マンションだより「新しい絆」 1999年9月・10月号

ガス管問題・変電室問題を考える

  日本共産党は、マンション住民のみなさんと一緒にマンション敷地内のガス管問題をとりあげ、運動を強めてきました。ガス管は区分所有者の共有物とされているために、維持管理、更新費用が住民の多大な負担となっているばかりか、古い管の取り替えなどが適切に行なわれず、ガス漏れ事故が起きています。一戸建て住宅との公平性のためにも、安全管理の徹底のためにも供給ガス会社が管理に責任を負うのは当然です。また、変電室の維持修繕や管理も電力会社の責任で行なうべきではないでしょうか。

ガス管取り替え工事はガス会社の責任

  団地・マンションでは、敷地内の道路下にガス管が敷設されていますが、それは、ガス供給規定」によってガス会社が所有し管理することになっています。現に大阪ガスではその通りに実行されていますが、他の地域では、道路下のガス管は住民の所有とされる場合が多く、ガス管の取り替え工事に1世帯20万円もの負担が強いられると言う事態が生じています。

  そのために古いガス管の取り替え工事が適切に行なわれないという危険が生まれています。現在埋設されているガス管は、白ガス管が多く使われており、東京ガス管内の引き込み管300万本のうち40万本が白ガス管であることが判明しています。しかも重大なことは、このほとんどの白ガス管が寿命を越える危険な時期を迎えていることです。

  近年、ガス漏れ情報が年1000件をかぞえ、年々増加しているのもこうした背景があると考えられます。新宿の「落合公園ハイム」では、白ガス管の腐食によるガス漏れで爆発事故(94年9月)が起きています。現在ある40万本の白ガス管を腐食しにくい「PE管」(ポリエチレン管)などに切り替えることが急がれています。

  ガス管問題は、マンション住民にとっての不合理な経済的負担の軽減とともに、なによりも家族の安全を守る切実な要求であることから、運動が全国に広がっています。日本共産党はガス管問題を国会でも地方議会でも取り上げ、住民のみなさんと一緒に運動を進めていきます。

変電室の補修工事費は本来、電力会社の負担

  電力会社は、マンション建設会社との間で無償で変電室を提供させる契約を締結しています。そのため、電力会社が使用している変電室の維持修繕費は、分譲後、住民が負担するという仕組みになっています。

  分譲マンションを電気を大量に使う事業所と同じに扱っているからで、営利を目的としない住宅である分譲マンションの性格にあっていません。電力会社は本来、各戸のメーターまでは管理に責任をもつべきものです。

  こうした不正常な事態を是正させる運動が全国で進んでいます。国会でも94年9月に、日本共産党の高崎ゆう子参議院議員が変電室問題を取り上げ、無償提供や修繕費、固定資産税の住民負担の不当性を追及して、小型変圧器の屋外設置の促進などで、住民の負担を軽減すべきと強調。その後も運動が強められてきました。

  各地の経験を紹介します。

千葉では、管理組合が東京電力と交渉し、修繕維持費用は会社負担に。
京都では、関西電力と交渉し、塗装費と補修費を会社負担に。
東京では、東京電力と交渉し、変電室の半分を明け渡しさせ、住民の集会室(36平方メートル)をつくり活用。

  いずれも管理組合が先頭に立って運動を進めた成果です。みなさんのマンションの変電室修繕費の負担を一度検討してみてはいかがですか。


楽しく豊かなマンション住まいのために

連載第4回−管理組合とその運営について

鈴木博行(一級建築士)

マンション管理の4つの役割 

  今回は管理組合の運営についてです。

  まず、マンションの生活に関わる管理の内容を整理してみると次のようになります。

  1. ルールの確立など居住者の生活に関わる事項
  2. 建物や附属施設の維持・管理に関わる事項
  3. 管理費の徴収など事務管理に関わる事項
  4. 以上のことを実施するための協議や意思決定など運営に関わる事項

  今回はこのうち4の運営についてのべることにします。

  ひとくちに運営といっても年次計画づくり、理事会の運営、総会の開き方、会計の方法などたくさんありますが、今回は、そのなかでも特に気を付けたい基本的な事項に限ることにします。

役員の苦労をみんなが認識して

  「管理組合はあるがほとんど動いていない」「理事も回り持ちで何をしてよいか分からないうちに交代してしまう」などといったマンションが多く見られます。建設省が平成5年度に行なったマンション総合調査でも、役員の選任方法について「抽選または順番で」という答えが全体の67.3%、役員への就任要請に対しては「快く引き受ける」が15.6%に対して「やむをえず」「順番なら」が合わせて75.4%にもなっています。

  また、理事を経験した人たちの中では「よくやって当たり前、少しでもまずいことがあれば批判される」といった空気があります。

  多くのマンションでは、管理費や修繕積立金を毎月納めてさえいれば、あとは管理会社に任せておけばなんとかなるだろうといった人が多くて組合活動には消極的で、役員を引き受けた人も積極的な構えになりにくいのが実態です。

  したがって、役員になった人はもちろん、すべての組合員が次のようなことをよく理解して協力し合うことがどうしても必要になります。

  1. 理事をはじめ役員はほとんどの場合仕事を持ち、忙しい中で組合の活動を進めなければならないこと。
  2. 理事会は素人の集団であることが普通なのに、区分所有法などの専門的な知識を必要とすること。
  3. たえず全世帯のことを念頭に置かなければならないこと。

人間的ふれあいを大切に 理事会活動のポイント

  つぎに理事会の運営については次のような点に配慮して進めることが大切です。

(1)役割分担

  一部の人に負担がかかりすぎないように役割をできるだけ多くの人が分担する。

(2)会議

  1. 理事会ではあまり細々した問題に時間をかけず、重要な点をよく検討して決め、細かい部分はできるかぎり担当理事の自主性にまかせる。
  2. 全理事の意見を大切にし、議論倒れにならないよう決めたことは必ず実践する。
  3. 会議費を予算化し茶菓子を囲む理事会、終わってから「軽く一杯」などといったように人間的なふれあいを大切にする。
  4. 全員の集まれる日取りを決める。事前に議題をはっきりさせる。

(3)広報

  理事会の活動をできるだけこまめに知らせ、時々は建物や設備を理事会として見回り、組合員の要望もつかむ努力をする。

役員選びにはルールをしっかり決める

  「役員のなり手がいない」とよく言われます。どのマンションにも、役員になることに消極的な事情が共通してあるわけですが、役員を選ぶルールが確立していないこともその原因の一つになっているところが多いのが実態です。

  役員を選ぶルールには

  1. 選挙制
  2. 推薦制
  3. 順番制

の3つがあります。

選挙制は

  立候補を前提として、定数を超える場合に選挙を行なうもので、主に大規模のマンションで行なわれています。積極的な人が選べるためもっとも納得の得られやすい方法ですが、立候補する強い意志のある人がある程度いなければ成り立たず、また競争になったとき対立のしこりが残りやすいものです。

推薦制は

  理事会や役員選考委員会で推薦し総会で承認を受ける方式で、中小規模のマンションで多く見られますが、推薦の基準があいまいになりやすく、推薦が偏りがちな欠点があります。

順番制は

  番号順などで選ぶもので中小規模のマンションに多く見られます。一見民主的に見えますが都合の悪い人まであたるため本人の実情を無視することにもなりかねませんし、積極的な意志があり活動に役立つ人の登用ができない欠点もあります。

  どの方式をとるかはマンションの規模や実態をよく考慮して決めることになりますが、これらをうまく組み合わせることもできます。例えば、役員数のうち、偏りを避けるために一定部分を理事会推薦とし、残りを選挙にするか順番で選ぶなどの方法も考えられます。

  いずれにしても、はじめに述べたようにルールを明確にすること、そしてできるだけ積極性を引き出す工夫をすることが大切で、これが組合活動を活発にすることにつながります。

  中規模、大規模のマンションでは役員のほかに建設委員会、広報委員会などの委員会制度を設けて人材活用を図ったり、全体をいくつかのブロックに分けブロック代表者(なるべく順番制)などを置いて、できるだけたくさんの人の活動参加を図ることが大切です。

つづく


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