2007年第1回定例市議会におけるたらお治子市議の一般質問(議事録)


  1. 格差社会から住民のくらしをまもる施策について
    1. 高齢者の負担増問題への対応策
      1. 高齢者の住民税増税により今まで非課税だった人が課税となり,介護保険料や国保税にも連動して負担が増えている。これに対する市の対応策として,国が廃止した高齢者の住民税非課税措置を市が独自に復活し,市民税の非課税限度措置を設定することについて。
      2. 新たに住民税課税となっている人に対して各種の控除制度を知らせることについて。
      3. 軽度の要介護高齢者も控除対象となるよう,市長の判断と権限で障害者控除対象者認定証明書を発行することについて。
    2. 高齢者のくらしを守る上で,介護保険料の減免,利用料の軽減策の拡充について市独自の拡充を行うことについて
  2. 「行革」について
    1. 職員数の「適正化」
      1. 第3次行革では職員を5年間で22人削減するとしている。本来必要な職員が配置されないことは現在の職員の仕事量が増えることにつながり,住民サービスの低下につながるおそれがあるため,削減は行うべきではないと考えるがどうか。
    2. 民間委託等の推進について
      1. 質の高い保育を維持するには職員の待遇を保障することが不可欠である。公立保育園の民営化を行わないことについて問う。
  3. バリアフリー新法の取り組みについて
    1. 基本構想作成,住民等提案制度,協議会制度などの,新法に制度化された住民参加制度を今後どのように活用するのか。
    2. 既設の鉄道やバスのバリアフリー化について。
      1. 平尾団地バス停留所は高齢者や障害者にとってバスから降りるときに段差が大きく,バスから降りるのが困難である。バリアフリー化の検討を進めることについて。
      2. 駅のホームの転落防止柵設置について。
  4. 南山東部区画整理事業について
    1. 貴重な里山を保全するために,青梅では市が大規模な里山を買い上げ保全する取り組みが行われると聞く。稲城市として,里山を保全する取り組みを進めるべきと考えるがどうか。
    2. 宅地造成法等規制法の一部が改正され,施行令で宅地造成の耐震基準が決まった。南山開発にはこの基準が適用され,約30億円の造成費用が加わると見積もられる。そのような場合,事業成立の見通しはあるのか。



■格差社会から住民のくらしをまもる施策について

たらお市議:まず大きな項目の1番、格差社会から住民の暮らしを守る施策についてということであります。

 (1)としまして、高齢者の負担増問題への対応策ということです。高齢者の住民税増税により今まで非課税だった人が課税となり、介護保険料や国保税にも連動して負担がふえております。これに対する市の対応策として、国が廃止した高齢者の住民税非課税措置を市が独自に復活し、市民税の非課税限度措置を設定することについてお聞きします。


加藤健一企画部長:お答え申し上げます。65歳以上の方で合計所得金額が125万円以下の方に対する非課税措置の廃止につきましては、平成17年度の地方税法の改正により廃止することになりましたが、激変緩和の観点から、平成17年1月1日において65歳に達していた方で前年の合計所得金額が125万円以下の方を対象に、平成18年度は税額の3分の2を控除し、平成19年度は税額の3分の1を控除するという緩和措置を設けて、平成20年度から廃止することになっております。この制度は昭和26年に創設されましたが、国民皆年金制度の確立など、高齢者を支える社会保障制度が整備されてきており、また少子・高齢化が急速に進展するなど、創設当時と比べ経済社会の構造変化が大きく見られております。今後の少子・高齢化社会においては、年齢にかかわらず、収入等の能力に応じて公平に負担を分かち合うことが必要となってきており、また現役世代と高齢者間の税負担の公平を図ることから、廃止になったところでございます。以上のことから、本市独自での制度とすることは無理があると考えております。


たらお市議:65歳以上の高齢者の非課税制度は、前年の合計所得が125万円以下の場合非課税とされていた制度でありますが、これが廃止になりまして非課税から課税になったということから、それに連動して介護保険料が大きくはね上がるなど、高齢者の方の負担がふえているという状況です。私たち共産党市議団のとったアンケートでも、ことしから非課税から課税になったということで、保険料もはね上がったりして本当に大変だという声が寄せられているところなのです。これに対して市として何らかの対応策をとっていかなくてはいけないのではないかということで今回質問させていただきました。現実的には難しいというお話があったのですけれども、実際問題として、所得125万円ということは月10万円という生活になるわけです。これに連動するような形で介護保険料の値上げなども響いていて、例えば旧介護保険料で2・3・4段階だった人が現在の5段階に介護保険料が大幅にはね上がっているという状況で、1万6,000円ぐらいから3万6,000円ぐらいまでの間で上がっていて、大変重い負担になっているということなのです。こういうときに市が条例で非課税制度を復活して暮らしを守るという役割をしっかり果たしていかなくてはいけないと思うのですが、市独自で非課税制度を条例でつくるということ自体も、やってできないことではないといいますか、厳密に言うと、これは違法になるということではないのです。ですから、今、市として暮らしを守る役割をしっかりと果たしていかないといけないと思うのですが、改めてお聞きしたいと思います。


企画部長:まず、税法上からいきますと、非課税にするということはちょっと無理があるということでございます。それから、今回の改正につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、現役世代と高齢者間との税の負担の公平を図るということが入っております。ちなみに、改正前の65歳以上と現役世代との非課税の収入額で比べてみますと、ちょうど65歳以上の人の方が現役世代の人よりも改正前で91万6,000円多くなっております。ここで改正されましたけれども、非課税になる収入の金額は65歳以上の人の方が50万円ほど高いということで、まだ差があるということでございます。そのようなことと、65歳以上の高齢だからということだけをとらえて一律に優遇する制度ということは、余りいいことではないのではないかと考えております。


たらお市議:現実に高齢者の暮らしへの負担が広がっているという中で、何らかの対応策を考えていかないといけないということから今回このように質問したわけです。どうしても現役世代との比較ということが前面に出されてしまうのですけれども、高齢者の暮らしが今大変になってきているのだという認識をしっかりと持っていかないといけないのではないかと思います。

 そういう立場から、次の項目に移りたいと思いますが、2)としまして、新たに住民税課税となっている人に対して各種の控除制度を知らせることについてお聞きしたいと思います。


企画部長:新たに住民税が課税になる方に限らず、市・都民税申告書を送付する際に、市民税・都民税申告書の手引を一緒に送付しております。市民税・都民税申告書の手引につきましては、申告書の書き方ということで、所得の内容、所得から差し引かれる控除の内容、控除額、市民税・都民税の計算方法、税率などを記載しております。また、申告書を受け付ける際に聞き取りをしますので、対象となる控除があれば、そのときにも説明しております。


たらお市議:年金収入のみの高齢者に対し、市の方では社会保険庁からの支払報告をもとに住民税を課税するという形になっているわけですけれども、一定額以上の医療費や国民健康保険税・介護保険料等は申告すれば税が減額になるということを住民にきちんと知らせていくとともに、確定申告せずに住民税納税通知書を送った市民に申告書類を送るということが大事なのではないかと思います。また、年金収入のみで新たに住民税課税になった市民に、申告すれば税が減額になるということを通知する書類を送るということが大事だと思うのです。手引に書いてあるのでそれを読んでくださいということとか、相談に来た方には窓口で説明していますということだけではなくて、今回の税制の見直しで負担がふえている中で、各種控除によって税が減額になるということを特別に知らせる通知を高齢者に送るなどして取り組むべきではないかと思うのです。実際に他市の取り組みなどでも、こういうことで特別に通知を送っているというケースなどもありますので、その辺について改めて今後取り組んでいった方がいいのではないかと思うのですけれども、その点についてお聞きしたいと思います。


企画部長:市民の方に税をよく知っていただき、また税の仕組みを理解していただくということは、納付につながることにもなりますので、今後ともさまざまな機会の中で税についてあるいは税の仕組み等につきましてPRしていきたいと考えております。


たらお市議:皆さんに配られる手引の中にもこういう控除の説明はされているのですけれども、今回は控除のことだけ知らせていくというやり方で、特別な取り組みということでやっていただきたいと思うのです。その辺を今後やっていくという考えがあるかどうかということを再度お聞きしたいと思います。


企画部長:税というのは一般的には非常にわかりにくいという部分もございますので、確かにそういったさまざまな控除の部分だけを皆さんに知らせていくということも必要ではないかと思っておりますので、今後、他市の状況もございますので、研究してまいりたいと思っております。


たらお市議:それでは次に3)、軽度の要介護高齢者も控除対象となるよう、市長の判断と権限で障害者控除対象者認定証明書を発行することについてお聞きしたいと思います。


小島文弘福祉部長:所得税法施行令及び地方税法施行令における高齢者の障害者控除の対象者につきましては、常に就床を要し、複雑な介護を要する寝たきり老人や、障害者手帳を有しているなどのほか、精神または身体に障害があり、その障害の程度が障害者手帳取得者に準ずる者として区市町村長の認定を受けている者とされております。当市では、この規定に基づき、障害者控除の対象者として認定し障害者控除対象者認定証を発行するに当たりましては、市で定めた認定取扱要領により、寝たきり老人については、調査により個別に判断することとしています。また、精神または身体に障害がある高齢者については、障害者手帳の交付申請をすることを原則とし、手帳交付を却下された方を個別に判断し、実施しているところでございます。


たらお市議:この障害者控除は、障害者手帳を持たなくても、障害者控除対象者認定証があれば受けられるということであります。市町村長が身体・知的障害者に準ずると認定した65歳以上の人に発行するということで、障害者控除の対象になると、所得が125万円以下の人は住民税が非課税になるということで、この制度を使える人はもっと使っていった方がいいと思うのです。この取り組みは今いろいろな自治体でされているのです。仙台市の例をとってみますと、要介護1〜3の人を対象に、介護保険の認定調査票をもとに障害の状況を判断していて、介護度が軽いお年寄りでも障害者控除が受けられるようになっています。また、千葉市や大阪市、神戸市などでも、昨年秋から介護保険の認定資料で軽度・中度を含めて障害者に準ずると認定する基準を整備したり、認知症の人を対象にするなど、さまざまな方法で制度改善を進めているということです。東京23区を見ましても17区で、介護保険の認定資料などを使って軽・中度の障害者に準ずるとの認定を行っているということであります。自治体によっては、寝たきりでなければだめだといった基準を持って、認定申請書は受け付けるけれども、認めないというところも出てきているということなのです。稲城市の場合はどうかということでお聞きしたら、実際にこれを受けている方が2名ぐらいしかいないということで、現在申請されている方が2名いらっしゃるということなのですが、この数は、私が近隣の自治体の状況をお聞きした中でも極端に少ないのです。それで、この制度を知らせていくということも大事なのですけれども、市の方でももう少し、寝たきりが基本だといった考えではなくて、軽度の方も含めてこの認定証明書を発行していくという取り組みをしていかなくてはいけないと思うのですが、この辺の現状について、どういう状況になっているのかということをもう一回お聞きしたいと思います。。


福祉部長:まず、介護保険の要介護認定といいますのは、障害や機能の状況を判断するのではなくて、介護の手間のかかりぐあいを判断するものということになっています。一方、障害認定は、機能障害の程度と日常生活活動の制限の度合いを判断するものということで、これはもともと判断基準が異なっているものでございます。そういうことで、国からも「要介護認定の結果のみをもって一律に身体障害者の何級に相当するかを判断することは困難なものと考えられます」という通知が出ております。これは御承知かと思いますけれども、介護保険制度が始まった後、ある市などで一律に該当させているという事実が報道されまして、国の審議を経て、平成14年にその取り扱いについての注意事項として国から文書が出されております。市では、その国の通知に基づきまして、平成14年にその要領を制定し、実施してきているものでございます。
 あと、件数が少ないということですけれども、現在、まず寝たきり高齢者の障害控除という今の件、そのほか保険料が社会保険料控除になること、あるいは利用料が医療費控除になることは、介護保険のしおりに掲載しております。また、申告の時期になりますと、チラシもカウンターの上に置いているところでございます。


たらお市議:この問題について日本共産党では国会でも質問しているのです。先日2月28日の衆議院財務金融委員会におきましてもこの障害者控除の適用について質問しているところなのですけれども、この控除対象者に障害者に準ずるという人を加えた理由というのが、老衰によって身体に障害を生じた人の事情を考慮したものであるということを国の方が答弁しているのです。それで要介護認定も判断材料の一つだということを述べていますし、寝たきりということで考えていかなくてはいけないということや、要介護認定の結果のみをもって一律に身体障害者の何級に相当するかを判断することはできないということを言っていらっしゃるのですけれども、要介護認定も判断材料の一つということで、先ほど言ったように、寝たきりでなければだめということではない。この辺は地方自治体が独自に判断していくことができるわけなのです。そういった国会の委員会などで国の方でも答弁されているということもあって、今いろいろな自治体で軽度の人も含めて対象にするといった取り組みが独自にされてきているという状況なのです。ですから、稲城市でももう少し柔軟な対応をして、できるだけ高齢者の負担を減らすということを考えていかなくてはいけないと思いますので、その辺の取り組みをもう少ししっかりしていっていただきたいと思うのです。

 先ほど、厚生労働省から通知があって、要介護認定の結果のみをもって一律に身体障害者の何級だと当てはめてはいけないということなのですけれども、厚生労働省通知を見ましても、「「要介護認定」と「障害認定」は、その判断基準が異なるものであり、要介護認定の結果のみをもって一律に身体障害者の何級に相当するかを判断することは困難なものと考えられます」という見解をただ述べているだけのものなので、区市町村の首長の判断と権限で認定証を発行することを否定しているものではないということでありますので、もう一回その点について認識をお聞きしたいと思います。


福祉部長:今、市では、認定に当たりまして、まず認定の基準というのは、常に就床を要し、複雑な介護を要する状態であること、6カ月程度以上臥床し、食事・排便等の日常生活に支障のある状態ということで、これはもうはっきりうたわれております。市では、それを判断するに当たって、認定調査の結果も踏まえて、総合的にやっているということでございます。それは、市の取扱要領に基づいて、一応総合的に判断して決定しております。


たらお市議:軽度の方についても、要介護認定を判断材料の一つとし、きちんと申請を受け付け、個々に判断するということで、ぜひ取り組んでいくべきだと思います。時間もないので、次に移りたいと思います。

  (2)、高齢者の暮らしを守る上で、介護保険料の減免、利用料の軽減策の拡充を行うことが必要だと思いますが、その点についてお聞きしたいと思います。


福祉部長:介護保険制度は、高齢者が要介護状態となっても地域で安心して暮らし続けることができるようにするために必要な自立支援を行うものであり、住民の暮らしを守るための重要な制度であると考えております。要介護高齢者がふえ続ける中で、介護保険制度の健全な運営を確保し続けることが必要であり、このため、ある程度の負担はやむを得ないものであると考えております。市では、低所得者等に対する保険料・利用料負担軽減策を国の制度に加えて既に独自に実施しており、当面はこれを適切に運用してまいりたいと考えております。


たらお市議:利用料の軽減制度で言いますと、稲城市は東京都の制度を利用しているということですが、実際には利用者がゼロで、これは利用できない制度になっているのではないかと思うのです。他市の取り組みを見ましても、東京都の制度だけではなくて市独自の取り組みをされているということでこの間申し上げてきたところなのです。制度はそれぞれ違いますので、その中身はいろいろあるのですけれども、こういう利用料の軽減制度を使っている人ということでは、例えば近隣の調布市などでも1,439人利用していたり、府中市でも1,300人とか、多摩市でも600人ぐらい利用しているということで、稲城市はゼロという実態なのです。これは、独自の負担軽減制度をつくっていないからこうやって利用している人がいないという状況なのだと思うのです。その辺については、私も今回議員になって4年もの間、またその以前からずっとこの問題を取り上げてきているのですけれども、全然進展しないということもありますし、もう少し利用者が利用しやすい制度に改善していってほしいと思うのです。その点の姿勢だけお聞きしたいと思うのですが、いかがでしょうか。


福祉部長:保険料を負担する義務が課されている中で、何のために軽減策を講じるかということだろうと思います。これは人数が多ければいいというものではないと考えております。市では、真に生計の困難な人を対象に制度を実施しております。これは都の基準に沿っておりますが、これを実施するかしないかは市の判断ということで、一応これは市の制度という扱いでございます。その中で市は、本当に困っている人を助けようということで実施しているわけでございます。それから、これも毎回言っているかもしれませんけれども、一部の人に対する軽減策というのは、ほかの多くの高齢者の負担増につながっていきます。介護保険制度は助け合いの制度ですので、現状の中でも既に多くの配慮がされているということを高齢者全員が理解して、それぞれの義務を果たしていくということが必要だろうと思います。


■「行革」について

たらお市議:それでは、次の行政改革に進みたいと思います。

 (1)、職員数の適正化についてです。1)としまして、第三次行政改革では職員を5年間で22人削減するとしておりますが、本来必要な職員が配置されないということは、現在の職員の仕事量がふえることにつながりますし、住民サービスの低下にもつながるおそれもありますので、職員の削減ということは行っていくべきではないと考えております。この点について市の考え方をお聞きしたいと思います。


伊藤登総務部長:組んでおります。5年間で職員を22人削減することにつきましては、総務省の地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針及び東京都26市の職員1人当たり平均受け持ち人口173人を踏まえて数値目標としております。民間委託等の推進や事務事業の見直し、内部努力などにより少数精鋭でスリムな体制にしようとするもので、市民サービスの低下につながるような数値ではないと考えております。また、職員の配置にあっては、正職員が必要な部署、再雇用職員や専務的非常勤職員などの知識や経験、資格が必要な部署、臨時職員でできる仕事といったことをバランスよく組み合わせることで、市民サービスの低下を招くことがないように対応するものでございます。組んでおります。5年間で職員を22人削減することにつきましては、総務省の地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針及び東京都26市の職員1人当たり平均受け持ち人口173人を踏まえて数値目標としております。民間委託等の推進や事務事業の見直し、内部努力などにより少数精鋭でスリムな体制にしようとするもので、市民サービスの低下につながるような数値ではないと考えております。また、職員の配置にあっては、正職員が必要な部署、再雇用職員や専務的非常勤職員などの知識や経験、資格が必要な部署、臨時職員でできる仕事といったことをバランスよく組み合わせることで、市民サービスの低下を招くことがないように対応するものでございます。


たらお市議:それでは、22人の削減というのは、その根拠といいますか、どこでどのように進めていくという考えでこの数が出てきているのかということを具体的にお聞きしたいのです。


総務部長:22人につきましては、今後、用務の関係、調理員の関係、保育士の関係、こういうものを中心に予定しているところでございます。


たらお市議:内容は、現業職として働いている職員22人を削減するということで、学校用務員とか調理員、保育園の保育士などがあるわけですが、既に中学校の学校用務員が委託化されているという中で、現場の方の声を聞きましても、もとに戻してほしいという声があったりします。また、保育の現場でも、削減が先にありきで保育園の民営化を進めていくということです。こういった教育や保育の現場での職員削減ということは、サービス低下が懸念される部分もあることなのですが、その点についてお聞きしたいと思います。


総務部長:第三次行政改革大綱の実施計画の中では、行政サービスの向上ということをまず第1点に挙げておりまして、そのほかに市民との協働、行政運営の合理化、それから市財政の健全化、これが4つの柱となっております。そして、今回の行政改革につきましては、議員も既に御承知のとおりでございまして、市民や識見者の方々で構成いたします行政改革監理委員会の提言・助言をいただき、さらには市民アンケート、それから議会の所管委員会の皆様方の御意見等を踏まえた中でこの計画を立ててきたところでございます。したがいまして、今後市といたしましては、平成18年3月から平成23年までの5年間における計画に基づいて進めさせていただくというところでございます。


たらお市議:次に民間委託の問題についてですが、質の高い保育を維持するには職員の待遇を保障することが不可欠だと思います。公立保育園の民営化を行わないということを私たちは求めたいと思うのですが、その点の考え方についてお聞きします。


小島文弘福祉部長:平成18年度から平成22年度を対象年度とした稲城市第三次行政改革大綱及び実施計画では、行政運営の合理化の一環として、民間委託等の推進を掲げております。市の基本的な方針といたしまして、民営化を推進してまいります。


たらお市議:もう民営化は推進するのだということで、第一保育園の民営化ということなどが今言われているのですけれども、民営化すれば、職員も削減できますし、人件費が削れるということが議論されていますように、財政削減につながるということが民営化を進めるきっかけになっているように思うわけです。しかし、今保護者の方たちの願いというのは、安心して子育てができる環境をつくってほしいということでありますし、保育の質の向上こそを求めていると思うのです。子供と保育者の関係を安定させるためにも、保育者が安定した職場環境で働けるということは大事ですし、施設環境が保障されるということも不可欠なことだと思います。民間の社会福祉法人では、公立に比べてコスト削減につながるということなども言われているのですが、それだけ人件費を切り詰めていたり、補助金削減の影響もあって、やりくりも大変だったりしています。また、公立と私立を比較しますと、公立の方では保育士が働く環境も安定していますが、私立の方だと、若い保育士が多かったり、長く働き続けられる環境ではなかなかないということも言われています。今サービスの多様化ということが求められている一方で、均一した保育を保障していくということも大事なことだと思います。そういう点からすると、公立保育所の方が保育サービスの提供者としては適切だということも言えるのではないかと思うのです。今あえて公立保育園の民営化を進めるのではなくて、今まで守ってきた公立保育園を維持していって、安心して子育てができる環境づくりを稲城市としてきちんと進めていくべきだと思うのですが、改めてお聞きしたいと思います。


福祉部長:民営化につきましては、一応保育士の退職に合わせて実施していくという考えでございます。民間になっても質的には変わらないと考えております。市としましては、厳しい財政状況の折、最も効果的あるいは経済的な策をとりながら保育ニーズにこたえていくということも、行政に課せられた使命であろうと考えております。


たらお市議:コスト削減につながるということで、これはまさに人件費の削減そのものであって、これは保育の質の低下につながるということは当然のことだと思うのです。保育士の方たちがいろいろ頑張っても、補助金が削減されたり、人件費に影響が出てきたりするという中で、私立の方たちも本当に悩んでいたりします。そういう中では、市民の保育に対する基本的な要求ということでは、公立保育所できちんと基本的なところを満たしていかなくてはいけないのではないかと思っております。先ほどから民営化ということを前面に掲げているのだということがわかるのですが、公立保育所を簡単に捨ててしまうのではなくて大事に守っていくこと、これはぜひ市として取り組んでほしいと思います。最後にその点について改めてお聞きしたいと思います。


福祉部長:民営化の方針は既に決定しておりますので、あとはどのように進めていくかということになろうかと思います。稲城市は既に第六保育園の民営化等を行った実績もございますし、関係者と慎重な協議等、あるいは相談を受けながら、丁寧な進め方をしてまいりたいと考えております。


■バリアフリー新法の取り組みについて

たらお市議:次に大きな3番、バリアフリー新法の取り組みについてお聞きしたいと思います。

 バリアフリー新法は、建物のバリアフリー化を進めるハートビル法と、駅を中心とした旅客施設のバリアフリー化を進める交通バリアフリー法を統合し、新たな対象施設の追加、協議会制度の新設など、現行法の見直しを行い、高齢者・障害者の自立的な社会生活の確保を目的とした社会資本整備を進める法律であります。この法律については、障害者の方たちを初め、多くの市民団体からの改善要望が反映されたものであることから、これを生かした取り組みということが大事だと思います。この法律の中で今回、基本構想作成や住民等提案制度・協議会制度などが制度化されてきているのですが、このような住民参加制度を今後どのように活用するのかということについてお聞きしたいと思います。


守屋安雄都市建設部長:バリアフリー新法は、従来のハートビル法と交通バリアフリー法を統合し、平成18年12月に施行され、基本構想作成に当たっては住民等提案制度・協議会制度などを活用することが定められております。市では、JR南武線連続立体交差事業における矢野口駅の整備に当たって、市民アンケート調査を行い、障害者団体からも意見を聞きながら建設してまいりました。また、稲城長沼駅及び南多摩駅につきましても、自治会を通じたアンケート調査及び障害者団体等へのヒアリングを行いながら駅舎計画を作成してきております。今後基本構想の作成が必要となったときは、新法の趣旨に沿って進めてまいりたいと考えております。


たらお市議:この法律に目を通しますと、本当にすごくいい法律だという印象を私も持ちまして、これを生かしていく取り組みということが大事だと思ったところなのです。この法律の中で住民参加の仕組みということが制度化されているわけなのですけれども、第25条で「市町村は、基本方針に基づき、単独で又は共同して、当該市町村の区域内の重点整備地区について、移動等円滑化に係る事業の重点的かつ一体的な推進に関する基本的な構想を作成することができる」となっておりまして、自治体が作成する基本構想について、高齢者・障害者・事業者などの当事者参加を明記した協議会制度ということも法律に書き込まれているということです。また、基本構想を作成するように住民の側から提案できる住民等提案制度も創設されているということなのです。今はユニバーサルデザインと言っていますけれども、稲城市では、バリアフリーに配慮して、その都度地元の方たちの御意見も聞きながら取り組んでいるということでありますが、後でもう少しこうだったらよかったのにと思うこととか、利用者が使いにくいということにならないようにということで、この新法を生かして、協議会制度を利用して取り組みを進めていったらどうかと思うのです。前々回も質問したところなのですが、例えば歩道の段差2センチというのは、視覚障害者の方にとっては道路と歩道の境を見きわめるために結構必要な段差だったりするということもあって、その一方で車いすの方にとっては段差はない方がいいということがあるわけです。点字ブロックについてもそうだということです。これはほかのところでもみんなそうなのですけれども、独自に開発したりして、ユニバーサルデザインブロックという点字ブロックをつくって、それを使っているという自治体もあると聞くのですけれども、要求がいろいろあるのだと思うのです。ですから、利用者の視点に立って、協議会というところで話し合っていくということで、せっかくそういう法律でできている制度なので、そういうものを生かしていくことはできないのかと思うのですが、その点についてもう一回お聞きしたいと思います。


都市建設部長:新法の第25条から第27条で、重点地区の基本構想を作成するときには、今のお話にあったような協議会の設置等ということが位置づけられておりますので、もし稲城市が1点重点地区を定めるという場合については、こういう新法に沿った形で整理していく必要があると考えております。また、今第1答弁でお話しした既に事業が進んでいるものについても、協議会という位置づけはしていませんけれども、それに沿った地域利用者、それから障害者団体等との意見交換、協議会よりももっと中身の濃いいろいろなアンケートとか話し合いをして進めてきているというのが実態でございます。


たらお市議:それでは、次に進みます。(2)、既設の鉄道やバスのバリアフリー化についてということで、1)、平尾団地バス停留所は高齢者や障害者にとってバスからおりるときに段差が大きく、バスからおりるのが困難であるという声を聞くのですが、バリアフリー化の検討を進めることについてお聞きします。


都市建設部長:平尾団地バス停留所は、バス折り返し場所が降車場所となっており、歩道部のように高くなっていないため、バスからおりるときにバスのステップから舗装面までの段差が大きい状況になっております。なお、このバス折り返し所はバス事業者である小田急バスが東京都住宅供給公社より借用しているものであります。このため、降車の際の段差を解消するためには、東京都住宅供給公社との協議を行い、承諾が必要となります。いずれにしましても、改善が可能か東京都住宅供給公社、バス事業者と協議してまいりたいと考えております。


たらお市議:私たち共産党市議団も以前、小田急バスにこのバス停のことで改善を求めに行ったのですが、本来事業者がバリアフリー化ということで進めていくべきところなのですが、バス会社の方では費用がかかるのでそこまでは難しいということだったのです。こういうことがバリアフリー化の進まない理由になっているのだと思ったのです。各地でこういう例があると思うのですが、バリアフリー新法に書かれた基本構想をつくっていって、こういったことを事業者と一緒になって取り組んでいくということが必要なのではないかと思いますが、その点についてはどうでしょうか。


都市建設部長:この件につきましては、バスターミナルという位置づけではないというところが1点ございまして、持ち主が今言った東京都住宅供給公社ということですので、小田急バスだけが費用負担をしてやるというのは、小田急バスとしては自分の土地ではないということもありますので、今答弁したように、再度、市を入れて3者で協議をしてまいりたいと考えております。


たらお市議:では次に、駅のホームの転落防止さく設置についてということをお聞きしたいと思います。最近私たち共産党が発行しています「しんぶん赤旗」で報道されていたのですけれども、視覚障害者の団体の方たちがJR東日本の本社に可動式ホームさくの設置を求める要請行動を行っているということです。視覚障害者の方の線路への転落事故は結構多いということを私も以前からお聞きしていたのですけれども、これがなかなか進まないのです。それで、今JRの高架化を進めているところなので、市ではこの辺の取り組みをどのように考えているかということをお聞きしたいと思います。


都市建設部長:バリアフリー新法における移動等円滑化の促進に関する基本方針では、1日当たりの利用者数が5,000人以上の鉄道駅につきましては、視覚障害者の線路への転落を防止するための設備の整備として、点字ブロックや可動式ホームさく等により転落防止策を講じていくこととしております。しかしながら、市内を走るJR南武線及び京王相模原線各駅におきまして、線路への転落を防止するための転落防止さくの設置は、各鉄道事業者とも現在は視覚障害者用誘導用ブロックを整備しておりますので、現段階では行う予定はないということでございます。


たらお市議:転落事故が結構あるということで、電車がホームに到着したときにだけドアの部分が開く可動式ホームの設置というのは、視覚障害を持つ人にとって今切実な要望になっているのだということをお聞きしました。いろいろ課題があって実現できないということとか、点字ブロックがあるのでということなのですけれども、点字ブロックしか頼れるものがないと、ホームの端から端までずっと歩かなくてはいけないとか、いろいろ大変な思いをしておられるという話もお聞きしたところなのです。今後、JR高架化事業などもあるわけですから、事業者への要請ということを市としてもぜひ取り組んでほしいと思うのですが、その点を再度お聞きしたいと思います。


都市建設部長:市としては、南武線高架事業を今やっていまして、これらについても新設することはできないかというのは、事務レベルでは要請してきております。しかしながら、JR東日本全体の中では、現在の南武線3駅にこれをつけることは困難な状況であるというお話を伺っております。そういう施設ができるようにということをもう少し強く進めなければいけないとは思っておりますけれども、南武線の利用者数の実態とか、そういうことの優先度合いとかということもJRは見ているようでございますが、先ほど言ったように、現段階では困難な状況でございます。


■南山東部区画整理事業について

たらお市議:では4番目に、南山東部土地区画整理事業についてお聞きしたいと思います。

 東京都が昨年4月、条件つきで南山東部土地区画整理組合設立を認可しましたが、稲城市民の多くは、南山を守っていきたいと思っていると思います。都心に近いところで残っているこの里山は、まさに稲城の魅力ではないかと思うわけです。今、この大規模な里山や緑地を保全する動きも起きてきています。青梅市の永山北部丘陵は、90ヘクタールですが、4年前に開発が認可されましたが、ことし1月には開発が中止され、青梅市が買収して保全するということになりました。その理由として、社会状況が変化し、今日開発して人口をふやすより緑が大切だということを市長が述べているということであります。このような考え方は今日の流れになりつつあるのではないかとも感じております。

 (1)としまして、貴重な里山を保全するために、青梅市では大規模な里山を買い上げ保全する取り組みが行われると聞きますが、稲城市として里山を保全する取り組みを進めるべきと考えますが、どうでしょうか。


宮澤洋都市建設部参事:南山東部地区の緑につきましては、豊かな自然環境を形成していることを事業者である組合地権者の皆さんも認識され、区画整理事業の成立性とあわせて緑の確保に向けた最大限の努力をいただいているところでございます。また、組合では、準備会の段階から協議団体である南山の自然を守る会が主催する里山保全の勉強会に役員が常に出席し、現在も具体的な提案策定に向けた協議を進めているところであります。今後も、会の活動に対し、引き続き協力していくと伺っております。このような経過を踏まえ、市といたしましては、他市の事例にとらわれることなく、現在の南山の自然を守る会と組合との友好的な関係を見守っていきたいと考えております。区画整理事業の中で生み出される緑が、その後里山として末永く維持保全が図られるためには、このような市民と組合の共同の取り組みが事業の中に反映されていくことが最も有効かつ現実的であると認識しております。


たらお市議:全体を区画整理として進めてしまいますと、緑地として残すといっても一部になってしまうし、農地なども大幅に減らされてしまうということになっていくわけです。ですから、全体としても区画整理を見直して保全していくという方向が求められていると思うのです。

 このような考え方が今日の流れになりつつあるのではないかということなのですが、例えば昨年11月に東京都都市農業検討委員会報告書というものが出されていたので、これを読ませていただいたのですが、ここにも、農地を保全していかなくてはいけない、里山も保全していかなくてはいけないという立場で書かれています。人口減少時代の到来などにより農地の宅地化の必要性は大幅に低下しているのだということが書かれて、都民の求める潤いやゆとりのある生活、良好な都市環境の形成に、都市農地の役割は増大している、失われた農地はもう戻らないのだから、今こそ減少に歯どめが必要だといったことが書かれていたり、都市農地保全のために現行の生産緑地制度や相続税制度のあり方まで必要な改善も行って保全するべきだということも提案されているのです。私たちは都議会でもこの南山問題を質問してきているのですけれども、東京都の態度は、今のところこの開発計画は市の方で都市計画マスタープランにも位置づけられているということで、支援する立場のようなのですけれども、地元の稲城市が大規模な里山として残したいという意向であれば、東京都も協力はするような印象を私は持ちました。今の社会情勢から見ても、財政問題から見ても、あるいは今後想定されるヒートアイランド問題や大気汚染、温暖化など環境問題の視点から見ても、南山開発のような大規模な開発はもうやめるときに来ているのではないかと思うのです。改めてその点についてお聞きしたいと思います。


都市建設部参事:今のお話につきましては、第1答弁でも申し上げましたが、過去いろいろな経過を経て組合が成立し、今まさに事業が進もうとしております。そうした中で、我々の立場として、また今後の稲城市を見据えた中で、南山の区画整理は重要であり、かつ必要であると思っているところでございます。


たらお市議:ですから、先ほどの青梅市の例でも、4年前に認可されて、それでもやめて保全するという方針を出しているわけなのです。この開発にもいろいろな問題があるのです。何だかんだ言っても地元市の意向というのは基本なのではないかと思います。組合施行ということなのですけれども、行政のありようによって緑地保全が可能だと考えますと、答弁を聞いていても進めるという考えしか出てこないのですけれども、その辺は改めて考えていくべきだと思うのです。

 緑地を保全する資金の問題ということで言いましても、市の負担が少ない形で行うことも工夫すれば十分可能だと思うわけです。例えば、稲城の里山と史跡を守る会というところでは、緑市民公募債を市が発行し、緑地保全の基金にすることを提案していることは御存じだと思います。これは、南山を保全する基金を市民を対象にした起債によって賄おうというものですが、八王子市でも緑市民公募債を10億円で実施したところ、5,000人の市民から86億円の応募があり、それで八王子市内の4カ所の緑地を保全することができたということです。全国各地でも同様の公募債が成功し実績を上げているということを聞いております。私たちは、将来の子供たちのために今の世代が負担し、今の世代と将来の世代とで少しずつ返済していくというのは未来志向の負担のあり方だと思うのですけれども、稲城市でもこういった方式で保全するという方向で検討していく必要があるのではないかと思うのですが、改めてお聞きします。


石川良一市長:青梅市のことがたびたび出ているようですけれども、青梅市は、バブルの時代に企業が開発のために用地買収をし、その後開発に当たって二転三転し、最後は税さえなかなか払えないような状況に陥って、結果として開発はあきらめる、また市もそのような方向で指導していっているという流れかと思います。ですから、稲城の南山とは事情が全く違うということは明らかに言えるだろうと思います。また、場所的にも極めて西多摩の奥の方にもなるわけでありますので、今後の21世紀の住宅計画と土地利用等を含めると、極めて難しい立地でもあるのではなかろうかと思っております。
 一方、私どもの南山につきましては、地権者の9割以上の方が、これは開発を進める必要があるのだということで既に決定しているところでございます。いわば民主的なルールにのっとって手続を進めてきているわけであります。また、私どもにとりましては、危険ながけ地の解決については、区画整理以外の手法は現実的には不可能だという判断もしておりまして、計画の中で残せる緑については最大限残す方向性を市民団体とも協議しながら進めているわけであります。先般、市村護郎氏という共産党の元川崎市議会議員の方が代表を務めております里山と史跡を守る会が出されているビラなども見させていただきましたけれども、こういった稲城の南山の抱えている歴史的な課題あるいはこういうことにかかわる具体的な内容というものが明示されていないわけでありまして、財源の問題、あるいは実際に市民公募債という形になったときに、では最終的にはだれがそれを負担していくのかといったことについては全く触れていない、極めてあいまいな内容だろうと思っております。私どもは、区画整理の中で生み出される緑地、さらには今後さまざまな手法で市民団体とも協議しながら緑地を最大限残し、そして21世紀にふさわしい、美しく、また農業もきちんと継続できるようなまちづくりとして、この南山東部土地区画整理事業は既に民主的な手続によって事業認可もいただいてスタートしているわけでありますので、それらについては支援していくという考え方で進めていきたいと思っております。


たらお市議:次に進みたいと思いますが、いろいろ見ていてもこの開発は問題が多いと思います。その一つとして、宅地造成等規制法の一部が改正されて、施行令で宅地造成の耐震基準が決まったわけなのですが、南山開発にこの基準が適用されると、30億円の造成費用が加わると見積もられるわけです。これは1ヘクタール当たり約8,000万円ということで新聞報道もされていたのですが、こういう金額が新たに加わるということも考えられるわけです。そのような場合、この事業が成立していくのかということもあると思います。この点についてお聞きしたいと思います。


都市建設部参事:南山東部土地区画整理事業組合では、宅地造成等規制法の申請に先立ち、東京都の指導から、現在、造成に見識のある学識経験者等で構成する造成工事検討委員会を立ち上げております。この委員会では、今回の宅地造成等規制法の一部改正も先取りした内容で検討してきております。現段階におきましても、法の改正条文の明快な解説が示されておりませんことから工事費の増額分の算定はできておりませんが、工事費用につきましては、事業計画策定当時から安全面に特に配慮した防災対策費用を見積もっていることなどから、現在の事業計画の範囲で十分対応できるものと認識しているところでございます。


たらお市議:この南山開発の事業というのは、開発地内で土砂を処理して、最大30メートル崩して、その土砂で谷を埋め立てるという計画になっているわけです。それで、地質研究所の元研究員で日本科学者会議災害問題研究委員の坂巻幸雄氏は、埋立造成地というのは大地震のときには地盤ごと大崩壊する危険があるということを指摘されています。1978年の宮城県沖地震の際に、盛り土と切り土で丘陵地を切り開いた新興住宅地で、盛り土した部分が大崩壊を起こしております。同じようなことは中越地震や阪神・淡路大震災でも起きており、谷を埋め立て造成した高級住宅地が崩壊しているということなのです。坂巻先生は地質の専門家の立場から各地の災害現場を見て歩いておられるのですけれども、先日、南山にも調査に来ていただきました。坂巻先生の指摘ですと、稲城砂層が分厚く載っている南山を切り土すると、これまで上から圧迫されていた地層が重みから解放されるので、大地震が起こるとかえって崩壊しやすくなるのではないか、また盛り土の部分では液状化が起きるのではないかということを懸念されていました。専門家の立場から見ても非常に危険なところですから、相当な耐震補強が必要になるということが予想されるのです。30億円では済まないかもしれないのですが、仮に耐震費用が30億円加わるとして、減歩率70%を超える採算ベースぎりぎりの南山開発で事業成立の見通しはあるのかどうかということをお聞きしたいと思います。


都市建設部参事:まさにこの事業を進める上で区画整理組合で一番重要視しておりますのは、安全に事業ができることで、いろいろな角度から検討しているところです。組合施行の事業の採算性を問う中で一番重要なのは、こうした事業をいかに効率よく、また限られた時間の中で進めることができるのかということでございます。まさに今お話がありますように、研究者の御意見を参考にしていろいろな角度から安全対策を講じながら、一刻も早く事業を前に向けていくことが、採算性にとっても重要であると考えているところでございます。


たらお市議:日本共産党市議団としましても、また住民運動の方たちもこの間いろいろ指摘してきたとおりで、いろいろな問題を抱えている中で、この地域を保全していくということこそ今必要なことなのではないかと思うのです。開発先にありきということになって、コストを削減したりして危険な開発を進めるようなことは絶対あってはいけないことだと思います。マンションの耐震偽装問題の例などを見ましても、いかにコストを削減して効率的に利益を上げるかということに取りつかれた結果だったと思うのですが、ああいうことはあってはいけない、危険な開発を進めるようなことがあってはいけないと思います。私たちが指摘してきたことについて、市としても、開発先にありきではなくて、きちんと考えていってほしいと思うのですが、その点について最後にお聞きしたいと思います。


都市建設部参事:この事業につきましては、これまでもお話ししているかと思いますが、平成5年に準備会が立ち上がって、それからいろいろな角度から検討がされてきております。そうした中で、いろいろな安全対策についても、また緑の問題についても、各種団体とも協議をした中で今回の計画になってきていると考えております。そうした中で、今後この事業が前に進み、またまちづくりが進みますよう、私どもは全力を挙げて協力してまいりたいと考えているところでございます。