マンションだより「新しい絆」 2003年1月号


区分所有法改正を考える2

マンションの建替えは居住者の立場で

−日本共産党が「見解と提案」を発表−


マンションの長命化は社会的要請に

 マンションの管理としように関する基本法ともいわれている区分所有法「改正」案が昨年の臨時国会で自民,公明,民主党などの賛成,日本共産党,社民党の反対で成立しました。
 日本共産党は昨年11月,「区分所有法改定に当たっての見解と提案」を発表しました。その要旨を紹介します。


1 建替えをどうすすめるか

●「追い出し」を容易にしても,建替えはすすまない

 どのマンションもいずれは建替えなければならない以上,必要になったときにスムーズに建替えが進むような仕組みを整備することは当然です。 ところが今回を政府案は,建替えに踏み切れない人々の「追い出し」を容易にすることで進めようとしています。

●5分の4以上の賛成だけで可能に

 今回の政府案は,これまで必要とされてきた老朽・損傷などの客観的要件を撤廃し,すべての建替えを区分所有者の「5分の四」以上の賛成だけで認めようというものです。

●不動産業界,小泉内閣・与党の意向が

 この政府案は,法制審議会区分所有法部会の議論と無関係に突然浮上してきたものです。 その背景には,事業規模数十兆円といわれるマンション建替え需要の拡大をめざす不動産業界と小泉内閣・与党の意向があります。

●日本共産党は,建替えを居住者の立場ですすめるため次のように提案します
○建替え資金にたいする支援制度の充実

 老朽化したマンションでは,区分所有者の高齢化もすすみ,高額な建替え費用の調達は大変な問題です。 建替え資金の融資・助成や,建替えに参加できない人たちの公的施策について,いっそうの拡充・強化につとめます。

○合意形成をはかる仕組みづくりを

  1. 建替えに関する資料閲覧権を一人ひとりに認める
  2. 建替えの必要性を公平に調査・情報提供する第三者機関を設置する
  3. 建替え・修繕を判断する技術的指針をつくり,建替え要件自体は改めて議論をすすめる


2 建物の長命化を支援する

3 分譲時の消費者保護をすすめる

 マンションの維持修繕を定期的に行い,長命化をはかることは,資産価値の維持,スラム化の防止と周辺の住環境を守るためにも重要です。 環境問題や資源の節約を考えても,既存マンションの長命化は社会的な要請になっています(日本の産業廃棄物の3割は建設廃材等。建築関連産業が排出する二酸化炭素は,全国の4割を占めると言われています)

○必要な修繕を計画的に行なえるよう,マンション定期診断精度の導入をはかる

○大規模修繕,耐震改修,バリアフリー化の資金調達の支援をすすめる

 マンションの購入は人生最大の買い物のひとつです。 ところが,それにふさわしい購入者保護の仕組みがないことが,欠陥などさまざまなトラブルの原因になっています。

○マンション分譲審査制度(仮称)の導入をはかる

○原因が特定できない建物の不具合は,分譲業者・施行業者の責任で改善させる

○マンション管理支援法の制定を行なう


マンション適正化法施行1年

管理会社とのトラブルQ&A

 マンション管理適正化法(適正化法)が施行されて1年が経過しました。 適正化法の施行を機会に「マンション管理」への居住者の関心も高まってきています。 今号では適正化法の施行後に寄せられた相談のトラブル・問題点を考えてみました。

管理委託契約の重要事項書 交付も説明も行なわれない

Q 他のマンションでは管理委託契約の「重要事項説明書」が配布されていますが,私のマンションでは配布されていません・・・

 適正化法第72条では,管理組合と管理会社との委託にかかわるトラブル防止のために,管理委託契約内容の重要事項を区分所有者に事前に交付,また管理組合への説明が義務付られています(委託内容が変更の場合は,区分所有者への説明会も義務づけ)。 ところが,なかには「重要事項説明書」の交付を行なわず,総会で指摘され,臨時総会まで委託契約が延期される事態も発生(大手S管理会社)。 また,「重要事項説明書」は交付されたが,管理組合への説明が総会の当日まで行なわれないケースもあります。

交付・説明は業務のイロハ

 「重要事項」の交付・説明は,適正化法の中心的な部分であり,管理会社の業務としてイロハの仕事です。 「重要事項」を説明するための「管理業務主任者」と言う国家資格も創設しました。
 こうして,起きてはならないケースが発生しているのは問題です。管理組合,区分所有者も十分注意していくことが必要です。

管理組合口座名義に変更してくれない

Q こんど法律で,預金口座の管理会社名義が禁止されたそうですが?

 適正化法第76条では,管理組合の預金等は,管理会社口座名義での管理を禁止しています。
 寄せられた相談では,管理組合の口座が管理会社(Hコミュニティ)名義になっていることを知り,口座名義を管理組合に変更するように要請したところ,「特に問題がない」ということで拒否されたというケースもありました。
 マンション管理適正化法が施行された背景には,管理組合の預金等を管理会社名義で管理し,その管理会社が倒産して,管理組合の預金を失う事件が絶えないこともあります。

管理委託費用や業務に疑問

Q 管理委託費に疑問,たいして仕事もしないのに高いのでは?

 適正化法ができて,多くの管理組合で管理への関心が広がっています。 管理会社との委託契約についても,これまで管理会社まかせになっていたのを見直す管理組合が増えています。
 委託契約通りに仕事をやっていない管理会社にお金だけ支払っていて,問題を指摘しても誠意のある返事がないので管理会社を変更した,「委託費が高いのではないか」と交渉したら,3分の1も安くなったなど。 管理組合自身が,管理会社まかせを反省し,マンション管理への積極的取り組みが生まれている管理組合も増えています。
 管理組合の主体性があってこそ,管理会社に適正な管理業務をさせることができます。

未登録会社は営業できない

Q 登録していない管理会社と委託契約していますが,問題はないですか?

 適正化法が施行されて,国土交通省に未登録の会社は営業できません。 登録しないのであれば契約を解除し,登録している管理会社との契約が必要です。


これからのマンションライフを考える
「講演と交流の夕べ」

3月7日(金)午後6時30分〜
文京区民センター(地下鉄都営三田線・大江戸線「春日駅」)

講演 延藤安弘氏(千葉大教授)

資料代500円