2004年第1回定例市議会におけるたらお治子市議の一般質問(議事録)


  1. 生活保護行政について
    1. 国による生活保護制度の「見直し」で生活扶助基準の削減,老齢加算の廃止,国庫補助率などが提案されている。市の考えは。
    2. 「相談及び助言」は自治体の自主的な判断で行うことができるようになった。職員が積極的に要保護者のもとにでかけて申請につなげることが可能となった一方,申請を拒むことも可能性として出てくることもある。住民の立場に立った運用を行うことについて。
    3. 申請書を窓口においてすぐにでも申請できるようにすることについて。
    4. 一括同意書をやめることについて。
    5. ホームレスについては,現に住んでいる場所を現住所にして生活保護の申請・適用を実現できるようにすることについて。
    6. 専門職員の増配置を行うことについて。
  2. 国民健康保険について
    1. 医療費の一部負担金減免制度を住民がもっと気軽に利用できるように,制度の研究と周知徹底を行うことについて。
    2. 「国民健康保険一部負担金の徴収猶予及び減免等についての取り扱い要項」(昭和53年4月1日市長決裁)の第1(3)は具体的にどのような人が対象になるのか。
  3. ごみ問題について
    1. 廃棄物会計の市の認識について。
    2. 廃棄物会計を住民参加で作成し,廃棄物処理に要する経費を住民に明らかにすることについて。
    3. 廃棄物会計をもとに,廃棄物処理に要する経費の負担の範囲(一般財源・事業者・排出者)や,発生抑制・資源循環を円滑に進めるうえでの効果的な手法を,住民参加で議論することについて。



■生活保護行政について

たらお市議:それでは、まず初めに生活保護行政についてお聞きしたいと思います。

 長引く不況、また失業や倒産、ホームレスが増大しているなどという中で、国民の生活悪化が進んでいます。このようなときに生活保護の役割はますます重要になってきているわけですが、国の予算でも、生活保護基準の引き下げや老齢加算の廃止、またこれからは保護費の国庫補助率を削減するという方針が出されてきていると聞きました。憲法第25条の生存権の理念に基づいている生活保護制度であるにもかかわらず、低所得家庭の最低生活さえ切り下げようということに疑問を感じているところです。そこで、(1)としまして、国による生活保護制度の見直しで生活扶助基準の削減、老齢加算の廃止、国庫補助率削減などが提案されていますが、これに対する市の考えをお聞きしたいと思います。


石川良一市長:生活保護費の国庫補助金の削減案は、国が進める三位一体改革の一環として進められてきました。しかし、生活保護費を国庫補助金削減対象とすることに対する厳しい批判を受け、厚生労働省は生活保護費から公立保育所運営費補助金を削減対象とすることとなりました。三位一体改革は、地方交付税の削減、国庫補助負担金の削減、国の税財源を地方に移譲することを一体に行うことですが、生活保護費から公立保育所運営費補助金にかわったことにより、本市では1億円余りの実質的な財源カットとなっております。保育所を公立で運営している団体とそうでない団体とでは大きな開きがあり、本市や西東京市などでは大幅な減となりましたが、人口比例で配分される所得譲与税を勘案すると、青梅市などでは公立保育園を持たないために結果としては増となっております。生活保護費のような全国の各自治体がくまなく補助金として受けているものの方が、結果としてはより公平なものになったのではないかと言えると考えております。


たらお市議:生活扶助基準の削減、また老齢加算の廃止という部分があると思うのですけれども、その影響については大丈夫なのかということをお聞きしたいと思います。


加藤健一福祉部長:今回の見直しにつきましては、時代に即した生活扶助基準の改定や、高齢者世帯の消費支出の分析から、従来、生活保護の70歳以上の高齢者に一律に支給してきました老齢加算を段階的に廃止するという見直しがなされているところでございまして、これは時代の趨勢を見きわめた結果であると考えております。実際に現在この制度で高齢加算を受けられている方への影響でございますけれども、1回でカットされるというものではなくて、段階的に削減していくということでございますので、そういった意味では影響は少ないものと考えております

たらお市議:老齢加算についても、71歳以上の人、また病弱の方については69歳とか70歳の方が大幅に引き下げになってくるということで、段階的引き下げになる方もいらっしゃるかと思うのですけれども、影響は少ないのではないかという認識で本当によろしいのかというあたりが気になっているところです。国に対してこういった削減を行わないように要望していくということですとか、この制度は憲法第25条の理念に基づいた制度であるということから、生活ができるようにしていかなくてはいけないのだという立場にしっかりと立っていただきたいと思います。生活保護の基準というものは、一般勤労世帯の消費水準の70%弱程度という水準で、また貯金とかも余りできなかったりとか、かなり制約を受けて生活しているという中で、それがさらに減らされていくということになると、生活への影響はかなり大きいと思うのです。市としてその辺の考え方をしっかりと持っていただきたいと思うのですが、改めてお聞きしたいと思います。


福祉部長:今回の改正の理由といたしましては、まず、この制度は昭和35年に創設されたということで、非常に年数がたってきておりまして、社会情勢の中からも現在に合っていないだろうということ、それから60歳代の方と70歳以上の方の消費支出額の比較がされておりまして、70歳以上の者の消費支出額が少ないということから、70歳以上の者に現行の老齢加算に相当するだけの特別な事情があるとは言えないといった見解が国の方でもございます。もう1点、70歳以上の方の消費支出額と被保護高齢者世帯の基準額を比較すると、生活保護の基準額の方が高いということが認められるということがございまして、先ほど申し上げましたけれども、もともと老齢加算を始めたときの趣旨が時代の趨勢とともに変わってきているという中でございますので、生活保護全体の枠組みの中での段階的な廃止ということになってきますので、そういった面では影響は少ないと考えているところでございます。


たらお市議:では、次の(2)に進みたいと思います。地方分権一括法のもとで、生活保護行政のうち、生活保護の開始・廃止などの経済給付の事務は法定受託事務ということですが、自立助長などの対人サービスの業務が自治事務となったということで、生活保護法第27条に相談及び助言という規定が盛り込まれたわけです。相談及び助言は自治事務ということであり、自治体の自主的な判断に基づいて行うことができるために、住民の立場に立った運用を行っていくということが強く求められているわけです。そこで、(2)としまして、住民の立場に立った運用を行うことについてお聞きしたいと思います。


福祉部長:生活保護に伴う相談及び助言につきましては、平成12年4月に施行されました生活保護法の一部改正で法的に明文化されたところでございます。これはもともと行われていた業務ですので、法律改正によって基本的な対応が変わるものではありません。したがって、生活保護の申請などにおいては、より一層個々のニーズを把握し、事業運営を行ってまいりたいと考えております。

たらお市議:住民の立場に立った運用を行うことについてですけれども、今窓口に相談に来られる方が若かったり、見た目に働ける年齢だったりしますと、生活保護の法律の中には補足性という考え方がありまして、働ける人はその能力の範囲内で収入を得る努力をしてもらって、その不足分を保護費として支給するという規定があるものですから、これを理由にするということなのでしょうけれども、健康上も問題がないということであれば、申請が受理されないということも出てくるわけです。ただ、本当にその方は再就職に向けて努力しているけれども、能力的なものとか職歴、また今の雇用情勢をもって判断してなかなか職につけないということなら、保護はちゃんと受けられるというのが本来の意味だと言われているわけです。

 一つの例としまして、年齢的に若い方なのですけれども、失業してしまって、市の方にひとりで相談に行ったのですが、まだ働ける年齢だからと言って断れたというケースがあります。実は軽いうつ病になっていたのですけれども、その場ではそういうことはなかなか言えないのです。それで再就職したけれども、体を壊して、ついにホームレスになってしまったということもあったのです。これは、年齢的にはまだ働けそうな人が来た場合に、職員の方たちはどういう対応をしていくのかということが問われていると思います。若いからまだ働けるでしょうということで終わってしまってはいけないのではないかと思います。この辺の住民の立場に立った運用ということについてしっかりと考えていかなくてはいけないと思うのですが、その点についてお聞きしたいと思います。


福祉部長:まず、窓口で、働けるから、若いからといった理由でお断りするということは一切ございません。生活保護は、御承知のように、手持ちの御自分の資産等を使っていただいて、なおかつ生活ができないという場合において、生活基準に照らし合わせまして支援していく、保護をしていくということでございます。そういった中で、窓口に相談においでいただいた方に対しましては、まずその方がどのような個別のニーズあるいはどのような事情をお抱えになっているのかということをよく聞いて、そして対応しているところでございますので、今後も生活保護基準を遵守する中で、個別のニーズ等を把握しながら支援してまいりたいと考えているところでございます。


たらお市議:私が聞いたところでは、窓口に相談に行ったのだけれども、その人はまだ若かったのです。それで、無理ではないかということを言われて、その後は結局先ほど述べたような形になったわけです。相談に来る人というのは、不安を抱えながら相談に来ると思いますし、保護の制度の仕組みについてもそんなに詳しい方はいらっしゃらないと思いますし、出かける前に職員の方とどのように対話したらいいのだろうかということでとても悩んで出かけていくということだと思っています。また、職員の方と話をする中でも、ちょっとした言葉で受けられないと思ってしまったりとか、その辺は本当に受ける人の側に立った対応をしていかなければいけないと思うのです。受けようとしている人に対して一律に対応してしまうということはいけないのではないかと考えています。生活保護法第2条には、その人が置かれている状況を客観的に分析するという無差別平等原理という考え方がありまして、相談を受ける担当職員の方は、1人1人の抱える事情とか能力的なものとか生い立ちなども深く考えて対応していかなければいけないと思います。こういった立場に立った対応を徹底することが求められていると思いますが、改めてお聞きしたいと思います。


福祉部長:生活保護の関係で窓口にお見えになる方々につきましては、確かに議員がおっしゃいますように、生活保護を受けたくて来るということではなくて、もうどうしようもなくて来るという方が多うございまして、当然に人間としての心理的なプレッシャーなどもありますし、また不安も抱えながらおいでになっていると思っておりますので、今後とも相談においでになった方の気持ちになって対応していきたいと考えております。


たらお市議:それでは、(3)に移ります。申請書を窓口に置いて、すぐにでも申請できるようにすることについて、お聞きしたいと思います。


福祉部長:生活保護の申請をしようとする意思を有する方に対しましては、制度の十分な説明や、資産申告書・収入申告書など、その御家庭の状況などを把握するために添付していただく書類もあり、これらの記載方法の説明を行っているところでございます。申請につきましては、だれでも自由にしていただけますが、申請書を提出していただいた後に面接相談などが必要となりますので、事前に保護の相談にお出かけいただければ、申請書を窓口に置かなくてもスムーズに申請ができるようになっております。


たらお市議:稲城市では、保護を受けたいという人が職員の方と面接をして、その人の置かれている状況をある程度お話ししてから、必要に応じて申請書が渡されるという形になっているわけですけれども、申請書を窓口に置いて、まずはすぐにでも申請できるようにしてほしいと思うのです。これは以前から共産党の森山前議員もずっと議会で言ってきたことなのですが、先ほど言いましたように、窓口でちょっと聞いて、働けるのではないかといったことを言われて、それだけであきらめて何もせずに戻ってきて、後で悲惨な結果になってしまった方のように、今はうつ病などを患っている方もふえてきていますので、自分が思うことをその場でなかなか言えないということもあると思うのです。職員のその場の判断または運用次第でその人の生活保護を受ける権利が侵害されてしまうということは絶対あってはいけないことで、私たちは常に考えていかないといけない問題だと思いますので、まずはすぐにでも申請できるように窓口に置くということが必要ではないかと思いまして、改めてお聞きしたいと思います。


福祉部長:生活保護の制度につきましては、相談に非常に大きなウエートが占められているということがございます。実際に申請書を窓口に置いたといたしましても、申請用紙の中に書く内容が、例えば直系の家族関係とか、扶養してくれる見込みのある友人とか、保護を申請する理由を書く欄とか、さまざまございます。それと、申請するに当たりましては、添付書類という形でさまざまな書類も必要となります。そういった中で、ただ置いておいて、それで出していただくと、逆に、書き方が間違っていれば、申請者にとっては二度手間になるということもございます。私どもの方としても、生活保護の申請においでになった方につきましては、少しでも早く保護が受けられるようにしたいと考えておりますので、現在のような形でさせていただいているところでございます。


たらお市議:私も時々相談に行くことがあるのですけれども、かなり時間をかけて話し合いをしまして、こういう話し合いの中で、申請書が本当に受けられるのだろうかと不安になるようなときがあります。2回ぐらい行ってやっと申請書がもらえたということもあったのですけれども、申請書を出すまでに、これをやってくださいとか、そろえてくださいということで、いろいろな条件を出されるわけです。それができないと受けられないのではないかという不安を感じることもあります。それで、とにかく申請をしまして、後で却下されることはあるかもしれないのですけれども、まずは申請をできるようにしていくということが大事だと思います。申請をしないと不服申請もできないということもあります。それから、今、全国の自治体を見ましても、窓口に申請書を置くようになったところが195市町村あると聞いていますので、行おうと思えばできることだと思うので、その点について再度市としても考えていってほしいと思いますので、御答弁をお願いしたいと思います。


福祉部長:決して申請していただくことを拒否しているものではございませんし、どうしても相談というか、お話はしたくない、申請用紙だけ欲しいという場合には、お渡ししております。そういった中で、先ほど申しました理由のほかに、生活保護の要保護者が生活保護の申請という入り口の部分で、どういう手続でどういうものをそろえたらいいのだろうかということで悩まないように、私どもの方としては相談というよりも御説明するということ、これも福祉サービスの一つであると考えておりますので、今後も、別に申請を拒むということではございませんので、相談をお受けして、御説明してという内容の事務として進めていきたいと考えております。


たらお市議:次に、(4)、一括同意書をやめることについてお聞きしたいと思います。


福祉部長:生活保護法第29条では、「保護の決定又は実施のために必要があるときは、要保護者又はその扶養義務者の資産及び収入の状況につき、官公署に調査を嘱託し、又は銀行、信託会社、要保護者若しくはその扶養義務者の雇主その他の関係人に、報告を求めることができる」と規定されております。このことから、必要に応じて同意書をいただいているところでございます。生活保護の受給決定に際しましては、資産や収入などの状況を把握する必要がありますので、今後とも提出を求めてまいりたいと考えております。


たらお市議:一括同意書の廃止についてなのですが、秋田県で既にこれに取り組んでいまして、調査の同意は本人の自由意思を尊重し、また調査は本人の申告を基本とするということで、一括同意書の廃止を行うことを2002年に決めたということです。その後、神奈川県や大阪府でもこれに取り組み出したとお聞きしました。秋田県の場合は、こういった一括同意書の提出を求めるということが個人情報保護条例とのかかわりでも指摘を受けてきたということもあって判断したとお聞きしています。保護の決定・実施のために必要があるときには、資産や収入の状況について関係する人に報告を求めることに同意しますというものでありますが、この同意書を申請者の人に提出させて、銀行などを調べられるというものです。私も一緒に行ったときには、心配なので、この同意書を申請者の人が出すときに、本当にそれを調べることに同意していいのですかということを一応聞くのです。それで、苦しいときなので、同意せざるを得なくなってしまうということがあると思うのですけれども、こうした調査はプライバシーの問題にかかわってくる部分でもあるので、必要なときに本人の意思を尊重して個別に行っていくという考え方が大事なのではないかと思うのですが、改めてお聞きしたいと思います。


福祉部長:まず初めに、一括同意書というお話がございましたけれども、一括同意書という言葉自体は正式にはないようでございます。秋田県の方でのお話でございますけれども、別に秋田県は同意書をやめたということではなくて、生活保護世帯全員の調査を一つの同意書で提出を求めていたということでございます。例えば、御夫婦の場合、一方の了承なくその調査に同意したということで、要するに本来は別々の同意書をいただくところを一つの同意書で御夫婦両方を調べていたということでございます。その点につきましては、稲城市は従来から本人のみの同意書ということでございまして、夫婦のときには別々に同意書を提出していただいてやっております。この同意書につきましては、生活保護という制度は真に困っている方を保護するということでございますので、そのための調査というのは必要ではないかと考えております。


たらお市議:次に、(5)、ホームレスについては、現に住んでいる場所を現住所にして生活保護の申請・適用を実現できるようにすることについてお聞きしたいと思います。


福祉部長:ホームレスの方の多くは、都市公園・河川敷・道路などの公共的場所を起居の場所として日常生活を送っており、公共的場所を使用している状況下では現住所として認定することはできません。生活保護は生活保護者の居宅において行うものとされており、これによることができないときは、本人の希望により施設に入所させ、保護を適用することができることになっております。


たらお市議:今、全国のホームレスや路上生活者の方は3万人になり、そのうちの7割がリストラや倒産で職を失った人たちだと言われています。その中でも約50%の方が体調の不調を訴えられているということですが、そのうちの70%の方は治療を受けていないということであります。住所が不定であったり住民登録がされていなければ申請が認められないということで、一回施設に入所しなくてはいけないということがあるわけですが、厚生労働省の方でも2000年3月に「ホームレスに対する生活保護の要件について」という見解を出していまして、「ホームレスの生活保護の要件は、一般世帯に対する保護の要件と同様であり、居住地がないことや稼働能力があることのみをもって保護に欠けるものではない」としていたり、2003年7月には、ホームレスの人が居宅での生活が可能な場合、敷金などを支給することができるという通知を出しているとお聞きしました。最近では、青森市で、住民票がなくても、橋の下でも車の中でも、そこを生活の場としていることが確認できれば、申請を受け付けるとか、路上生活をしている方で特に緊急な対応が必要な人が生活保護を申請した場合、すぐにお金が出るような対応をするということを決めたということであります。今までは一回施設に入ってからというやり方でやってきたと思うのですけれども、急迫した状態の中で、すぐに申請できて保護が受けられるという形を認めていくことが必要だと思います。今、餓死してしまうとか、自殺してしまうとか、そういう悲惨な事件に結びつく可能性もあるということから、今住んでいる場所を現住所にして保護の申請適用が実現できるようにしていくということを考えていく必要があると思うのですが、その点について改めてお聞きしたいと思います。


福祉部長:ホームレスの方に対します生活保護の方針につきましては、国の方から「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」が出されております。また、東京都の方からも「居住地のない要保護者の生活保護適用」ということで通知が出されておりまして、現在これに基づき実施しているところでございまして、ホームレスの方につきましては、まずは居宅先を探して、そして生活保護をかけていくという形の対応をしております。住民票がなくてもかけるということでございますけれども、別に住民票はなくても、居宅の場所が特定されればいいということで、仮の住まいという形で施設に入っていただいて、ホームレスの方についてはまず住まいを確保してあげるということが一番大事なことだということがございますので、その後にそこで生活保護をかけて支援していくということになろうかと思います。


たらお市議:以前、一回施設に入ってくださいとお願いしたのですけれども、断って入ろうとしないというケースがあったのです。余り一般質問で言うことではないとは思うのですけれども、そのときに、入ってくださいと言うのに入らないというのは、何か不正があるのではないかといった見方をしてはいけないだろうと私は思ったのです。もしその人がそれで受けられないで悲惨な結果になってしまうようなことがあっては、生活保護の意味がないといいますか、その辺はこういった青森市などの例を参考にしまして、橋の下でも車の中でも、そこを生活の場としていることが確認できれば申請を受け付けるということが大切だと思いますので、市として今後検討していただきたいと思うのですが、どうでしょうか。


福祉部長:ホームレスの方につきましては、市としましても、年に2回、職員によりまして実態調査をさせていただいております。ことしも2月4日に一斉に稲城市内の路上生活者の実態調査を行いました。そういった中で、いろいろお話を聞ける方もいらっしゃいましたし、生活保護をお受けになりますかということは皆さんにお聞きしておりまして、お1人だけだったのですけれども、そういった意思があるということで宿泊施設にお入りいただいております。また、生活保護を受ける意思はあるかないかということをいろいろお聞きする中では、ホームレスの方の中にもさまざまな事情がございまして、帰る家があるのだけれどもホームレスをしているという方も結構いらっしゃいます。それから、週に1度は親戚のところに帰っているのだとか、そういったお話もございまして、難しいところは、ホームレスの方といいましてもそれぞれの事情がございますので、一律にホームレスの方をというわけにもいきませんし、今後とも生活保護基準あるいは東京都・国等のさまざまな通知・告示等がございますので、そういった中で対応してまいりたいと考えているところでございます。


たらお市議:それでは、(6)、専門職員の増配置を行うことについてお聞きしたいと思います。必置規制の見直しが行われて、生活保護関係職員の専任規定の緩和、職員配置基準の法定数から標準数への改定が行われたわけですが、専門職員の増配置を行うことは、人権尊重の生活保護行政のためには不可欠なことだと考えております。以前から職員数がぎりぎりのところでやられていて、1人当たりの担当する受給者の方が多いので、職員の方たちも大変な思いをして仕事をしておられるということがわかったのです。担当職員がそういった状況で仕事をしていますと、保護を受ける人にとっても真に生活の向上につながるような対応ができなくなってしまうというおそれもありますので、専任職員の増配置は大切なことだと思います。この点についてお聞きしたいと思います。


福祉部長:生活保護を担当する職員の配置は、生活保護の相談や生活保護者への自立支援など、きめ細かな対応を図っていくために、生活保護世帯数の推移や相談内容などを見据えながら職員の配置を行ってきているところです。平成15年度には保護世帯数が増加したことから職員1人の増員を図ったところでございますが、さらに保護世帯数の増が生じておりますので、平成16年度では職員1人の増員を行う予定としております。


たらお市議:保護を受けている人にとっても、また相談に来た人にとっても、その人の生活向上につながるような対応がしっかりできていけるようになってほしいと思いますので、ぜひ今後もその点に気を配って、増配置をお願いしたいと思います。


■国民健康保険について

たらお市議:次の質問に移らせていただきます。2、国民健康保険についてです。長引く不況の中で国保の加入者がふえているわけですが、3割の医療費負担というのは、生活を切り詰めて暮らしている庶民にとっては大変重たいものであります。国保には医療費の3割負担の部分の一部負担金を減免する制度があります。稲城市には、もう26年も前にこの要綱がつくられたのですが、実際に医療費に困っている方がいたので、私も窓口に聞きに行ったのですが、どうもこの制度はできないのではないかと言われました。そこで、(1)としまして、医療費の一部負担金減免制度を住民がもっと気軽に利用できるように、制度の研究と周知徹底を行うことについてお聞きしたいと思います。


恒松憲治生活環境部長:国民健康保険制度には、特別の理由がある被保険者で、保険医療機関等に一部負担金を支払うことが困難であると認められる場合には、その一部負担金の減額、免除及び徴収猶予を行うことができる制度がございます。本制度につきましては、国民健康保険法第44条第1項及び第3項の規定と、各都道府県知事あての厚生省保険局長通知を受けて、稲城市国民健康保険一部負担金の徴収猶予及び減免等についての取扱要綱を定めておりまして、現在、窓口におきまして被保険者からの相談に応じているところでございます。相談の内容は、医療費の支払いだけが困難というケースはなく、生活そのものが困難という深刻な事情に対しましては、生活保護基準を勘案いたしまして、福祉との連携を図っているところでございます。


たらお市議:今、相談を受けておられるとお聞きしたのですが、実際に利用者はいらっしゃらない状況ではないかと思うわけです。この制度自体が余り知られていないということがありまして、これをもっと気軽に使えるように、知らせていくことが必要だと思いますが、その点についてお聞きしたいと思います。


生活環境部長:この制度の周知方法については、現在、窓口で対応しているところでございますけれども、制度が大変複雑でございますので、窓口での相談が一番いいと考えております。ただ、市民への的確な情報の提供ということで、内容はともかくとして、制度については、これから国保のしおりやホームページで周知をさせていただきたいと思っております。


たらお市議:それでは、(2)に移りたいと思います。稲城市国民健康保険一部負担金の徴収猶予及び減免等についての取扱要綱の第1の(3)に、「事業又は業務の休廃止、失業等により収入が減少したとき」と書いてあるのですが、これはどのような人が対象になるのかということをお聞きしたいと思うのです。


生活環境部長:稲城市国民健康保険一部負担金の徴収猶予及び減免等についての取扱要綱の第1の(3)は、「事業又は業務の休廃止、失業等により収入が減少したとき」と規定しております。具体的な対象といたしましては、被保険者の生活が困難となり、利用し得る資産及び能力の活用を図ったにもかかわらず一部負担金が支払えない場合は、減免等の必要があると認めるものでございます。

たらお市議:「収入が減少したとき」と書いてあるのですけれども、例えば収入が生活保護基準以下で、でも生活保護を受けていないという方が結構いらっしゃると思います。中高年の人の中にも、長い期間、もう何年も失業状態にあって、ほとんど収入がなくて、医療費を払うと生活ができなくなってしまうという場合があるわけです。このような場合、必要なときに相談して一部負担金の免除ができるのかということで、3カ月の期間限定ということで、とても短い期間なので、引き続き必要なときに申請すれば免除を受けられるのかということをお聞きしたいと思います。


生活環境部長:この制度は大変複雑でありますので、個々に市の方に来ていただいて、その状況によりまして御相談に乗りたいと思っています。現在は、生活保護の1.15倍以下であれば、この制度が受けられるような状況になっております。ただし、預貯金などの資産あるいは能力の活用ができるのであれば、そっちの方をまず優先してもらうという規定になっておりますので、ぜひ国保の窓口に来て相談を受けていただきたいと思っております。


■ごみ問題について

たらお市議:次は、ごみ問題についてお聞きします。(1)としまして、廃棄物会計の市の認識についてということです。自治体のごみの処理やリサイクルの事業を経費の面からとらえる手段として、廃棄物会計という取り組みがあります。環境NGOや生活クラブ生協などでつくる市民団体が発行した廃棄物会計に関する本や、他市がつくった廃棄物会計を見せていただき、とても大事な取り組みだと思いました。市の認識についてお聞きしたいと思います。


生活環境部長:本市では、ごみ処理経費につきまして、毎年、一般家庭ごみの可燃・不燃・粗大ごみを初め、資源物であります瓶・缶・ペットボトル・古紙・古布等について、それぞれの収集量と処理経費を算出しているところでございます。平成14年度の可燃ごみと不燃ごみの処理経費につきましては、収集運搬経費が約2億2,986万円、中間処理経費が約6億6,905万円、最終処分費が約5,753万円で、合計では9億5,644万円になっております。また、1人当たりの処理経費につきましては、1万3,260円となっているところでございます。廃棄物会計につきましては、このように一般家庭ごみの収集運搬や中間処理等の方法、資源物では分別収集や再資源化の方法について、その重量や費用などを調査・分析し、ごみの減量と再資源化ができるか、また経費削減のために委託化などの手法が導入できるか等を検討するための指標づくりに役立てるものであると認識しております。


たらお市議今、ごみを燃やすために大型の焼却炉をつくったり、焼却灰を再資源化するエコセメント事業が始められようとしているのですが、これには多くのお金がかかるわけであります。資源やエネルギーの浪費ということにも結びついているのではないかと思いまして、私たちはこうした大型の施設をつくることに対しては反対してきているのですが、ごみ処理に要する費用についての検討がもっとしっかりと行われていかなくてはいけないのではないかと感じているところです。廃棄物会計という取り組みは大事だと思っていたのですが、これは、ごみを燃やして灰をリサイクルするという手法が果たして合理的なのか、今後もこういうやり方をずっと続けていっていいのかということを市民を交えて議論する土俵を提供するものになると思います。そこでまず、住民に対して、ごみ処理の経費やリサイクル、それから南多摩の焼却施設やエコセメントにかかる事業費の内訳的なものなど、現在住民の払っている税金がどのように使われているのかということを詳しく公表していくことが必要だと思うのですが、その点についてお聞きしたいと思います。


生活環境部長:先ほど申し上げましたように、現在、広報紙等でも、全体のごみ処理経費などを公表しているところでございます。今回の廃棄物会計の目的としまして、一般家庭から出るごみがどのくらい資源化されているかとか、幾らかかっているかとか、あるいは容器・リサイクルに自治体がどのくらいの費用をかけているかとか、そういうことは公表していませんので、その辺を今回、廃棄物会計をきちんと整理しながら、内容について広報とかホームページなどに公表できればしていきたいと考えております。


たらお市議:それでは、(2)、廃棄物会計を住民参加で作成していって、廃棄物処理に要する経費を住民に明らかにすることについてお聞きしたいと思います。


生活環境部長:廃棄物の減量化を進めるためには、廃棄物の状況をお知らせすることが大切であると考えております。現在、廃棄物全体の処理状況や資源物の回収状況等につきまして、広報等によりお知らせしておりますが、一般廃棄物や資源物の品目ごとの排出量やそれにかかる処理経費等につきましても、市民の皆様に御理解を一層深めていただくために、広報等でお知らせしていきたいと考えております。


たらお市議:住民に対して可能な限り廃棄物処理にかかる費用について説明していくことが必要だと思うのです。例えば、広域処分組合で取り組んでいるエコセメント事業を進めるのにも、各自治体の負担金というものがこれから算出されてくるわけです。地元稲城でも将来的にはエコセメントを購入していかなくてはいけないということなども考えなければならないわけです。そうするとまたさらに負担というものがふえてくるわけです。そこで、例えば日の出に搬入している灰を南多摩の焼却施設で全部スラグにしてしまった場合、分担金などの費用はどれぐらい違ってくるのかという疑問を感じたところなのです。あるいは、南多摩の焼却炉を今は2基使っているのですけれども、これを1基しか使わずに済んだ場合どのくらいの費用が節約できるのかとか、そういったさまざまなシミュレーションを市民参加で行っていくということが必要ではないかと思うのですが、その点についてお聞きしたいと思います。


市長:一部事務組合にかかわることなので、私の方から答弁させていただきます。
 基本的に、今稲城市のごみにつきましては、最終処分場には飛灰を搬入しているということでありまして、これは現在の多摩川衛生組合、多羅尾議員が言いました南多摩処理場で処理することはできません。ですから、エコセメントという新しい事業を展開するということについて、多摩川衛生組合も一緒にやっていきましょうということで、賛同して進めてきているわけでありまして、そのような基本的なことに対してはまずはきちんと認識していただきたいと思っております。


たらお市議:そういうことも含めて、私もそうですけれども、住民の方たちだってわからないことなのではないかと思うわけなのです。それで、こんなことを言ってはあれかもしれないのですけれども、私がその灰は処理できるのではないかと南多摩の方にちょっとお聞きしたら、そういったことも可能だということを言われたものですから、そう言われればそう思います。住民の側にしてみれば、そういうことすらもわからない部分ではないかと思うのです。ですから、それができなければできないで、そういうことも含めて、いろいろなシミュレーションを市民参加で行っていくということは可能なのではないかと思うのですが、どうでしょうか。


市長:多摩川衛生組合あるいは稲城の中でどういうごみ処理が進められているのかということについては、市民の中でもかなりの方が御存じだと思いますし、また少なくともごみ処理について何年も議論してきた、その段階でエコセメントが必要なのかどうかといった議論は、現段階では基本認識が欠落した状態で、しかも今回一部事務組合では反対されるということでありますから、私は非常にざんきにたえない。基本的な認識をしっかりと持っていただかないと、間違った情報、間違った認識で最終的な判断をされるというのは非常に困ったことだと思っております。もちろん、多くの市民の皆さんに正しい知識を持っていただくためには、これからもさらに努力していきたいと思っておりますが、まずは市民代表であり、しかも大きな事業の方向性を決定する大事な議案に対して基本的な認識を欠落させて判断されるということについては、極めて残念だと申し上げたいと思います。


たらお市議:では、次に移りますけれども、今の答弁をお聞きしても、素朴な住民の疑問に答えていかなくてはいけないところをそのような答弁というのは、私はちょっと言い過ぎではないかと思うのですけれども、私の言っていることは間違っているでしょうか。
 とにかく(3)に移ります。廃棄物会計をもとに、廃棄物処理に要する経費の負担の範囲や、発生抑制・資源循環を円滑に進める上での効果的な手法を住民参加で議論していくということが必要ではないかと思うのです。その点についてお聞きしたいと思います。


生活環境部長:廃棄物の発生抑制や資源の循環を図るためには、事業者に対し、昨今の使い捨て商品や過剰包装の自粛、容器の規格化、リターナブル容器の活用などについて、全国市長会や全国都市清掃協議会を通じ、国に対し、拡大生産者責任のもとで発生抑制が図られるよう強く要望するとともに、市でも直接、市内の販売者・販売店に要請をしているところでございます。また、ごみの増加は、消費者みずからが大量消費を行い、さらにリターナブル商品及びリサイクル商品等を使用しなくなったことなども要因の一つと考えられます。今後も、市民にごみ処理の状況などをお知らせし、共通の認識が図られるよう努めてまいりたいと考えております。


たらお市議:稲城に限らないことなのですけれども、自治体住民が莫大な費用を負担して高額な処理施設を建設してごみ処理をしていくという方法をいつまでも続けていっていいのだろうかということで、市民からも疑問の声が出てきているのです。そういう中で、その方向性が決まっているのに反対するのはおかしいではないかと言われますと、ではこれ以上どこに何を言っていったらいいのだろうかと私たちは思うわけです。本当にちょっとおかしいという気持ちになったのです。
 先日私も、環境保護団体の方たちがゼロ・ウェイスト政策を広める運動をしているというお話を聞いたのです。徳島県の上勝町というところで、2020年までという目標を持って、脱焼却・脱埋め立てでごみゼロを目指そうということで、収集車が来ない町ということで新聞などでも取り上げられたと思うのですが、34分別を行う取り組みを始めているわけです。この町は、ほかの自治体にもこういう取り組みのネットワークを広げていきたいということで、また国にも要請しているということで頑張っているのですが、こういう取り組みが将来、企業に拡大生産者責任をきちんと求めていくことにもつながっていくのではないかということで、すごく注目を集めているわけです。
 この間、稲城では、環境基本計画策定委員会とか廃棄物減量等推進審議会でもごみの問題が議論されてきたと思うのですが、ごみの問題を根本的に解決していくために、改めて廃棄物会計というものを住民参加でつくって、それをもとに、どうしていったらいいのかということ、拡大生産者責任ということにどうやってつなげていったらいいのかといったことを話し合う機会にもなるということで、ぜひ住民参加でつくって議論していくことが必要だと思うのですが、再度お聞きしたいと思います。


市長:焼却に頼らないごみ処理の方法、あるいは分別をさらに細分化するということについては、否定するつもりは全くございません。しかし、私どもは前々からお話ししておりますように、現実には毎日稲城市でも50トンのごみが出ているわけであります。それをどうするのかという現実的な対応は常に迫られるわけでありまして、そのことに対して多摩川衛生組合等の処理、そして今は最終処分場に持ち込んでいる飛灰の処理ということで、最終処分場の延命化ということで、エコセメントの導入についても進めざるを得ない、進めていく必要があるという判断に立っているわけであります。あわせて、市民の皆さんとさらに減量化に向けて、あるいは環境会計・廃棄物会計等を導入しながら、環境負荷の少ない社会をつくっていくための努力をしていくことを市民参加型で進めていくことについては何ら異議はございませんし、またぜひ力を合わせて進めていきたいと思っております。ただ、現実の問題として、現実の認識を誤った上で物事を進めるということになると、これは大変なことになりますので、ぜひしっかりとした御認識をお持ちいただきたいと思っております。


たらお市議:もう結構です。