現するために必要な戦略と具体的取り組みを定めました。当時見直しとなった主たる事項としましては、老人福祉手当、老人医療費助成制度、重度心身障害者手当、心身障害者手当、ひとり親家庭医療費助成などにおいて、新規対象者を対象としない、年齢制限、取得制限を設けることなどでした。東京都は、これらを改正する理由として、経済給付的事業から在宅サービスの整備へと、限りある資源の重点的配分を図るということを示しています。こうした見直しにより、高齢者、障害者などを対象とした各種の包括補助制度が導入され、平成12年度では第三学童クラブ若葉台分室の建設や、住民参加による障害者・高齢者の生活支援としてふれあいセンターの整備、平成13年度においては、徘徊高齢者家族支援サービス、住宅改修支援事業などのほか、本格的運行を開始した稲城市循環バス運行システムの補助金は、こうした見直しの中から生まれたものでございます。今後、これらの包括補助を含めまして、補助制度を有効に活用しながら、福祉施策の充実に努めてまいりたいと考えております。

楠原はるとし市議:この問題は、国や都の影響をそのまま受け入れてよしとするのか、そうではなくて独自にでも救済施策をとって対応していくのかということを私は聞きたいと思ってお尋ねしたわけです。今の答弁以上のものは返ってこないだろうと思いますので、次に進みたいと思います。


■保育行政について

楠原はるとし市議:保育行政について伺います。保育行政について、市立保育園一公立保育園における正規「保母」と書きましたけれども、これは改正で「保育士」という呼び名になるのですか、正規保育士とパート保育士の現状と課題についてどのようにとらえているのか、最初に答弁をお願いします。

岩井福祉部長:市立保育園の保育士については、国及び東京都の職員配置基準に基づき、基本的には、各歳児の定数により、正規保育士及び嘱託保育士、臨時保育士を配置し、実施しております。保育士の現状については、平成14年5月1日現在における市立保育園5園の正規保育士は総数で68人、これは園長を含んでおります。嘱託保育士7人、臨時保育士19人であります。近年、育児休業の普及などから、年度当初における入所状況に変化が生じてきており、保育士の配置が一番多いゼロ歳児−−これは乳児3人に保育士1人となるわけですけれども、ゼロ歳児にあきが出る保育園が出てきております。このことから、保育士の配置について、特に臨時保育士の確保といった面で課題となってきております。

楠原はるとし市議:今、公立の保育園の5園について答弁がありました。私もその資料をいただいたわけですが、つまり正職員以外の保育士が平均すると半分以上、51.4%になるのです。全体で140人に対して72人。正職員は68人。これは異常だと思いませんか。つまり、保育園の多数はいわゆるパートさんで対応されている。まともだと考えているのでしょうか。まずこれがこの現状についての一つの質問であります。

 課題としては、パート対応が非常にふえているということと、そのことによって子供たちに与える影響あるいは保育内容そのものがどのようになってきているのか、この辺の把握は現状認識としてはされているのだろうか。この2つについてお答えいただきたいと思います。

岩井福祉部長:人数的なお話がございましたが、私どもとして、保育園の延長保育とか、さまざまな形での保育の充実を図ってきております。そういう面と、職員の勤務時間40時間の間題がございます。私どもとしては、できるだけ保育のレベルを下げないといいますか、向上していくような努力とともに、保育士の配置、正規職員と嘱託保育士、それから臨時保育士−−資格を持っている方たちですが、そういう適正な配置をしながら進めていくということは考えてございます。すべてを正規職員という形ではなかなかできにくいといいますか、保育の充実に努めていく中では、どうしてもそういう問題が出てくるかと思っております。

 それと、子供への影響ということでございますが、私どもとして、保育を進める中で、正規職員、また嘱託職員、臨時保育士という採用形態にかかわらず、そこの子供の保育にかかわる職員としての内部でのきちんとした体制づくりは、連携といいますか、そういうことに努めているところでございます。そういう点で保育のサービスの低下ということはないようには努めているわけでございます。

楠原はるとし市議:保育の内容として、サービス、いわゆる保育の質の低下はないと考えているというお話です。もし本当にそうであれば、それにこしたことはないのです。しかし、私白身はいろいろ現場の声も聞かせていただいています。ですから、非常に大変な事態になっているということをまず認識していただきたいと思うのです。つまり、半分以上がパートさんで対応するということになれば、当然、保育士の持っている本来の役割が十分果たせるのだろうかということが問われているのではないか。つまり、ちゃんとした仕事をやりたくても、そっちに手が回らない状態が一方で次々と生まれてくる。それへの対応が大変だという実態は、幾つか聞いています。ですから、そのことは結局は子供につながっていく話だと思うのです。そういう意味での現状、それからその中での課題としてはどのようなものがあるのだろうかということでお聞きしたわけで、次に進みたいと思います。

 そういった中で一番大変な思いをされているとも思いますが、主任保育士さんは本来の役割をきちんと果たせるような状況になっているのだろうかと非常に心配しているわけですが、いかがでしょうか。

岩井福祉部長:主任保育士は、現在、第一保育園に3人、ほかの4園にそれぞれ2人を配置しております。主任保育士の業務については、各保育園の入所児童数及び配置主任保育士数などにより違いがありますが、主としてクラス保育業務、フリー保育士として、クラス保育の補充業務、また園長補佐として保育園の運営管理業務に当たっているところであります。主任保育士の本来の役割につきましては、ただいま現状について申し上げましたように、園長の職務を補佐し、園全体の運営管理に当たるとともに、児童の保育に従事することとしております。また、職員のリーダーとして、指導や助言、連絡調整の中心的役割を担うものと考えております。

楠原はるとし市議:役割を担うものということで、幾つか、フリーの役割だとか、園長の補佐をするとか、それがちゃんとできているのでしょうかということを聞いているわけです。私がいろいろ聞く中では、今、保育園の中で主任保母さんたちが非常に大変な思いをしているというのは、例えばこれだけ多くなったパートさんの配置だとか、賃金だとか、そういったものの計算業務に一方では追われてしまう'どうなっているのだろうかと。本来のフリー保育士としての役割とか、それが当たり前のような業務になっていたのでは、これはせっかく主任保育士としてしっかりとした仕事をしたいと思っても、そういうところに手が回らないという実態があるのではないですか。そういう実態は全くない、立派に主任保育士としての今言われたような幾つかの仕事をちゃんとしているという認識ですか。

岩井福祉部長:主任保育士の経験等も一つはあろうかと思いますし、また園の中での保育士の全体構成といいますか、フリー保育士として応援する場合、クラス保育士の補充という点で、かなり応援に比重がいっている場合もありますし、これは園の中でのそれぞれ全体構成によって違ってきている状況はあろうかと思います。私どもとしても、主任保育士といいますのは、園の運営の中でのかなめ的な役割を持っておりますので、東京都杜会福祉協議会等でも主任保育士の研修がございますし、また私どもも保育士としてのレベル向上というあり方に努めているわけですけれども、いろいろな状況があれば、一つ一つの改善といいますか、状況を見ながらいろいろな研修または運営状況等で相談しながら努めていきたいと思っております。

楠原はるとし市議:私は、まずそのきちんとした実態を把握されたらいかがかと思うのです。そうしないと、対応のしようがないでしょう。例えば第一保育園では、正職員が16人に対して、いわゆる正職員以外の人というのは20人いるのです。この正職員のうちの1人は園長です。あと主任保育士が3人いる。そうすると、通常保育に入る人というのは一体何人になるのですか。足りない分をいろいろな形でパートで補ってやる。そのパートが20人からいるわけですから、逆にその管理をすることが中心の仕事になっていて、今保母さんが要るのだといったときに、フリーとしての役割を果たせない。その繰り返しになっているのではないですか。それはどの園でも言える。言ってみれば半分以上がパート対応をしているわけですから、いろいろな間題が出てくる。結局言いたいのは、本来の役割をしっかり果たしてもらいたいし、それだったらむしろもっと別な方向での改善があるのではないか。そういう認識がおありなのかというのを聞いているのです。どうでしょうか。

岩井福祉部長:先ほども申し上げましたが、園の実態によって、主任のクラスのかかわり合いの仕方というのも若干それぞれ違いがございます。それと、今まで保育士として一生懸命やられまして主任になった場合、クラスの持ち上がりのとき等については、当然卒園という問題などもございますので、クラス保育が重点になってくるという点もございます。それで、それぞれの園の実態の中で、主任保育士の現場といいますか、そのかかわり合いの違いがあるわけですけれども、そういうそれぞれの課題があるとすれば、園運営が適正にいかないという状況には問題があるわけでございます。私どもとしては、園長または主任と年に1〜2度、そういう意見交換といいますか、意見聴取もしておりますので、いろいろな課題があれば解決していかなければいけないと思っております。

楠原はるとし市議:Bの問題に移ります。そこで、保育園における事務効率化について、たしかことしの4月から庁内一斉に庁内LANということになるのですか、これで保育園にもコンピューターが入って、賃金計算等を一括してどこでも同じレベルでやるという事務の効率化ということでやられていると思うのですが、その現状と実態、もう大分話をしてきましたので、どのようになっているかというのはよくわかるのですが、どういう認識、把握をしているのか、また改善の方向について何か考えておられるのかをお聞きします。

岩井福祉部長:保育園の事務の効率化については、庁内と同様に、極力保育園内で事務処理ができるよう、事務機器等の整備を行ってきており、この結果、臨時職員賃金の執行事務を初め、昨年度から全庁的に実施いたしました予算関係事務及び会計事務についてもOA化を導入し、各保育園で処理できることとしております。また、園長会などを通じ、各園に共通する事業などの執行については、担当する保育園を1カ所設けまして、集中的に処理するなど、事務の簡素化を図ってきております。今後とも、園長会、主任会及び各部会等において、それぞれ日ごろの業務についてより効率的な処理ができるよう、その方法等について検討し、業務の効率化に努めてまいります。

楠原はるとし市議:実態は、先ほど私が言ったように、主任保母さんのほとんどの仕事が、パートさんの賃金処理だとか、そういったものにとられているのではないかということが現状の認識としてあるのではないか。いろいろな声が出ていることを私は聞いています。ですから、今の局面で言えば、効率化と言いながら、実際にはなかなかその効率化が進んでいないということだと思うのです。

 例えば、出ている声の中では、幾つかの園が集まって、保育士のパートではなくて、逆に事務処理をする専門の人を入れてもらって、そこで集中的にやってもらえば、本来の保育士の仕事がもっとできるという話も出ています。それから、子育て支援課などにお願いして、そこに嘱託職員をちゃんと入れて、事務処理関係をそこでずっと見てもらうとか、そうすれば、あきができたからまたパートさんをどこからか入れないとだめだという悪循環が断てるのではないか、むしろ保育内容の充実のために保育士が一生懸命に力を尽くせるというところにいくのではないか、こういう内容だと思うのです。ですから、もっといろいろな意見を聞いて、現場の声も聞いて、そして改善の方向を示していかないとだめだと思います。

 一番心配なのは、パー.トさんがだめだという話ではないのです。結局は、今パートさんで対応すること自体は安上がりということにつながっていくわけでしょう。しかし、それが実は悪循環を繰り返して、保育の質を向上させるのではなくて、逆に後退させるという実態にまでなってきているのではないか。この話は質問とは直接的にはかかわりませんけれども、しっかりとした生活習慣がなかなか保育園の場で身につかなくなってきている。これがそのまま学校へいくわけです。荒れの低年齢化とか、いろいろ言われていますけれども、そういうことに結びついている大きな流れの中で見れば、大きな問題だと思うのです。保育の質をちゃんと守ったり、向上させたりする、そのための改善であるということが大事なのだけれども、今はそうではない実態があるのではないか。そういう改善の方向をぜひ目指してもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。

岩井福祉部長:私どもは、保育士の配置につきましては、国の最低基準等もございますので、適正な保育運営ができるような形で努めているわけでございます。そういう中で、園を運営していく上ではさまざまな仕事があるわけでございますけれども、それぞれの園長の役割または主任の役割等を踏まえた中での総合的な連携で園の運営を行っているわけでございます。それで、事務改善をできるものについては事務改善をして、少しでも省力化して効率的に進めたいということで、今回も財務会計のパソコンを入れたわけでございます。一時はこれになれるということで大変な負担があったかと思いますけれども、そういう状況が過ぎれば、またさらにいろいろな面での活用もできると。私どもは、園運営の中で負担が軽減できるやり方があれば、当然、適正な運営の中で軽減していかなければいけないということで、今後もいろいろと検討しながら進めたいと思っております。トータル的には、それぞれの園の運営の中でいろいろ工夫をしながら進めたい、また市全体の数率化等に合わせながら進めたいと思っております。


■教育行政について

楠原はるとし市議:3番目の教育行政に移りますが、今の話は、正職員が本来は2人必要なところを1人にして、あと1人は嘱託で賄うというやり方のツケが回ってきている。嘱託職員だったら、2人雇ってもまだ正職員1人の賃金とおつりが来るのではないかと思います。ぜひそういうことの改善をしながら、先ほど言ったような当面する間題に対応していただきたいと思います。

 それから、教育行政について、最初に、30人学級の実施に向けて、市教委として主体的な努力はどのようなことをこの間してきたのでしょうか。30人学級の問題は、私も繰り返し取り上げてきました。それから、請願も出されました。残念ながら請願は否決されました。しかし、市民の皆さん、あるいは親の皆さん、要求がなくなったわけではないのです。むしろ、要求はもっと切実で、大きく広がっている。ですから、本来的には、そういう市民の要求に対して市教委としてどういう努力をしていくのかと絶えず問われている話なので、これまでいろいろな議論をしてきましたけれども、主体的な努力については私は余り聞かない話だと。言ってみれば、東京都あるいは国の動向に合わせて、その範囲でしかまだやられていないように思うのですが、いかがでしょうか。

大野容義教育部参事:教育委員会では、学級は、子供たちが学習をする場であるとともに、集団生活の中で人間関係づくりを学ぶ場であるとの考えから、これら2つの視点の両面から学級指導の充実を目指しております。1つ目の学習の場という視点から申しますと、今稲城市では、複数の教員によるきめ細かな指導を通して子供たちに基礎的・基本的事項の修得を図るとともに、学級担任だけでなく、他の教員も共通して1人1人の子供を知り、子供たちの多様な個性に応じた教育を進めていこうとしております。2つ目の人間関係づくりを学ぶ場という視点についてですが、現代の子供たちには、人間関係を調整する力や耐性力を培い、社会の中で調和をとりつつたくましく生きていく人間に育てる必要があり、そのためには一定規模の生活集団が望ましいと考えております。

 30人学級は、1人1人の子供へのより丁寧な指導の実現が趣旨であろうと考えます。教育委員会では、さきの2つの視点から、少人数指導やチームティーチングなどのきめ細かな指導の充実が趣旨にかなうものと考え、子供1人1人を生かす教育を今後ともさらに進めてまいります。

楠原はるとし市議:2001年、つまり前年の9月議会では、「基礎学力の向上や、きめ細かな指導の充実を目指し、少人数指導など、学習集団の規模の改善を進めてまいりたい」、これが私の質問に対する教育部参事の答弁でした。あくまで少人数指導なのです。あくまで中心は学習集団の規模の改善なのです。これは、まさに東京都が言っている内容と一致しているわけです。私は、そのこと自体だめだという話ではないのです。それも必要だと。しかし、今間題になっているのは、むしろ生活集団としての子供たちの問題をどのように改善していくのか。そこに目を向けないと、改善の方向としては片手落ちではないか。その努力がなかなか、今の答弁でも明確に、それも当然そういう方向でやるのですというのが返ってこない。それから、同じ議会の市長の答弁は、「財源の間題など、課題もございますので、東京都などの動向等を踏まえて、検討してまいりたい」と。つまり、そういうことはわかるけれども、財源の問題などもあるので、都の動向などを踏まえて検討していかなくてはいけませんという話なのです。

 私は、30人学級の問題というのは、単に30人学級だからいいのだという話ではないのです。そういう少人数の学習集団だけではない、生活を含めた学級としての成り立ち、これを市教委がどのように独自に追求されているのか。先ほど財政の問題がありましたけれども、そういうことも含めて、市教委としては本来ならこうした方向を求めたいのだというのがあるのですか。

大野教育部参事:先ほど第1答弁でお答えしましたように、子供たちの学級の生活集団というものは、子供たちの人間関係づくりとか、耐性を育てる上で、ある程度の規模が求められるのだろうと思います。そういう点で、現在我が市の学級の子供たちの数の平均は大体30名なのですけれども、子供たちがいろいろな友達と触れるとか、我慢するとか、ともに喜ぶとか、そういう集団のダイナミズムを味わっていく上では、ある程度の数は必要だと市教委としては考えているところでございます。

楠原はるとし市議:この前の議会の答弁では、平均29.6人でしたね。私は、平均的な話も必要かと思いますが、そういうことで言えば、同じような状況の中で25人学級程度に踏み切った志木市などは、そういう間題について、もっと違う、しっかりした教育委員会としての独自の方針を持っているのです。御存じかと思いますけれども、志木っ子ハタザクラプランというのが、この問題であります。「サクラには数多くの種類があり、多くの花を咲かせ、四季折々には彩りある表情を見せる。中でもハタザクラは世界に1本、ここ志木市で発見され、天然記念物となっている。かけがえのないハタザクラを大切に育てるがごとく、志木市独自の創意ある教育改革、志木っ子ハタザクラプランは、未来を担う志木の子供たちに最高の教育プログラムを提供したいという志木市民総意の願いである」。こういうことを掲げて、志木市では25人学級をどういう形でやっていこうかと。。志木市の場合も、小学校1学年・2学年をやったときに30人を超えるような状況というのは、11学級ぐらいです。稲城市でもちょうど11学級ぐらいです。志木市だって、一般会計の規模は173億円です。稲城は大体240〜250億円。稲城より小さな志木市で、稲城と同じような状況にあるところで、子供たちに対する構えというか、思い入れというか、こういうものが違うのではないか。そのことになかなか触れない。独自のもの、そこをぜひ検討して、今後の課題としてでも30人学級の実施に向けて頑張ってほしいわけで、そういう意思があるのかないのかということを聞いておきたいと思います。

大野教育部参事:さきにお答えしたとおりでございます。私どもの市教委で今何を努力しているかということについて触れますと、少人数指導を進めていく、きめ細かな指導をしていく。しかも、なるべく2人、3人という複数の先生が1人の子供から見たときに触れてくれている。そういうものをしていくということが、子供たちの個性をよく理解した教育につながっていくという立場で考えております。

 ちなみに、私どもが今やろうとしていることで1〜2の例を挙げさせていただきます。今までは、小学校でいきますと、学級の担任が全科を自分の学級だけに教えるような形でございますけれども、これからは、それぞれの先生方のお得意なところを出し合いながら授業の交換をしていくとか、専科の先生が多少時間のあいたところで授業のチームティーチングに入るとか、それから算数・数学の補助指導員をここで導入してきたところでございます。また、学生も含めまして、または近所の方々も含めまして、なるべく大勢の方が学校に入ってボランティアとして子供たちの指導に当たっていただきたい。そのようなことを今進めようとしているところでございますので、市教委としてはそういう方向でまた頑張っていきたいと考えております。

楠原はるとし市議:市教委が考えている方向と私が聞いている方向とはちょっとずれがあると思いますが、ぜひ30人学級の実現に向けて努力していただきたいということを再度お願いしておきます。

 A稲城市奨学金支給制度の活用と改善についてお伺いいたします。この活用については、事前にお話を聞いたら、なかなか頑張ってやられているという実態がわかりました。ただ、どのような問題点があるのかということで質問しておきたいわけです。例えば、支給の資格要件が5項目挙げられています。その中の一つに、成績が良好で心身ともに健全であることという項目があります。私、他市の例も幾つか調べてみましたら、成績が良好でというのは余り見受けられないのです。例えば、向学心がありというのはありますけれども、そういう意味では、成績が良好でということが稲城の特徴なのか。ほかは大体同じです。ですから、実質的にはそのことが障害になっているとは思いませんが、条例上こういう形になっていれば、当然そのことが一つのネックになる場合だってあるので、その実態、実績、それから今後こういうところは改善しなくてはいけないと考えていることがあれば、むしろ皆さんの方から出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

伊藤登教育部長:稲城市奨学金支給制度につきましては、昭和49年から、稲城市奨学金支給条例に基づき、経済的理由等により就学が困難な者に対して、就学上必要な資金として、都立高校の月額授業料相当を支給し、もって有用な人材を育成することを目的としております。また、支給に関しては、在校学校長の推薦を伴う申請を受け、奨学生選考委員会において審査し、決定しております。本年度予算では、昨今の経済状況を勘案し、認定件数を100人から14人の増加を見込み114人とし、あわせて都立高校の授業料が値上げされたことから支給額の増額を行いました。本年度の支給申請者は103人で、うち92人に対して支給を認定したところでございます。

楠原はるとし市議:今、実態について答弁がありましたが、ほとんど所得基準でオーバーした人以外は認定されていると聞いております。そうなると、成績が特に問題になるのではなくて、この支給条例そのものがいわゆる生活困難ということが前提になっているわけで、条例上、成績良好という部分は、何らかの形で条例そのものを変えていただくようなことが必要ではないか、これが1つです。

 それから、経済的理由という中でも、生活保護基準ということで要保護・準要保護というよく使っている基準がありますが、こういう関係は今1.8までですか、1.7ですか、これも今の経済状況からすれば改善する必要があるのではないかと思うわけです。それから、都立高校の授業料相当ということで、今年度はと言っていいのか、若干300円ぐらいふえるというお話を聞いていますが、実際にその金額がどうなのか。こういったことをぜひ改善していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

伊藤教育部長:まず、成績良好ということの削除というか、改正ということについてでございます。基本的には、向学心のある者、向上心のある者ということを中心に判断基準としております。と申しますのは、成績が良好でなくても、今後伸びが期待できるということは、稲城の場合、中学校のときから高校に入ってからの成績が非常に上がっているといった状況もございます。

 それから、奨学金を受けた方からの感想文を終わった段階でいただいております。その中でこういう感想を述べた方がいます。ちょっと読ませていただきます。「私の高校生活はとても充実したものでした。部活に、勉強に、自分のやりたいことを精いっぱいやってきたからです。この2つに専念することができたのは、稲城市から毎月奨学金をいただいたことで、授業料の心配をしなくてよかったからでした。また、時折勉強を怠けそうになる自分に活を入れてくれたのは、自分は稲城市の奨学生であるという意識でした。奨学金をいただいている以上は、稲城市の代表としてよい成績をとりたいという気持ちがあったから3年間頑張ってこられたし、現役で国立の大学に行くことができたのだと思います。私は、これからもこの制度が続けられ、後輩たちが学業に専念できるといいと心から願います。3年間本当にありがとうございました」。このようなこともございまして、成績というのは、その人が学校に行ってどれだけ頑張ったかということも私は必要だと思いますので、この項については離しがたい部分かと思っております。

 それから、生保(生活保護)の関係でございますけれども、1.7から1.8の改正の部分につきましては、今までも他市の状況等も検討してきながら今日に至っておりますけれども、現状の中では、生保基準の1.7倍、それから母子家庭・父子家庭等につきましては1.8倍という基準で今後も進めたいと思っております。都立高校の関係でございますが、都立高校の授業料の値上げ等に合わせた形で今後とも考えてまいりたいと思っております。以上でございます。

楠原はるとし市議:感想文まで読み上げていただいて、ほろっとするところがありましたけれども、要は、私も聞いたのです。それを受けられた方が、実降に成績も向上している。半分以上の方がそういう人だと。ですから、受けたことがプラスになっていることは確かなのです。ですから、そのことを否定しているわけではなくて、成績良好ということが前提になってという条例では、向学心があるとかというものに改めた方がいいのではないか。それから、今日の経済的な状況からすれば、当然その条件に見合って改善をした方がいいのではないかと要望しておきます。


■有事法制問題と地方自治体の対応について

楠原はるとし市議:次に移ります。4番、有事法制の問題、地方自治体の対応についてお伺いいたします。今、国会でも一番ホットな論戦が行われていますが、私は別に国会の論戦をどうだということではなくて、地方自治体とのかかわりが非常に大きな問題であるし、その点で市長がどのような見解を持っているのか、あるいは認識を持っているのか、こういう立場から幾つか聞いておきたいと思います。

まず1つ目に、この有事3法案と言われているものに対して、地方自治体の長としての市長の基本的な認識をお伺いいたします。

石川良一市長:このところ、同時多発テロが発生したり、また不審船問題なども起こったりということで、その対応について大変議論されているところであります。このような中で、現在、有事法制関連3法案について国会で審議中でございます。この法案は、武力攻撃事態という国及び国民の安全にとって最も緊急かつ重大な事態が生じた場合における対処を中心に、国全体としての基本的な危機管理体制の整備を図るものであります。その内容は、武力攻撃事態への対処について、基本理念、国及び地方公共団体等の責務、国民の協力等を定めることにより、武力攻撃事態への対処のための体制を整備し、我が国の平和と国及び国民の安全の確保に資することを目的として審議が進められており、いついかなるときに発生するかわからない国家の緊急事態に対して、起こってから対処を練るのではなく、平時にかかるべき対応をとるということは政治の要諦であり、有事法制については必要な法制化であると考えております。

 なお、6月6日、全国市長会におきまして、この有事法制化に対する武力攻撃事態法等についての審議等に対する要請が決議されております。その中で、特に自治体等への十分な説明責任を果たすとともに、国会において慎重かつ十分な審議を尽くすという要望が出されております。また、昨日6月12日、全国知事会におきまして、3点の緊急提案がなされております。その内容は、都道府県や市町村の具体的な役割を早期に明確にすること、また地方公共団体の場を速やかに設けて意見を聴取すべきであること、3点目は、先ほどの市長会と同じでございますけれども、国会の議論を十分に尽くすようにということです。これは当然のことであり、私も同感であると思っております。以上でございます。

楠原はるとし市議:地方自治体の長としての基本的な認識をお尋ねしたわけですが、市長の認識は、言いかえれば、これは必要な法制だという認識なのです。そこで、有事3法案がなぜつくられようとしているのかという、ここの部分が非常大事な点だと思うのです。それから、この3法案が何を本当にしようとしているのか。これまでの議論の中で言うと、有事というのは、他国から日本が何らかの形で武力攻撃を受けるような事態が現に存在するのかということに対して、直接攻撃の状況という想定はないと政府は言っているのです。なのに、こういう有事法案が必要だと。そうすると、内容で言うと、結局は日本以外のところで何かあったときに、それに日本も一緒に参加していくための法案でしかない。私は、必要性がどうだこうだということよりは、むしろそういう大きなところでの認識がどうなのかと。つまり、地方自治体の長というのは、そこに住む市民の生命や財産といったものをきちんと守っていくという一番の大きな役割があるわけで、それとの関係では、この必要な法制ということになると、ちょっと違うのではないかと思いますが、その辺はどういう認識になっているのでしょうか。

石川市長:先ほども冒頭で御答弁しましたように、不審船の問題、あるいは同時多発テロ等の発生の間題、あるいはそういったことの可能性、さらには、少し前になりますけれども、テポドン等が飛んできたという事態等を含めて、あらゆる事態に対して平時に対応を整備していくということは、当然これはやっていかなければいけないことだと私は思っております。

楠原はるとし市議:そういうことで言えば、基本認識が全くずれているというのが率直な感じです。テロについてだとか、不審船だとか、不審船は別に自衛隊が有事法制をもって対応するような話ではないでしょう。海上保安庁というのがちゃんとあって、海の警察としての役割があって、そこで対応する。あるいはテロだって、今、大問題になっていますけれども、何で戦争というやり方をとらざるを得なかったのか。そのことが今の出口がない非常に大変な事態を招いていると私は認識しています。つまり、国連を中心としたきちんとした対応、いわゆる警察的な対応が本来は必要なはずです。ですから、平時においてあらゆることを想定した対応をとっていくことが必要だということが主な理由のようですが、そうやってみると、日本の国の憲法との関係が問われてくるし、憲法感覚がどうかという疑問が出てきます。そういう意味で、第1点目の有事3法案についての市長の基本的認識というのは随分かけ離れているのかと思います。再度確認しておきますが、有事法制は必要なものだという認識なのか。いや、そうではない、もうちょっとこういう理由もあるのだということなのか、答弁をいただきたいと思います。

石川市長:自国を守る権利というのは当然認められているわけでありまして、そういう意味で自衛隊というものも憲法あるいは法律にのっとって現実に位置づけられていると考えております。また、これはよく一般的に言われるわけですけれども、泥棒が入ってから縄をなうのではなくて、家庭の一般的な警備にも例えられるように、あらゆる事態を想定して、それに対応できる対応を進めていくというのが危機管理の一つであり、防衛的な危機管理という位置づけで十分説明がつくのではないかと、私自身はそのように受けとめております。

楠原はるとし市議:2つ目、武力攻撃事態法案は、地方自治体の責務として地方自治体が実施する義務を有する「武力攻撃事態への対処に関し、必要な措置」ということがうたわれていますけれども、この必要な措置とはどのように認識しているのか、お尋ねします。

玉野企画部長:武力攻撃事態への対処に関する必要措置についての認識でございます。武力攻撃事態への対処につきましては、国が主要な役割を担い、地方公共団体において、住民の生命、身体及び財産の保護に関して、国の方針に基づく措置の実施、その他適切な役割を担うことを基本としております。地方公共団体が対処基本方針に基づいて実施する対処措置としては、避難のための讐報の発令・伝達、被災者の救助、施設及び設備の応急の復旧と、国民の生命、身体及び財産の保護に関する措置などが示されておりますが、内容によっては法制が先送りされているものもあり、具体的には、国会で十分に審議が尽くされ、法制化されることが必要であると考えております。

楠原はるとし市議:今の話を聞いていると、これは大変なことを答弁するのだと思いました。つまり、今進めている有事3法案そのものを積極的に受けとめて、さらに将来もっと整備がされていることについても前向きに受けとめると聞こえるのです。つまり、皆さんは地方自治法をちゃんと守るという立場に立っているのでしょう。憲法で保障された地方自治法、その中での地方自治体の長の役割。この有事3法案の中で、武力攻撃事態法で言われているのは、地方自治体の長の責務、これを否定しているのです。例えば、市民の財産あるいは市民の権利といったものを市長が守る責任があるけれども、そんなことをやってはだめだと国が言ったら、それに従わざるを得ない、そういうことが義務づけられてきている。それをもっとやりましょうということでしょう。それはしようがないのだと。だから、ちょっとお話にならないくらい、国の出しているこの有事33法案に対して、きちんとした認識があるのかないのかと私は疑問に思いますが、本当にそう思っているのでしょうか。必要な措置をどのように認識しているのか、もう一度聞いておきたいと思います。

石川市長:少なくとも、我が国ということには当然地方自治体も含まれるわけでありまして、我が国が武力攻撃にさらされる、あるいはさらされるかどうかという事態に対してどう備えるのかという法律なわけでありまして、それは当然、そういう事態が起こり得る時代状況であると私は認識しておりますし、そのことに対して法制化していくということは、当然必要なことだろうと思います。ただし、その内容について、国民の安全を図るということに対する、あるいは地方自治体等との関係の中できちんとした役割分担、あるいはその中でどのような役割を自治体が果たさなければならないか、あるいはどのような制限があるのか等については、まだまだしっかりとした内容が詰められていないというのは事実でありまして、こういう点についてはしっかりと議論して、内容をしっかりとしたものにしていく必要があるだろうと思いますけれども、法律の必要性は当然あるだろうと思っております。

楠原はるとし市議:内容が極めてまだ詰められていないという認識だというのは、今聞いてわかったわけですが、その内容の問題で、武力攻撃事態というこの規定をどう見るかというのは、一番肝心なところではないかと思うのです。それは、直接的に攻撃が目本の国内にかけられてくるということはあり得ないと政府も言っているのです。だから、それを市長がどう見るかということは別としても、少なくとも政府はこれまで国会でも、そのようなことはないのだと。ではどのようなことがあるのだということで、結局日本の自衛隊がアメリカのいろいろなことを支援して、テロ対策の支援だとか、周辺事態法で支援に行くとか、そういったときに一番武力的な攻撃がかけられる可能性がある。そういう意味で、武力攻撃の予測やおそれがあるときも、これは我が国に対する攻撃があったのだとこの法律でちゃんと規定して、そのときはアメリカと一緒になって武力でやり返すのだと。その歯どめが全部取り払われてしまった。周辺事態法のときは、少なくとも、そういう状況になったらその場からちゃんと撤退してくると。あるいは、国際法でいろいろ禁止されていることについても、今回全部それが外されている。だから、本当に日本が平和憲法として持っている憲法の立場から照らせば、これは大変なことをやろうとしているということは、大方の人はよくわかるのだろうと私は思うのです。そこがよくのみ込めないまま、それは法制としては必要なのだという認識でおられるとしたら、ちょっと考え方を改めていただきたいし、この法律が通っていくと、今度は逆に、地方自治体の責任として、住民にいろいろなことを押しつけていかなければいけない、そういう役割を担わされるということになるのです。そうすると、地方自治法の中できちんとうたわれているそういったものも全部破壊されていく。

 そういうことがあるわけですが、3つ目、武力攻撃事態法案で、内閣総理大臣の権限として「関係する地方公共団体の長に対し、当該措置を実施すべきことを指示することができる」となっているのですが、これは今言ったようなことについていろいろなことを押しつけられるということがあるのですが、それに対してはどういう判断をするのか、まずどういう認識を持っているのか、このことだけ聞いておきます。

玉野企画部長:地方公共団体の長への指示に対する認識でございますが、国と地方公共団体等とが連携協力し、国全体として万全の措置を講ずるため、国は総合調整、指示及び自ら対処措置の実施を行うことができるとされていますが、指示及び自ら対処措置の実施については、あらかじめ個々の法律においてその要件等を具体的に定めることが必要とされておりますので、今後これらの法律の審議及び制定状況等を見守っていきたいと考えております。

楠原はるとし市議:Cの方に移ります。国民の生命、身体もしくは財産の保護または武力攻撃の排除に支障があると内閣総理大臣が考えたとしても、地方自治体の長としてはそう考えなかった場合、戦争協力などとても、これは地方自治法から言ってもおかしいではないか、憲法の保障から言ってもおかしいという判断をした場合、地方自治体の長としては、それを貫くことを表明できるのか、それとも国が言うことは何でも仕方がないと考えるのか、地方自治の本旨に従うものかということについて答弁を願います。

石川市長:我が国に対する外部からの武力攻撃事態が発生した場合、または事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った場合には、地方公共団体は住民の生命、身体及び財産等を保護する使命を有することを考えれば、国及び他の地方公共団体と協力し、武力攻撃事態へ対処することは必要であると考えております。また、地方自治法の中で国と地方との関係を決めているのは基本的なことや一般的なことでありまして、今回の法案が想定する、国や国民が脅かされるような場合には、地方公共団体も国と一緒になって対応することが必要であると考えております。今回のこの内容につきましては、武力攻撃を受けた場合あるいは想定される場合ということに対してどう対応するのかということであるわけですから、こういった非常に緊迫した事態で防衛していくという防衛力に対するどのような対応が必要なのかということをあらかじめ決めていくということは、逆の意味からも非常に大事なことではないか。いわば、武力行使等にかかわる事態に対して、軍事力の使用等について一定の制限を逆にきちんと整理しておくという意味も反面あるのだろうと思っております。

楠原はるとし市議:最後のDに移ります。基本的には、日本は、憲法第9条で、いろいろな国際的な紛争の解決に武力を使わないということ、つまり平和憲法というのはそういうことです。戦力を保持しない。したがって、日本がそういう立場をずっととってきたことが今目の日本を築いていると思うのです。これは全然逆なのです。戦争で解決しましょうという方向でしょう。それに賛成だと、それに従うのだということを言っているのと同じなので、そうではない立場を明確にすべきだと思います。いかがでしょう。

石川市長:我が国が武力攻撃をされた状況、このことを前提に物が考えられる必要があるのだろうと。その際も、ではそれをただ眺めていればいいのか。その際にどう対応していくのか。当然これは必要な法制化であるだろうと思っております。先ほど御答弁申し上げましたけれども、我が国に対する外部からの武力攻撃事態が発生した場合は、地方公共団体は、市民の生命、身体及び財産等を保護する使命を有することを考えますと、国及び他の地方公共団体と協力して武力攻撃事態への対処は必要と考えておりますので、そういう観点からも武力攻撃事態に対する協力を拒否するという立場には特に立つつもりはないという認識でございます。

楠原はるとし市議:武力攻撃のおそれというのはないと政府は言っているのです。それにもかかわらず、来たときにはやるのだと。来たときには、それはいろいろ事態が変わるかもわかりませんが、ないと言っているのに法案だけつくるというのは、大問題だと、憲法違反だと。そういう点で、ぜひ対応を間違えないようにしていただきたいと思います。以上です。