今回の条例案全体は、国の定めた行政機関の保有する個人情報保護に関する法律を基本につくられているわけですけれども、国会のいわゆる個人情報保護関連法案の議論の際にも、個人情報の収集制限や、また目的外利用等の制限が緩いのではないかということが随分指摘されてきたわけです。今回の修正案では、@として、保有目的以外に利用される危険、A、国、他の地方公共団体及びその他の機関に漏えいする危険、Bとして、どのような情報がどの機関に知らされているのか、被保有者である本人に完全には知らされないという危険一いわゆる情報の自己コントロール権の保障について、不十分さが残されているのではないかということで、行政機関の保有する個人情報保護法と同じ議論でありますけれども、今回の市の条例でもその点についてしっかりと措置をとることが必要ではないかと考えまして、提案させていただきました。それでは、修正した部分について、一つ一つ御説明していきたいと思います。
まず、第1条、目的については、委員会の中でも議論がありまして、また他市の条例制定にかかわる議論などで公開されているものも少し見たのですけれども、この部分はどこでも大きな議論になっていたようなのです。目的の最後の部分に「個人の権利利益の保護を図る」という表現をうたった方がよりその目的が明確になると思いましたので、そこを変えさせていただきました。
それから、第6条の収集の部分なのですが、本人以外の収集が認められる場合ということについては、本人から直接収集しないことが合理的と認められる場合だと思うのですけれども、幾つかの基準があって、法令の定めがあることとか、本人の同意があることとか、それからだれもが知り得る情報であります出版・報道などにより公にされているということや、また緊急な場合、事故などで身元や病歴や血液型など調べないといけないということがありますので、本人以外からの収集ということについては、あいまいな表現ではなくて、しっかりと限定的に定めていく必要があると思っています。しかし、どうしても本人収集ができないときも確かにあると思うのです。そういう場合は、拡大解釈をしないためにも、審議会の諮問制度を使って、審議会の意見を聞いて決める必要があるのではないかということで、(7)の部分ですけれども、審議会の意見を聞くということを明確にさせた方がいいということで、変えさせていただきました。それから、4項として、本人以外の収集が行われたときは、自己情報コントロール権の保障という意味からも、本人に通知することということを加えさせていただきました。
それから、第12条、利用・提供の制限の部分ですが、他市の条例などを見ましても、「目的外利用」という言葉や「外部提供」ということで個別にはっきりと規定がされているのですけれども、今回の条例を見ると、そういった言葉が使われていないということがあったので、わかりやすくと思いまして、「目的外利用」、それから「外部提供」という言葉を第12条の1項のところに入れさせていただきました。2項については、目的外利用・外部提供について、行うことができる例外規定が定められているわけですけれども、稲城市のような基礎的自治体の持っている個人情報というのは、国や都の持っている情報などと比べてもかなり市民に密接した情報が多いと思うので、特に外部提供については厳格な運営が必要ではないかと思いまして、5・6・7号について、書き方が少々あいまいな部分があったり、また学術研究のために提供ができるとか、それから明らかに本人の利益になるときなどという部分については、こういった緩やかな規定というのはもう少し厳格にしていかなくてはいけないのではないかということで、削除させていただきました。それで、8号が5号に繰り上がった形になっています。それから、3項でも、目的外利用等をしようとする場合には、市規則で定めるときを除き、本人にそのことを通知しましょうということで、これも自己情報のコントロール権を保障するという意味で、つけ加えさせていただきました。
第13条については、今言いました前条の5号から7号を削除したことに基づきまして、原案では「第5号から第8号までの規定に基づき」となっているのですけれども、それ自体を削除しました。
それから、第15条、個人情報ファイルに関しての規定のところで、2項に「前項の規定は、次に掲げる個人情報ファイルについては、適用しない」と書かれています。ここにいろいろ書かれています、適用しないというファイルについては、法律の方には書かれていますけれども、国の法律をもとにして書いているということで、犯罪の捜査の部分ですとか、地元の市にこのまま持ってくるのはかなり無理があるのではないかという印象を持ちました。こういったファイルについても、市が保有する個人情報という性格を持っていることには変わりないのではないかということで、また市がどのようなファイルを持っているかについて開示の請求をするにも、すべてのファイルが公表されていなければ市民には判断ができないということもあると思いまして、こういった適用しないというファイルについては削除させていただきました。
概要としては以上のようなことなのですが、できるだけ原案の文を残しまして、そして原案に書かれています文を使いまして、最小限の修正を行った次第でございますので、どうぞよろしく御審議のほどお願いします。
私は、日本共産党稲城市議団を代表して、市長提出の第45号議案稲城市市税条例の一部を改正する条例に反対する立場で討論を行います。
この条例に反対する理由というのは、この条例にあるたばこ税の増税は住民・庶民の皆さんへの安易な負担増であり、これは認められないということであります。今回の市税条例の改正は、国の法改正に基づいて行われるものです。国の地方税法等改正は、個人住民税の配偶者特別控除上乗せ分の廃止2,554億円、地方たばこ税1,055億円などの庶民増税となっています。国税改正による地方消費税1,260億円の増税を含めると、地方税関係で5,000億円の庶民増税となるものであり、政府の4兆円国民負担増政策の一環となっています。赤字企業の増税となる外形標準課税の導入とあわせて、経済危機にも拍車をかけるものであります。この法改正に基づいて行われる地方たばこ税の増税は、国税と地方税を合わせてたばこ1本につき0.82円の増税で、消費税その他も含めると1箱当たり20円の値上げになります。これは実に安易な庶民への負担増の押しつけです。たばこ税については、禁煙推進の立場から増税を求める運動がありますが、今回の増税については、そのような政策的な見地に立ったものではなく、税金を取りやすいところに増税の矛先を向けたにすぎません。このことから今回の条例改正に反対すること、これを最後に申し上げて、反対討論といたします。
私は、日本共産党稲城市議団を代表して、第46号議案稲城市手数料条例の一部を改正する条例に反対の討論を行います。
この条例は、2003年の5月に国会で個人情報保護法が成立したことを受けて、住民基本台帳ネットワークを本格稼働させるために、住民基本台帳カードの交付を行うというものです。私は、住民基本台帳カードの交付、住民基本台帳ネットワークの本格稼働の下地となる個人情報保護法に個人情報の漏えいの危険性がいまだなくなっておらず、このもとでカードの交付は控えるべきだという立場で反対討論を行います。
反対理由の第1は、個人情報保護法には、思想・信条など、個人の名誉・信用・秘密に直接かかわるセンシティブ情報一慎重な取り扱いを要する情報の収集の原則禁止規定が欠落しております。また、政府は、センシティブ情報の漏えいが問題になっている特定分野の個人情報保護のための個別法の制定についての計画を全く明らかにしていません。センシティブ情報の特に慎重な取り扱いも規定できない法律では、住民の不安を解消できないことは明らかではないでしょうか。
反対理由の第2は、この法には、自分の情報の取り扱いに本人が関与し選択するという自己情報コントロール権が明記されていないために、業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合は開示の例外とされており、結局、企業や行政機関の運営が優先され、憲法上の権利であるプライバシー保護を中心とした個人の権利が後景に追いやられています。自己情報コントロール権は、情報の高度化の中でプライバシー権を保護するものとして生成してきた権利であり、これを取り入れていないこの法律は時代おくれなものと言わなければならないのではないでしょうか。また、目的外利用についても、政府は相当な理由などというあいまいな規定で目的外利用ができると答弁しています。また、利用目的が異なる個人情報ファイルを照合または結合することが個人の権利利益を侵害するおそれがあることに配慮する、いわゆるデータマッチング規制もありません。行政の都合や利便性に偏った判断で、個人情報が国の機関から地方公共団体まで、全国の行政機関で使い回しされるおそれは払拭できません。
今述べたように、個人情報保護法は、個人情報の保護に万全を期すため所要の措置を講ずることになっておりません。住基ネットの個人情報の漏えいの危険性はなくなっていません。現に、小金井市議会の委員会や多摩市議会でも、類似の条例案は否決されています。また、日弁連の自治体の調査でも「住基ネットに反対」と「どちらとも言えない」というのが70%を占めている現状で、稲城市でのカードの交付は控えるべきだということを申し上げまして、私の討論を終わらせていただきます。
税制調査会が中期答申を出しましたが、所得税では、年金生活者に配慮した公的年金等控除などを縮小し、サラリーマンの諸経費等を補う給与所得控除も圧縮するという方針です。非課税の遺族年金や失業給付にも課税し、消費税の引き上げも明記しているという内容です。答申では、少子・高齢化社会を支えるために増税は必要だということを言っているわけですけれども、社会の圧倒的多数を占める中・低所得者層に負担を求めるという方向であります。この間、医療費の負担の引き上げなどもありましたが、そのたびに高齢者への負担がふえ、受診抑制が見られたりと、多くの方にとっては負担が重くなってきていて、こうした負担増の方向が将来不安や家計消費の冷え込みの原因ともなっているわけです。一方、一層の法人税率引き下げを検討課題に掲げているということですが、この答申の内容には本当に疑問を感じます。負担する力のある者が能力に応じて負担するという本来の姿に戻るべきだと思いますので、この陳情には賛成していきたいと思います。
また、第10号陳情ですが、公務員制度改革大綱については、つい先日もILOが公務員の基本的権利への制約を維持する意図を再考するようにと勧告を出しています。昨年も勧告を受けていますが、勧告では、目本の政府が公務員労働者のストライキ権を禁止しているのはILO条約に反しているとしています。今回の再勧告でも、消防職員などへの団結権の保障や公務員のストライキ権の付与などを協議するべきだとして、この改革の内容にも触れて、現在の制度を維持するということについて再考するべきということ、それから法律改正ということも強く求めています。日本の政府は、日本の事情を理解していないという趣旨のことを言って拒否しているようです。しかし、勧告では、ILOの原則というのは、諸国間に一律かつ一貫して適用され、加盟時から基本原則を受諾し、条約の批准によって約束した誓約を完全に尊重する義務を負うと述べています。憲法で保障された労働基本権を公務則こ保障することは、労働者として、また全体の奉仕者として、国民の立場に立った行政のあり方を点検し、国民本位の行政を進める力にもなるものです。憲法とILO勧告に基づく公務員制度改革が求められていると思います。また、政府が進める公務員制度改革は、官僚の天下りを規制せず、規制も緩和していくということで、これでは本当に国民の思いからもかけ離れていると思います。このような公務員制度改革の方向は抜本的に見直すべきだと思いますので、賛成としたいと思います。以上です。