2003年第3回定例市議会におけるたらお治子市議の一般質問(議事録)


  1. 行政改革・PFIについて
    1. 営利を目的とする民間企業が主体となるPFI方式と,公共性を目的とする自治体の業務は両立するのか。市はどのような検討を行なってきたのか。
    2. 福祉・文化・教育分野へのPFIの導入は,市民からの不安の声がある。市民サービスや公共性への影響について,どのような検討が行われてきたのか。
    3. PFI促進法第4条に基づく基本方針(民間資金等の活用による公共施設等の整備等に関する事業の実施に関する基本方針 平成12年3月13日総理府告示第11号)民間事業者の募集及び選定に関する基本的な事項の1(7)には「民間事業者の選定を行なったときは,その結果を評価の結果,評価基準及び選定の方法に応じた選定過程の透明性を確保するために必要な資料(公表することにより,民間事業者の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれのあるものを除く。)と併せて速やかに公表すること」という例外規定がある。これによれば,結果的に住民への説明責任が不十分になるおそれがある。
      1. 今後の選定委員会において,市民参加や公開は保障されるのか。
      2. 事業を行なう特別目的会社(SPC)の活動・財務に対する市民の監視は保障されるのか。
      3. 住民参加の仕組みを市は保障するべきではないのか。
  2. メディアリテラシーについて
    1. 子どもたちのまわりには,様々なメディアから様々な情報が氾濫している。学校においてメディアリテラシーをすすめていく必要があると思うが,市の考えを問う。
    2. 出会い系サイト・援助交際など,子どもを対象とした売買春を流すメディアの見方を,性教育ともあわせて,養っていく必要があると考えるが,市の認識を問う。
  3. 東京都の第二次財政再建推進プランについて
    1. 東京都は今後区市町村への補助金の見直しを重視しているが市民への影響をどのように考えるか。
    2. 東京都に対し市民サービスにかかわる補助金の削減を行わないよう強く要望すべきと思うが市の考えは。
  4. 介護問題について
    1. 痴呆の判断が難しいといわれる中で,ケアマネージャーや調査員の方たちが的確に痴呆についての判断ができるようにならなければならないと思うが,市としての今後の対応は。
    2. 特養待機者の改善にどのように取り組むのか。



■行政改革・PFIについて

たらお市議:おはようございます。通告に沿って質問を行いたいと思います。

 まず、1番目の項目としまして、行政改革・PFIについてということでお聞きしたいと思います。先日も、国民の7%が生活に不安を感じているという内閣府の調査結果が出ていました。今、小泉構造改革のもとで、社会保障の改悪が進められてきたり、また企業の大規模合理化が進められる中で、国民が大変な思いをしているということが、こういった教にもあらわれているのではないかと思います。国の路線が国民に負担を求める構造改革をこのように進める中で、地方自治体が住民の暮らしを守るという立場をしっかりと貫いていく、そのことが求められていると思います。今、日本で行われているいわゆる構造改革を一言で言いますと、規制緩和の徹底、また市場の原理、競争の強化ということです。この背景には、経済のグローバル化が進む中で、これまでの社会経済システムを時代おくれとみなし、不況の原因が過剰な規制による高コスト構造、新事業・新産業の立ちおくれにあるとする認識があります。この構造改革はさらに公共の分野にまで及んできています。「規制改革推進3カ年計画」の中でも、民でできることは官でやらないということを基本に、教育や福祉・医療の分野への株式会社の参入方向も示されてきています。PFIも、こうした計画の中で強調されてきています。市の行政改革の内容を見ましても、民間との役割分担ということが書かれていまして、PFIや行政サービスの民間委託ということが挙げられていますが、これは公共サービス分野の市場化を目指していくというこの構造改革の路線とも一致しているのではないかと思います。規制緩和と言いますと、あたかも経済が活性化するように言われていますが、規制緩和を日本に先駆けて行ったアメリカやイギリスでは、ごく一部の人たちの経済は活性化しても、大部分の国民は貧困化が進んで、貧富の差が拡大しているという状況が生まれています。私は、稲城市の行政改革についても、まずはそういった基本認識を持って議論を進めていかなくてはならないと思います。

 そこでまず、(1)として、営利を目的とする民間企業が主体となるPFI方式と、公共性を貝的とする自治体の業務は両立するのかということについて、この間の第二次行革大綱をつくるに当たって、市はどのような検討を行ってきたのかということをお聞きしたいと思います。


田野倉秀雄企画部長:おはようございます。お答え申し上げます。仮称中央図書館につきましてのPFIは、所管委員会で何回となく説明申し上げているところでございますけれども、改めて御説明申し上げます。
 PFIは、長引く景気の低迷や、厳しさを増す地方財政状況のもと、公共施設等の建設・維持管理・運営等を民間が持つ資金力、経営能力及び技術的能力等を活用して行う手法であり、国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的・効果的に公共サービスを提供できる事業についてPFI手法で実施するものであり、その結果、事業コストの削減、より質の高い公共サービスの提供を目指していくものであります。また、PFI事業の性格として、5つの原則一公共性の原則、民間経営資源活用の原則、効率性の原則、公平性の原則、透明性の原則と、3つの主義一客観性主義・契約主義・独立主義が求められております。このようなPFI事業の性格から、御質問の公共性・公平性を十分踏まえて、事業として実施していくことになります。PFI事業の検討につきましては、PFIに関する基本方針・ガイドライン等が国から示されておりますので、これを踏まえ、PFI導入の可能性などの調査・研究を行うとともに、研修会・講演会の参加や、国の機関である地域総合整備財団、金融機関等から講師を招きまして、職員を対象とした研修会を開催し、その内容の把握に努めてまいりました。


たらお市議:PFIにしましても、事業を行うに当たっては公共性がしっかりと保たれるということを言われていたり、また今、財政難・財政危機の折から、自治体のサービスの効率化や低廉化ということが求められているということや、民間のノウハウが期待できる、民間企業がサービスを行えばむしろサービスがよくなるのではないかという意見もPFIに関してはあるようです。しかし、私たちは、ここで自治体の業務の公共性について改めて考えていかなくてはいけないのではないかと思っています。

 公共性と言うといろいろな意見がありまして、一言でこうだということはなかなか定まってはいないと思いますけれども、私はある本を読みまして、これは神戸大学の二宮厚美さんという方が書いている本だったのですが、この方が、公共性の第一基準は住民の発達保障ではないかということを述べていました。この方は、ノーベル経済学賞受賞者の(アマルティア)センという人が言っている「福祉の基準は住民の潜在能力の発達・発揮」という言葉を引用してこのように言っているわけです。「住民の発達保障というのは、住民1人1人が人間としてよりよい暮らしを行っていける、また市民社会を担う自立した人間として成長できること、それを保障するということを意味しています。そのための責務が自治体にはあって、その具体的な担い手が自治体の職員であり、また専門性と貢任を担う独自の役割がある。」ということを言っているわけです。

 私もこの意見に賛成の立場であります。福祉や教育・医療などの分野というのは、住民の発達保障の中でとりわけ優先順位の高い分野ではないかと思います。これを、営利を第一に考えていく民間企業に任せていくとして、民間企業の方たちには住民の発達保障をまず第一に優先して考えるなどという余裕は今ないだろうと私は思います。自治体の仕事であります福祉や教育・医療などの分野は、一見すると非効率のように見えるかもしれませんが、その住民の発達保障という視点からしますと、それを支えているという、お金には換算できない利益を社会に生み出すという、極めて重要な役割を持っているのではないかと思っています。民間が行う仕事の性質と自治体が行う仕事の性質とは違うのではないかと思っておりますが、こういった視点からの議論はされてきたのでしょうか。


企画部長:公共事業を行うに当たりまして、だれが行うか、公が行うか、民間が行うか、それは行政としても経営として行っているわけですから、同じ事業であればより安い費用でできる、それから同じお金をかけるのであればより高い公共サービスができるということを求めるのは、当然のことだと私どもは理解しております。そういう意味で、今回、図書館、それから新しくできる施設関係についての検討はしているところでございます。こういう経済が成長して膨らんで全体のパイが大きくなっているときにっいては、ある程度そういう意味での余裕があるわけですけれども、少子・高齢化の時代を迎え、歳入が厳しい状況になっていくことを考えた場合には、長い目で見て、先ほど言いましたような官民の役割分担を踏まえた中で行うことによって目的は達せられると考えております。

たらお市議:今、私たちは、公共性とは何なのかということをしっかりと考えていかなくてはいけないと思います。本当に福祉や文化・教育、また医療などという分野は、自治体が本来やるべき仕事ではないかと思っていますが、それも今、損制緩和の対象になっていて、そして公の分野にまで民間市場化していこうという流れになってきていることに対して、大変危倶を感じているところです。

 そこで、次に進みたいと思うのですが、福祉・文教・教育分野へのPFIの構入は、市民の中でも不安の声があるわけです。市民サービスや公共性への影響について、1番と量なるところがありますが、改めて、どのような検討が行われたのか、お聞きしたいと思います。


企画部長:PFI事業の導入を全国的に見ますと、現在、実施方針が公表されている事業の中で最も多いのが、福祉・文化・教育分野への事業となっております。市民サービスや公共性への影響につきましては、PFI導入の可能性などの調査・研究や研修会・後援会を通じまして検討してきているところでございます。


たらお市議:住民の方の中には、営利を目的としていくというのが民間企業の性質なわけですが、そこに任せてよいのか、公共性はどうなるのか、また自治体職員から民間職員にかわって、住民の要求に親身になって対応してくれるだろうかという不安の声があると思います。例えば、PFIを進めるにしても、建物の建設だけとか廃棄物処理の施設にPFI方式を採用するという場合には、経済・社会構造改革の一つと考えると、いろいろな課題はあっても、福祉や教育分野の運営までをPFIで行うということと比べると、まだ批判は少ないと思うのです。先ほど言いました「住民の発達保障」という観点から見れば、この福祉や文化や教育という分野には何よりも公共性が優先されないといけないと思います。この分野は、自治体の職員が専門性を磨き、強化していかなければいけない分野だと思います。それを、市がそうした仕事を民間に任せていく。いわば市が住民に対する責任を少しずつ放棄していくとか、本来自治体がやらなければいけない仕事を放棄していくということになっていくのではないかと思いますが、いかがでしょうか。


石川良一市長:基本的な考え方の問題なので、私の方から答弁させていただきます。まず、話がちょっと大きくなるかもしれませんけれども、20世紀最大と言ったときに思い起こすのは共産主義国家あるいは社会主義国家の破綻ということで、戦争もそうですけれども、思想史においてはそれが大きな特色だろうと言えるわけです。いわば行政一官がすべてを取り仕切ることはいかに非効率で、いかにサービスが低いかということは、旧ソ連邦あるいは今市場経済を導入している中国などを見ても明らかなわけでありまして、結果としては国家財政そのものが立ち行かなくなるということで破綻する。このことが根底にあったわけで、実際に掲げる思想と具体的に進行していく現実が完全に乖離してしまった。看板と中身が全く違ってしまった。このことが結果としては国家破綻と解体ということになったわけであります。また、ヨーロッパでは、イギリスが社会主義的なシステムというものをかなり導入しながら国家運営を進めてきたわけであります。高負担・高福祉という社会を実現しようということで頑張ってきたようですけれども、結果として大きな貿易赤字、そして財政赤字という双子の赤字を抱えて、どうにもならない状況まで1970年代に立ち至った。このときに、サッチャー首相が新しいサッチャー改革ということで改革プランを出してきたわけであります。その際の基本的な考え方は、官が公共事業をすべて独占するというのは極めて非効率であると。このことが根底にあって、我が国でも、そういった流れをしっかりと受けとめながら、国鉄の民営化等については現実に具体化し、サービスは今まで以上に上がり、しかもコストは下がるということで、国民に対してサービスを返していくという部分では十分にその機能を発揮してきたわけであります。このサッチャー改革を進めていこうと。今我が国も、貿易については黒字を堅持していますけれども、世界で最もひどい財政赤字を抱えていて、今までのような状態で経済が成長しない中でこういった財政運営を進めていけば、まさに国家破綻に向かいつつあるという状況なわけであります。
 私どもとしては、市民の皆さんからいただいた財としての、負担としての税をいかに効率的に、より高いレベルのサービスをしていけるように配分していくのかということが大事な課題なわけであります。これらの詳細については、既に私も女満別町に2年前に行ったときに町議会でさせていただいた講演の中で述べさせていただいておりますけれども、こういった我が国の今の状況、そしてイギリスの1970年代と非常に酷似するものがある中で、知恵をかりていこうではないかということで、PFIの手法についても導入していく。
 今の我が国の行き詰まり、特に官がサービスを進めていくという基本的な考え方を転換して、より高いレベルのサービスを低いコストで実施する、その実例としてイギリスが挙げられているわけであります。ですから、既に何度もお話ししておりますけれども、英国では、刑務所さえもホテル事業者が運営する、あるいは讐察が事業を行っているところを、警備会社が警察と同じようなサービスを行うということが現に行われているわけであります。我が国は今、こういったノウハウをすべてきちんと受けとめられるような国情ではありませんけれども、少なくともエキス部分だけでも受けとめていかないと、まさに年金の問題、あるいは保険の問題、それこそ大変な問題を抱えているわけでありまして、本市においても、例えば職員の退職金の問題ですとか、年金の問題ですとか、これは他人事ではないわけでありまして、こういったことを一つ一つ乗り越えていきながら、しかも今まで以上に多様化している市民サービスにこたえていくために、これは当然選択していくべき手法であると、基本的には私は考えております。国あるいは地方自治体がすべてのサービスを自分たちで行うという考え方はもう過去のものである。このことに固執していれば、こういう自治体は必然的に沈下していき、破綻に追い込まれていくということを私自身は確信を持って申し上げることができる。その中でPFI手法についても選択してきていると申し上げたいと思います。

たらお市議:すべて官が行っていくことは、財政赤字が大変な中で、それはどだい無理なことになるのだということも言われていたわけです。ただ、福祉や教育、医療とか文化といった分野は譲れない分野なのではないか。先ほど私は、住民がよりよい暮らしをしていける、その発達の能力を保障する、そういうことが自治体の仕事として基本的にあるのではないかということを言ったのですけれども、こういった福祉や教育の分野などというのは、その立場に立って、民間に任せていくというのではなくて、本当に自治体が責任を持ってやっていかなくてはいけない分野だと思うからこそ大変心配をしているわけでありまして、官がすべてをやらなくてはいけないとかということではないにしても、この部分はしっかりと考えていかないといけないのではないかと思っています。今いろいろな例も挙げられたのですけれども、自治体がこういう福祉の分野や教育の分野に使い過ぎているから赤字を生んでいるのだということではないとも思っております。いろいろ考えの違いはあるかもしれませんけれども、次に進みたいと思います。

 (3)です。PFIについては、その基本方針の中に、公表することにより、民間事業者の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものを除くという例外規定があります。これによりますと、結果的に住民への説明責任が不十分になるおそれがあるのではないかと思っています。今後PFIを進めていくとしますと、その過程の中で選定委員会などが行われていくわけですけれども、選定委員会におきまして市民参加や公開ということが保障されるのかということをお聞きしたいと思います。


企画部長:民間事業者の募集及び選定に関しましては、基本方針に明記されているとおり、公平性の原則にのっとり、競争性を担保しつつ、透明性の原則に基づき、手続の透明性を確保した上で実施し、できる限り民間事業者の創意工夫が発揮されるように留意することにしております。PFIの基本理念は、効率性のみならず、公共性・透明性を図るとともに、公開が基本原則とされております。公表に対する例外規定につきましては、民間事業者の企業秘密や競争上の地位その他正当な権利を害する場合のみに限定されており、住民への説明責任を十分果たせるよう努めていくことを基本としております。御質問でございますが、民間事業青の評価・選定は、公開の競争による選定として、総合評価一般競争入札・公募型プロポーザル方式等があり、その選定に当たっては、審査委員会等を設置すること、審査基準は事前に策定・公表しておくこと、選定結果についても公開し、説明責任にこたえられるよう努めるとしているところでございます。


たらお市議:この間、PFIに取り組んできているほかの自治体を見てみましても、選定委員会というのはどこでも、議会の関与はおろか、住民の関与が皆無になるような状況があるということを聞いております。公開しますとか、透明性が確保されていますとか、住民の声を聞きますということは言っていても、実際には実質的な住民参加はほとんどないのではないかと心配しています。

 次に、事業を行う特別目的会社一SPCの活動・財務に対する市民の監視は保障されるのかということをお聞きします。


企画部長:特別目的会社一SPCと市との間で、公共サービス水準の監視、実施状況報告書の定期的な提出や、公認会計士等による監査を経た財務状況報告書などを定期的に提出させ、監視を行うことになっております。その監視結果につきましては、事業者の不利益が生じる事項を除き、公開することになっております。


たらお市議:Bに移りたいと思うのですが、今後、PFIの推進ということで進めるということであれば、住民参加の仕組みを市としてしっかりと保障していくことが大事なことだと思います。先ほども言いましたように、公表することにより、民間事業者の権利、競争上の地位その他の正当な利害を害するおそれのあるものを除くという例外規定が入っているわけですから、事業の推進に少しでも影響が出てくることは公表されないということになってくるわけです。住民から見れば、これはおかしいのではないかと思えるようなことは公表されてこないということになるわけです。行政は、市民の意見を求め、反映させていくと言いますが、仕組みとしては、住民は排除されている。現在も、行政のわずかな担当者と企業の間で話が進められているではないですか。住民の徹底した議論と合意、市民の参加の仕組みをしっかりと保障していくべきであります。市として、こういった住民合意と市民参加を保障する上乗せ条例のようなものをつくる必要があるのではないかと思いますが、市としての姿勢をお聞きします。


企画部長:住民参加の仕組みにつきましては、特別目的会社一SPCの活動状況などは、市民との接点も多いと考えられますので、直接または間接的に意見・要望を行うことができるものと考えております。これは、アンケート・意見等を聞く機会がとれると考えているところでございます。


たらお市議:公共施設がどうあるべきかというのは住民合意のもとで決められていくのが基本だと思います。従来型の公共事業が住民本位かと言えば、必ずしもそうでない部分もあるかもしれません。しかし、今、住民参加で権設をつくろうという声がいろいろな分野で広がっている中で、PFIというのは住民参加の流れを実は断ち切ることになっていると思います。改めて、市として、市民の参加の仕組みをしっかりと保障していくべきということを要求しまして、次に進みたいと思います。


■メディアリテラシーについて

たらお市議:次に、メディアリテラシーの問題について質問します。今日、日本の子供たちをとりまく環境は大変変化してきています。また、日本の子供たちは過度の暴力的・競争的な情報にさらされていると言われる中で、このメディアリテラシー教育は大切なことだと思います。リテラシーというのは認識をするということでありますが、情報を読み解いて、みずから考える力をつける、これがメディアリテラシーだと言われています。教育の分野でも、なかなか忙しいカリキュラムの中ではありますが、これについて進めていくことについてお聞きしたいと思います。


近藤和夫教育部参事:情報のはんらんによる価値観の多様化は、子供たちが人間としての生き方やあり方に迷い悩む要因となっております。このことを受け、稲城市内小中学校では、子供の発達段階に応じて、さまざまな情報から自分に有用な正確な情報を選択し、発信する能力を養うことを目的としたメディアリテラシーに関する教育を推進しています。そのために、稲城エデュケーションプログラムでは、各教科を通して情報に関する知識・能力の育成を重点的な教育活動の一つに挙げ、各学校においては、コンピューターを使用する授業だけでなく、教育活動全体を通して情報選択能力や発信能力を高める指導を実践しております。さらには、児童生徒がコンピューターや携帯電話等を使用してサイトヘアクセスしたり、Eメールで情報を送受信したりする場合のネチケット等に関することにつきましても、定例校長会・教頭会・生活指導主任会・情報教育推進委員会を通じて指導・助言してまいりました。
 しかしながら、子供たちのメディアリテラシーをより効果的に高めるためには、その基盤として、コンピューターを使用するときの情報モラルの問題や、携帯電話の是非等に関しまして、家庭での親子の話し合いがぜひとも必要であり、中学校ブロックのような一定の地域での十分な共通理解も必要であると考えております。教育委貝会としましては、学校における取り組みをより計画的に進めるよう指導・助言するとともに、学校・園・家庭・地域のネットワークづくりの取り組みを通して、メディアリテラシーの育成を目指した連携が図れるように支援してまいります。


たらお市議:今、学校で行っているメディア教育にどのような効果が出てきていると考えておられるのかと今お話を聞いていて思ったところでありますが、メディアリテラシー教育の方法としても、こういう情報はかなり危険なのですということにとどまらない、もっと深い方法がいろいろあると思うのです。この先進的な取り組みをしているカナダとかイギリスとか、外国では、教育委員会が手引書などを出していまして、そういった内容は今日本でも随分本などで紹介されているのですが、そういった紹介されている本などを私も読んでみたのです。例えば、小学校低学年の子には、テレビの世界と現実の世界を区別していく力をつけていくということで、暴カシーンが出てくるいろいろなアニメを見せまして、子供たちに暴力の内容を分析させるということをやっていましむ何でテレビを見る暴力は怖くないと感じるのか、何で暴カシーンをテレビの中でつくろうとしているのか、それはどのようなテクニックで、見る人に対して効果を上げているのかなど、子供たちにそれを考えさせて、どんどん意見を出させていくわけです。こういう授業で子供たちの映像の見方がだんだん変わってきているという紹介がありました。また、上級の授業になりますと、ニュースというのも、つくる人の立場とか考えによって大分報道の仕方が変わってくるわけですけれども、そういった製作過程を考えてみたり、また自分の考えた商品の広告をつくって、売る側の論理・思いといったものを体験して、今コマーシャルですとか雑誌などで宣伝されている仕組みを理解させたりなど、カリキュラムの中で取り組んでいるということでありました。稲城市で取り組まれているメディアリテラシーというのは、ここまではいかないのではないかと思います。今の忙しい学校の授業の中で、かなり難しいこともあるかもしれませんが、私たちが毎日受け取っている情報がどのような日的を持って発信されているのか、何が大事な情報で、何が事実なのかということで、子供のうちから情報を批判的に読み解く力をつけていくことが必要ではないかと思いますが、改めてお聞きしま。


教育部参事:いま御質問にありましたように、メディアリテラシーを培うということに関しましては、ただ単に情報の正しさとか不確実さだけを教えるだけではなくて、メディア社会の暗部と申しますか、そういう負の部分に流されないで、情報の大海の中で、正しいこと、間違っていることも含めて、みずからの責任で見きわめ、有効に活用していくような、さらには自分の意見を発信していくような力をつけることが大切だと思っております。おっしゃるとおりだと思います。


たらお市議:今、先進国での進んだ取り組みなどがかなり紹介されてきていますので、市の教育委員会の方でも、ぜひこういったメディアリテラシーの問題を今後研究して進めていってほしいと思います。

 (2)として、出会い系サイトや「援助交際」など、子供を対象とした売買春を流すメディアの見方を性教育ともあわせて養っていく必要があると考えますが、市の認識をお伺いします。


教育部参事:インターネットや携帯電話等による性情報のはんらんや、性犯罪の増加につきましては、教育委員会としましても深刻に受けとめております。これらの課題の解決に取り組むためには、学校における情報教育の充実とともに、人間らしいあり方や生き方を基盤とした性教育の推進も重要だと考えております。特に、児童生徒みずからが危険を回避できるように、不特定多数から送信されたメール等の情報を安易に信用しないことや、自分や友人の個人情報を教えないこと等の具体的な対応について、生活指導主任会等で周知し、指導を徹底してきているところでございますが、夏季休業日の生活指導の充実に関する通知文にもハイテク犯罪の防止を明記し、各学校の保護者会などを通じて家庭への啓発を促しております。しかし、どのように指導しても、悪用しようと思えば、一段上をいくケースが多くあります。したがいまして、ある一定以上は入らないという見きわめる力をつけていくことも必要だと考えます。同時に、人間として望ましいあり方や生き方を踏まえた性教育となるように、教科等に示されている性にかかわる内容について、発達段階に応じてより適切に実施するよう、各学校への指導・助言を強化してまいります。

たらお市議:今、児童売春や児童ポルノが法的規制の網をくぐって放置されているような状況なわけですが、「援助交際」が問題になっていたり、少女たちの性がターゲットにされているというのが現実であり、大変深刻な問題だと思っています。子供の売春の事件などに対しては、巻き込まれる子供の方が悪いということを言う政治家とか司法関係の方などもおりまして、最近では、出会い系サイト禁止法に、利用した子供を処罰することが盛り込まれたりしています。しかし、被害者は子供ではないかと恩います。こういった情報を流している大人の社会に問題があるのではないかと思いまして、情報の読み取り方を十分に教わらないままに、携帯電話やインターネットなどにあふれる情報の中にまさに巻き込まれて被害を受けている、それは子供たちの方だと思います。性教育とともに、子供たちを対象にした売買春を流すメディアについても題材にして、学校でみんなで議論するという計画が必要ではないかと思います。例えば、ある学校では、「援助交際」の問題を取り上げて授業をしているということを聞きました。「援助交際」について、「それはいけないこと」と答える子がいるとしますと、先生の方から「何で5万円ももらえるのに」と反対に問いかけて、そこからみんなで本音でとことん意見を出し合って考えていくという授業を行っているそうです。学校でこういったメディア教育、売買春を流すメディア、また性教育についてもみんなで議諭するということを進めていくことが今後必要だと思いますが、改めてお聞きします。


教育部参事:ただいまの御質問についてお答えします。9月13日に、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」が施行されます。先日9月3日の校長会でもこの情報をお伝えして、特に少年少女への呼びかけの部分がこのリーフレット等にも紹介されているわけですけれども、例えば18歳未満の児童は異性紹介サイトを利用しないとか、利用した結果、凶悪な犯罪や児童売春その他の犯罪に巻き込まれるケースがあり、非常に危険だとか、不正な書き込み行為は遊び・好奇心・いたずらでも犯罪となり、罰則の対象となるという部分を子供たちの理解できる段階で指導いただくようなこともお話ししています。
 それから、先日藤井議員からの御質問のときにもお答えしましたけれども、9月3日に、保護者、それから学級担任も交えた中で、携帯電話の使い方とか、そういうことも含めた議論を深めていただくようにお願いしているところです。それから、教員の段階ですが、稲城五中ではハイテク犯罪防止に関する生活指導連絡会というのが全都の方の対象であったのですが、その中で警視庁のハイテク犯罪対策総合センターの講師の方のお話を伺って、これは学校の方でも研修会を開こうということで、「ハイテク犯罪の現状と対策」という形で今月12日にまず五中の方で開くことが決定しております。これを受けて、各学校にこの形を広めていったり、そういうことも考えていきたいと思っております。それがまた各学級での話し合いのもとにつながればと思っております。
 それから、今回の問題にかかわって7月31日に警視庁等へあいさつ回りをした折にも、都の教育長に、このような問題について全都的に取り上げるとか、警視庁としても十分考えていただきたいというお話もしてまいりました。それから、これも先日お話ししました「子供を見守る稲城ネットワーク」の中でもこういう性非行の講演会等を予定して、家庭が基盤であるというお話をしたかと思いますが、学校も含めてですが、家庭でもこういうことを子供と具体的に話し合っていただくような体制をとっていきたいと思っております。


たらお市議:この間も、7月に都議会の方で「学校現場における性教育の取り組みが過激だ」ということで「批判」の声が上がったりしまして、都立養護学校などで性教育についての不適切な事態があったということで報告書などが出されているということをお聞きしたのですけれども、こういった性教育の問題についても、(政治的な)押しつけ的というか、そのような感じでやられていくようになると、子供たちも余り考えるということができなくなってくるのではないかと思ったのです。

 一方で、子供たちの現状といいますか、そういう周りの環境というのは今たいへん変わってきていて、インターネットとか、漫画とか、それから大人が読んでいるようなスポーツ新聞ですとか、ビデオなどのメディア、ポルノ情報からゆがんだ性をいくらでも取り入れられるという状況が周りにあるわけで、そういったゆがんだ知識を子供たちはいつもすり込まれている。そういった現状を認識した上でこういった問題にしっかりと取り組んでいかなくてはいけないと思っていまして、規制的というか、押しつけ的な、こうしなさいという議論ではなくて、何でこうなるのだろうというところから子供たちが学んでいけるような方法が必要なのではないかと思います。これは意見です。


■東京都の第二次財政再建推進プランについて

たらお市議:次の第3項目に進みたいと思います。東京都の第二次財政再建推進プランについてです。東京都は今後、区市町村への補助金の「見直し」を重視しているようです。石原都政はこの1O月にも第二次財政再建推進プランを策定するということで、今、その前段といいますか、「途半ばにある財政再建」という冊子を6月に出してきているのです。その内容を見ましても、東京都が支出する補助金について、市町村振興調整交付金ですとか、各種補助事業への補助金など、さまざまあるのですが、そうした、都民の生活に密着したすべての補助の「見直し」をしていくという立場にあるわけです。こういう中で、市民への影響をどのように考えているかということについてお聞きしたいと思います。


企画部長:東京都では、第二次財政再建推進プランをことし15年10月を目途に策定するとしております。都の財政は、財政再建推進プランに基づき、財政再建団体への転落を回避するなど、着実に成果を上げてきておりますが、予想を超える都税収入の大幅な減少などによりまして、依然として厳しい状況となっております。現時点では、「途半ばにある財政再建一第二次財政再建推進プランの策定に向けて一」及び「第二次財政再建推進プラン中間のまとめ」が発表されております。具体的内容は示されておりませんので、影響額等は現在のところ不明でございます。しかし、「第二次財政再建推進プラン中間のまとめ」において、視点2の「時代変化に即して都の施策の範囲及び水準を見直す」の中で、区市町村との役割分担、事業効果・補助率等の見直しを進め、整理・合理化を行うとしております。都の財政状況等を考えると、大胆な見直しが予測されますので、市民への影響は避けられないのではないかと考えているところでございます。


たらお市議:「途半ばにある財政再建」という本を見ましても、補助金については、さまざまな課題を抱えているということで強調されていまして、「見直し」の対象に挙がっているのですけれども、問題点としていろいろ書かれています。補助金については、膨大な額・事業数に上っているということを指摘し、区市町村に対する補助金が4,O17億円で最も大きいということを書いていたり、全体の7割を占めている任意補助、大量の少額補助があって、同一行政分野に少額の補助金が多数設定されている場合には、事務手続が煩雑になるなど、行政効率上の問題が生じているのではないかということを指摘していたり、長期継続補助事業に対しては、時代変化に適合させていく柔軟な取り組みが求められているということを言ったりしています。高率補助、高い補助水準ということも「批判」しているわけです。2分の1の補助率を上回るようなものは「見直し」をしていくのかといった書き方もされているのですけれども、市の方でも、今東京都から受けている補助金で2分の1を上回るようなものについては、それが2分の1まで引き下げられたらどのような影響が出てくるのかということ、また市町村振興調整交付金などが「見直し」をされたらどのような影響が出てくるのだろうかということを独自に調査・試算してみる必要があると思いますが、いかがでしょうか。


企画部長:現在のところ、今お話のありました具体的な項目の見直しや金額にっいては行っておりません。現在の都の財政再建推進プランの中で、当時5億円以上の事業138項日が列挙されて、見直しは全体に行うということでやっていたのですが、そのときの状況から平成12〜14年の3カ年での稲城市への影響について考えてみますと、補助金べ一スで見た場合、何をもってというのは非常に難しいわけですけれども、ということは、今までの項目別の補助が包括補助化されたりといった全体の見直しもその中で行われておりますので、一概には言い切れない部分もあるのですが、稲城市の人口と都の補助金の額を比較してみますと、人口は11年度6万7,800人に対して現在7万4,000人になっておりますので10%ぐらい伸びていますから、それに対する都の補助金の割合でいきますと、当時、補助金を市の一股会計全体でl1年度には28億円もらっていまして、12年度が29億円、13年度が31億円、14年度が34僚円ということになりまして、14年度の決算はこれからですのでまだですが、現在のところ、14年度まで見た中でも、稻城市の場合、人口の方は約7%の伸び、それに対して補助金の方は23%の伸びということで、都の事業の趣旨を踏まえながら市で行っている事業に対しては補助をいただいておりますので、今後、厳しい状況はあろうかと思いますけれども、適宜見直しを行うなどしながら対応していきたいと考えております。


たらお市議:稲城市でもいま多くの補助金を受けているわけであって、これが「見直し」されますと、市政にとっても、また住民の生活にとっても大きな負担になっていくと思いますし、市が独自に上乗せを行っているような施策についても影響が出てくるのではないかと思っております。私学助成ですとか、民間保育園が受けている補助金ですとか、市立病院の補助金など、市民の生活に直結するものがいろいろあると思います。この問題は大変大きな問題だと思いますので、(2)の方に移るのですが、東京都に対して、こういった補助金の削減を行わないように強く要望していくべきだと思うのですが、考えをお聞きしたいと思います。

企画部長:東京都の平成16年度予算の見積もりについて、依名通達によりますと、都の財政は、平成16年度以降も引き続き3,000億円から4,000億円に上る財源不足が見込まれるとしております。そのため、16年度予算の要求に当たっては、原則として経常経費及び投資的経費につきまして、15年度予算額に対して総額で10%減の範囲内で見積もることとしております。東京都も厳しい財政状況でありますが、市への影響が最小限になるよう要望しているところでございます。


たらお市議:ぜひこれから、市にかかる影響、またこれが削られていく中で市民に対しての影響などもよく考えていただきまして、第二次財政再建推進プラン策定に当たっては、市や市民に対して影響の出ないように、住民の暮らしを守る立場にしっかりと立って要求していってほしいと思いますので、そのことを強く要望したいと思います。


■介護問題について

たらお市議:次に、4番の介護問題についてお聞きしたいと思います。(1)として、痴呆のことについてなのですが、痴呆の判断は難しいと言われる中で、ケアマネジャーや調査員の方たちが的確に痴呆についての判断ができるようにならなければならないと思うのですが、市としての今後の対応についてお聞きしたいと思います。


加藤健一福祉部長:高齢者が地域で安心して暮らし続けられる地域社会を構築することが今後の高齢社会の最大の課題であると認識しています。その中で、痴呆介護の問題も重要な課題であると考えているところでございます。平成15年6月26日に発表された厚生労働省高齢者介護研究会報告書「2015年の高齢者介護」の中でも、痴呆性高齢者ケアはいまだ発展途上にあり、ケアの標準化、方法論の確立はさらに時間が必要な状況にあるとされ、さらに痴呆性高齢者に対しどのようなケアを行っていくべきかが高齢者介護の中心的な課題であると言えるとされております。痴呆性高齢者に対するケアのあり方は、今後の研究に頼るところが大きいものでございます。そういった中で、市としては、介護サービス担当者・ケアマネジャー・介護認定調査員などに対し、痴呆に関する専門的知識の修得に役立つよう、今年度にも専門機関の協力を得て痴呆等に関する研修を実施してまいりたいと考えているところでございます。


たらお市議:ぜひよろしくお願いしたいと思います。痴呆となってしまった御本人も大変苦しんでいるわけですけれども、痴呆の方と一緒に暮らす家族の方もかなり大変な思いをしていると思っています。最近私が相談を受けたある方は、家族が当人の理解できない行動に大変悩んで、介護保険を受けようと思って相談したのですが、担当の係の方が来まして、「こんなに元気だったら、介護保険は受けられないだろう」ということを言われまして、その家族の方はどうしたらいいのかわからず、長い間我慢してきたということでありました。私は、いろいろな家庭向けの本などを読みまして、痴呆の判断は難しいと言われるので、専門医に相談してみたらどうかと勧めたのですが、周りの人から「元気だから大丈夫だ」と言われるような方を、係りつけのお医者さんが痴呆の疑いがあると判断して専門医に紹介してくれるのだろうかなどと大変悩みました。このような例から、痴呆の判断について、病院の診断がなくても、ケアマネジャーや調査員の方たちが適切な対応やアドバイスをできるようにしていってほしいと思うのです。また、家族の方がもしかしたら痴呆の疑いがあるのではないかということで悩んでいるときに、どのように判断し、対処したらよいのかということがわかるような簡単なガイドみたいなものがあるととても助かると思うのですが、その点についてお聞きしたいと思います。


福祉部長:痴呆の予防に関しましては、先ほども申しましたとおり、高齢化社会の中で、今後の最大の課題であるという認識を持っているところでございます。そして、痴呆のそういった予防につきましては、今議員がおっしゃいましたように、まずどのような病状が痴呆なのかといった基礎知識がなくてはならない、それから、その後の接遇の基礎ということで、御本人に対してどのようなケアを行ったらいいのかということ。3点目としては、緊急時にどのような対応が必要なのかということ、そして痴呆の方を抱える家族へのケアということで、さまざまな面からの支援を考えていかなくてはならないかと思っております。
 そういった中で、痴呆の手引きという形では、まずケアマネジャーに関しましては、認定のときの通常の手引きのほかに、痴呆性高齢者に係る認定調査の手引きというものもございまして、現在、そういったものを活用しながら支援を行っているところでございます。また、痴呆の方を抱えている家族の方、あるいはこれから予防していこうという方につきましては、市の広報で特集号などを組みまして、そういった中で、どのようなケアをしていったらいいのか、どういう対応をしたらいいのかということをお知らせしておりますし、窓口の方にも痴呆に関しますさまざまなパンフレットを御用意しておりますので、ぜひそういうものを御活用いただきたいと思っています。いずれにいたしましても、今後、高齢化社会を迎える中で、痴呆の予防が達成できれば、豊かな長寿を達成できると考えておりますので、今後も努力してまいりたいと考えております。


たらお市議:痴呆というのは、なかなか素人では判断しづらくて、専門医の方でも時間をかけて調べないとわからないということで、大変難しいことなのです。しかも、他人からは全く元気な普通の人に見えるということがありまして、家族の思いがなかなか理解されなかったり、家族はそういったことも含めて本当に疲れ果てているということがあります。ですから、疑いがあるのではないかと思って相談したときに、家族に対しても丁寧な対応ができるように取り組んでいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 特養老人ホームの待機者の改書にどのように取り組むのかということについてお聞きしたいと思います。


福祉部長:介護保険制度は、介護を要する状態になってもできる限り居宅において自立した日常生活が営まれるようにすることを目指したものでございますが、特養への入所待機者は、要介譲者の増加とともに、予約的に申し込む方が多いことから、全国的にふえていると言われております。稲城市における特別奏議老人ホーム定員の高齢者人口に対する割合は、平成15年8月現在で東京都平均1.49%に対し3.60%と非常に高い率となっており、施設の充実した市となっております。なお、現在の市内3特養の入所待機者は重複申込者を含む単純合計で261人となっていますが、平成14年8月に施設等の運営基準が改正され、申し込み順の入所から、施設サービスを受ける必要性の高いと認められる方から優先的に入所できるようになりましたので、一定の改善はされていると判断しているところでございます。


たらお市議:介護保険では、在宅か施設かを住民の方が真に選択できるようにしていかなくてはいけないと思っています。稲城では、施設の数も多いので、今、待機者が144人ということですが、これ以上は建てられないということを先日もお聞きしたところです。しかし、待機されている方、また家族の方は介護のために思っている以上にストレスを受けているということを感じていますし、家族で探さなくてはいけないということとか、そういった中で費用も大変かかるということもあるようです。地域の実情に即した整備を進めていくことができないのかと思うのですが、改めてお聞きします。


福祉部長:特別養護老人ホームに関しましては、介護保険制度が実施される平成12年度前でございますれば、全国各市とも、特別養護老人ホームのベッドの確保というのでしょうか、優先的に市民の方が入れるようにということでの展開をしてきておりますけれども、介護保険制度施行後は制度上そういったことができないということでございますので、どなたでもどこの施設にでも申し込んでお入りいただけるということで、利用者の方の選択の幅を広げたり、あるいは利用者の権利を尊重していくということで始まっております。
 そういった中で、稲城市としましては、先ほど申し上げましたとおり、入所に関します公平、それから透明性の確保を図るという観点から、指針の制定をしております。また、今後とも、高齢者の方それぞれ、そのときどきに合った症状がございますので、その方に合ったそのときどきのケアリーディングの指導といったことに重点を置きまして、施設等につきましても、軽費老人ホーム・特別養護老人ホーム、あるいはグループホームなど、さまざまな施設がございますので、そういった選択をどのようにしていただくかというところの支援の方に力を注いでいきたいと考えているところでございます。