2003年第2回定例市議会におけるたらお治子市議の一般質問(議事録)


  1. 旧第八小学校施設利用について
    1. 検討委員会について
      1. 検討委員会が行う検討は,最大限住民の要望が生かされる施設となるよう保障されることが大切だと思うが,市の姿勢は。
      2. 施設は最小限の改修で済ませたいとのことだが,検討委員会で検討される施設の案について,市の財政負担が重くなるものは認められないこともあるのか。
      3. 他地区では,自治体が福祉施設などの公共施設に転用しそれに市民が協力して成功している例や,複数の施設を併設する複合施設や市民や団体が活動に利用できる市民開放施設として利用している例もある。検討会に例を紹介したり,情報提供したりすることを十分に行なうことについて。
    2. 平尾地域の住民の声を直接機会をもつことについて。
    3. 基本計画には「利用方法について,一つの団体が一つの部屋を独占するような形ではなく」とあるが,福祉施設に利用する場合やNPOの利用などを考えると独占しなくてはできない場合が出てくると考える。市の考えは。
  2. 有事法制について
    1. 有事法制に対する市長の認識は。
    2. 有事法制が成立すれば稲城市にはどのような影響が出てくると考えられるか。特に在日米軍基地とのかかわりについて。
    3. 自衛隊が米軍と協力する戦争に,市職員(特に病院職員)や市施設(特に市立病院)を協力・提供させないように求める。
    4. 市が把握している市民の情報を,自衛隊の勧誘に利用させないように求める。
  3. 平尾外周道路歩道の設置について
    1. 平尾外周道路(台原の信号から上り2丁目の側)の歩道の設置については,今後どのように検討するのか。
    2. 当面の安全対策が緊急に求められていると思うが,具体的にどのような方策が必要と考えているか。
  4. 少人数学級について
    1. TT・少人数授業加配・講師・ボランティアなどの配置は十分ではない現状をどのようにとらえて認識しているか。
    2. 1クラスの人数を少なくすることについては,国も認めている。そうした動向をどのようにとらえて認識しているか。
    3. 国立教育政策研究所の研究者の調査でも,40人学級では3割が授業に何らかの差し障りが生じていると最近報告されたが,これについてどのようにとらえているか。
    4. 小学校低学年からでも少人数学級に取り組むことについて。



■旧第八小学校施設利用について

たらお市議:第1番目に、旧第八小学校の施設利用についてです。今、平尾の地域では、旧第八小学校の施設をどのように利用していくかということが、住民の皆さんの大きな関心となっているのです。平尾の自治会協議会でも、旧第八小学校施設の有効利用に関するアンケートを行いました。それで、3,800配布しまして、回収が1,338、回収率34%ということで、結果も最近全戸に配られたところなのですけれども、住民の皆さんも大きな関心を寄せています。また、施設の利用を考える会という住民の活動も行われています。こういう中で、施設の利用に関しては、住民の願いをしっかりと反映させていくということが大事なことではないかと思いますので、今、検討会も開かれているところですが、そこでの議論を市がしっかりとバックアップしていくということがとても大切なことではないかと思いまして、今回質問させていただきます。

 まず、検討会についてなのですけれども、検討会が行う検討は、住民の皆さんの要望が最大限生かされる施設となるよう、議論がしっかりと保障されていくことが大切だと思いますが、それを支えていく市の姿勢についてお伺いします。


田野倉秀雄企画部長:お答え申し上げます。旧第八小学校施設利用につきましては、市内の多くの方の要望におこたえできるようにと、施設等の利用及び管理等につきまして、市民検討会にお願い申し上げているところでございます。しかし、当施設は、文部科学省の補助金を導入しており、補助金の残存期間がございますので、教育関連や福祉関連などに使い道が限定されております。検討会では、これらの趣旨を御理解いただいた上で、できるだけ多くの市民の御意見を聞きたいとの趣旨で、市広報・ホームページ等を活用し御意見を募集したり、地元の皆さんのアンケート結果等を考慮し、意見集約を進めているところでございます。


たらお市議:まず、検討委員会での議論がどこまで可能なのかということがあると思うのです。検討会の議論というのは、施設の具体的な利用について議論していくということが大きなテーマなわけですけれども、学校施設であるために、用途の制限や補助金の範囲、また用途地域による制限など、さまざまな制約がある中で、施設をどのように利用するかということを決めていかなければならない、報告を出していかなくてはいけないということであります。先日、市の方からも少しお話を聞いたのですが、住民から出された案については、今でも可能な範囲というのはある程度わかるけれども、ボーダーライン上にある提案といいますか、そういうことについて可能かどうかは、一つ一つ文部科学省に確かめなければならないケースもあるかもしれないとお聞きしました。私もそういったことをお聞きしている中で、住民の皆さんがいろ.いろな要望を持っていて、このような施設がこの地域に欲しいという期待を持っていても、なかなか思うようにはできないのではないかという印象も持ったところなのです。しかし、平尾のアンケート結果に出ています住民の皆さんから出された要望というのは、既にごらんになっていると思うのですけれども、個人利用では、スポーツジムですとか、図書館とか、軽食喫茶、それから囲碁や将棋に使えるような娯楽室という案が出ています。それから、自由意見ということで出されたものの中には、高齢者施設や、それから子育てを支援する施設をという要望も多いのです。今回のこうしたアンケートの結果に出ているようなことについては、ほとんどできる内容のものではないかと思うのですが、その辺はどのようにお考えになっているでしようか。


企画部長:今、検討会の方で、例えば普通教室はどのように使った方がいいかとか、それから特別教室はどのように使った方がいいかとかということをいろいろ議諭しているところでございます。現在、その中で、平尾自治会の方でとられたアンケート等の意見も踏まえながら、利用の方法について検討しているところでございます。

たらお市議:出てきた案について、できるかどうかということでは、一つ一つ文部科学省なりに確認してみないとわからない面もあると以前にお聞きしたのですけれども、こういうアンケートの結果に出ているような要望についてはほとんど可能な範囲ではないかと思いますので、ぜひこういった住民の意見を最大限生かしていってほしいと思います。初めから、難しいのではないかということで行政の方で判断してしまうようなことではなくて、反対に、できないと言われたようなことであっても、文部科学省に対し、しっかりと説得するくらいの姿勢で、できる限り住民の要望を尊重して市は取り組んでほしいと思いますが、その姿勢について改めてお伺いします。


企画部長:まとめたものを報告という形でいただくことになろうかと思うのですが、そのいただいたものについて、先ほど申し上げておりますように、補助金の関係等がございますので、次のステップとしては文部科学省の方と調整という形になってくるのかと思っております。学校施設を有効活用していこうという趣旨で検討しているところでございますので、住民の意向・検討会の意向が生かされるような努力はしていきたいと考えています。


たらお市議:それでは、Aに進みたいと思います。旧八小施設等利用基本計画の中にも書いてあるのですけれども、施設分野別活用指針ということで、施設利用に当たっては、極力現状のまま使用するものとし、整備については必要最小限の改修にとどめると書かれています。施設は最小限の改修で済ませたいということで、なるべくお金をかけないでということだと思うのですけれども、検討委員会で検討される施設の案によっては、かなりの費用がかかるような内容にもなるかと思うのです。そういう案が出てくる可能性もあるわけですけれども、市の財政負担が重くなるものについては認められないということも場合によっては出てくるのかということについてお聞きしたいと思います。


企画部長:旧第八小学校の施設につきましては、文部科学省の補助金が残っていることから、これらを返還せず、暫定使用ということで進めております。また、総務・福祉文教両委員会におきまして報告させていただきました旧稲城第八小学校の施設等利用基本計画の中の施設分野別活用方針においても、施設利用に当たっては、極力現状のまま使用するものとし、整備については必要最小限の改修にとどめることとしておりますので、15年度予算には同施設の改修費は盛り込んでおりません。検討会でもこれらのことをかんがみて議論していただいておりますが、利用方法が示され、年度途中での補正予算などが必要になりましたら、対応していく考えでございます。

たらお市議:最小限の改修で済ませるということについては、ほかの地区などを調べてみましても、こういう言葉を使っているところは多いと思ったのですけれども、多少不安を感じる表現だと思いました。利用案そのものが制約を受けるということがないようにしてほしいと思います。それで、検討会の方で時間をかけてまとめた内容についてはしっかり尊重していただいて、住民の望む施設ができるように、そのために必要な費用はしっかり保障してほしいと思いますが、その姿勢についてお伺いします。


企画部長:先ほどからお答えしておりますように、現在、利用方法等についても、どのような使い方をするかということについても検討しているところでございます。基本的には、学校の施設ですから教室一現在ある施設を活用していくというのが大前提になると認識しておりますので、そういう立場で、さらにその中でどうしても必要な部分というのがあるのであれば、その部分については、また今後の調整という形になろうかと思います。


たらお市議:それでは、次に進みます。他地区では、自治体が福祉施設などの公共施設に転用し、それに市民が協力して成功している例や、複数の施設を併設する複合施設や、市民団体の活動に利用できる市民開放施設として利用している例など、さまざまな例があるわけです。そうしたいろいろな事例について、検討会の中で紹介したり、情報提供したりすることを十分行うことが必要だと思いますが、その点についてお聞きします。


企画部長:検討会委員の方には自由な発想で検討していただきたいとのことで、具体的な活用例を示すのではなく、白紙の状態で検討を願っております。しかし、委員からの要望もございまして、論文等によりまして市民から寄せられた活用要望や庁内検討会での意見も参考として提供させていただいております。また、近隣市町村での廃校活用事例や、平尾地区自治会で実施した活用アンケート、自主グループの検討結果なども御紹介させていただき、検討会の中で議論されております。今後も、希望によりまして、行政で知り得る情報の提供や、類似施設の視察には対応させていただきたいと考えております。


たらお市議:私も今幾つか他の事例を調べているところなのですけれども、実際にお話を聞いてみますと、こんなことができるのかということが随分わかりました。福島県の三島町でも、平成6年に廃校になった小学校を宿泊研修生涯学修センターということで活用しているということです。最初は、廃校になった後2年間は、地元の人が1人管理人という形で住民の方々に施設の部屋を貸すという普通の市民開放のやり方で行っていたそうなのです。しかし、それでいいのだろうかということになりまして、2年間かけて再度考えて、この地域にとって必要なものは何なのかということで、行政と地域住民と、それからコンサルタントにも入ってもらって考えたということです。ここでおもしろいのは、一つ、キーワードは何なのかということを決めまして、この地域にとってのキーワードというのは、生涯学習、ものづくりや自然体験ということであったり、また子供たちの声が響いていた学校がなくなって、とても寂しくなってしまったので、学校に対する求心力というのがもう一つのキーワード、そして地域の活性化というのがもう一つのキーワードで、そうした3つのキーワードを設定して、どのような施設が必要なのかと考えたということでありました。ほかの地域の取り組みなども研修していろいろ勉強したそうなのですが、研修センター、生涯学習センターということで、地域の方にも委託して、郷土料理をつくってもらって出したりとか、それがまた地域の活性化にも結びついているということで、生き生きとした様子でお話をされていたのです。私もお話を聞いて、こんなこともできるのか、おもしろい使い方だと思ったところなのです。余裕教室の活用ということでは、三島町では、まだ始まったばかりのところで、文部省などとかなり相談した中で、いろいろな制約があったけれども、これでも大丈夫かという感じで、見切り発車的に始めたということでした。このようなお話も聞いて、自分たちの住む地域にどういう施設が今必要なのか、何が求められているのかということをまずはキーワードで提案していって、それに合った利用方法を決めていくなどというやり方については、稲城でも大変参考になる取り組みではないかと思いました。私も今までずっと提案してきたのですけれども、ワークショップというやり方ができれば、このようなやり方もできるのではないかと感じたところなのです。今、例えばということで紹介したのですが、ぜひ検討会の中にもこういった事例をたくさん紹介していってほしいと思います。そして、今住民の皆さんが出されている要望をよりよく生かせるように、市としても支援していただきたいと思うのですが、改めてその姿勢についてお伺いします。


企画部長:廃校になった学校をどう使うかというのは、それぞれの地域で状況が違うのだろうと思います。今のお話もその地域での一つの活用の方法かという形で聞いたところなのですが、私どもの方といたしましては、第三文化センターの隣に旧八小があるという実態もございますので、そういう地域の状況等も踏まえながら検討していくという形になろうかと思います。


たらお市議:他市の事例・取り組みなどは参考になるものだと思いますので、市の方でも積極的に情報収集していただきまして、十分な情報提供・アイデアの提供を検討委員会にもしていただけたらと思いますので、ぜひその点はよろしくお願いします。

 (2)、平尾地域の住民の声を直接聞く機会を持つことについてということです。検討会の中には平尾の関係の方も多く参加されているのですけれども、検討会として、地元に来ていただきまして、地域の住民との懇談や直接意見交換する場を持つということはぜひ必要なことだと思いますが、その辺の動きについてお聞きしたいと思います。


企画部長:検討委員会の構成は、市内団体・公募及び人材バンク登録者からお願いしておりますので、幅広い御意見がいただけるものと考えております。この施設は平尾にあるということもあり、半数以上は平尾地区の方となっております。御質問の地元の意見を聞くという件につきましては、検討会の中で平尾地区の市民の声を聞く方向が出されているところでございます。


たらお市議:ぜひ検討会の方に地元平尾地域に来ていただきまして住民と懇談をしてほしいと思いまして、その方向で市としてもバックアップしてほしいと思いますので、よろしくお願いします。

 (3)、基本計画の中に、最初は市民開放ということを想定する中で書かれたと思うのですけれども、「利用方法について、一つの団体が一つの部屋を独占するような形ではなく」とあるのです。実際に福祉施設などに利用する場合ですとか、複合施設という形で利用するような場合などは、NPOの方々が利用するなどということを考えますと、長い間独占しなくてはできない場合も出てくると思うのですけれども、この辺の基本計画の中に書かれている考え方はどういうことなのかということをお聞きします。


企画部長:多くの市民の方々に利用していただくには、一団体が部屋を占用するのではなく、共用として利用していただくことが原則であります。旧学校施設であることから、文部科学省から示されております目的外指標にかかわる法的制約があり、教育や福祉・防災施設などに限定されており、この範囲内での使用になってまいります。このことを前提といたしまして、具体的な使用方法について検討会で協議をいただいているところでございます。


たらお市議:一つの団体が一つの部屋を独占するような形ではなくというところが、実際に団体の方やNPOなどの方などが利用するということになりますと、独占するような形をとらなくてはできない場合も出てくると思いますので、この辺については、基本計画に沿ってということでできませんとならないように、実際に要望が出てきたら、その要望に合わせて柔軟な利用形態ができるように進めてほしいと思いますが、そういう方向で進められるのかということについてお聞きしたいと思います。


企画部長:特定団体がそれぞれ部屋を拠点としてという形になりますと、利用範囲が狭まって、ほかの人が利用するときにその活用ができないということがあるわけですので、ある特定団体が占用するということについては、非常に厳しい状況であると考えております。


たらお市議:多摩市の複合施設の例などを見ていましても、福祉関係の団体の方たちが入って、そこがそういった福祉サービスの提供の総合的な拠点になっているわけですけれども、実際に独占するような形になっていくのではないかと思うのです。基本計画の中にはこういうことは望ましくないと書かれているのですけれども、実際にはこうしていかなくてはいけないということになってくると思うのです。その辺は私も理解がなかなか難しいところなのですが、実態として、このように書いてあることについては、見方を変えていかなくてはいけないのではないかということが出てくると思うのですけれども、改めてお聞きしたいと思います。


企画部長:再三お話ししているのですけれども、補助金等の関係で文部科学省の方から通達が出ていまして、その関係とかがございまして、その辺のクリアの問題もございます。他市の例等の関係などもあるわけですけれど、その辺について、現状では厳しい状況にあると私どもは認識しているところでございます。


たらお市議:それでは、この問題については私もまだ十分に理解できていないのですけれども、次に進みたいと思います。


■有事法制について

たらお市議:有事法制についてです。6月6日、有事法制が国会で可決成立してしまいました。この有事法制は、アメリカが行う戦争に日本の民間企業や地方自治体も強制的に協力させられるということも問題になっているわけです。そこで、まず市長の有事法制に対する認識をお聞きしたいと思うのです。昨年9月の定例会で目本共産党の楠原前市議が有事法制に対する認識を市長にお聞きしましたところ、有事法制については、必要な法制化であると考えているという答弁でしたが、改めて市長の認識をお聞きしたいと思います。


石川良一市長:最近の世界情勢は、まだ記憶に生々しく残っている米国同時多発テロを初め、北朝鮮を中心とした日本人拉致問題・ミサイル問題・不審船問題・核開発問題・麻薬問題などが我が国にとって大きな脅威となっております。このような中、昨年から国会で審議を重ねておりました有事法制関連3法案につきまして、5月15日、衆議院本会議で与党3党と民主党・自由党などの賛成多数で可決されました。さらに、参議院有事法制特別委員会で6月5日に採決され、6日の参議院本会議で可決成立を見たところでございます。この有事法制に対する認識との御質問でございますけれども、有事法制は、国及び国民の安全にとって重大な事態が生じた場合における対処を中心に、国全体の危機管理体制を図ることであり、国及び国民の危機は市及び市民の危機と一体であるということから、私は既に、先ほど御指摘がありましたように、議会で表明しているように、当然に有事法制は必要であるという認識を持っているところでございます。なお、国民保護法制につきましては、1年以内に法制化するということでございますけれども、早期に整備されることを期待しているところでございます。


たらお市議:昨年の9月にも市長は、「我が国に対する外部からの武力攻撃事態が発生した場合、また事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った場合には、地方公共団体は住民の生命・身体及び財産等を保護する使命を有することを考えれば、国及び他の地方公共団体と協力し、武力攻撃事態へ対処することは必要であると考えております」と答弁されているわけです。しかし、武力攻撃事態法で想定している日本への武力攻撃事態というのは、実際に攻撃を受けた場合だけでなく、武力攻撃が予測されるに至った事態と認定された場合も含まれているということであります。日本が攻撃されていないのに、日本が臨戦態勢に移っていくということを定めています。例えば、アメリカがイラク戦争のような戦争をアジアの地域で起こした場合に、首相が武力攻撃事態と認定して、有事法制を発動し、日本をアメリカの戦争に参戦させることもできるという、内容としては非常に危険な法律であると思うのですが、このことも含めまして、有事法制についての認識、どのようにお考えになっているかということを改めてお聞きしたいと思います。


市長:先ほどお答えしたとおりでございます。当然、攻撃される、あるいはされるということが想定される事態では当然のことだろうと思います。国民・市民の生命・財産に甚だしい打撃が与えられたらこれは当然のことであり、与えられることが想定されるときにきちんと対応するというのがまさに国家の安全保障であり、また危機管理であると、これはもう当然のことだろうと思っております。


たらお市議:2002年の第3回定例会の中で、市長は、「国会の議論を十分に尽くすようにという全国市長会の要望は当然のことであり、私も同感と思っている」と答弁されていたのです。今回の有事法制は、修正合意が通って、あっという間に可決されてしまって、参議院でも2週間という短い期間で審議が成立してしまったということで、国民の中にも、また市民の間でも、この有事法制はよくわからないという声が出されていると思うのですが、国民のこうした疑問に対して、国会での議論が十分に尽くされたと考えておられるでしょうか。


市長:まず、この間、状況が大幅に変わってきているということをしっかりと認識する必要があるだろうと思っております。北朝鮮は核開発に着手しているということを明らかに宣言しているわけでありまして、それを茫然と見過ごすわけにはいかないというのは、当然、大きな状況の変化だと思っております。また、法案の内容につきましては、特に地方自治体との関係では、国民保護法については、まだ期間等についてもほとんど未定という状況だったわけでありますけれども、ここで1年以内に法制化することがしっかりと約束されているということもございます。また、国会におきましては、大多数の国会議員が賛成するような状況で議論されてきた、これは大きな事実だと思っております。

たらお市議:有事法制が成立しまして、国立市長はこれを憂慮する声明を直ちに発表していたわけです。稲城の場合は、米軍基地も抱えていますし、今の市長の答弁も聞いていまして、このような姿勢でいいのだろうかと多少不安に感じたところでありますけれども、次の質問に移りたいと思います。

 有事法制の成立によって、実際にそれが発動された場合に、稲城市にはどのような影響が出てくると考えられるかということです。特に、先ほども言いました、レクリエーション施設とはいえ、米軍基地がありますので、それとのかかわりでお聞きしたいと思います。


企画部長:有事法制の成立による影響でございますが、今市長の方からお答えしたとおりでございます。武力攻撃事態への対処については、地方公共団体の責務と役割分担が示されております。地方公共団体の責務については、「当該地方公共団体の地域並びに当該地方公共団体の住民の生命、身体及び財産を保護する使命を有することにかんがみ、国及び地方公共団体その他の機関と相互に協力し、武力攻撃事態等への対処に関し、必要な措置を実施する責務を有する」としております。また、地方公共団体の役割については、「武力攻撃事態等における当該地方公共団体の住民の生命、身体及び財産の保護に関して、国の方針に基づく措置の実施その他適切な役割を担うことを基本とするものとする」となっております。したがいまして、稲城市においても、武力攻撃事態への対処につきましては、この責務と役割分担に基づき対応していくことになると考えております。在日米軍基地とのかかわりなどにつきましては、武力攻撃事態法の施行の日から2年以内を目途として、事態対処法制の整備の中で具体的に示されてくると考えております。


たらお市議:米軍基地があるということで、稲城市にもさまざまな影響が予想されるわけですけれども、有事法制が発動された場合に、自衛隊は米軍と一体となって行動するわけですから、レクリエーション施設を白衛隊が使用するということも十分に考えられます。それによって市民生活が脅かされたりということも懸念されるわけですが、その点についてはどうでしょうか。また、利用するという事態になったときに、どのような対応を市としてとられるのかということをお聞きします。


企画部長:今、前段でお話ししましたように、現在は有事3法案が成立しているところでございますが、それに伴う関連法案が先ほどお話が出ました国民保護法制を含めまして5つほどあるわけなのですけれども、そういうものについて今後早急に法制化されていくと聞いておりますので、そういう中で検討されると認識しております。


たらお市議:それでは、(3)に移りたいと思います。有事法制が発動された場合に、地方自治体には戦争事態への協力の責務ということが生じてしまいます。どのような責務が生じるかについては、ガイドラインの中に詳しく述べられているわけですけれども、その中に、日本国内における傷病者の治療、日本の国内における傷病者の輸送や衣料品及び衛生器具の提供という項日が出てきています。有事法制成立後、作成されるとされています。お話がありました国民保護法制度では、医療関係者への医療提供の要請と、それを拒否した場合には医療の提供を指示するということが検討されてきています。有事法制が発動された場合に、市の病院の職員や病院施設の提供ですとか、職員の協力が求められることもあるということが想定されるわけですが、そのような事態となった場合に、市の方ではどのような対応をするつもりでしょうか。


企画部長:武力攻撃事態に直面したとき、自衛隊法の規定により、自衛隊が出動を命じられた場合において、自衛隊の任務遂行上特に必要があると認めるときは、内閣総理大臣が告示して定めた地域内に限り、施設の管理、土地等の使用もしくは物資の収用を行い、または取扱物資の保管命令を発し、また、当該地域内にある医療等を業とする者に対して、医療等に従事させることができることが規定されております。御質問にある市立病院や病院職員の協力等につきましては、市立病院は市民を初め地域のための医療施設であります。この基本的な考え方は否定されるものではなく、法に基づく協力であり、市民の治療・看護を第一とすべきと考えております。なお、日米安全保障条約に基づく米軍への支援でございますが、有事の内容により、必要があれば、医療機関として協力することになろうかと思っております。


たらお市議:2000年9月の定例議会でガイドライン問題について一般質問を行った際に、市長の方でも、市立病院については、基本的には、議会の皆さんにも協議あるいは相談をさせていただいて決定していくということを答弁されているわけですが、その一方で、議会に相談する時間がないときは、市長としての判断で協力せざるを得ない場合もあるという趣旨の答弁をされています。こういった場合に、議会や市民が協力してほしくないという反対の意思を表明したとしても、市長の考えで協力・提供が行われる可能性も出てくるのではないかと考えているところなのです。また、今回のこの協力についても、協力しないと罰則が科せられるという厳しい内容であったりするわけで、その辺は私も心配しているところです。今、地方自治法にも書かれていますように、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されていくようにしなければいけないと思います。国に要求されて、当然のようにただ協力していくのではなくて、自治体独自の判断が本当に重要になってくると思います。住民の利益・安全に反すると稲城市が独自に判断すれば、国に対してしっかりと意見を言っていくということが必要になると思うのですけれども、その点についての姿勢をお伺いしたいと思います。


市長:今御指摘のお話は、前段につきましては周辺事態法の際の答弁の内容でございまして、今回の有事法制につきましては、既に明らかに、我が国が攻撃されるか、あるいは攻撃されることが想定される状況ということですので、より緊迫した状況なわけでありまして、こういう中で、市立病院は、市民の命を守るあるいは健康を守るための拠点ということでの活用は当然でありますけれども、それ以外に必要があれば、ましてや病院なわけでありまして、当然協力すると、基本的には考えております。

たらお市議:それでは、時間もないので、4番目に進みたいと思います。

 この間もちょっとお聞きしたのですけれども、防衛庁が自衛官の募集のための適齢者名簿の提出を各自治体に要請し、提出を受けた情報の中に保護者の情報や健康情報といった個人のプライバシーにかかわるものまで含まれていたということが4月に明らかになりまして、国会でも大きな議論になったわけです。自分の情報が行政によって知らない間に使われていたということは、個人情報の保護という観点から見ても極めて重大な問題であるわけですけれども、稲城市においては自衛隊から名簿の提出を求められたということはあったのでしょうか。そこで、市が把握している市民の情報を自衛隊の勧誘に利用させないようにということで求めたいと思うのですが、その辺の状況についてお聞きします。


小池昭司総務部長:本案につきましては、さきにお答えしたとおりでございます。なお、過去に自衛隊の勧誘についてのそういう資料請求はございませんでした。


たらお市議:住民基本台帳法の中では、氏名・住所・生年月日・性別を閲覧するということは可能になっているわけですが、これらの情報を第三者が自由に見ることができる是非はさておくとしても、これらの情報は閲覧のみが可能なのであり、自衛隊に提供するということは、法的根拠なしに特定の組織に特別な便宜を提供することですから、違法の可能性が極めて高い行為だと言われているのに、実際にはそのように提供が行われてきたというのがこれまでありました。このようなことは本当にあってはいけないことだと思います。それで、今お聞きしたところでは、そのようなことはなかったということではありましたけれども、実際に自衛隊から今後こうした名簿の提供とかを求められたときにはきっばりと拒否するという姿勢が必要だと思いますが、その点についてお聞きします。


総務部長:まさにお答えしたとおりなのでございますが、今回上程させていただいております個人情報保護条例案の中でも、今の御趣旨のような視点でとられておりますので、今後もそういう請求要求があってもこたえていかないという姿勢を持っているところでございます。


■平尾外周道路歩道の設置について

たらお市議:それでは、3番の平尾外周道路歩道の設置についてということでお聞きします。(1)、平尾外周道路なのですが、台原の信号の方から上りまして2丁目側に歩道がありません。今、周りに家がかなり建ったりしてきまして、若い世帯が多いので、小さい子供もふえているような状況なので、早急にこの歩道を設置していくということが必要ではないかと考えますが、今後どのように検討するのかということについてお聞きします。


小川二郎都市建設部部長:お答え申し上げます。平尾外周道路の歩道設置につきましては、第二次稲城市長期総合計画の中で歩道設置路線として計画された経過がありました。しかしながら、13年3月に策定されました第三次稲城市長期総合計画では、財政状況の悪化により全体事業計画の見直しに迫られ、事業費・事業効果・優先度の視点から総合的に検証した結果、本路線は見送りになっている経過がございます。こうした経過も踏まえまして、昨年度は本路線の既存歩道部の改良を実業してきており、がたつきのあった平板舗装を撤去し、新たに透水性の歩道舗装打ちかえを実線してきておりますので、当面はこちらの有効活用をお願いしたいと思っております。


たらお市議:長期計画の中には計画として一度立てられたけれども、財政状況などが厳しい中で凍結になってしまったということでありますけれども、今はそのころとは状況が変わってきているということがございます。それで、先ほども言いましたが、最近この周辺に家が次々と建てられてきているということがありまして、小さい子供も多いのです。こういう中で、歩道がないことから、反対側に歩道があるので、道路を横断して反対側に行く方がたくさんいらっしゃるのです。その中には、ベビーカーを押している方もいらっしゃいますし、子供だけで歩いているような場合もありまして、大変危険な状況ではないかと思います。以前とは状況もかなり変化してきているということがありますので、歩道の設置について検討を進めていくべきだと思いますが、その点について改めてお聞きします。


都市建設部長:今答えましたように、担当部の方としては当時、歩道設置をすべきだろうという形で計画しておりましたけれども、その後の第三次長期総合計画を立てるときに、関連公共事業をきちっと一回検証してみて、さらに年次計画が定まっている事業に関連するものは優先度が当然高いわけでございます。具体的には、多摩川架橋の設置、それと南武線の連続立体、南多摩尾根幹線の用地あけ、こういったものがいろいろな形でふくそうして進んでおりますけれども、それに市としてやるべき投資額は幾らぐらいになるのかと、それはもう目標年次も完成年次も決まって、いろいろな形で一致団結して動いているわけですから、それにおくれをとるということはまずできない。そのような形と、あるいはそれ以外の面整備に附帯して動いている、例えば山崎線の歩道設置とか、そういうものにつきましては完成年次と合わせてやっていくべしという形で、総体の事業費をまず優先度からやっていくと。それ以外に、投資的建設事業以外にもいろいろお金がかかるわけですから、そういうのも含めて全体パイとしてどのくらいあるのかという検証をしたところ、この路線だけではないのですけれども、いろいろな路線が先送りになっているという実情にあります。その後さらに用地がどんどん下落しておりますので、当初見込んでいた国や東京都の用地関連費の補助額がかなり落ち込んできている。これについては、機会あるごとに、それこそ職員の担当者レベルの協議から含めて、国レベルのところまできちんとした要請はしておりますけれども、下落に伴う用地難の厳しい状況に今ある。そういう中でございますので、今ここで担当部としてこれをまた復活させてあげるという状況にはないものですから、またそれは折を見てというところになろうかと思います。当面は、現在団地側に歩道がありますので、それを利用していただくということと、今お話があったようなことがあれば、それは安全対策の中でできるものは対応していくということになろうかと思います。


たらお市議:実際には、財政的にも厳しいという中ではあるとは思うのですが、小さい子供たちだけで出歩いている姿とか、ここはまた、坂があるので、かなりスピードも出ているということで非常に危険な地域でもあって、こういった危険な状況を放置しておくわけにはいかないのではないかという思いがありますので、何とか対策をとるべきではないかと思っているところなのです。

 (2)に移るのですけれども、当面の安全対策が緊急に求められていると思うのです。本当はこちらから先に提案しなくてはいけないところだったのですが、通告に従いまして質問しましたが、具体的にどのような方策が考えられるか、その辺についてお聞ききします。

都市建設部長:外周道路の安全対策につきましては、周辺の開発動向や交通流動の状況について見定め、横断歩道・路面に注意・徐行を促す標示や注意看板の設置などの安全対策について、今後とも交通管理者であります多摩中央警察署と適宜協議調整を行い、対策を講じてまいりたいと考えております。


たらお市議:今、車も規則どおりには運転していない状況とかもありまして、どうしてもかなりのスピードを出して走っていると思います。それで、仮の歩道を設置できないのだろうかという思いがあるのですけれども、その辺についてはどうでしょうか。


都市建設部長:あそこは、御承知のように、平たんな部分ではなくて、結構反対側が低かったり、高いのり面があろたりして、実はのり面の保護対策には相当の費用がかかりますので、平面ですと暫定的にすっと上げておくという話もできるのですけれども、そういう地形なので、暫定的にといってもそれなりの事業費はかかってしまうということで、やるのであればきちんとやるべきだということで、当面は今お答えしたような安全対策の中で対応させていただきたいと考えております。


たらお市議:先ほどから言っているのですけれども、以前とは状況が変わってきたということもありまして、若い世帯が多く住む家や、またマンションなどができてきて小さい子供もふえているという中で、見ていても、事故が起きてしまってからでは遅いと思っていますので、緊急の対応策をとるべきだと思います。ぜひその点については、今なかなか難しいというお答えでしたが、再度検討していただきたいと思いますので、これは要望とさせていただきます。


■少人数学級について

たらお市議:次に移りたいと思うのですけれども、少人数学級についてです。3月の議会に、小学校・中学校で30人学級を行うことを求めて、請願が出されました。署名の数が9,632筆も集まったわけですが、全国を見ましても、今、約半数の白治体、29の県で少人数学級に取り組んでいるということで、一部の人の要求ということではなくて、全国的な流れになってきていますし、少人数学級が大切だということが認められてきているのだと思います。

 委員会の中でもよく埼玉県志木市の例が取り上げられますけれども、志木市は独自のプランをつくっていまして、少人数学級を実践しているのです。このプランは、未来を担う子供たちに最高の教育プログラムを提供したいという志木市民総員の願いだと書かれていまして、子供の個性を伸ばして、豊かな人間性をはぐくむためには、1人の担任の日が行き届くよう、生活集団そのものを少人数化することがより効果的で、子供の多様性にこたえる教育活動を展開することが可能になることから、現行の40人を下回る25人程度の学級を実施すると言っているわけです。1クラスの人数を少なくして日常の生活集団を少なくしていくということは、教師の1人1人の子供に接する時間がそれだけふえるというのは当たり前のことです。それで、教師が身近に感じるとか、また子供たちも落ちついて勉強できるなどと、今評価されているところです。

 稲城でも、どの子にも行き届いた教育を行えるように少人数学級に取り組むことは、今多くの保護者の願いにもなっていると思っています。この間の委員会の中では、TTや少人数授業加配・講師で、少人数学級については、それをカバーするくらいのことができているという市の答弁があったわけです。TTなど、少人数の授業はもちろん大切なことではあります。しかし、これで十分カバーできているかと言えば、そうではないのではないかと思います。そこで、(1)として、今のTT・少人数授業加配・講師、またボランティアなどの配置の現状をどのようにとらえておられるかということをお聞きしたいと思います。


近藤和夫教育部参事:それではお答え申し上げます。教育委員会では、稲城の子供たちが基礎・基本を身につけ、確かな学力の向上を図るため、少人数指導及び理解や習熟の程度に応じた指導など、指導方法の工夫・改善を進め、個に応じたきめ細かな教育活動をパブリック・プランに位置づけるとともに、多くの教員が授業にかかわる中で、1人1人の子供の学習状況を理解し、主体的に考え判断し行動できる自立した子供の育成を図ることが大切と考え、推進しております。そのために、各学校では、教科の特性や学校の持つ教育課題・学習状況など、子供たちの実態に応じて、既に配置されているチーム・ティーチング・少人数加配・講師・学生ボランティアなどを最大限生かすとともに、学校独自の体制で、担任だけでなく、複数の教員による個に応じた指導の充実に努めております。また、習熟の程度の差がつきやすい算数・数学については、算数・数学担当加配教員の指導を受けられない学級には算数・数学補助指導員を今年度配置し、さらにきめ細かな指導となるよう努めております。


たらお治子市議:TTや少人数授業加配・講師・ボランティア配置の現状ということでお聞きしたのですが、先日も少しお聞きしました。例えば平尾小の場合で言いますと、1年生で1週間に4時間の算数のTTの加配があって、また週2時間の生活科の加配が行われているとお聞きしたのです。TTについても、これはこれでよいことだと思っているのですけれども、全体としては1年生の週21時間から23時間ぐらいある授業のうち、TTが行われている授業というのは5時間とか6時間という時間になっているわけです。前回の3月議会の委員会の中で、30人学級一少人数学級のいい面というのはTTや少人数授業加配・講師で十分カバーできるのではないかという答弁もあったのですけれども、これだけでは30人学級のかわりにはまだなれないと思っているのです。その点についてはどのようにお考えになられますか。


教育部参事:今、平尾小学校のお話がありましたけれども、平尾小学校では、チーム・ティーチングの加配の教員以外に、専科教員等が、時間のあいている限り、今のお話は1年生でしたけれども、例えば5年生・6年生の算数のクラス等に入ったりとか、先ほどお話ししました算数・数学の補助指導員の制度も今年度、市独自で手当ていたしまして、週1時間は5・6年生にそういう手当てができるような体制をとっております。


たらお治子市議:いろいろな形で少しずつ努力されているというのはわかるのですけれども、まだまだ30人少人数学級にかわるものにはなれないのではないかと思っているところであります。

 次の質問に移りたいと思うのですけれども、1クラスの人数を少なくすることについては、最近、国の方でも、自治体がお金を出すのなら独自に少人数学級を行ってもいいということで法律を改正しましたけれども、こういった動向をどのようにとらえて認識しておられるか、お聞きします。


甘利健一教育部長:国は、平成13年度から、都道府県教育委員会における学級編制基準の弾力的な設定を認めております。しかし、現状、東京都における学級編制基準では40人学級を1クラス規模としておりますことから、市においてもこれにより学級編制をいたしているところでございます。前の御質問でお答えいたしましたように、市は、子供たちにとってよりよい学習方法を選択することが教育効果を高めることになり、一律な人数による学級規模にとらわれることなく、個に応じたきめ細かな指導を推進していきたいと考えております。


たらお治子市議:東京都のTTとかを推進していくという考えのようなのですけれども、私たちも、ついこの間、三多摩地域の共産党の議員で東京都に対して30人学級について話を聞きに行ったときに、東京都では、みずかららの責任で市が独自に行うというのならば、財政支援はできないが、協議には応じます。しかし、市からの相談は今のところありませんということを言われていました。少人数学級のよさを認めて独自に取り組む自治体が今ふえているために、国も30人学級でもよいと認めてきていますし、東京都もそういう中で柔軟な姿勢になってきているのではないかなどと思ったところなのです。こうした流れは30人学級への評価が高まっている証拠ではないかと思うのですけれども、この点についてはどのように考えておられるでしょうか。


教育部長:東京都の職員がどのような言い方をされたか、私は聞いていないのですけれども、40人というのは今でも国の標準なわけです。その標準に対して特例を設けること、例えば、今40人なのですけれども、その数を下回る数を定めることができるように、学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の改正がされた、それは御存じのことだと思います。そこで言われていることは、これは第4条になるのですけれども、都道府県の教育委員会が定めた基準に従い、当該学校を設置する地方公共団体の教育委員会が学級編制を行うということになる。今、東京都の基準は40人なのです。ですから、これは仮の話ですけれども、30人がいいとか、40人がいいとかという話の別の部分で、例えばこれをこのまま東京都が持っている以上は、私どもとすると、40人を下回るクラスの先生というのはできないということになります。東京都の職員の方の個人的な意見ということはあったかとも思いますけれども、今の法律の体系はそういう形になっています。


たらお治子市議:今、30人学級とか少人数学級に取り組む自治体がふえてきているということで、そういう流れが広がっているということで、こうした動向をどのようにとらえているかということをお聞きしたかったのですけれども、次に進みたいと思います。

 (3)、国立教育政策研究所の研究者の調査でも、40人学級では3割が授業に何らかの差しさわりが生じているという調査をしていまして、それが最近、新聞でも報道されていたのですけれども、この報告についてどのようにとらえているかということを少しお聞きしたいと思います。


教育部参事:それではお答えします。国立教育政策研究所の研究者の調査で、全国の小学校5年生に、自分の学級に授業を妨げる子がいるかどうかを尋ね、学級規模別に学級の健康度の分析をした結果を見ますと、余りうまくいっていないと判断する学級は36人〜40人規模で30%でした。また、31人〜35人規模では17%、26人〜30人規模では25%でした。このことから、学級における差しさわりについて、学級規模と学級の安定度の相関関係はそれほど強くないと考えます。むしろ、授業を妨げる子供の行動には、授業中に立ち歩く子、授業が始まっても教室に入らない子、おしゃべりをしたり手紙を回したりする子、先生を困らせても平気な子を挙げており、社会生活のルールが身についていない子供の割合が多いことをこの調査から大きな課題として受けとめております。このような結果を見ますと、その背景には、子供たちの基本的な生活習慣の定着を図る基盤としての家庭教育の重要性が問われているものと考えます。そして、その上に立って、学校教育の中で何を学ばせ、何を育てることが必要なのかなど、家庭・学校とがそれぞれの役割と責任を果たすことが極めて大切とξえます。そういう意味におきまして、学級は、基礎学力の向上を図る、学ぶ場であるとともに、集団生活の中で豊かな人間関係を学ぶ場であることの必要性を再認識し、指導の工夫・改善に努めてまいります。


たらお治子市議:このように調査結果が出てきたわけですけれども、調査した研究者の方も、36人〜40人学級だと健康度が悪くなるのは明らかだという意見も出されていますので、こういう調査結果はきちんと受けとめていかなくてはいけないのではないかと思っているところでありますが、これについてはまた改めて議論していきたいと思います。  最後に、小学校低学年からでも少人数学級に取り組むことについてということです。平尾では、1年生、また3年生などが40人近いクラスになっていまして、先日も開校記念の式典の後に少し見学させていただいたのですけれども、40人近い小さな子供を一度に教えるということは大変なことではないかと、見ていて感じました。机やいすを見ていただけなのですけれども、30人学級の制度になれば、40人近いクラスが26〜27人というクラスになります。少人数学級に取り組んだところでは、教師からも、「教壇に立ったときの感じが全然違うし、1人1人の顔がよく見える」、また生徒からは、「人が多いと手が挙げにくいけれども、手が挙げられるようになった」とか、「アットホームな感じで、先生が近い」、「1人1人に教えてもらえるという感じがする」などの声が出ているわけです。また、親子懇談や家庭訪問でも、先生が1人1人にゆとりを持って対応できるというよさがあると思います。市民からも1万人近い署名が集まっている中で、こうした30人少人数学級を稲城市でも教育行政に反映させていくべきだと思いますが、改めてその考えについてお聞きします。


教育部参事:それではお答えします。教育委員会といたしましては、これまでにもお答えしてまいりましたように、学級は子供たちが学習する場であるとともに、集団生活の中で人間関係を学ぶ場であるとの認識のもと、学級での指導の充実を目指しております。まず、学習する場という点につきましては、複数の教員によるきめ細かな指導を通して、子供たちに基礎的・基本的事項の定着を図るとともに、しっかりした学び方が定着できるよう、1人1人に応じた教育を進めております。また、人間関係を学ぶ場という点につきましては、多様な子供たちとかかわることができる、たくましさの中で豊かな人問関係を築き、生きる力を育てる必要があることから、一定規模の生活集団が望ましいと考えております。したがいまして、小学校低学年につきましては、この時期に基礎学力をしっかりと身につけることが、その後の小学校生活や、ひいては中学校での子供の学習意欲を高め、落ちついて充実した学校生活を送る基盤となりますので、生活集団としての学級規模は従来どおりとしながら、少人数指導やチーム・ティーチングなど、複数の教員による指導体制を充実してまいります。