2005年第4回定例市議会 議案に対する日本共産党市議団の討論



■第79号議案■ 稲城市立保育所設置条例 賛成討論 たらお市議

 第79号議案 稲城市立保育所設置条例について、日本共産党といたしまして反対の討論を行います。

 公の施設への指定管理者制度の導入に関する条例案が今回提案されているわけですが、指定管理者制度は、今までの管理委託制度、民間委託と比べて最も大きく違う点というのは、公の施設の管理について、株式会社などの営利企業も含めて行うことができるようになるということです。実際には現在委託を受けている公的な団体が指定管理者になるであろうと聞いております。しかし、指定管理者の指定期間は原則3年から5年で、必要な場合には最長でも10年という期間です。ですから、何年かごとに指定管理者の指定をし直すということになるので、公的な団体であっても、これから営利企業を含めた競争にさらされるという可能性が出てきます。また、住民サービス向上とコスト削減が制度導入の目的とされています。さらに、指定管理者の指定選定基準が条例の中に書かれていますが、例えば市立保育所設置条例などについても、その設置目的の効果的な達成などと書かれています。しかし、何が効果的になるかということは、立場によりとらえ方も変わるものではないかと思います。市でも行革が推進される中で、私たち日本共産党市議団は、住民にとって必要なサービスの予算が削られること、また職員体制、住民の利用条件が低下されることのないように求めます。市は、制度の導入は福祉の増進を目的とするということを強調して答えているわけですが、サービスの質の維持、また住民の利用条件を低下させないという視点にしっかり立ち、その立場を守っていっていただきたいと思っております。この間の偽造マンションの問題にも見られるような民間のコスト競争の問題、また指定確認検査機関のチェックの不十分さなど、官から民への弊害ということが明らかになりましたが、福祉や教育分野にまでこうした問題が及ばないように、住民の声が反映できるようにしていくことも大切なことです。

 今回の市立保育所設置条例については、今回は松葉保育園に委託している第六保育園だけ指定管理者制度が導入されるという内容でありますが、今、庁内で公立保育所民営化検討委員会が、すべての公立保育園を対象に、営利企業も含めた民営化の検討を行っているところです。私たち日本共産党市議団としては、公立保育所については民営化するべきではないとこの間主張してまいりました。条例の中で、指定管理者の範囲を無規定にせずに、公立保育所の指定管理者は公的団体に限ると、最低限営利企業の参入の歯どめになる規定を条例に定めていくべきと考え、以上のことから第79号議案には反対いたします。

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■第13号陳情■ 定率減税を継続し、新たな増税をしないよう国に意見書提出を求める陳情  賛成討論 岡田市議

 日本共産党稲城市議団を代表して、第13号陳情 定率減税を継続し、新たな増税をしないよう国に意見書提出を求める陳情に採択の立場で討論をいたします。

 まず、この陳情の要旨ですが、2つあります。1つは、現在実施されている定率減税──所得税20%・住民税15%の継続、そしてもう1つは、新たな増税計画──給与所得控除・配偶者控除・特定扶養控除の見直しなどの撤回、この2つの要旨に沿って意見書を国に提出してほしいというものであります。まず第1点目の定率減税についてですが、今森本議員からもお話がありましたが、去る12月15日には自民・公明両党が来年度の税制の与党大綱を決定し、所得税・住民税の定率減税を2007年に廃止するということを明記したのは、報道されているとおりだと思います。そして、これによって私たち国民、そして庶民への影響という点では、年収500万円のサラリーマンの4人家族をモデルに挙げると年間3万5,000円の増税、それから年収700万円のサラリーマンの4人家族では8万2,000円の増税になるということが試算されています。この定率減税の廃止について、政府与党は景気回復を定率減税の廃止の主な理由に挙げていると思います。しかし、この点について考えてみたいのですが、まず大企業、それから大銀行は、過去最高、バブル期を超える最高益を更新しています。しかし、民間給料の総額は統計にあらわれているとおり下がり続けているというのが事実であります。この間小泉内閣は、所得税の配偶者特別控除の廃止や高齢者課税の強化を進め、年金保険料・医療費など、社会保障の負担増を国民に押しつけてきました。この間、定率減税が実施されてきたにもかかわらず、税と社会保険料を合わせた私たちの公的負担はふえ続けて、家計の可処分所得は削り取られてきているわけであります。このことからもわかるとおり、私たち一般の国民、また庶民にとっては、その家計は景気回復にはほど遠いという状態は明らかではないでしょうか。依然として家計消費が冷え込んでいることから、定率減税の全廃や今後計画されている消費税の増税などには、日本商工会議所・日本百貨店協会など、経済団体からも反対・慎重意見が出ているわけであります。このように、国民、そして市民の実感は景気回復とはほど遠いというのが暮らしの実態であり、政府の言う景気回復は統計的にも国民の実生活とはかけ離れており、そして定率減税廃止の根拠とはならないと考えます。

 その一方で、政府与党は、それこそ景気回復と言うにふさわしい空前の利益を稼ぎ、昨年末時点で82兆円の余剰資金を抱える大企業には、今森本議員も討論されたように、手厚い減税は継続されるわけであります。このように、定率減税と同時に実施した法人課税の税率引き下げ、所得課税の最高税率引き下げ、これらはそのままにして、全く指一本触れようとしない、こうした姿勢は強く批判されなければなりません。例えば法人税率では、陳情にもありますが、1986年までは43.3%でしたが、現在は30%であります。これによって税額は20兆円から10兆円にと半減しているわけであります。先ほどの委員会での議論の中でも、定率減税は稲城市の借金になっているという議論がされておりました。しかし、それを言ったら、大企業の減税、また高額所得者への減税も同じ問題になるのであって、それではそもそも減税が成り立たない議論だと私は思います。具体的に見ても、1999年度〜2002年度の4年間の平均法人税を1986年度と比べると、実に3兆円も減税になっています。さらに2002年度から導入された連結納税制度も、同一グループ内の黒字企業・赤字企業で相殺してしまうということで、2003年度だけで3,410億円もの減税になっています。このほかにも大企業にはさまざまな手厚い減税措置がとられたままになっているわけであります。

 一方、所得課税の最高税率の引き下げがずっと行われてきましたが、高額所得者や資産家についてはどうか。こちらの方もこの間、最高税率の引き下げ、株式配当への所得税・住民税の減税、株式等の譲渡所得への減税、こうしたことが次々と行われ、例えばいわゆるサラリーマン金融大手と言われる4社──アイフル・武富士・アコム・プロミスの親族の保有株の配当や株式譲渡所得を計算すると、1年間で300億円を超える減税の恩恵を受けていると推計されるわけであります。こうした不公平をそのままにしておいて、国民にだけ、庶民にだけ増税を押しつけるやり方は認められないと考えます。

 続いて、要旨の2つ目ですが、新たな増税計画の撤回という問題です。これは、6月に発表された政府税制調査会の論点整理で取り上げられてきた問題だと思いますが、その見直しの内容は主なものだけで15項目あります。例えば、ここに挙がっている給与所得控除は必要性が乏しい、配偶者控除は根本的見直しが必要、扶養控除は税額控除という形態をとることも考えられる、特定扶養控除は存立趣旨は失われつつあるなどということが言われているわけであります。ここでの論点整理という性格上、定率減税の廃止以外は具体的な数字が入っているわけではありませんが、この論点整理の具体化の一部として、定率減税の廃止、給与所得控除の半減、配偶者控除・扶養控除の廃止が行われるとすれば、これだけでも大変な増税になることは明らかであります。例えば、年収300万円の世帯では24万5,000円、年収500万円の世帯では42万円、年収1,000万円の世帯では91万6,000円という税額が算出されるわけであります。こうした多額の税負担が私たち国民の暮らしを根本的に見直さなければならないほどの大増税となっているわけでありますが、この税制改正は所得の低い世帯と相対的に高い世帯との間で大変な不公平を生むという問題を指摘したいと思います。

 現在の所得税・住民税の税額と今例を示した定率減税の廃止、給与所得控除半減等の増税の税額を比較してみると、年収300万円の人では、現在住民税は課税されていませんから、払う税額は33倍になります。年収500万円では3.6倍の税金を払う。年収1,000万円では2倍とだんだん低くなります。例えば年収5億円の場合はどうかというと、高額所得者では現在払っている税金の1.03倍。つまり、政府の税調が論点整理という形で示したこれらの増税の方針は、所得の低い人たちは暮らしていくのも困難になるような増税であるにもかかわらず、高額所得者にとっては全く痛くもかゆくもないという税制の改革。こうした方向は民主的な税制の確立という点で根本的に問題があると言わなければなりません。税金には原理原則があります。国民が必要としている生活費には税金をかけないというのが生計費非課税の原則であります。また、所得に応じて、所得の多い人には重い税金、そして所得の少ない人には少ない税金で応じてもらうというのが累進課税です。この生計費非課税と累進課税が経済の民主主義の大原則だと私は思います。1980年代まで、日本の税金は大枠この原則に従ってきたわけであります。それを大もとからひっくり返そうというのが、政府、そして自民・公明与党の税制改革の本質、つまり庶民には定率減税廃止や各種控除見直し、そして今後は消費税の増税などが計画され、一方、大企業や高額所得者には減税が進められようとしている。この内容そのものにその本質があらわれているのであって、この一連の税制改革なるものの路線は強く批判されなければなりません。定率減税の廃止、給与所得控除半減等、こうした税制の改正と言われるものは、貧富の格差をますます大きくするだけの改正でしかありません。経済の民主主義の大原則を否定し、庶民の暮らしを締めつけるこうした負担増を認めることはできないと考えます。こうした方向ではなく、生計費非課税、累進課税の適正な応能原則、経済の民主主義の大原則に立った税制改革こそ求められているというのが、私たちの考えであります。

 こうしたことから、稲城市議会において、今大変厳しい暮らしをしている市民、また国民の皆さんの暮らしを守る立場に立って、この陳情にある趣旨の意見書をぜひ国に上げなければならないと私は考えております。以上を申し上げて、採択すべきとの立場での討論といたします。

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