マンションだより「新しい絆」 2002年11月号


区分所有法改正を考える1

マンションの管理はどのように変わる?


 マンション法とも呼ばれている区分所有法の一部を改正する法律案がいまの国会に提出されています。法律案から既存のマンションに関わる点について,管理組合運営がどのように変わるのか,いくつかの問題点等を考えてみました。


改正案1 共用部分の変更

大規模修繕は過半数決議に

改正案4 管理組合の法人化

人数要件を撤廃

 現在の区分所有法では,共用部分の変更(共用部分の変更で多額の費用を要しないものを除く)は4分の3以上の賛成が必要で,大規模修繕もその一つ。
 今回の改正案で,大規模修繕については過半数の賛成でできることになります。大規模修繕はマンション管理の中で重要で大変な業務ですが,今回の改正案で合意形成がたやすくなり,工事着工をスピーディに進めることが可能になります。一方,管理組合役員による一方的な運営の心配もありますので,これまで以上に透明性を高める民主的な管理組合運営が求められます。なお,「形状の著しい変更」については,これまで通り4分の3以上の賛成が必要です。

 これまでは管理組合法人になるためには,区分所有者数が30人以上(30戸ではありません)いなければ決議できませんでした。今回の改正案では「数」の要件を撤廃しました。
 これによって,例えば,小規模マンションで専有部分を集会室に使用とする場合,登記するのが複雑であきらめていた管理組合などでは歓迎されています。
 ただし,法人格をうけるためには,適正な管理組合運営に努めることが求められます。

改正案7 建て替え決議

要件は5分の4のみ

区分所有法の改正法律要綱案

 区分所有法の改正でこの件が最も論議になりました。現在の「区分所有法」の建て替え決議の要件として,「老朽化し過分の費用を要する」とありますが,この「過分とは何か」が不明確で問題になっていました。法制審議会(法相の諮問機関)区分所有法部会は8月22日,建て替えを認める要件として「所有者の5分の4以上の賛成」だけにする案と,それに「築30年以上」を加える案の両論併記としましたが,「築30年以上」の方向になる予定でした。(「築30年」という数字にも客観的な意義を認められるものではありません。)

自民党・不動産業界の意向で
建て替え「要件」が突然に変更

 ところが,9月3日の法制審議会総会では,建て替え要件を「区分所有者の5分の4以上の賛成」だけとする改正要綱案を決定し,法相に答申しました。
 区分所有法部会で時間をかけ審議し,「築30年経過したとき,建て替え決議ができる」としていたものが,「5分の4以上の賛成」だけに突然変更されたことはなぜでしょう。
 日本経済新聞(9月4日付)は,「自民党やマンション・不動産業界などから,築後30年以上の要件を外すよう求める声が相次いだ」,また,読売新聞(9月4日付)では「政府の総合規制改革会議の学者,経済人や自民党内から「規制改革の流れに逆行する」と待ったがかかった」と,政府・業界の強い意向が盛り込まれたことを報道しています。

  1. 共用部分の変更
  2. 管理者及び管理組合法人の代理権及び当事者適格
  3. 規約の適正化
  4. 管理組合の法人化の要件
  5. 規約・議事録等及び集会決議の電子化等
  6. 復旧
  7. 建て替え決議
  8. 団地内の建物の建て替え承認決議


マンション管理適正化法施行から1年

良好な維持管理へ

都・区市の支援の推進を

 マンション管理適正化法が一昨年12月成立しました。適正化法及び同指針で,国,地方公共団体の適正管理への支援体制の整備等の役割が定められました。(※法第3条,第5条)
 適正化法実施から1年,都,区市がどのような支援の取り組みを行なっているか,一覧表にしました。
 快適なマンションライフをめざし,都,区市にむけていっそうの強化・推進を求めていきましょう。

※第3条 マンション管理適正化指針(抜粋)
(1)マンション実態の調査・把握 (2)情報・資料の提供 (3)ネットワークの整備 (4)マンションに係わる相談体制の充実など
※第5条 国及び地方公共団体の責務
管理組合,区分所有者の求めに応じ,情報・資料の提供等の措置


都,区市のマンション管理支援制度一覧

※東京都(23区)と多摩の一部の市で,道路,通路,集会室(所),広場等の固定資産税,都市計画税の減免を実施しています。
※予定および未実施の自治地体は除きました。
自治体名 専門相談
窓口設置
実態調査
設 置
セミナー開催 相談会
開 催
交流会
開 催
コンサルタント派遣 財政的支援 備 考
単独 共催 維持管理 建て替え 修繕計画
策定費用
共用部分
修繕工事費
耐震診断
費 用
耐震補強
工事費
東京都                  
千代田区     4区合同       計画修繕調査支援制度
中央区   4区合同        
港区 4区合同          
新宿区 4区合同                  
文京区                
台東区                
墨田区        ○           
江東区             計画修繕調査支援制度
品川区     5区合同              
目黒区     5区合同          
大田区       5区合同            
世田谷区   5区合同            
渋谷区   5区合同        
中野区                        
杉並区              
豊島区                      
北区              
荒川区                
板橋区                 福祉のまちづくり,屋上緑化等助成制度
練馬区                    
足立区                    
葛飾区                
江戸川区                    
武蔵野市                
立川市                        
町田市                      
小金井市                        
狛江市                        
東大和市                        
多摩市