2007年第1回定例市議会での岡田まなぶ市議の代表質問


第1質問

  1. 市民のくらしについて
  2. 国民健康保険について
  3. 介護保険について
  4. 南山東部土地区画整理事業について
  5. 乳幼児医療費無料化助成制度につい
  6. 人口増に見合う環境づくりの基本姿勢と施策について
  7. iバスについて
  8. 行政改革について
  9. 憲法に対する市長の認識について

市長の答弁

岡田市議の再質問

市長の再答弁



第1質問

 日本共産党稲城市議団を代表して、所信表明における市長の政治姿勢について、9項目に絞って代表質問を行います。

 まず1項目め、市民の暮らしについて、所信表明では、「日本の景気は、いざなぎ景気を抜く長期の好景気が続いていると言われていますが、市民各層にわたっての実感はまだありません」と述べられています。今、国民の間に貧困と格差が広がるもとで、地方自治体が住民の暮らしを守る姿勢にしっかり立つことが求められています。私たちは、厳しい暮らしが続く市民生活のもとで、福祉の増進を図る地方自治体として、開発優先を見直し、暮らし・福祉・教育を何よりも大切にする市政実現を目指すものでありますが、市民の厳しい暮らしの認識及び暮らしを守ることについて、市長の基本姿勢をまずお聞きするものであります。

 続いて2項目め、国民健康保険について、所信表明では、保険税について、「応能率・応益率の改善を図りつつ、資産割課税の見直しを行い、適正な賦課と収納を行う」と述べられています。しかし、この内容は、今年度の予算で言えば、国保加入者の7割にも及ぶ市民への国保税値上げの住民負担増になっています。今、高過ぎる国保税が住民の医療を受ける権利を奪い、時には命にかかわる深刻な事態を生んでいるもと、また貧困と格差が社会問題となり、厳しい市民生活が続いているもとで、これ以上の市民負担増を行うべきではありません。私たちは、国保税は、当面、積立金の取り崩しや一般会計からの繰り入れをふやすことなど、できる限りの努力で、支払い能力に見合う引き下げこそ行うべきだと考えます。高過ぎる国保税の原因となっている国保への国庫負担の削減をやめて、計画的に増額するよう国に求めるべきであります。市長の姿勢を問うものです。

 3項目め、介護保険は、2006年4月から介護保険法が改定されました。これにより多くの高齢者が容赦なく公的な介護サービスを奪われています。要介護度が低いと決めつけられた高齢者は、介護保険で利用してきた介護ベッド・車いす、ヘルパーやデイサービスなどを取り上げられているのが実態であります。2005年10月からは介護施設の居住費・食費が全額自己負担となり、負担増に耐えられず退所を余儀なくされたり、ショートステイ・デイサービスを断念した高齢者も少なくありません。政府・与党が宣伝した介護予防や自立支援とは全く逆のことが起きています。こうした中、保険料は取られるのに介護が受けられないという事態が広がるもとで、各地の自治体では、介護保険料の減免、利用料の軽減が広がっています。稲城市においても、自立支援の立場に立って、減免・軽減制度の創設、また充実に取り組むべきだと考えます。

 4項目め、南山東部土地区画整理事業について、私たちは、21世紀が環境保全の時代とも言われるもとで、東京の中でも高尾山に次いで貴重な自然を失ってよいのか、またこの開発による幹線道路による大気汚染、高過ぎる減歩率などの地権者への負担、こうした問題点から見直しを求めてきました。また、既成市街地における開発についても、区画整理による大型通過道路づくりを、まちの分断、多額の市税投入、地権者の減歩負担、また大気汚染による環境破壊の問題点などを指摘して、見直しを求めてきました。尾根幹線が開通しても、既成市街地の区画整理自体はいつ終わるかわからないという状況で、新たに莫大な税金を投入し、緑を守りたいと願う多くの市民のもとで、貴重な丘陵地を失う南山開発を支援する市長の姿勢が問われます。南山は、地権者の高い税負担を軽減する方策を講じながら、開発ではなく緑地を保全することこそ、市民憲章、地権者・市民の願いにこたえることができるのではないでしょうか。稲城市が行政としてこの立場に立つことを改めて求めます。

 5項目め、乳幼児医療費無料化助成制度について、日本共産党稲城市議団は、この制度の実施、そして拡充を20年前から一貫して求めてきた者として、また保護者を中心とした請願運動の成果として、就学前までの所得制限撤廃を評価するものです。都制度の活用による小中学生への医療費助成制度も始まるもとで、小中学生の医療費無料化制度の実現を目指していくべきと考えますが、市長の姿勢を問うものです。

 6項目め、所信表明では、「全国の市の中ではこの5年間で8番目、26市では一番人口増加率の高い自治体となりました」と述べられています。そのもとで、人口増に見合う環境づくりの基本姿勢と施策を問うものです。1)として、市民との協働に基づく、市民の声が生かされるまちづくりを進める姿勢について、2)、保育園の待機児童がふえるもとでの認可保育園の新設について、3)、若葉台地域での人口増に伴う小学校の大規模化のもとでの学校の新設について、4)、尾根幹線開通等による大気汚染が危惧されるもとで、大気調査の本格的な充実について、市長の姿勢を問うものです。

 7項目めとして、私たちは、iバスの実施及び充実を一貫して求めてきましたが、「今後も市民に愛され、生活の足として利用していただくよう努める」という所信表明の立場に立って、iバスの増便、新ルートの検討、運賃値下げなど、さらなる充実を求めるものですが、基本的な考えをお聞きします。

 8項目め、行政改革について、所信表明では、「第三次行政改革に基づき行政の効率化やスリム化を図り、中長期的な視野に立った行財政運営を展開し」と述べています。行財政の効率的な運営は、地方自治体が国民・住民の税金を財源としている以上、当然と私たちは考えます。しかし、第三次行革では、その内容において、「事務事業の見直し」と称した住民施策の切り下げ、「受益者負担の適正化」の名による保育料金の見直し、使用料・手数料の適正化など市民への負担増、「民間活力の活用」の名による保育園運営業務などの民間委託等の推進、公共施設のPFI活用の検討など、本来自治体がやるべき仕事の民間委託、さらには市民サービス低下が懸念される職員削減などが柱となっています。これは本末転倒で、住民の福祉の増進を図るという自治体本来の使命を放棄するものではないでしょうか。行政の効率的運営と住民サービスの充実を両立させてこそ、本当の行政改革だと私たちは考えます。第三次行革による民営化ありき、受益者負担の押しつけではなく、住民の安全と利益を最優先にした住民本位の効率的な行政の努力を強く求めます。この立場から下記の2点について問うものです。
 1)、公立保育園民営化など、子供にかかわる事業の民間委託は進めるべきではないと考えますが、基本姿勢を問うものです。
 2)、「健全財政」の名で市民へのさらなる負担増行革を進めるべきではないと考えますが、基本姿勢を問うものです。

 最後に9項目め、所信表明で「平和は人類共通の願い」と述べられていますが、安倍自公政権のもとで、憲法第9条を変え、戦争のできる国に変えていくという危険な動きが強まっています。戦争のない平和な世界を目指す上で、憲法第9条を守り生かすこと、憲法のもとで、平和と非核の日本と世界を目指す立場にしっかり立つことが大切と考えます。最後にこの点について市長の基本姿勢を問うものであります。

 以上9項目、よろしくお願いします。

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市長の答弁

 御質問にお答え申し上げます。
 まず、日本共産党の皆様には、市政運営に当たりまして御理解・御協力をいただき、ありがとうございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
 平成17年の東京都生計分析調査「都民のくらしむき」は、全世帯の消費支出は2年連続で減少、勤労者世帯は実収入、消費支出とも減少、無職世帯では消費支出について預金の取り崩しなどで不足分を補っていると厳しい状況を述べておりますが、稲城市におきましては、例えば人口1人当たりの市民税個人分は6万3,062円で、多摩26市中13位、生活保護率は9.7パーミルで、低い方から数えて26市中9位となっており、平均的な水準にあると考えております。新年度におきましては、市民の暮らしを守るため、公共下水道第3期事業工事着手、児童手当制度における乳幼児加算の創設、障害者自立支援特別対策事業、小学校教育補助員の配置など、総合的なバランスの上に立って施策に取り組んでまいります。さらに今後も、中長期的には第三次長期総合計画の着実な推進を図り、新たな行政需要にも適切に対応してまいりたいと考えております。
 国民健康保険制度の運営につきましては、独立した特別会計の仕組みのもとで、適正な財政運営を執行していくという基本理念がございます。しかしながら、現状では、運営に係る財源の不足分を一般会計から繰り入れており、国民健康保険に加入していない方々からも負担していただいていることから、繰入金の縮減は重要な課題であると認識しております。また、国庫支出金につきましては、被保険者の保険税とともに国保財政の基本となるものでございますが、三位一体改革関連法の施行に伴う国からの税源移譲により都の財政調整交付金が創設され、結果的には公費負担が増加してきております。さらに、保険税の徴収努力や保健事業など一連の条件のもとに交付される特別調整交付金制度により、本市では特に運営姿勢が認められ、3年連続としてこの特別調整交付金を受けております。今後につきましても国や都からの財源を少しでも多く獲得できるよう努力してまいります。
 本市の高齢者ケア施策は、我が国の高齢者の介護体制の変革の中で先導的な役割を果たしており、一定の社会的評価を得ているところでございます。本市では、高齢者が要介護状態等になっても地域で安心して暮らし続けることができるように、介護保険制度の適切な運用を図りつつ地域ケア体制の確立に努めてきているところであり、こうした住民福祉の向上を目指す姿勢を持つことは当然のことと考えております。介護保険制度は、社会全体で高齢者介護問題の解決を目指すものであるため、高齢者自身も含め、みんなで費用を負担することで成り立つものであり、稲城市では低所得者への保険料及び利用料減免などの独自施策を維持しつつ健全な財政運営を行うことが重要であると考えております。
 南山東部地区は、活力ある稲城市のまちづくりの視点に立ち、次世代に誇れるまちづくりを土地区画整理事業により進めることとしております。この事業を実現すると、長年の懸案であった地区内の防災上危険ながけ地の解消や、既存緑地を生かした快適かつ持続可能な良好な市街地が誕生することとなります。このことは地区内の地権者はもとより多くの市民の願いであると認識しており、組合施行で進める本事業に対しても行政として今後も支援を行うとともに、一日も早い事業完了を目指し、引き続き指導・助言をしてまいる所存でございます。
 義務教育就学児医療費助成事業における医療費自己負担分の全面的な助成については、さきにお答えしたとおり、まずは平成19年度の実施状況等をしっかりと把握してまいりたいと考えております。
 市民と行政の協働に基づくまちづくりにつきましては、お互いの情報交換による情報の共有が基盤となると考えておりますので、引き続き行政情報の積極的な提供、市民の声の収集・把握に努めてまいります。その上で、各種の委員会や審議会などへの市民参加の機会をふやし、その中でいただいた市民の意見や提案をよく勘案し、適切に各施策に反映してまいりたいと考えております。なお、決定された施策の目的達成のためには、市民と行政の協働による推進が大切となりますので、市民の皆様に御理解と御協力をお願いしてまいりたいと考えております。
 保育所の待機児につきましては、地域ごとの待機児数にばらつきがあることから、認可保育所の新設ですべてが解決できるものとは考えておりません。したがいまして、今後の待機児解消策についても、市の財政状況を踏まえた中で、さまざまな工夫をしつつ取り組んでまいりたいと考えております。
 若葉台地区の児童数の増加につきましては、若葉台のまちづくりと関連しますので、住宅供給に伴う転入児童数が現在の学校規模を超えないよう、アンケート調査などにより児童の実数を把握し学級編制等を行ってきており、住宅政策とまちづくりとをそれぞれ関連づけながら計画的に進めております。したがいまして、新たなる学校建設につきましては考えておりません。
 尾根幹線につきましては、川北下地区の側道開通により市内の交通の流れは大きく変化してくると考えております。本幹線は、東京都において環境アセスメントに準じて調査を行っておりますので、この事後調査の結果を見て、必要があれば適切な対応を行ってまいりたいと考えております。また、市域全体における大気調査につきましては、交通量などの変化に応じた観測地点の見直しを検討するとともに、東京都環境局における観測結果などを踏まえ、大気の状況を把握してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、大気調査につきましては、今後も幹線道路の開通やまちの変化などを踏まえ、調査のあり方を検討してまいりたいと考えております。
 iバスの増便や新ルートの検討につきましては、さきにお答えしましたとおり、今後のまちづくりの進捗状況を見ながら検討してまいりたいと思っております。また、運賃につきましては、現在の運行経費と収支のバランスを考えますと、値下げは困難であります。
 公立保育所民営化の考え方につきましては、現在、財政再建に向けて国、地方を通じ行政改革が重要な課題となっている中、稲城市においても中長期的視野に立った行財政運営を展開し、市民要望にこたえ、少子・高齢化社会に対応した施策を着実に推進していくことが必要であることから行政改革を進めており、行政運営の合理化の一環として民間委託等の推進を掲げております。市の基本的な方針といたしまして、民間活力の導入を図ってまいりたいと考えております。
 平成8年度から行政改革大綱及び実施計画を策定し、行政改革に取り組んできております。平成18年度からの第三次行政改革大綱の策定でも、市民からなる行政改革監理委員会におきまして検討をお願いし、行政サービスの向上、市民との協働、行政運営の合理化、市財政の健全化の4つの改革の柱を掲げてきております。厳しい財政状況のもとで、乳幼児医療費助成制度の無料化・歳児拡大等の新しい行政需要に対応するためには、サービスに応じて適正な受益者負担を求めていくこと、また行政と民間等が行う業務を整理し、民間活力が図れる業務は委託等を進めることも必要であります。今後も行政改革を進め、市財政の健全化を図り、市民サービスの向上に努めてまいります。
 平和は人類共通の願いであります。世界の恒久平和が実現するには、核の保有や紛争解決のための武力行使は容認できるものではありません。本市では、いかなる国の核実験にも強く抗議してまいりました。現在、我が国にとって北朝鮮の核保有は最大の軍事的脅威でありますが、我が国の平和と主権を保持するためには、自衛の武力を保持することは必要であると思っております。憲法の問題につきましては、今後国会での本格的な議論が始まるものと思いますので、北朝鮮による拉致問題や6カ国協議の推移とともに注視してまいりたいと考えております。

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岡田市議の再質問

 それでは再質問をさせていただきたいと思います。今の答弁の全体を踏まえて、国保と介護の問題に絞って再質問を行いたいと思います。他の課題については、総括質疑、分科会などで行わせていただきたいと思います。

 まず市民の暮らしについてという質問を私たちはしたわけでありますが、今国政においては、貧困と格差という問題をどのように解決していくかということは、野党だけではなく自民党も含めて大きな問題になっている中で、市長の所信表明にはこういう言葉が出てこないのです。今答弁を聞きましたが、市民の暮らしについては、人口1人当たりの税金、また生活保護率などといったデータだけを挙げて、平均的な市民生活ではないかといった回答でしたが、これは市民の暮らしというものをどのように市長が見ているのかということについては、私たちは市民の大変な暮らしに心を寄せるという姿勢が感じられないと思うのです。この間、市民・国民は、小泉・安倍政権による年金暮らしの高齢者を直撃する増税、すべての納税者に対する定率減税の廃止、庶民大増税、そしてこれに連動して国民健康保険料・介護保険料引き上げなど、雪だるま式の負担増ということで、マスコミでも超重税路線と言われた負担増が今市民に覆いかぶさっています。そして、こうした負担増がことし、来年と続くわけです。政府は、大企業や大資産家には減税の大盤振る舞いをしながら、国民には際限ない痛みを押しつけるもとで、貧困と格差が広がっている。市長はイラクの問題や北朝鮮の問題を外交の問題として述べました。そして、内政の問題では国の赤字の問題を述べました。しかし、今大事な問題は、貧困と格差に対して地方自治体が市民の暮らしを守る姿勢に立つかということが問われている。そういうときに、本当に市民の暮らしについて冷たい姿勢だと私は思います。そして、今、いつにも増して、市民の暮らしを守る立場にしっかり立つことが求められていると思うのです。

 先ほど言ったように、国保税では加入者の7割に負担増を押しつける。そして、介護保険の利用料負担軽減については今の制度を維持していくということでしたが、負担軽減制度は東京都の制度でやっているために、条件が非常に厳しい。また、軽減制度の実態としては非常に少ない金額ですから、稲城では利用者がほとんどいないわけです。そうした中で、多摩26市でも多くの自治体で、さまざまな創意と工夫で独自に自分たちの頭で考えた制度を実現してきているわけです。その市の実態に合った介護保険の独自の軽減制度を今の暮らしが大変なもとで自治体が考えていくのは、当然ではないでしょうか。市長は、人口がふえたこと、また経常収支比率が85%で、多摩26市中3位だと、健全財政を自慢してきていると思うわけです。しかし、国保税の値上げ、介護保険料の負担軽減制度はやらない。そして、先ほど取り上げたように、若葉台小学校は東京で1番、1,000人を超える学校はほかにはありません。そして、保育園の待機児童は年度当初で50人、そして年度末には150人にも上り、ふえ続けるもとで、保育園もつくらない。こういうことで地方自治体として当然のことをしないで市の財政がいいということでは、自慢にはならないのではありませんか。

 そして、南山の問題では、緑を守ってほしいというのが市民の願いです。ここに20億円の税金をつぎ込むわけですが、都市計画決定さえしない。民間の開発に、そして通過道路づくりに税金をつぎ込む。こういう姿勢は改める必要が私はあると、この場でも強く述べたいと思うのです。緑を大切にして土の香りのあるまちづくりをしようではないかというのが市民憲章の立場ですから、今この姿勢に立つことを私たちは強く求めたいと思うわけです。

 こうした石川市長の基本的な姿勢が、数字的には多摩26市では2004年度の普通会計で見ると、土木費は構成比1位、1人当たり1位です。民生費の構成比は26位で最下位、1人当たりに直しても22位です。こういう事実に暮らし・福祉に冷たい市政の実態が象徴的にあらわれているのではないでしょうか。私たちは、こうした市政の実態から、開発優先を見直して、暮らし・福祉・教育を大事にする市政への転換を強く求めるものであります。

 そして、私たち日本共産党市議団は、暮らしの問題で昨年の秋からアンケート調査も行ってきました。その中でこういう市民の声が寄せられています。「わずかの年金の中から差し引かれる所得税・住民税・介護保険料が上がり、高齢者の家計を圧迫しています。30年以上前に自然環境のよいこの稲城に引っ越してきたのに、次々に緑は少なくなり、暮らしにくいまちになっています。住民に優しい市政を切に願います」。もう1人紹介すると、「とにかく弱い者いじめはやめてほしい。所得の低い、また努力しても生活の苦しい高齢者や障害者を守る独自の市政を展開してほしい」。これは本当に今厳しい暮らしの問題で、格差についてはさまざまな議論がありますが、その格差が生活していけないほどの貧困に陥るような状態を地方自治体が放置していいわけはないというのが私たちの考えです。そのことから、この代表質問を通じても国保税の問題、介護保険料の負担軽減の問題をトップに持ってきているわけであります。こうしたことから、改めて2点お聞きします。

 まず、こうした住民の福祉の増進を図る、そして暮らしを支える立場に立って、国保税の値上げは少なくとも凍結するということが必要だと思うのです。国保税は今、NHKなどでも特集されているように、払いたくても払えない、高額過ぎるということが問題になっているのであって、制度の維持がそもそも値上げではできなくなっていく。払えない人に値上げをするようなやり方ではなく、国の負担をもとに戻すということを求めていくことが必要です。多摩26市の中でも2市で国保税を引き下げる取り組みもされているわけです。一般財源の投入について、これを軽減していくということは当然必要です。しかし、国保税が払えない人は医療にかかれないという問題を放置してはなりません。
 そして、介護保険では、利用料の負担軽減制度の充実を真剣に検討するべきであります。介護保険料が値上げされて、保険料は上がったけれども、保険の利用ができないという人をなくしていくために、真剣に検討する姿勢に立つことを最後に強く求めて、再質問とさせていただきます。

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市長の再答弁

 多岐にわたったわけでありますが、2点ということですけれども、格差の問題等も十分認識はしております。ただ、これは地方自治あるいは自治体という視点で見たときには、一番深刻なのは都市と地方の格差の問題、このことが最大の課題だろうと思っております。もちろん、私どもの市の中でもこの問題はあるわけでございます。この点については、私どもが議論してどうなるという問題でもありませんので、それにふさわしい国会等で議論して、是正すべき点については是正していく必要があるのではないかと思っております。
 国保につきましては、先般の国保税の改定等の中で、資産割と所得割のあり方の問題については、ただ住宅で住むためだけに資産を持っている方から資産割を取り続けるのは酷ではないかということがずっと根底にあって、随分前から議論されていて、それを何とか整理していきましょうということで、一気にこれを整理するという議論も国民健康保険運営協議会の中ではされていたわけでありますが、やはり影響が大きいということで次段階でやっていこうと、そういう方向で改定がされたということが今回の一つのポイントだと思っております。
 また、医療保険につきましては、毎年のように1兆円から2兆円のペースでふえ続けて、もう30兆円を超えているわけで、これをどのように抑制していくのかということは、国の問題だと言って、対岸の火事として眺めているわけにはいかないのだろうと思います。そういう意味では、予防事業というものをこれから展開していく、あるいは御理解いただけない方もおいでになりますけれども、後期高齢者の新しい医療保険制度をつくっていきながら、高齢者にかかわる医療についてはまた別途の医療保険制度でフォローしていくということについても、制度化に今進みつつあるわけでありまして、予防事業等を含めて効果を持たせていかなければならない。そこまでもう医療保険制度は来ているわけでありますので、負担と給付、だれかがどこかを免除したり減免したりすれば、必ずどこかがその分を負担しなければいけない。保険制度というのはそういうものですから、現実的に国に対して要望はしていきますけれども、要望して、来ればいいですけれども、来なければ、だれかが負担しなければいけない。それをどう公平に負担していくのかということは、国民健康保険運営協議会等で議論していただき、それを受けて私どもは条例改正を行っているわけでありますので、これらの手続に従いながら、しっかりと現状を見ながら、必要な改定はしていくべきだろうと思っております。
 介護保険も同じような状況でありまして、既に平成12年度にスタートしたときから比べますと、全体の枠としては2倍以上に膨れ上がってきているわけでありまして、これをそのまま放置するわけにはいかない。いずれどこかで破綻してしまう。また負担し切れなくなってしまう。これをどうしていくのかということで、予防事業に転換しつつあるわけであります。また、市としても独自の軽減策は堅持するという状況でございますので、まずは新しい介護保険で目指している予防事業等をどうやって具体的に医療費の低減につなげていくのかというあたりについては、稲城市は全国のモデル事業も進めながら積極的に推進しているところでありますので、こういった事業をさらに重点的に強化していきたいと思っております。国際問題については、さきにお答えしたとおりでございますが、基本的な世界観がちょっと違っているのかと思っております。地域の課題や市民生活の実態につきましては、議会の一般質問や請願・陳情、会派要望と日常の「市長への手紙」、市長懇談会、さまざまな市民団体の会合・集会など、あらゆる機会をとらえて把握に努めております。また、日ごろの行政活動、市民とのかかわりの中で、それぞれの事業や施策を通じ、その実態の把握に努めているところでございます。これらの市民要望等につきましては、予算編成過程において、それぞれの部門で検討し、優先順位・予算枠などを踏まえて対応してきております。
 三位一体改革のうち、国庫補助負担金の改革により、公立保育所運営費等の国庫補助負担金が恒久的一般財源化されています。一方、税源移譲等につきましては、平成16年度において、所得税の一部を地方へ譲与する所得譲与税を創設することが決定しております。しかし、稲城市の16年度の所得譲与税は削減された公立保育所運営費国庫補助負担金の半額程度であることと、さらに地方交付税の総額が抑制されるなど、市財政及び住民サービスへの影響は避けられないものと考えております。今後におきましては、不要不急な事業などに対しては見直しをしていくとともに、国に対し、役割分担に応じた税財源配分をするよう、市長会などを通じ強く要請してまいります。
 次に、都市基盤整備に取り組む予算についてでございますが、平たん部既成市街地におきましては、市民が安全で快適な日常生活を営めるようなまちづくりを推進することが重要な課題であると認識しております。このためには、現在整備が進んでおります南武線連続立体交差事業や土地区画整理事業を中心として、多摩川架橋拡幅整備事業並びに尾根幹線などの街路整備事業との総体的な整合を図ることによって、より効果的かつ効率的な事業が推進できるものと考えております。一方、三沢川右岸丘陵部におきましては、東京都施行の坂浜平尾土地区画整理事業の見直しを進めているところです。また、組合施行による南山地区の方向づけを見きわめつつ慎重に取り組んでまいりたいと考えております。厳しい財政状況ではございますが、関係住民の御理解をいただきながら事業をさらに推進し、土地利用の促進と、環境に配慮した良好な町並み形成を図ってまいりたいと考えております。
 乳幼児医療費無料化の拡大につきましては、さきにお答えしたとおり、財源のすべてが市の負担となることから、今後の財政状況を踏まえ、市の全体的な施策の中で考えてまいりたいと思っております。
 介護保険制度は、平成12年度より円滑に施行されたものの、施行後4年を経過し、その実施状況から、軽度者の要介護認定者の増加など、さまざまな課題が見えてきたところでございます。現在、国の社会保障審議会介護保険部会におきまして、これらの課題解決の方向性を含めた制度全般の見直しについて議論されているところでございます。また、稲城市におきましても、制度的な課題のほか、保険者として適正かつ円滑な給付がなされるよう、介護サービスの質の向上、介護給付適正化などの事業に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 稲城市の平均の児童数については、現在1学級平均30.4人に達しております。これは、少人数学級に近い状態と言えます。少人数学級を実現するには、市独自の教員採用や施設面の整備も必要となり、これは現在の本市の財政状況からは厳しいものと考えます。このことは、国の制度の全体的な枠組みに問題があると考えております。これからは、指導内容・方法の工夫とともに、複数の教員が少人数集団を指導する少人数指導の充実が大切と考えます。本市では既に開始されている少人数加配、チーム・ティーチング加配、講師・学生ボランティアや学校独自の体制で少人数指導に取り組んできております。また、市独自で算数・数学補助指導員を配置し、今までにない個別指導に取り組んできております。その結果、本年度市内一斉に行った学力調査において、算数では小学校11校中9校と82%の学校が昨年度よりアップし、市内における少人数指導の成果が実証されたものと考えております。今後は、このような少人数指導の体制がとられることが大切と考えております。
 民間社会福祉施設サービス推進費補助の再構築は、保育サービス向上に向けた施設における努力が報われる仕組みをつくり、利用者の状況・ニーズに応じた保健サービスの提供を誘導し、社会福祉施設の経営改善の推進を図るために実施されたものであると認識しております。しかし、この再構築により保育サービスに影響が出てはいけませんので、東京都が考えているこうした施策の結果と各法人の今後の経営改革などの対応の結果を注視しながら、必要があれば、各市とも調整を図り、対応していきたいと考えております。
 市民との情報の共有化についての御質問で、例として中央図書館の事業が挙げられておりますが、本事業については、その事業手法のことを含めて、既に議会の所管委員会でも何度となく議論され、さきの9月議会では団体意思の決定として議会の議決をいただき、事務を進めているところでございます。ここまでの間、担当部局では、市民説明会や広報いなぎ・市のホームページ、図書館での閲覧等、可能な限り十分に情報を市民に伝えるとともに、市民の意見を計画段階から取り入れるなど、情報の共有化を積極的に図っており、市民と市の不利益になることや事業の競争性・公平性に欠くと判断した情報以外についてはすべて公開してきており、また現在提案審査中の内容などの未公開情報についても、落札事業者が決定した後には公開する予定としております。今後も、広報いなぎ・市のホームページや説明会などを通じて市民への情報提供を図るとともに、インターネット等での市民意見を十分に尊重し、情報公開と住民参加の上で中央図書館整備事業に取り組んでいく所存でございます。
 さきにお答えしたとおり、平成16年度は、市民と地域・行政及び公共機関が協働する自助・共助・公助を有機的に連携した総合防災訓練を実施いたします。この訓練は、政府主導で行うものではなく、実施時期・内容・場所などは計画の段階から消防委員会・自主防災組織本部長会議・防災関係参加団体の打ち合わせ会議及び稲城市防災会議での協議検討を重ねて実施する、あくまでも市民と協働の手づくりの総合防災訓練であります。本年は、初めて災害救助犬による救出訓練や、自衛隊の参加による炊き出し訓練も実施する予定でございます。平成7年6,400人余の死者を出しました阪神・淡路大震災に災害派遣された自衛隊は、大きな活動成果をおさめ、以来各地の地震・水害・火山噴火・土砂災害などの災害現場に素早く対応出場し、活動の場が広がり、災害派遣に関し広く国民に期待と信頼を寄せられているところでございます。災害対策基本法の中でもその活動の場が位置づけられております。これを受けて、稲城市地域防災計画では行政手続や活動内容を定めております。また、全国の消防機関と自衛隊は、大規模災害に際しての消防及び自衛隊の相互協力に関する協定も締結しております。これらの計画を実際の災害活動に生かすための訓練は、市民の安全確保にとりまして極めて重要であると認識いたしております。
 若年者の就職の実態につきましては、さきにお答えしたとおり、失業率が高く推移している状況の中でも、とりわけ若年の失業率が高い水準にあります。これらの状況を踏まえた若年者の就労対策といたしましては、関係機関との連携をとりながら、職業紹介及び職業訓練の充実、就職活動の支援、企業や学校との連携などの情報提供を目的としたセミナーやPR、パンフレット配布の実施などにより、若年者の就業意識及び意欲の向上を図ってまいります。
 第二次行政改革大綱では、将来の健全な市財政運営を目指し、財政健全化のための施策を進めております。具体的な施策といたしまして、1、市民との共通の認識のもとで市政運営を進めていくため、財政の仕組みや税金の使われ方などの財政状況を積極的に市民に公表する財政の透明性、2、職員給の削減や市立病院の運営経費の削減など、経常的な経費を圧縮し、政策的経費の割合を高める支出の適正化、3、市税等の収納率の向上を図る一方で、受益者から公平で適正な負担を求める財源確保、これら施策につきましては、平成13年度から始まった第二次行政改革大綱及び実施計画に基づいて進めてきております。その中でも御質問の使用料・手数料などの受益者負担につきましては、今日の厳しい財政状況の中では必要な財源確保の方法であると認識しており、今後も、料金設定の定期的な見直しを含め、その適正化に努めてまいります。

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