2004年第1回定例市議会における岡田まなぶ市議の一般質問(議事録)


  1. 豊かな障害児教育をめざして
     現在,義務教育では,比較的重い障害をもつ十数万人の子どもたちが,障害児学校や通常の学校の障害児学級・通級教室という障害児教育の制度のもとでまなんでいます。その一方,LD(学習障害)など,いわゆる「軽度発達障害」の子どもたちには,特別な支援の制度が確立していません。「軽度発達障害」の子どもへの支援を抜本的に強めてほしいという声は,きわめて切実な要求です。
     今,大切なことは,障害をもつ子どもの基本的人権を根幹にすえて障害によって発生する困難や必要にもっとも適切な対応ができる体制をつくることではないでしょうか。このことから下記のことをお聞きします。
    1. 現在の障害児教育の水準の向上のために
      1. 緊急を要する通級指導学級の整備,支援について
      2. 市の情緒障害児審理教育指導員派遣委託事業の推進について
      3. 今後の固定学級の整備について
    2. 特別支援教育について
      1. 検討委員会の最終報告では「…特別支援教室の推進にあたっては,このような心身障害学級における教育の成果と役割を継承しつつ…実施」とある。市では,三小,平尾小,一中の障害児学級がその役割を果たしてきたと考えるが市の認識は。
      2. 特別支援教育への移行にあたって,固定学級の存続を求める声が多いが,市の考えは。
      3. 父母への情報の提供と対話を進め,父母の声を最大限生かすよう努力すべきと考えるが市の考えは。
  2. 指定管理者制度について
     2003年6月,地方自治法244条が「改定」され,指定管理者制度が導入されました。これまでの公の施設の管理委託は,公共団体,公共的団体,第3セクターに限定されていましたが,「改定」によって,営利企業でも管理の受託が可能になりました。指定管理者制度で住民の福祉を増進させることができるのか,公共性の重要な構成要素である公正さや平等性を守れるのかどうかが問われています。今後の行政のあり方に深く関わるこの制度について,下記のことをお聞きします。
    1. 指定管理者制度の導入は保育園や図書館をはじめ多くの福祉・教育・文化の領域の公共サービス及び施設の自治体の管理責任を抜本から変更するものです。この制度に対する市の基本的な姿勢は
    2. 既存の管理方針について
    3. (仮称)稲城市立中央図書館,(仮称)産業・ボランティアセンター等今後建設される大型施設への導入について
    4. 管理委託制度のもとでは,委託が不可能とされてきた,会館などの使用許可処分のような権力的作用について指定管理者が行えるようになったことについて
  3. 入学式等における「国旗掲揚・国歌斉唱」の押しつけから子どもたちを守るため
     2003年10月23日,東京都教育委員会(以下都教委)は,都立学校長宛に「入学式,卒業式等における国旗掲揚および国歌斉唱の実施について(通達)」とその「実施指針」を出しました。同日,都教委博士町村教育長宛にも「通達」と「実施方針」の写しを送付しましのた。小中学生とも一定の見識と人格をもち多様な価値観をもってきています。「日の丸掲揚・君が代斉唱」に疑問を持つ子どもたちへの強制を教育といえるのか。
    1. 教職員とこどもや生徒,父母との協議などによる卒業生と在校生の対面方式,フロア形式の卒業式・入学式を禁止すること が教育といえるのか。
    2. 文部科学省の「学習指導要領解説」では,入学式・卒業式には「国旗掲揚・国歌斉唱」を指示しているが,始業式・終了式・周年行事・運動会などの学校行事については学校の判断にまかせるとなっているのに,入学式・卒業式以外の学校行事までも対象とするのは,学習指導要領に反するのではないか。
    3. 都教委が市宛に送付した通達の写しの通知の認識について
    4. 市独自の「実施指針」はつくるべきではないと考えるが市の考えは。



■豊かな障害児教育をめざして

岡田市議:大項目の1番、豊かな障害児教育を目指してであります。現在、義務教育では、比較的重い障害を持つ10数万人の子供たちが、障害児学校や通常の学校の障害児学級・通級教室という障害児教育の制度のもとで学んでいます。その一方、LDなど、いわゆる軽度発達障害の子供たちには、特別な支援の制度が確立していません。軽度発達障害の子供への支援を抜本的に強めてほしいという声は、極めて切実な要求になっています。今大切なことは、障害を持つ子供の基本的人権を根幹に据えて、障害によって発生する困難や必要に最も適切な対応ができる体制をつくることであります。そして、今この稲城市において求められていることは、こうした立場に立って、通常の学級での特別な支援、また障害児学級の拡充などをともに推進していくことではないでしょうか。この立場から下記のことについてお聞きします。

 (1)、現在の障害児教育の水準の向上のためにであります。日本の現行の特殊教育は、旧文部省の設置法第2条によれば、「特殊教育とは、盲・聾・養護学校における教育をいう」、このように述べられています。つまり、現行特殊教育というのは、障害に応じた特別な教育的手だてを受けるためには、盲・聾・養護学校や特殊学級に在籍することが求められる、そういう教育制度であると言えます。しかし、約10年前になりますが、1993年度から実施された通級による指導の制度化は、通級学級に在籍したままでも、障害の状態の改善・克服を目的とした特別の指導や、特に必要な場合に、教科の内容の補充指導を特別な場で受けることができることとしました。これによって、現行特殊教育の制度が部分的ながらも補正され拡充されたことは間違いありません。しかし、この特別な指導の場は児童生徒数に対応した法令上の基準を持たない教室とされ、配置された教員数を見ると、全国小中学校約3万5,000校に対してわずか1,675人であるなど、極めて不十分であります。稲城市においても、通級指導学級の整備が望まれながら実現していない。このことから、緊急を要する通級指導学級の整備、支援を求めるものであります。このことから、1)、緊急を要する通級指導学級の整備、支援についてお聞きするものであります。


甘利健一教育部長:通級学級に関しましては、軽度の障害のある児童生徒が通常の学級に在籍しながら特別な教育的ニーズに応じて指導を受けるものでございます。学校教育法施行規則では、言語障害者、情緒障害者、弱視者及び難聴者を対象としております。東京都の学級編制基準によりますと、情緒障害者は10人、言語障害者、弱視者及び難聴者については20人ごとに学級を編制することとなっております。なお、市内には現在情緒障害児2人、難聴児童2人がおりますが、他市の教育委員会に入級を依頼しているところでございます。今後は、特別支援教育への移行の中で、巡回指導による支援体制を考えてまいりたいと考えております。


岡田市議:今後、特別支援教育で巡回指導を考えていきたいということなのですが、この間の障害のある子供たちの就学動向というのを見ると、障害種別や地域による違いはあるのですけれども、養護学校や特殊学級の在籍者及び通級指導の対象者が全体としてふえ続けているのです。これは、小中学生全体が今少子・高齢化ということで減少を続けているのとは対照的な状況になっていて、1992年度から10年間をとってみると、小中学生は約290万人減少している。これは約2割減少しているわけです。それに対して、養護学校や特殊学級在籍者及び通級指導対象者というのは5万3,000人増加している。これは約5割増加しているということです。この背景には、障害に応じた、より手厚い、より専門的な教育を望む保護者の願いの高まりや、障害児学校・学級・通級指導への期待、さらにはふえ続ける不登校などに象徴される通常学級の困難に対する不安などをうかがうことができるわけです。市においても早急な通級指導学級の整備が必要と考えられているわけで、対象者は今7人で、他市へということでしたけれども、この間、市ではどのような形で現状把握等を行ってきたのか、そのことについてひとつお聞きしたいと思います。


教育部長:先ほど、現在の通所の児童は4人ということでお答えさせていただきました。増加の傾向にあるということでありましたが、14年度当時は3人だったと思います。私どもでも1人ふえているということは言えます。状況については、今各学校で巡回指導等も実際に実施しておりますので、そういった先生方が日々の子供たちの状況を観察して、もちろん通級の必要があればそのような対応をということで、現在は4人が、これは他市の学校ですけれども、通級していただいているという状況があります。


岡田市議:2)に進みます。今、特別支援教育のお話もありますけれども、市は15年度から学習中の支援を必要とする児童生徒を含めた総合的な支援体制の充実を図るということを趣旨にして、情緒障害児心理教育指導員派遣委託事業というものを進めています。これは15年と16年の2年間で、モデル事業の内容としては、市内の各小中学校に校内委員会を設置するとか、校内に特別支援教育コーディネーターを指名するなどといったことで、具体的な対応についての指導・助言を生かした個別指導を行うということになっているわけです。この事業を通級指導体制の市内での早期確立に向けてしっかり進めてほしいと考えているのですけれども、市の情緒障害児心理教育指導員派遣委託事業の推進についてお聞きするものです。


近藤和夫教育部参事:市内の各学校では、すべての子供に確かな学力を身につけさせる教育活動を進めてきております。その一環として、今年度より、学習に障害のある子供たちを個に応じて支援する情緒障害児心理教育指導員派遣委託事業を、小学校を対象として開始いたしました。本市の教育相談スーパーバイザーである早稲田大学人間科学部教授菅野純先生による行動観察を通して、対象児童に対する個別の指導・支援の方針を整理いたしました。現在は、その指導・支援の方針に基づき、専門性の高い指導員10人をそれぞれの担当の小学校に配置し、1人1人の障害の種別や程度に応じた学習のサポートを行っております。教育委員会としましては、保護者の願いを十分に取り入れながら、1人1人の子供に応じた学習支援体制の整備充実に努めてまいります。


岡田市議:今、この事業で10人の担当者が配置されているということで、この事業は一応15年と16年ということだから16年度までということになっているわけで、全都では2002年度から2003年度にかけての小学校の知的発達障害の心障学級などの状況などを見ると、185人、26学級、3校ふえているということがあります。また、中学校の同学級で見ると、40人ふえて、これは2学級減って、2校ふえている。小学校の情緒の通級指導学級201人、18級、5校ふえているという状況があって、先ほどもちょっと言いましたけれども、子供の数が減少しているのに、心障学級に自分の居場所を求める子供たちというのは着実にふえているということになっているのです。それで、今、指導体制を進めていくということでしたけれども、この事業は一応16年度で終わるわけで、それ以降の特に通級指導体制についての事業の展開とか見通しということについてお聞きしたいと思います。


教育部参事:今御質問がありましたけれども、情緒障害児心理教育指導員派遣委託事業は、16年度で終わるという事業とは考えていません。本市独自で15年度からこの事業をスタートしたわけですが、今までも議会で何人かの議員に御質問いただきましたけれども、特別支援教育のモデル事業というのが後から来た事業である関係で、最初から本市で考えていました事業とちょうど重なる部分がありましたので、特別支体制のモデル事業とも重ね合わせながら今進行しております。このモデル事業については16年度までの事業で、2年間の中で成果を出すと申しますか、どのようなことが可能なのかということを探っていく事業でございますので、その辺は御心配要らないかと思います。

岡田市議:今確認させていただきましたので、しっかり進めてもらいたいと思います。

 次に、3)、今後の固定学級の整備についてお聞きするものです。


教育部参事:稲城三小・平尾小・稲城一中の心身障害学級では、子供の実態と保護者の願いを十分に取り入れた個別指導計画を作成し、さまざまな教材・教具や指導法の工夫を通して、個人の発達段階や障害の程度に応じたきめ細かい指導と評価が行われております。使用されている教科用図書の選択に当たりましても、教育委員みずからの学校訪問を通し児童生徒1人1人の実態を十分に把握し、保護者の願いや先生方の反応等も踏まえながら、十分な審議を重ねて選択してまいりました。心身障害学級担任連絡会での研修や情報交換を通した教員の資質・能力の向上に努めると同時に、市教委心身障害学級訪問を初め、教育委員会が心身障害学級を訪問し、児童生徒の学習や生活の様子を把握したり、保護者とのコミュニケーションを図る機会を多く持つ努力を続けております。教育委員会としましては、今後も子供1人1人を大切にし、個に応じた教育の整備を進めてまいります。


岡田市議:特別支援教育はこの後聞きますけれども、これが出てきたということではあるのですが、今おっしゃったように、固定学級の整備をしっかり進めてもらいたいと思います。

 (2)に進みますが、特別支援教育についてです。文部科学省は、LD──学習障害、またADHD──注意欠陥多動性障害、高機能自閉症──知能のおくれを伴わない自閉症の子供たちへの特別支援教育を開始する方向を打ち出しました。文部科学省によれば、LD・ADHD・高機能自閉症などの子供たちは、全児童生徒の6%程度、全国的に見れば小中学校で60数万人と推計されています。その多くが通常の学級で学んでいます。そうした子供たちに支援を行うことは、すべての子供の教育を受ける権利を保障する上で、さらに障害を持つ人々の完全参加と平等を推進する上で重要だと考えます。ところが、今文部科学省が進めようとしている特別支援教育の構想には大きな問題があると私は考えています。それは、100万人近い子供たちを対象とする施策であるにもかかわらず、既存の人的・物的資源の配分についての見直しで対応するとしていることです。これはつまり、従来規模の障害児教育の予算・人員のままでこれまでの数倍の子供たちをゆだねるということなのです。これだと、十分な教育が保障できないどころか、これまでの教育の質が大きく後退するということになりかねません。障害児教育の関係者からも、障害児教育が危機に瀕するという心配の声が上がっています。こうした問題を放置したままでは、障害を持つ子供の教育は大変な事態になりかねません。比較的重い障害の子供、軽度発達障害の子供など、特別な教育を必要とするすべての子供たちの支援を本格的に前進させることは焦眉の課題と考えます。また、これを受けて、昨年の12月に都は、心身障害教育改善検討委員会の最終報告「これからの東京都の特別支援教育の在り方について」を公表しました。この都の最終報告では、これは国の文科省の方から出ているものに準じているのですが、障害児教育の対象となっていなかったLDやADHD・高機能自閉症を対象に含めるとともに、盲・聾・養護学校を特別支援学校に再編する、小中学校に配置されている固定学級・通級指導学級を廃止することなどが提言されています。この廃止ということに対して、父母の方や教育関係者から大変不安の声が相次いでいます。このことから下記のことをお聞きします。

 1)、この検討委員会の最終報告では、「特別支援教育の在り方」のところで、「東京における特別支援教育の推進に当たっては、このような心身障害学級における教育の成果と役割を継承しつつ、保護者や関係者の意見等を広く聴きながら、各区市町村において、地域の心身障害学級の設置状況や施設整備等の教育条件等の実情を踏まえて検討し、実施に移していく必要がある」と報告されているわけです。市では先ほどお話があったように三小・平尾小・一中の障害児学級がその役割を果たしてきたと考えているのですが、このことについて市の認識をお伺いするものです。


教育部参事:稲城三小・平尾小・稲城一中の心身障害学級は、安定した人間関係の中で社会性をはぐくみながら、個に応じたきめ細かな教育活動を展開し、稲城市の心身障害教育の拠点としての役割を担ってまいりました。この心身障害学級では、子供1人1人の個性やよい面を伸ばし、自立を目指す個別指導計画の作成・実施、評価のあり方やカリキュラムの編成、あるいは子供の障害の程度や保護者の願いを考慮した教材・教具の開発と指導法の工夫、交流活動の推進等の多くの実績を上げてまいりました。これまでの心身障害学級が果たしてきた成果と役割を十分に認識し、今後もその機能や教育方法等を生かして、1人1人の子供に応じた教育を推進してまいります。


岡田市議:今のお話で、多くの実績を上げ、成果と役割を生かしていきたいということですけれども、日本における障害児教育制度というのは、長い歴史を持って関係者のたゆまぬ努力の中でつくり上げられた大切な財産であります。それで、障害児教育の経験や蓄積、市における心身障害学級における教育の成果と役割が、新しく始めるLD・ADHD・高機能自閉症の子供たちへの特別な教育的支援──特別支援教育に、これは別々のものとしてではなくて、それぞれをいい方向で生かしていくような考え方をぜひしてもらいたいと考えるものですが、いかがでしょうか。


教育部参事:今答弁の中でもお答えしましたけれども、例えば個別指導計画を1人1人の児童生徒に沿ってつくっているわけですが、これには当然保護者や本人、それから教員、3者の願いを込めながら、1人1人がどのように育っていけたらいいかという形で考えたりしています。今これから考えていこうとしていく特別支援教育の体制の中でも、この個別指導計画は大きな役割をこれから担っていくと思います。こういうものを初めとして、今まで培ってきたものを総合的に考えていく必要が当然あると考えております。


岡田市議:それでは、2)に進みます。現在の市の心身障害学級の教育と教育条件を評価し継承発展させてほしいと思うわけですが、今の心障学級などに通う子供たちの学ぶ場として、ノーマライゼーション──統合教育ということが言われていて、この特別支援教育の報告などを見ると、将来的には健常児と一緒の場で学ぶときが来るという可能性がかなり高い内容になっているわけです。これ自身を否定するつもりはもちろんないのですが、そのことを目指していくという大きな目標と現状との間にどれぐらいの距離があるのか、どれぐらいのハードルがあるのかということについてはしっかり認識していくべきではないか、またそれにきちんとこたえないと、父母の方々の心配はなかなか消えないのではないかと思うのです。それで少し紹介すると、今心障学級に通っている子供さんの多いところでは半分ぐらいが、通常学級でいじめや不登校になって心障学級に移る。そこで初めて生き生きと学校に通えるようになったというお話も聞いています。したがって、簡単に通常学級に入れるようにするのだということだけでは、なかなかその不安は消えないということは明瞭だと思います。このことから、2)、特別支援教育への移行に当たって、固定学級の存続を求める声が多いのですが、市の考えをお聞きするものです。


教育部参事:昨年の12月に出されました東京都心身障害教育改善検討委員会の最終答申の中に、特別支援教育に移行するに当たり、特別支援教室における指導体制を3通り例示しております。1つ目は、固定的に配置された教員が週の相当時数専門的な指導を行う拠点的な特別支援教室、2つ目は、専門的な施設・設備を備え、固定的な指導と巡回相談を行う拠点的な特別支援教室、3つ目は、担当の教員が週の必要な時間巡回指導を行う特別支援教室であります。教育委員会としましては、それぞれのタイプのメリットやデメリットを分析し、これまで心身障害学級が培ってきた機能や教育方法・教育資源等を十分に生かすとともに、現在実施しております情緒障害児心理教育指導員派遣委託事業及び特別支援教育推進体制モデル事業における成果と課題、さらには今後の東京都における条件整備のガイドライン等を総合的に勘案しながら、稲城の子供たちの実態に応じた稲城方式の特別支援教育のあり方について、国や東京都の条件整備の状況をにらみながら検討してまいりたいと考えております。


岡田市議:ぜひしっかり検討していただきたいと思うのですが、東京都の最終報告の中で、今おっしゃったように、特別支援教室A・B・Cというのがあって、固定学級はそのAに当たるのではないかというお話だったと思うのです。これは、週の相当時数専門的指導を行う拠点的な特別支援教室ということなのですが、それでも固定学級とは違ってくる。特に学級という単位がちょっとあいまいになるということで、ぜひ固定学級の存続も含めて、総合的に検討していってもらいたいと思います。

 それで、3)に進みます。特別支援教育の考え方によれば、さまざまなニーズを持つ子供が一つの学級に集うことによってノーマライゼーションの理念を実現できるということになっています。学習など、通常学級の生活に困難を抱える児童は、必要な時間は、つまり学習の時間とかは特別支援教室というところで個別指導が受けられるので、その教室に集められたどの子の教育も保障されると言っています。しかし、LDやADHDを持つ児童生徒に加えて知的障害を持つ児童生徒が通常学級に入るということになってくるわけで、現行40人学級の制度のもとでは、普通の学級活動・生活指導が困難をきわめるということは間違いないと考えられます。また、このままいけば、通常学級にいるLDやADHDのお子さんにとっても厳しい環境の教室になることが指摘されています。

 例えば、このことについては、文部科学省の調査官の方がその著書の中で、特別支援教育のような体制をつくるときには、通常学級は20人学級でなければならないという指摘もされています。このまま実行するということになれば、障害を持つ子供たちと通常学級における学習や集団生活に困難を抱える子供とで、限られた教員と教育設備を奪い合うということになると思うのです。このことをずばり述べているのが都の教育委員会など当局の発言で、「手術のためには体力低下がある。サービスの低下が全くないとは言わない」とか、「改革は必ず痛みを伴う」とか、「通常の学級に支援を待っている子がたくさんいるので、これを限られたお金でどうするのか」など、こういうこともあけすけに述べられているわけです。予算節減のために心身障害学級がつぶされるということが許されてはならないと思います。

 それで、とにかくこの最終報告というのは昨年の12月に出たばかりで、保護者の方は大変心配されているわけです。それで、稲城の市教委としても、都教委と連携して説明責任を果たすということで、保護者・関係者の意見を丁寧に聞いて、不満や疑問に答えることが今重要になっていると思います。3)ですが、市としても、まずこの一連の動きについて、父母への情報の提供と対話を進めて、父母の声を最大限生かすよう努力するべきだと考えますが、市の考えをお聞きします。


教育部参事:情緒障害児心理教育指導員派遣委託事業及び特別支援教育推進体制モデル事業につきましては、市の広報紙「ひろば」において広く市民に情報提供しております。また、各学校の保護者会や学校だより等を通じて、実施に当たっての説明や保護者への協力依頼をしてまいりました。教育委員会としましても、さきに述べたように、教科用図書の選択や心身障害学級訪問等の場面で保護者の方の願いを把握するように努めているところでございます。今後も情報の提供に努めるとともに、保護者等のニーズを十分に聞く機会を慎重に検討し、学び続ける力を育てるために、学校全体で障害のある子供を支援できるよう、稲城市の特別支援教育のあり方を考えてまいりたいと思います。なお、心身障害学級の保護者への情報提供と対話をする機会を設定し、特別支援教育に対するさらなる理解の推進に努めてまいりたいと思います。


岡田市議:今、最後に、対話をする機会を設定しということで、多摩市で2月3日に都が最終報告の説明会というものを行われたわけですけれども、ここでも保護者からは不安の声が相次いでいるということで、今おっしゃった対話の設定というのは大体どれぐらいの今後の見通しを持っていらっしゃるのか、そのことをお聞きしたいと思います。


教育部参事: まず、今、多摩市の例のお話がありましたけれども、東京都の方の心身障害教育を担当している主任指導主事が、この12月に出た答申について、全都的に説明に歩いているということです。ただ、各区市の需要が多いので、今ありました多摩市とか、限られた箇所でしか対応できませんので、そこにまず参加してほしいという依頼がありました。本市でも、多摩市の方の説明会、また立川で行われた説明会等に本市の管理職、それから保護者の代表の方々に参加していただくような手はずを整えてまいりました。それから、既に私のところに直接ある小学校の心身障害教育の保護者の方が複数お見えになって、説明等をさせていただいたところでもあります。したがいまして、これについては順次進めていけたらと思っております。


岡田市議:しっかり進めていただきたいと思います。


■指定管理者制度について

岡田市議:それでは続けさせていただきます。2番目、指定管理者制度についてであります。2003年6月の通常国会で地方自治法第244条の改定が行われ、指定管理者制度が導入されました。その中で、地方自治法第244条の2第3項、公の施設の管理について、これまでその管理を普通公共団体が出資している法人で、政令に定める者または公共団体もしくは公共的団体に委託できるとしていたものを、法人その他の団体であって、当該普通公共団体が指定する者に当該公の施設の管理を行わせることができると改められました。これは第1に、委託を代行にかえ、これまで地方公共団体の管理権限のもとに受託者が行ってきたものを、指定管理者が代行できるということになります。地方自治体の長の権限だった使用許可なども、指定管理者が代行できるようになりました。また、第2に、管理主体をこれまで公共団体・公共的団体、公共団体の出資法人──第三セクターに限っていたものを、株式会社等の民間営利事業者にまで拡大しています。公の施設の管理については、既に1992年の地方自治法の改正で委託制度が導入され、自治体の直接管理だけでなく、管理委託ができるとされましたが、外部委託先は自治体出資法人の枠にとどめています。しかし、今回は民間営利企業に全面的に開放しました。これは、住民福祉の向上というよりも、人件費の削減のみに注目があるのではないかという危惧もされています。指定管理者制度で住民の福祉を増進させることができるのか、公共性の重要な構成要素である公正さや平等性を守れるのか、このことが問われています。今後の行政のあり方にかかわるこの制度について、下記のことをお伺いするものです。

 1)、指定管理者制度の導入は、保育園や図書館を初め多くの福祉・教育・文化の領域の公共サービス及び施設の自治体の管理責任を根本から変更するものです。この制度に対する市の基本的な姿勢をまず市長にお聞きするものであります。


石川良一市長:今回の地方自治法の改正に伴う指定管理者制度の導入につきましては、多様化する市民ニーズにより効果的・効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、市民サービスの向上と経費の節減等を図ることを目的とするものでありまして、官から民へをPFI制度同様具体化したものと考えております。その手続につきましては、条例において指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲、その他必要な事項を定めることにしておりまして、また指定管理者の指定をしようとするときは、あらかじめ議会の議決を経て、期間を定めて指定する制度になっております。この制度の具体的なメリットとしては、民間の持つノウハウにより、満足度の高い市民サービスの提供や、公共サービスの民間開放を行うことによる地域の振興・活性化などにつながっていくと考えております。したがいまして、この制度の導入により、福祉・教育・文化を初めとする公共サービスのさらなる充実・拡大につながっていくと考えております。


岡田市議:これもPFI同様官から民へという流れの中で打ち出されているということです。これを導入することで、一応制度上はサービスの向上、地域の活性化などに資するということが大前提になっているわけですが、この指定管理者制度の導入を受けて、東京都や特別区では積極的な活用というものを打ち出しているわけです。東京都の第二次都庁改革アクションプランでは、都はこの法改正を受けて、各施設に関する規定の整備を行い指定管理者制度の導入を図り、民間事業者による管理・運営を可能にしていく必要ということを記しています。また、石原都政は2003年7月の「都政の構造改革の視点と方向」で、構造改革路線を突き進むことを宣言しています。ここでもやはり、仕事の仕方を変えるために、事務事業のアウトソーシングを徹底するとともに、公民の役割分担を見直すということが提起されています。その手段の一つが今回の指定管理者制度であります。この指定管理者制度の導入は、小泉構造改革の中で進められている官から民へという官民役割の再構築、つまり公共部門をスリム化する、公共部門への企業経営手法の大幅な導入という、いわゆるニューパブリックマネジメントの流れの中で位置づけられたものと考えられます。

  この制度の導入に当たって問題になると思われるところとしては、民間そのものが自分でやるということではなくて、市民の税金で建てた施設をただで使って、運営費の税金と利用料で賄われるというところで、そこからもうけを上げて株主にも配当するということです。住民にとって重要な公の施設を、公共性を持たない、営利を目的とする民間企業に任せる、代行させることは、本市稲城市の将来に資するのか、そして何より市の責任が果たせるのかというところが課題になってくると思うのですが、このことについてお聞きするものであります。


市長:今までの行政施策の最大の問題は、先ほど行政評価についての答弁の中で出ておりましたけれども、建物でもそうですし、施策でもそうですけれども、それを一定の目標のもとに実施する。しかし、そのままの状態で、極端に言うとやりっ放しで、それがどれだけの効果があったのか、そしてそのことによってどういう実績を生んだのかという検証がすっぽりと抜け落ちているというのが、非常に大きな課題として指摘されているわけであります。ですから、例えば建物をつくったら、その建物がどれだけ有効に使われているかを検証し、さらにたくさんの人に使われるようなインセンティブを働かせなければならない。そのためには、今までの官の手法で予算をつけて、それを消化するという方法だけでは十分なものではない。むしろ、より多くの人に使っていただくことによるインセンティブを働かせるような競争を導入する。こういうことが基本的な考え方として言えるのだろうと思っております。ですから、先ほどの管理の問題でもそうですけれども、より安く、よりいいサービスが競争されるということが、これも当然起こり得るわけでありまして、そういうものを行政側が選択可能である。しかし、それは民間企業でありますから、利益を生まなければ倒産してしまいますので、一定の適正な利潤を確保することは企業として当然の使命であるわけで、私どもは、その利潤とサービスの内容等の中でせめぎ合いをしながら、結果としては市民から預かった税金をより少なく、そしていいサービスが受けられるにこしたことはないわけでありまして、そういう手法として積極的に導入してまいりたいと思っております。


岡田市議:市長としては積極的に導入していきたいということで、この後の質問で具体的なところを少しお聞きしたいと思っています。

 2)に進みます。今回、それで委託制度が廃止されたということで、今後自治体が開設する施設というのはもちろん導入の検討対象になります。今度の議案では長峰コミュニティー防災センターなどもそうでありますが、既存の委託施設というのは、今度の法改正の附則で示された、法の施行から3年、つまり2006年9月1日までに、直営に戻すのか、指定管理者制度を導入することにするのか、このことを決めなければならない。また、総務省の自治行政局通知を見ると、「管理の委託を行っている公の施設については、この法律施行後3年以内に条例を改正し指定等を行う必要があり、その際、公の施設の管理状況全般について点検し、指定管理者制度を積極的に活用されるようお願いします」と、現在の委託施設だけでなく、公の施設全体に導入することも要請されているという状況が今あるということです。このことから、まず2)、既存施設の市の管理方針についてお聞きするものです。


田野倉秀雄企画部長:地方自治法の改正が昨年9月2日に施行された際、現に改正前の規定に基づき管理を委託している公の施設につきましては、この法律の施行の日から起算して3年を経過する日までの間は従前の管理委託制度によることができる経過措置が設けられております。そこで、現在管理委託しております個々の施設につきましては、今後その施設のあり方や管理運営主体等についての基本方針を定め、指定管理者を指定するかどうかの決定をしていきたいと考えております。なお、既存の3地区のコミュニティー防災センターにつきましては、今回、指定管理者制度をお願いしているところでございます。

岡田市議:今後基本方針を定めていくという御答弁だったのですが、幾つか再質問させていただきたいと思います。今回稲城市でこの見直しの対象となる施設を具体的に挙げてもらいたいのと、これらの施設についてはこれから基本方針を定めるというお話でしたけれども、もうちょっと具体的に、今わかる範囲で、3年以内にやるということだけれども、施設の見直しの手順とかスケジュール、この辺についてお聞きしたいと思います。


企画部長:コミュニティー防災センターについては今回お願いしておりますので、そのほかに、大丸地区会館・松葉集会場・押立ふれあい会館、総合体育館を含む体育施設、福祉センター・稲城市立第六保育園・公園等、こういうものがございます。それから、今後の関係でございますが、3年間ということでございますので、今申し上げた施設についてはそれぞれ設置条例がありまして、統一してというわけにはいきませんので、その設置条例の趣旨を踏まえながら進めていきたいと考えております。


岡田市議:今、具体的な施設を挙げてもらいまして、今の中には保育園なども含まれていて、保育園の問題で言うと、例えば三鷹市を少し見てみると、一時有名になりましたけれども、ベネッセということでやっているのですけれども、ここのサービスは本当によくなっているかということなどを見ると、全員が契約社員かパートなどの不安定雇用の保育士だとか、そういう意味では労働者の使い捨てといったことがさらに広がる懸念もあるということなのです。また、サービスの面でも、保育料そのものは決まっているのですけれども、ある種の民営化の実態を見ると、ならし保育とかお散歩がなくなったとか、給食費の負担とか延長保育料の負担、制服や名札・カスタネットなど教材費の負担増とか、こういうことが起こっているところもあるという現状で、本当にこれで公共の福祉が増進するのかということがあります。私たちは、いわゆる民間活力を導入するということについて、すべてこれに反対するという立場ではなく、確かに民間の方がすぐれているところは利用すればいいけれども、公務員として安定した形で仕事をしていくことも必要だと考える立場です。そういったサービスの質が向上するのかということについて、具体的にいろいろ、ぜひ慎重な対応をしてもらいたと思うのですけれども、その辺について改めて市の考えをお伺いします。


企画部長:保育園の例が出ましたが、現在、稲城市でも公立保育園を民間委託して、やっていただいております。御存じだと思うのですが、既に委託されて、問題がなかったというよりも、むしろ保護者や子供たちからも喜ばれていると判断しております。そういう実態もございますので、指定管理者につきましては、十分検討してということは当然のことでございますが、先ほど市長も申し上げましたように、市民サービスの向上のために積極的に活用していきたいと考えているところでございます。。


岡田市議:では次の質問、3)です。稲城市では、仮称稲城市立中央図書館、また仮称産業・ボランティアセンターなど、今後大型施設の建設が続いていて、これらへの導入の見通しというか、今の市の考えをお聞きしたいと思います。


企画部長:今後建設される大型施設の指定管理者制度の導入につきましても、先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、その施設の開設時期までには、その施設のあり方や管理運営主体等についての基本方針を定めまして、方向づけをしていきたいと考えております。


岡田市議:これらの施設についても検討していくという御答弁だったと思いますが、指定管理者制度については、営利を目的とする民間事業者の参入が可能となったわけで、PFIの話でも出てきますけれども、撤退のときの要件が問題にもなってくると思うのです。期間を定めた指定だから、1年とか2年で民間事業者が一方的な事情で撤退するなど、そういった事由というのも読み取れるというところから、安定的な住民サービスの供給に不安が少しあるということなのですけれども、その辺について見解があれば少しお聞きしたい。

 それからもう一つ、私たち日本共産党稲城市議団としては、この導入については是々非々の立場で臨むと考えています。具体的には、施設ごとに施設設置の目的を果たす上で、この改定によって住民の利益がどうなるのかということを基準にする。それからもう一つ、管理代行によって施設の利用条件や利用料、施設運営と管理の実態、利用者の意向反映がどうなるのか、この辺を住民の利益に照らした立場で分析して臨んでいきたいと考えます。市としてもこの辺はしっかり考えてもらいたいと思いますが、そのことについてお聞きします。


企画部長:期間については、まだこれが始まったところでございますので、5年とか10年とか、PFIなどの場合ですと20年とかという形で、大体5年から10年、10年を中心にしてその前後かと考えております。
 導入に伴う住民の利益等ということでございますが、これを導入することに伴って、委託料というのですか、経費が下がるとか、そういうことは十分考えられるわけでございます。それから、利用時間といいますか、例えば公が管理していたときには8時半から5時とかという場合が、もうちょっと長く、利用実態に合わせて夕方遅くまでやれるようになるとか、休みの日の関係などについてもその辺が拡大できるとか、そういうメリットが出てくると思っております。


岡田市議:次に進みます。4)です。管理委託制度のもとでは、これまで委託が不可能とされてきた、会館などの使用許可処分のような権力的作用について、指定管理者が行えるようになったことについてお聞きします。


企画部長:地方公共団体の長は、条例の定めにより指定管理者に公の使用の許可を行わせることができるようになりましたが、この使用の許可に当たっては、条例で定めた開館時間・休館日・使用制限の要件など、業務運営の基本的事項を定めた管理の基準をもとに行うことになります。指定管理者は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならず、また使用することについて、不当な差別的取り扱いをしてはならないと規定されております。また、法令により地方公共団体の長のみが行うことができる権限については、指定管理者に行わせることができないことになっております。このように、公の施設の使用に対する公共性と地方公共団体の権限が保有された制度であると考えております。


岡田市議:そこはしっかり押さえてもらいたいと思います。


■入学式等における「国旗掲揚・国歌斉唱」の押しつけから子どもたちを守るために

岡田市議:次に進みます。3、入学式等における国旗掲揚・国歌斉唱の押しつけから子供たちを守るというということです。

 ことしもいよいよ3月に入って、小中学校の卒業式・入学式の季節が近づいてまいりました。卒業式は、学校を巣立っていく児童生徒の成長と達成を在校生・教職員・保護者とともに確認し合い、祝い、喜びを分かち合う学校行事であります。また、入学式は、これからの学校生活をともにする新しい仲間たちを温かく迎える学校行事であります。どちらも、人格の完成にとって大切な、すぐれて教育的な営みであります。ところが、子供たちの成長にとって大切な学校行事に国旗掲揚・国歌斉唱の押しつけが進められようとしています。

 東京都教育委員会は、昨年の10月23日に都立学校長あてに、「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について」の通達、それからその実施指針を出しました。同日、都教委は、区市町村教育長あてにも通達と実施指針の写しを送付しています。この通達と実施指針を見ると、「国旗は、式典会場の舞台壇上正面に掲揚する。児童・生徒は正面に向いて着席するように設営する。教職員は国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する。国歌斉唱は、ピアノ伴奏により行う。舞台壇上に演台を置き、卒業証書を授与する」として、「教職員が本通達に基づく校長の職務命令に従わない場合は、服務上の責任を問われる」としています。この通達は、日の丸掲揚と君が代斉唱の仕方、会場の設営まで事細かく指示して、処分にまで言及している、全国でも大変異例なものです。こうした通達・実施指針は、学習指導要領によっても日の丸・君が代を押しつけながらも、そのもとでも配慮されてきた内心の自由が踏みにじられ、児童生徒を主役にした学校行事の創意と工夫の教育実践も否定される危惧があります。また、処分の恐怖が学校を覆い、教職員が自由に物を言えなくなる、学校教育に欠かせない民主的な協議や営みが極めて困難になる重要な問題であります。このことから下記のことをお聞きするものであります。

 1)、小中学生とも、一定の見識と人格を持ち、多様な価値観を持ってきています。日の丸掲揚・君が代斉唱に疑問を持つ子供たちへの強制を教育と言えるのか、このことについてお聞きするものです。


近藤和夫教育部参事:国際化の進展に伴い、日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育てるとともに、児童生徒が将来国際社会において尊敬され信頼される日本人として成長していくためには、日本のみならず、世界の国々の国旗及び国歌に対して正しい認識を持たせ、それらを尊重する態度を育てることは、重要なことです。このことから、学習指導要領に基づいて、校長・教員は児童生徒に対し国旗・国歌を指導するものです。あくまでも教育指導上の課題として指導を進めていくことを意味するものです。


岡田市議:学習指導要領に基づいてというお話でしたけれども、これは学習指導要領にも基づいていないというところが一番問題だと思うのです。例えば、中学校はこれから卒業式・入学式をやろうとしているわけですけれども、中学生はもういろいろ考えるわけです。それで、当然社会に対する認識もそれなりにしっかりとしていると思います。そういう子供たちに、例えば国旗に正対して起立して歌いなさいと指導することにこれはなっているわけです。しかし、本人が納得できない、自分の内心の自由を守るために立って歌うことを拒否した場合、これは教育の問題ではなくて、1人の人間としての個人の自由の問題になるわけですから、内心の自由を保障するという国会答弁にも立てば、それ以上の指導というのは、校長先生にせよ、教員の方にせよ、できないはずです。だから、このとおり実施するというのは、今おっしゃった学習指導要領に基づくということを既に逸脱して押しつけていると私は率直に思うのですけれども、このことについてはどうお考えでしょうか。


教育部参事:ただいまの御質問についてお答えします。学校教育というのは、今御質問がありました学習指導要領に基づいて、児童生徒が生涯にわたって豊かに生きることができるように、必要な教育内容をひとしく教えるためにあるものと考えております。国旗・国歌の指導についても、学習指導要領に示された内容である。したがいまして、すべての児童生徒に対して、国旗・国歌に対する正しい認識を持たせて、それらを尊重する態度を育てるために、社会科、それから音楽科、特別活動において行われているものだということです。このことは、児童生徒の内心にまで立ち至って強制しようという趣旨のものではないと考えております。あくまでも教育指導上の課題として進めていくものととらえております。


岡田市議:2)に進みたいと思います。教職員と子供や生徒・父母との協議などによる卒業生と在校生の対面方式・フロア形式の卒業式・入学式を禁止することが教育と言えるのか、このことについてお聞きします。


教育部参事:学校において行われる行事にはさまざまなものがありますが、この中で入学式や卒業式は、学校生活に有意義な変化や折り目をつけ、厳粛かつ清新な雰囲気の中で、新しい生活の展開への動機づけを行い、学校・社会など集団への所属感を深める上でよい機会となるものです。教育委員会は、学校・家庭から社会への中継点と位置づけており、社会に出てからの儀式を厳粛なものとしてとらえさせるためにも、適正に実施することが大切と考えています。


岡田市議:今の適正に実施するというのは国旗掲揚・国歌斉唱のことなのかと思うのですけれども、今のお話ですと、文部科学省の指導要領そのものではないのですけれども、文部科学省が編纂した指導要領の解説による入学式・卒業式以外の学校行事における国旗・国歌の扱いの規定が、今度の実施指針と矛盾している。つまり、それを押しつけるというところまでいっていないと思うのです。だから、そこの認識についてもう一度お聞きしたいのです。


教育部参事:文部科学省の方で出しています小学校学習指導要領、また中学校の学習指導要領の解説編の中で、学校において行われるにはさまざまなものがあるけれども、この中で、入学式や卒業式は、学校生活に有意義な変化や折り目をつけ、厳粛かつ清新な雰囲気の中で、新しい生活の展開への動機づけを行うとあります。そういう意味で、儀式というものを厳粛、それから清新な雰囲気の中で行っていくというとらえ方が大切かと思っております。


岡田市議:次のところにもかかるので、3)に進みたいのです。今の答弁とも関係するのですけれども、今の学習指導要領の文部科学省が出している解説では、今、動機づけ等という話がありましたけれども、私たちはその学習指導要領をすべていいと思っているわけでもないという立場はありますが、これはこれですから、どのような行事に国旗の掲揚・国歌の斉唱指導を行うかについては、各学校がその実施する行事の意義を踏まえて判断するのが適当であるということで、国旗・国歌の指導を行うということが厳密に規定されていないで、これは学校の判断でいいということになっているわけです。あくまで、学習指導要領で指導するとあるのですけれども、その内容は実際にはそれぞれの学校で実情を踏まえてやってくださいということになっているのです。だから、今ちょっとお話がありまして、3)にいきまして、文部科学省の学習指導要領解説では、入学式・卒業式には国旗掲揚・国歌斉唱を指示しているが、始業式・終業式・周年行事・運動会などの学校行事については学校の判断に任せるとなっているのに、今度の都の通達では入学式・卒業式以外の学校行事まで対象としているということで、これは学習指導要領にも違反した通達になっているのではないかと思うのですが、そのことについてお聞きするものです。


教育部参事:学習指導要領においては、特別活動の内容として、「入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする」としています。学習指導要領上、全国のすべての学校で入学式・卒業式にはやらなければならないことになっています。また、文部科学省の見解として、「など」というところでどういう内容を踏まえるかということについては、従来から始業式や終業式・周年行事・運動会・開校記念日など、いろいろな学校における行事・儀式があり、そのようなことを前提にして、各学校や地域の判断において行うことになっています。これは各学校にゆだねられているところであり、ゆだねられた学校で実施していただきたいということであり、何ら学習指導要領に反するものではないと考えます。


岡田市議:今のお話ですと、各学校で判断していいことだということでよろしいわけですね。

 次に、4)にいきます。今度、都教委が区市町村あてに送付してきた通達の写しは、厳密に言うと、都教委が都立高校あてに通達として出したもので、市に対しての強制力はないということになると思うのですけれども、その辺は市教委としてどう認識しているのか、お聞きするものです。


教育部参事:区市町村教育委員会教育長等あて文書では、「今後とも、学習指導要領に基づき各学校における国旗及び国歌の指導が一層適切に行われますよう、指導の徹底をお願いします」とあり、区市町村教育委員会としても、教育公務員の職務として指導する必要があると考えています。


岡田市議:私はそうは思わない。というのは、2003年11月に都議会文教委員会があったのですけれども、都教委の方は、今回の通達というのは、今言いましたけれども、「都立高校長あてに出したもので、区市町村の教育委員会に対しては、通達の写しを送付して、入学式・卒業式が学習指導要領に基づいて実施されるよう指導の徹底を求めた」と説明して、今そういう御答弁があったと思うのですけれども、この後都議会の委員が、「通知と通達は違う。あくまで強制する服務監督権は都教委にはないと受け取ってよいのでしょうね」と質問したのですけれども、これに対して都教委はこれを否定する答弁を行っていないということなのです。だから、今回の都立高校への通達を市は準用して各学校に指導するものではないということを確認させていただきたいのですが、それについてお伺いします。


教育部参事:市の教育委員会としましては、この都の教育委員会の通達の趣旨を踏まえて、通達、それから実施指針に準じて、教育公務員の職務として、各学校が学習指導要領に基づいて実施していただくという方向で考えております。


岡田市議:これはこれ以上やってもあれなので、最後に一つお聞きしたいのですが、5)です。今の流れで言うと、都教委が送ってきたのはあくまでただの写しだという認識で、私は今回の都教委の日の丸・君が代の内容についての通達には問題があると思っているのですけれども、市独自でそれに準じた実施指針というものはつくるべきではないと考えていますが、その辺の計画はあるのか、それともそういう予定はないのか、お聞きしたいと思います。


教育部参事:稲城市教育委員会は、市内の小中学校校長会において、区市町村教育委員会教育長あての文書の趣旨を踏まえ、通達・実施指針に準じて、教育公務員の職務として、学習指導要領に基づき各学校における国旗及び国歌の指導が適切に行われるよう指導したところです。


岡田市議:では、市独自の指針はつくらないということでよろしいのですね。


教育部参事:現在のところは、独自のものはつくっておりません。


岡田市議:現在のところはということで、将来的にそういう可能性は否定し切れないということになるのか、最後にそのことをお聞きして、私の一般質問を終わりにしたいと思います。


教育部参事:現在のところはという意味をお酌み取りください。