2003年第4回定例市議会におけるたらお治子市議の一般質問(議事録)


  1. 保育問題
    1. 民間社会福祉施設サービス推進費補助について
      1. サービス推進費補助再構築による市内私立保育園への影響(額)はどのようになると認識しているか
      2. 人件費の削減につながれば,正規職員の配置が困難になり,保育内容への影響が心配されるが,市はどのようにとらえているか
      3. 市として都に対し,補助額の減額をしないよう求めることについて
    2. 公立保育園の公設民営化について
      1. 保育園の,株式会社を含む民間への委託については,コスト削減などで保育の質への影響が考えられるため,安易に行うべきではないと考えるが,市の考えは
      2. 公立保育園の民営化については,結論を出す前に,関係者や保護者の意見を聞くことについて
  2. 国民健康保険税について
    1. 国保税の滞納世帯数や短期保険証発行の現状から,加入者の生活の実態をどのように分析しているか。
    2. 厚労省は国保滞納世帯への強制徴収徹底を自治体に指導する方針を出すと報じられた。払いたくても払えないという世帯に対して,この措置はどのような影響を引き起こすと考えるか。
    3. 就職活動をあきらめ,やむなくアルバイトで収入を得るなどの潜在的失業率も高いと言われている中で,減免制度の拡充の必要があると思うが,どう考えるか。
    4. 高すぎる国保税の改善,引き下げについて
  3. 障害児教育について
    1. 特別支援教育への転換の動きが進められているが,障害児学級をなくし,通級の学級に在籍させ,「特別支援教室」に通級することになると,教育条件の後退につながるおそれもあるが,どのようにとらえているか
    2. 特別支援教育への転換の動きが進められているなか,今後障害児教育の対象児が増えることになるが,それに見合う教職員の増員や教育条件の整備は行なわれるのか



■保育問題

たらお市議:それでは、まず保育問題について質問をしたいと思います。

 民間社会福祉施設サービス推進費補助についてであります。このサービス推進費補助というのは、公私格差是正事業から変更されてきたものですが、今度これを再構築するということで、現在東京都が進めています。保育園への公私格差是正事業は、保育の質を高めるということを目的に行われてきた事業だったのですが、そのためには人の確保が必要だという認識のもとで、そしてそのためには給与というものが重要な役割を果たしているということから行われてきた補助金の制度なのですが、これがサービス推進費補助に変わっても、こういう考え方は変わらないというもとで行われてきたわけです。

 現行のサービス推進費補助については、民間社会福祉施設の特性、創意工夫によるサービスの提供や職員の能力に応じた給与決定など、自主的で柔軟な施設運営を促進することで多様な二一ズにこたえるということで、2001年から実施されたのですが、A経費・B経費とありまして、私立保育園にはB経費が出されていまして、今このB経費というのが問題になっています。これは、施設が利用者処遇の向上のために人件費として使ってきた補助金でありますが、これをゼロベースから再構築するということになっているわけです。このことによる私立保育園への補助金の削減は大変影響が大きいということから、今大きな問題になっているわけです。@としまして、サービス推進費補助再構築による市内私立保育園への影響(額)と書いたのですが、どのようになるかということをお聞きしたいと思います。


加藤健一福祉部長:民間社会福祉施設サービス推進事業費は、東京都から民間社会福祉施設へ直接補助される補助金であり、また現在再構築案が検討されている状況であることから、再構築に伴う影響額についてはわかりませんが、私立保育園によっては補助金が減額となる園もあると認識しております。


たらお市議:市が直接かかわってはいないということで、東京都から都社協を通して私立保育園の方に直接出されているということで、様子がなかなかわからないということです。ただ、前回の公私格差是正事業のときにも議論したのですけれども、そのときには、私立保育園の方で受けている補助金の金額がどれぐらいになるかということは、一般質問が終わってから出されたのです。直接保育園に聞けばわかるという部分もあるのではないかと思います。それで、現状で市内の私立保育園がB経費としてはいくらぐらい受けているのかということはわからないでしょうか。


福祉部長:(平成)14年度でございますけれども、現在7園の私立保育園がございます。その中で6園がB経費補助をされていると聞いております。金額につきましては、6園で9,712万2,000円と聞いているところでございます。

たらお市議:約9,700万円ということで、確かに大きな額ではないかと思うのですけれども、東京都の方でもB経費は(平成)14年度決算では都内で93億円と出ていまして、これを東京都が提案している単価で計算しますと、再構築後が約61億円になるということで、約3割減ってしまうといった試算が出てきたということなのです。それで、減額になる園が8割、増額になる園は2割ということなので、稲城でも先ほど言ったように6園がB経費を受けていて、これだけの金額で単純に3割減ということを考えてみると、かなり大きな影響がある問題ではないかと思っているのです。

 次に進みたいと思うのですけれども、この減額になるということでいきますと、人件費の削減につながっていくわけです。それで、正規職員の配置がかなり困難になってくるということで、保育内容への影響が心配されるのですが、その点についてはどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。


福祉部長:民間社会福祉施設サービス推進費補助の再構築は、サービス向上に向けた施設における努力が真に報われる補助となるよう補助方式を再構築するという基本的な考え方であると認識しております。この考え方につきましては、一定の理解をしているところでございます。


たらお市議:東京都も説明しているのですけれども、今回の再構築の問題について、基本的に福祉改革という問題があって、それでこういう動きになってきているということで、既存の福祉の仕組みを改めていって、先ほども言われたように、利用者本位のサービスといったことを言ってきているのです。ところが、利用者サービスとかといろいろ言うのですけれども、実際に保育の内容というのは人がすごく大事なわけです。経験を積んだ保育士という部分の評価はすごく大事だと思うのですけれども、その辺の経験年数を加味するということではなくて、新たな福祉の改革ということで、良質なサービスを提供する人材を雇用するとか、良好なサービスが提供できるということに重点的に補助を置くとなっているのです。でも、こういうやり方の中で、現実には常勤職員を雇うのが難しくなってきてしまうということで、すごく大きな影響が出てくるわけです。先ほど言ったように、3割減で8割の保育園が影響を受けるのではないかということで、実際にそれだけのお金が減らされてくると、1人、2人と雇えなくなってくるという状況が出てくるわけです。そのかわりに非常勤の職員を配置するということになったりしますと、保育士さんにとっても安心して働ける環境ではなくなるし、結果的に子供たちの保育の内容にも影響が出てきてしまうということがあるのです。ですから、この点について改めてどのように考えておられるかということをお聞きしたいと思います。


福祉部長:ただいま議員がおっしゃいましたとおり、保育サービスというのは対人サービスであろうかと思います。また、サービスの内容、そういった水準につきましては、保育士さんの持つ知識とか情報あるいは技術など、職員の資質によるところが非常に大きいのではないかと考えているところでございます。また、保育士さんの資質にっきましては、確かに経験に裏打ちされるところもあるでしょうけれども、経験年数が長いということ、これだけが保育士さんの資質にっながってくるものではないような気もしております。今回の再構築にあたりましては、職員の平均経験年数に応じた画一的な補助制度といった今までの制度を改めて、保育所のサービスの向上に向けた努力が真に報われるようにするための再構築であると聞いております。質の高い、一定割合の経験のある人材を計画的に各保育園が確保できるようにして、そのサービス水準の確保もできると聞いているところでございます。東京都の懇談会でお話し合いがされているようでございますので、そういったところの今後の動向を注意深く注視してまいりたいと考えているところでございます。

たらお市議:サービスのあり方といいますか、新しい仕組みに変えていくということで、形に見えるようなサービスといいますか、例えぼ駅前保育みたいなこととか、長時間保育のような、そういう新しいサービスが保護者のニーズだととらえられる部分もあると思うのですけれども、同時に、先ほども言ったように、経験を積んだ保育士さんがしっかりと配置されているということが、保育行政にとっては本当に大事なことなのです。それで、目に見えない部分なのですけれども、保護者の人たちが相談したいことがあるときに、そういう相談に対してしっかりと答えられるとか、安心して任せられる保育が経験を積んだ保育士さんによって行われているということがあって、この点はしっかり評価していかないといけないところだと思うのです。今、育児不安を抱えている保護者の方もいますし、虐待の問題などもありますし、いろいろな問題が出てきている中で、ベテランの保育士さんだから選切な対応ができる。このような時代だからこそ乳幼児期には豊かな発達を保障できる保育をしっかりと行っていくということはすごく大事なことだと思いますし、その点をしっかりと評価していくべきではないかと思うのですが、改めてお聞きしたいと思います。


福祉部長:先ほども御答弁させていただいたのですけれども、今回の再構築に伴って真に保育園の努力が報われるような制度に再構築していきたいということでございまして、内容的には、まだこれは案の段階で、決定されているわけではございませんけれども、それぞれの園の対応によりましては加算されるということにも今回なっているようでございまして、今議員がおっしゃいましたように、園のそういった内容をよくするため、例えばサービス評価受審経費とか、保育園に対する苦情対応の経費とか、保育園がみずから経営改革に取り組むための経費を補助する部分にっいては、今までの補助金よりも加算していくことになると聞いておりますので、そういった中で保育園のサービスが低下していくことのないように、市といたしましても今後の動向を見ていきたいと考えているところでございます。


たらお市議:次に移らないといけないのですけれども、新たにサービスを評価していく再構築ということなのですけれども、現実には補助金が減ってしまうと人を減らさざるを得ないみたいなところが出てくるので、それだけ見ると、本当に影響は大きいわけです。それで、都内の保育関係団体でも集会を持ってアピールなどが採択されてきているという話も聞いているのです。多くの団体が、拙速な改革ではなくて、現場の声が十分に反映される内容にしてほしいということを強く要求していますし、保育の現場で経験豊かな職員が専門職として保護者とお互いに信頼し合って子供の成長を援助しているということがあって、そのために職員の定着率を高めて、安心して意欲的に働き籠けられるように、しっかりした保育制度をということで求めているわけです。こういう要望が出ているということは御存じだと思いますし、また市内の園長会からも要望が出されているということを聞きましたが、こういったことをどう受けとめておられるかということをお聞きしたいと思います。


福祉部長:民間社会福祉施設サービス推進費補助の再構築につきましては、東京都保育問題協議会から東京都市長会に対し、民間社会福祉施設サービス推進費補助事業の再構築についての申し入れがされておりますので、今後も東京都の動向を注視しながら、必要があれば各市とも詞整を図り対応していきたいと思っております。


たらお市議:市としましては、こうした市内からも出ている要望をどのように受けとめて都に対して訴えていくのか、その辺を聞きたいと思うのですが、いかがでしょうか。


福祉部長:保育所の運営費につきましては、市といたしましても、先ほどご答弁させていただきましたけれども、東京都市長会ということで、今後とも各市と調整していきたいと思っておりますし、保育所の運営費全体につきましては、(平成)16年の都の予算編成に係る重点要望としまして、東京都の市長会から保育所運営費の補助制度の一層の充実を図るようにという要望も出しておりますし、また全国市長会といたしましても、(平成)16年度国の施策及び予算に関する要望の中で、保育所運営費の保育単価を改善することということで要望を出しております。そういったことで、市といたしましては、未来ある子供たちのために、これからの少子化対策の中でも、保育の充実、それから保育内容の充実も含めまして、これは非常に大切なことだと考えておりますので、今後とも26市との連携をより深めていきたいと考えているところでございます。


たらお市議:再構築ということで、非常に大きな影響があり、また保育士の経験が評価されていないといった内容になって、そのもとで補助金の減額が出て、そういうことをしないようにという立場で東京都に対しても要望していってほしいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

 次に、公立保育園の公設民営化についてお聞きしたいと思います。今、行政改革で公立保育園の民間委託を検討中と聞きました。民間委託でコストが削減されるということがあります。例えば三鷹市で株式会社に保育園が民間委託ということで行われて、大変安く契約したということを聞いたのです。しかし、コストが安ければいいという問題ではなくて、保育というのは人の部分がすごく大事なので、人件費の削減ということになりますと非常勤保育士の対応などという流れになってきてしまうので、子供たちの保育の内容や、子育て中の保護者に与える影響ということを本当に考えていかなくてはいけない問題だと思います。@、稲城市の保育園の株式会社を含む民間への委託については、コスト削減などで保育の質への影響が考えられるため、安易に行うべきではないと考えますが、市の考えをお聞きしたいと思います。


福祉部長:国の規制緩和措置として、保育所の運営においても設置主体の制限の撤廃で社会福祉法人以外が参入できることになり、また公立保育園の運営では民問委託することの有効性が言われております。当市におきましても、厳しい財政状況下にあり、行政改革を推進してきておりますので、公立保育園につきましても、今後、民営化を含めた運営形態の検討を進めてまいります。


たらお市議:市の第二次行政改革大綱の中に、保育士の定年退職の状況を踏まえた保育園の公設民営化ということが書かれています。保護者の間では、この公設民営化の問題について、(平成)17年には結論が出るのではないか、それが第一保育園から行われるのではないかと心配されているのです。.この辺の動きが今どのように進んでいるのかというあたりをお聞きしたいと思うのです。


福祉部長:保育園の民営化につきましては、第二次行政改革大綱及び実施計画にも載っているところでございますけれども、現在のところ内部で調査をしている段階でございまして、今後検討いたしまして、(平成)17年度に向けまして民営化の進め方について一定の結論を出していきたいと考えているところでございます。


たらお市議:(平成)17年に結論が出されるということで、着々と公設民営化の方向で議論が進められているのだと思うのです。ここで、先ほども話があったのですけれども、保育園という子供をどう育てていくかということにかかわってくる部分で民営化していっていいのだろうかというところが非常に気になるところで、保育の質をどうしていくのかということを考えていかなくてはいけない、すごく大事な問題だと思うのです。先ほどの市長の答弁にも、官がすべてやる時代ではないというお話などもあったのですけれども、市の公立保育園として果たす役割というものをしっかり考えていかなくてはいけないと思います。稲城では、稲城の子供たちをどのように育てていきたいという理念をしっかり持って、安易に民営化していかない方がいいと思うのですけれども、その辺についてお考えを間かせていただきたいと思います。


福祉部長:現在、稲城市におきましては、私立保育園が7園、これは昭和46年から開設しまして現在まで運営して、稲城の保育の充実に貢献していただいております。また、公設民営の保育園につきましても、平成9年から始まっておりまして、既に6年を経過しております。そういった中で、公立あるいは民間ということでの運営上あるいは保育の内容上での差、違いというのは余りないのではないかという認識を持っているところでございます。どちらにいたしましても、今後未来を担っていくお子さんたちの育成のために、これから保育園の果たす役割というのは非常に大切になってくると思いますので、子育てといいましょうか、お子さんのことに関する支援としてどのようなものが必要か、そういったことを考えながら進めていきたいと考えているところでございます。


たらお市議:今答弁をいただいたのですけれども、公設民営化の議論の中で、株式会社も含めてということになってきていますので、非常に心配しているのです。保育園というのは、安く委託できればいいと思っているかもしれないのですけれども、ただ預ければいいという場ではないわけです。その内容がすごく大事であって、子供たちの豊かな成長をしっかり支えていくという場になっていかなくてはいけないわけで、その辺の市の理念をしっかりと、先ほども言っていますけれども、稲城の子供たちをこのように育てていくのだというしっかりとした理念を持って市が行う保育が充実されていかなくてはいけないと思いますので、今の公設民営化の議論の動きには、少し心配というか、疑問を感じているところです。先日の議論などでもそうだったのですけれども、まちづくりのことに関しては、市長も答弁されていましたけれども、美しいまちづくりを目指したいということを言われています。それはそれで、ヨーロッパみたいな美しいまちづくりになれば、それは本当にいいことかと思います。それと同じように、人を大事にするということは見えない部分だと思うのですけれども、市長の考えるまちづくりと、それ以上に大切なぐらい大事に考えていかないといけない部分だと思います。人を大切にする市政というのが稲城の魅力につながっていくことが大事なのではないかと思いますので、どういう子育てを行っていくかということを市としてもしっかりと持って、安易な民間委託という方向にはいかないようにしてほしいと思うのです。

 では、A、民営化に関して結論を出す前に、関係者や保護者の意見をしっかり聞いてほしいと思うのですけれども、その点についてはどう考えておられますか。


福祉部長:公立保育園の運営に関する民営化の進め方につきましては、稲城市第二次行政改革大綱で位置づけられておりますように、平成15年調査、16年度検討、17年度判断と決定されている内容に沿って進めていきたいと考えております。なお、実際に利用している市民の皆様への説明や、ご理解をいただく努力はしてまいりたいと思っております。


たらお市議:民主的な方法で進めていかなくてはいけないと思っています。今まで行革の進め方を見ていましても、住民がいろいろな意見を言っても進められてくるというやり方であったのではないかと思うのです。でも、その行革の中でも市民と行政との協働ということを強調しているわけです。結論が出る前によく話し合う場を持つということをぜひ行ってほしいと思いますので、その点について確認したいと思います。


福祉部長:進めるに当たりましては、関係者だけではなく、幅広い市民の方のご意見をお聞きして進めたいと考えているところでございます。


■国民健康保険税について

たらお市議:では、次の国民健康保険税についてお聞きしたいと思います。

たらお市議: @としまして、国保税の滞納世帯数や短期保険証発行の現状から、加入者の生活の実態をどのように分析しているかということをお聞きしたいと思います。


恒松憲治生活環境部長:国民健康保険税の滞納世帯につきましては、平成14年度現年分の推移で見ますと、全く支払いのない世帯が1,151世帯で、全世帯の8.5%を占めております。また、一部支払いがありました世帯は792世帯で、全世帯の5.9%となっております。さらに、税額で見ますと、滞納となりました金額は1億4,951万円となり、未納率は9.0%となっております。こうした中で、保険税の納付が4期以上滞っている世帯に対しましては、有効期限を4ヵ月に制限いたしました短期証を発行しているところでございます。平成15年4月の被保険者証の一斉更新時に合わせまして交付いたしました短期保険証は1,176世帯となり、その後徐々に減少していますが、11月末日ではいまだ778世帯があるところでございます。市では、短期保険証を発行することにより納税者と接触する機会を多くし、納税相談を促し、生活状態等についての事情を聴取し、納税計画を作成しているところでございます。しかし、市からの再三にわたる通知に反応がない世帯は約460世帯ほどございまして、対応に苦慮しているところでございます。


たらお市議:今の実態ということでお聞きしたのですけれども、この実態から加入者の生活実態をどのように分析されているかというあたりをお聞きしたいと思うのです。


生活環境部長:生活実態でございますけれども、近年における国保加入者の高齢化あるいは景気低迷化による所得の低下ということがございまして、国保加入者を初めとします国保を取り巻く環境は大変厳しい状況になっていると思っております。しかし、一方では、国保に加入することによりまして、医療費の給付あるいは高額医療費の自己負担の軽減ですとか、出産時の給付あるいは葬祭費の給付など、国保の精神であります相互共済によりましてその受給が保障されているところでございます。このことは家庭生活を安定させることにもつながっておりますので、そういう制度であることを理解していただきたいと考えております。


たらお市議:今いろいろお答えいただいたのですけれども、滞納世帯、短期保険証も約1,000世帯という数になってきているということです。今、不況、またリストラ、社会保障の改悪などのもとで、住民の生活実態が大変厳しい状況にあるのだということを私たちは認識していかないといけないと思っているところです。そういう立場から、次のAに進みたいと思います。新聞で、厚労省が国保滞納世帯への強制徴収徹底を自治体に指導する方針を出すと報じられています。払いたくても払えないという世帯の方もいらっしゃるわけですが、こういった措置がどのような影響を引き起こすと考えるかということをお聞きしたいと思います。


生活環境部長:国民健康保険制度は、被用者保険の加入者を除く市民を対象に医療費給付を行う地域保険として重要な役割を担っております。しかしながら、医療の高度化や高齢化の進行に伴って医療給付費が増大する一方で、経済の低迷等の影響から保険税収入の確保が困難になるなど、国民健康保険財政は危機的な状況にあります。国民健康保険税は、国民健康保険事業の根幹をなすものであり、健全な財政運営を行っていくための大切な財源となっております。相互共済の精神を基盤とした社会保険制度として、加入者すべての方が平等で安心した保険医療給付が継続的に受けられるよう、公平な負担をお願いしているところでございます。ご指摘の保険税を払いたくても払えないという世帯に対しましては、相談窓口を設け、収入状況等事情をお聞きしながら納税相談を実施しているところでございます。なお、ご質問の厚生労働省の方針につきましては、具体的な通知はいまだ示されておらず、詳細については現在確認ができないところでございます。

たらお市議:国保の強制徴収ということが新聞に出ていまして、調べたけれども、出所が余りよくわからないといったことなのです。東京都にも聞いてみたら、出所は確認していないのですけれども、以前から言われてきているということです。国保中央会などでも、既に国保税の徴収率を上げるために資格証明書から財産や預貯金の差し押さえを強めるなどという提案がされてきているということもありまして、以前から言われているので、今になって驚くことでもないといったことを東京都の方では言っていたのです。ただ、強制徴収というのは自治事務の範囲なので、国が指導と言ってもその範囲ではないかということではあったけれども、かなり厳しい徴収対策に取り組んでいるみたいなのです。強制徴収ということが流れになってくるとちょっと怖いという思いもあります。ほかの市などを見ても、資格証明書が既に出されているとか、そのような動きもあって、先ほど相談窓口を充実していくということがあったのですけれども、払いたくても払えない場合などにはすごく大きな影響をもたらすものだと思うので、注意して取り組んでいかなくてはいけないと思っているのです。

 昨年静岡市で、保険証がなくて病院に行くのがおくれてしまって命を落とすといった事例が2件あったと聞きました。1人の方は、お金がこれだけしかないから点滴だけ打ってくださいということで、病院で点滴だけして帰ったのですけれども、後で病院の方から心記だからということで電話をもらって、それでとりあえず短期保険証をつくって治療したのですが、手おくれで亡くなってしまったということでした。私自身も、払いたくても払えないという方の相談を以前受けたことがあります。その方の場合も、収納の方が家に来たけれども、とても払えないということで、泣いて訴えたそうです。そういうお話を聞いて、強制徴収はもちろんですが、資格証明書も出さないという方向でしっかりと市として取り組んでほしいと思うのですが、その点について考えをお聞きしたいと思います。


生活環境部長:短期保険証の件につきましては、先ほどお答えしたとおり、4カ月ごとに更新して、納税相談を行っているところでございます。今後もそういった形で、4ヵ月ごとの保険証でございますけれども、更新すればずっと使えるわけでございますので、ぜひ納税相談に来ていただければありがたいと考えております。


たらお市議:強制徴収とか資格証明書の発行ということにはならないように、努力していただきたいと思います。

 次のBに移ります。就職活動をあきらめてやむなくアルバイトでわずかな収入を得る方など、潜在的失業率も高いそうなので、減免制度の拡充の必要があるのではないかと思うのですが、この点についてどう考えるかということをお聞きしたいと思います。


生活環境部長:国民健康保険制度には、低所得者に対する負担の軽減を図るため、前年の所得が一定基準以下の世帯の被保険者均等割額と世帯別平等割額の6割もしくは4割を当該年度の保険税から軽減する軽減賦課制度と、災害その他特別の事情がある者に対し国民健康保険税を減免することができる減免制度がございます。減免制度につきまして、減免基準を生活保譲基準の1.15倍としております。この生活保護基準が毎年改正されておりますので、滅免制度の日的は達成されていると考えております。


たらお市議:減免制度は、生活保護基準をもとに減免基準がつくられていて、稲城では生活保護基準の1.15倍が基準ということをお聞きしました。制度としては1.15倍というのは比較的高い方だと思っているのですけれども、実際に生活保護基準の1.15倍以下の方で保険税が100%免除されている世帯はどのくらいになるのかということをお聞きしたいのです。


生活環境部長:現在、減免制度の認定を受けている方はおられません。相談に来られる方はございますけれども、事情をお聞きしますと、預貯金があるとか、いろいろな状態にあります。リストラに遭って職につけていないという方はおられますけれども、相談した結果においてはそういう状態でございますので、今の状況では減免を受けている方はございません。


たらお市議:私が相談を受けた方の中にも、本当に収入がなくて、生活保護基準以下なのですけれども、それでもいろいろな事情があって生活保護は受けないという方がいらっしゃるわけです。生活保護基準以下の収入という場合には、保険税を免除するという制度が必要なのではないかと思っているのです。府中市でも、生活保護基準の1倍以下で100%、1.1倍で80%、1.2倍で50%を免除するという制度があって、これを受けている方が30世帯ぐらいいらっしゃるとお聞きしたのです。せっかく稲城も制度としてはあるのだけれども、対象になっている方が今のところいないというのは、もう少し分析が必要なのではないかと私自身も思っています。できるだけ生活保護基準以下の生活困窮者が減免されるという制度としてうまく活用できるように、もう少し研究していただきたいと思うのですが、その辺はどうでしょうか。


生活環境部長:本市では、国保制度の中の識免制度につきましては、国保税徴収猶予及び減免の取扱要綱というのを設置しておりまして、この対象者が減免の適用を受けることになります。対象の世帯範囲でございますけれども、国保税の納税義務者及び世帯員がその利用し得る資産あるいは能力の活用を図っても著しく生活が困難な方を対象にしております。先ほど段階的な減免制度を設けたらどうかというお話でございましたけれども、今、相談を受ける中では数が少ないのです。府中市の方でそのようにあるということをお聞きしましたので、参考に、また問い合わせもしてみたいと思っております。


たらお市議:それではCです。国保税が今高くなってきているので、高過ぎる国保税を引き下げるということについて、考えをお聞きしたいと思います。


生活環境部長:国民健康保険事業に要する費用の大部分は保険給付、特に療養給付に要する費用となっております。このうち50%を国が負担し、残りの50%を保険税として被保険者から徴収する仕組みとなっております。療養給付費につきましては年々増加の傾向にあり、全国的にも国保の財政赤字が問題となっております。本市の国保財政も同様に毎年不足を生じており、一般会計からの繰入金、つまり他の税金で賄っているのが現状でございます。国保税は、保険給付費の財源として根幹をなすものであり、今後も、医療費の動向を踏まえ、適正な改正を行っていく必要があると思います。


たらお市議:稲城市でも、この数年の間に国保税はかなりの値上げがされてきたということがありまして、今、均等割・平等割を合わせただけでも2万6,800円という金額になっているわけです。一方で、国民の暮らしは、不況やリストラ、ほかにも社会保障の負担がふえてきているという中で、払えるお金も限られていますから、本当に大変なのです。国民健康保険税は、健康保険料などと比べてもちょっと高いのではないかと思えるところもあります。こういった情勢なので、ぜひ保険税を見直す方向でも検討していただきたいと思っております。


■障害児教育について

たらお市議:では、3番の障害児教育についてお聞きします。特別支援教育への転換が今進められているところですが、日本の障害児教育が根本から変わると言われております。今後の特別支援教育のあり方という報告書が出されています。この報告書では、これまで特別な教育の対象として認めてこなかった学習障害や注意欠陥・多動障害・高機能自閉症などの子供が通常の学級に在籍し、特別な教育的な手だてが必要だと初めて認めたということ、また対象児がふえるのに、教職員や教育条件を整備する予算はふえないで、障害児学校や学級の教職員や施設を活用して新しい教育を進めなくてはいけないということなど、幾つかの特徴があるわけです。(1)としまして、特別支援教育への転換の動きが進められている中で、障害児学級をなくし、通級の学級に在籍させ、特別支援教室に通級することになりますと、教育条件の後退につながるおそれもあるのではないかと思うのですが、どのようにとらえているかということをお聞きしたいと思います。


近藤和夫教育部参事:稲城市教育委員会で進めております情緒障害児心理教育指導員派遣事業は、学習中の支援を必要とする児童生徒を含めた総合的な支援体制の充実を図ることを趣旨としております。市内の各小中学校では、学習中の支援を必要とする児童生徒の実態把握を行い、支援体制や指導内容の検討が進められております。校内委員会を円滑に運営し、医療等の関係機関との連絡調整役であるコーディネーター対象の研修会も10月中に実施いたします。巡回相談も3学期には始まる予定でございます。これは、通常の学級に在籍する支援の必要な児童生徒を対象に、保護者の願いや教育的ニーズを正確に把握し、個に応じたきめ細かい支援を担任や養護教論等の教職員と他の子供たち等も含めた全校体制で進めていく2年間の研究であります。ご指摘の特別支援教室等につきましては、このモデル事業の研究内容には含まれておりません。今後予定されております東京都心身障害教育改善検討委員会の最終答申を受け、障害の程度に応じた支援の方法やカリキュラムのあり方等も含めて、これまで培われてきた心身障害学設の機能やノウハウを最大限に生かし、慎重に考えてまいります。


たらお市議:学習障害などの子供を特殊教育の対象にして適切な援助が受けられるようにするということはとても大切なことだと思いますし、今回それが認められてきているということは重要なことだと思っています。知的障害は持っていないけれどもいろいろな困難を抱えているということを周囲もわからなかったり、周囲の理解がないままに子供自身もわからなくて自信を失ってしまったりという状況がある中で、それを大人がしっかりと支えていくということが大事であると認識されてきていると思います。ところが、今度の特別支援教育の中で、仮に特別支援教室ということで新しい教育ということになりますと、先ほども言われました障害児学級のあり方が変わっていくわけなのですけれども、今障害児学級にいる子供たちの中にはひょっとしたら不登校になってしまう子がいるのではないかといった保護者の心配の声もあるのです。こういった点についてはどのようにお考えになっているかということをお聞きしたいと思います。


教育部参事:今お尋ねがありました件は、特別支援教室にかかわってのことだと思います。先ほども申しましたが、東京都の心身障害教育の改善委員会では、現在は中間まとめが出ている段階で、それぞれの立場の方から意見をいただいて最終答申に向けているところだと聞いております。最終答申は12月下句に出されるわけですが、国の方で出しています最終報告書の中では、3つのパターンが示されております。1つは、大部分の時間をそこに通級して指導を受ける場合、これは例えば知的障害のお子さんや従来の固定学級で教育を受けてきたお子さんの場合で、教育内容の方法も含めて、障害に対応した教育が行われていく、こういうニーズに応じて教育をしていくという方向が求められています。2点目は、週の大部分の時間を通常学級で過ごして、一定時間を指導的に通級する場合、例えば弱視とか難聴とか言語とか情緒といった通級指導学級に通級したお子さんを中心とした一つのグループ対象の子を想定した場合で、通常学級での補充的な指導が中心になっていくという形です。3つ目のパターンは、先ほどもちょっとお話ししましたけれども、行動的な問題が非常に難しい場合とか、低学年のうちに集中的に指導すれば通常学級での学習にも十分適応できる可能性があるようなお子さんの場合には、低学年のうちに相当の時間特別支援教室で指導を受け、その状態の改善変化に応じて通常学級中心と変化していくことも可能であると。今お尋ねがあったのは、多分固定学級と申しますか、従来の心身障害学級の形が特別支援教室になった場合にどうなのかというご心配だと思いますが、ここで最初のパターンでお話ししましたように、今度は大部分の時間を特別支援教室で過ごすという方向も示されておりますので、東京都の最終答申等もにらみながら検討していく必要があるかと思っております。


たらお市議:それでは、(2)、今後障害児教育の対象児がふえるということになるわけですが、特別支援教育への転換の中で、それに見合う教職員の増員や教育条件の整備が行われるのかというところについて心配の声がありますので、この点についてお聞きしたいと思います。


教育部参事:平成15年5月に東京都心身障害教育改善検討委員会から、これからの東京都の心身障害教育のあり方について、中間まとめが出されました。その中に、特別支援教育体制の整備については、国の動向を見きわめながら、都と区市町村が連携して、それぞれの役割に基づいて整備を進める必要があること、教員配置など、新たな制度改正を伴う条件整備については、国に対して十分な体制が確保できるような制度となるよう強く要望していく必要があることが述べられております。稲城市としましては、特別支援教育に関する条件整備につきまして、これからの国や都の動向を見きわめながら慎重に進めていきたいと考えております。


たらお市議:特別支援教育という新しい制度になるということで、この最終報告などを読ませていただいたのですけれども、個別の支援計画を立てるということで、ほかの機関との連携などもいろいろありますし、かなり人手が必要になってくる事業なのではないかと思いました。現在でも個別の指導計画が立てられて障害児の教育が行われているということなのですけれども、この作業も結構時間のかかる作業ではないかと思っているのですが、さらに障害児の対象者がふえるので、人の配置がすごく大事になってくるのではないかと思っています。また、.こういう対象児童がふえるということとか、新しい制度の転換という取り組みの中で、担当の教員がかわるというのもよくないことだと思うので、きちんとした人の配置が必要になってくるだろうと思って見ているのです。最終報告の「特別支援教育を推進する上での小・中学校の在り方について」というところを読ませていただいても、「特殊学級や通級指導教室の教員のみで対応するのではなく」とは書いてあるのですけれども、「学校内の教員全体の理解の促進と支援体制の構築、非常勤講師や特別非常勤講師、高齢者再任用制度による短時間勤務の教職員等の活用」と書いてありまして、専門性を持つ教員の方たちがきちんと十分に配置されていくということでは、本当に大丈夫なのかという思いがしました。この点についてどのように考えているかということについて、改めてお聞きしたいと思います。


教育部参事:今回、国、また都の方から出てきました特別支援教育の方向と申しますか、一番大きなねらいは、今まで障害の程度等に応じた特別な場で指導を行う特殊教育という考え方から、障害のある児童生徒1人1人の教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行う特別支援教育という形への転換を図るというのが、大きな基本的な方向だと受けとめております。先ほど、特別支援教育の方向性の中で、学校の中でコーディネーター、それから校内委員会を設けるということをお話ししましたが、これからは、先ほどご質問にありましたけれども、個別の支援計画に基づいて、幼児期から卒業した後まで1人の子を見守っていく必要があるということで、支援計画とか個別指導計画が必要になってくるわけですが、学校に在籍している間も、外部と連絡をとったり、校内のリーダー的役割を果たすという意味で、コーディネーターという役割が必要になってきます。
 現在、本市でも全校にコーディネーターを配置して、12月19日に第1回のコーディネーターの研修会を開く予定でございます。それから、校内委員会というものを全校で設置していただいています。これは、今まで持っています生徒指導部会とか教育相談部会といった組織を生かしていただいて、校内に在籍する障害のあるお子さんに対して学校の中でどう支援していくか、それから外部とどうっないでいくかということについて検討していただく形になっております。そういう意味で、これからの教員の役割はますます重要になってきますし、そういう形で受けとめております。


たらお市議:ぜひ、専門性を持った教員の方がしっかり配置されるということと、予算の部分でもしっかりとした体制ができるようにということで、国の方にも要望していっていただきたいと思うのです。今、流れとしては、限られた予算の中でどこかをリストラしながら進めていくという厳しい選択の中で行われているということが多いので、そういう方向にならないように、障害児学級についても、通常学級に在籍する子にも、また障害児学校もそうなのですけれども、きちんと教育が行われていくようにということで、ぜひ国に対して人の配置や予算の充実ということで要望していってほしいと思いますが、最後にいかがでしょうか。


教育部参事:先ほども申しましたけれども、東京都の最終答申等がまだ出ておりませんので、これを受けて、財源とか教員配置等の方向性がこれから出てくるかと思います。それに伴っての法の整備とかという形も徐々に行われていくのだと思います。その辺をにらみながら検討していきたいと思っております。