マンションだより「新しい絆」 1999年3月
市民のみなさん、マンション居住者のみなさん。
日野、多摩、稲城の3市で日本共産党のマンション相談室を開設することになりました。集合住宅・マンションは年々増えつづけております。わかっているだけでも、日野市で76棟、個数4788戸、多摩市170棟、15791戸、稲城市41棟、3780戸でマンションに居住する住民は全居住者の中で一定の割合を占めつつあります。日本共産党はマンション住民の要求の実現のために政策をかかげ、ともに要求実現を目指す立場で活動していますが、この間、活動して感じることは、マンション購入時やマンション居住者に対して快適なマンション生活を送るうえで最低限必要と思われる情報が業者側からも行政側からも提供されていないために「マンションの欠陥問題」「長期修繕計画」「管理規約での不当条項問題」「管理組合の運営問題」などさまざまな問題に直面する場合があるし、その際、対応に苦慮することが多いということです。よくあるのは、問題がおきてから「もっと前からマンション問題を知っていればよかった」という声を聞きます。日野、多摩、稲城の3市は、まだ、マンションの歴史は、区部からみれば比較的新しい地域です。いまからでもマンション問題の情報を得ておくことは有益ではないでしょうか。
今回マンション便りを発行して、その便りに「楽しく豊かなマンション住まいのために」の連載を載せることにいたしました。筆者には、当「マンション相談会」の相談員としてみなさんの相談にあたることになりました一級建築士で長い間、マンション問題に携わり、各地で相談活動にもあたっているベテランの鈴木博行氏です。ご期待下さい。そして今後ともよろしくお願い申し上げます。
1999年2月 日本共産党日野・多摩・稲城マンション相談室
| 一級建築士。中央官庁、民間建築設計事務所で約40年設計業務にたずさわりながら、マンション問題についての研究・相談などの活動を続け現在に至る。著書には「マンション住まいの基礎知識」(芽ばえ社、共著)、「居住者のための管理の手引き」(総合法令出版、共著)、「建築とまちづくり事件簿」(白石書店)などがある。 |
これから8回(予定)にわたってマンションについてのお話をすることになりました。はじめにマンションとは何か、その現状や問題点になっていることなどについて少しお話し、次に問題となっていることのそれぞれについて詳しくお話し、最後にもう一度戻ってマンション住まいを楽しく豊かにしていくためにはどうしたらよいかについてみなさんと一緒に考えてみたいと思います。
増え続ける分譲マンション
さて、普通マンションといいますと民間の分譲マンションをさします。次の表のようにマンションは戸建て住宅に対する集合住宅の一つです。集合住宅は、建物の内部が壁や床で区切られていて、その一つ一つが独立した住宅になっている住宅のことをいいます。マンションという場合には公団、公社の分譲住宅もマンションの中に含むことがあります。
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公共 |
| 民間(アパート・マンション) | |||
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公共 | ||
| 民間(マンション) | |||
| コーポラティブハウス | |||
| 戸建て住宅 | |||
コーポラティブハウスとは?
家を持ちたい人たちが集まって共同で土地を購入し、設計・工事などを発注して協同組合方式で建てる住宅をいいます。(略してコープ住宅)
利点は、経済的、自由な設計、よりよい人間関係など
私たちの住んでいるマンションは民間分譲マンションに限定しても、いま全国で二百数十万戸にもなると推定され、東京や地方の大都市では民間住宅の中心的な存在になってきました。
意外に多い不満の声
マンション住まいについては「カギ一つで手軽に住める」といった見方が多いのですが、さて住んでいる人たちの間では、「建物が画一的で味気ない」「周りの音が気になる」「ペットが飼えなくて淋しい」「結露がひどくて大変」など不満の声も決して少なくありません。住む前とは逆に「人づきあいがわずらわしい」という人も意外に多いのです。
こうした中で、できれば「一戸建ての住まいを持ちたい」という、いわゆる「持ち家指向」も根強くあります。一戸建て住宅を建てて団地から引っ越す人が「団地卒業おめでとう」といわれたという話もあります。団地に定住するという考え方が意外に少ないのが現状です。
建物の欠陥や生活上の悩みも
後でふれるつもりですが、日本経済の高度成長政策による人口の大都市集中とそれにともなう極端な住宅不足に対して、国はきわめて不十分な対応しかせず、一方で民間住宅産業による利益追求本意の住宅建設を野放しにしてきました。
こうした事情のためにマンションが何次かのブームをともなって大量に出現し、管理の困難さも大きな問題になっています。
地価の高騰で戸建て住宅の入手が困難という事情を利用して「あなたも自分の家が持てます」といった持ち家指向に迎合した住宅供給側の売り込み作戦がマンションブームを促進しました。
外国ではどうだろう?
ところで外国ではどうでしょうか。欧米、特にヨーロッパの庶民の住まいは集合住宅が大きな部分を占めています。しかも日本に比べて安くて質のよい公営の賃貸住宅が多いのが特徴で、日本のような民間の分譲マンションはあまりありません。
また欧米では子供のときから公衆道徳が進んでいて、集まって住むということいついてのルールも身についているため、集合住宅でのトラブルも少なく、また起きたときの処理にもなれているといった事情があるようです。
それでは日本の場合、問題が多いマンション住まいは果たして楽しく豊かなものになりうるのでしょうか?そしてそれにはどうしたらよいのでしょうか。これから日常の具体的な問題についてひとつひとつ考えていきたいと思います。
つづく