○…石原慎太郎氏が、「作家・東京都知事」の肩書で、雑誌『諸君!』11月号に、とんでもない「創作」ばなしを載せ、「赤旗記者」を中傷しています。 「自衛隊主役の防災訓練」と世間の非難をあびた9月3日の東京都総合防災訓練の「総括」を語るなかでの一節です。
同氏はそこで「世田谷会場で『赤旗』の記者とのやり取りがあった。 市民が一連の訓練を見学して『よかったです』と私に話しかけてきたので『いざというときはお役に立ちますよ』と答えたら、『赤旗』の記者が『いや、そうとも限りませんよ』と口を挟んできた。 『じゃあ、どうして役に立たないかおまえ、ここで言ってみろ』と言ったら記者は逃げていったな。 周りの市民は彼を全く相手にせず、まさに冷笑されていたな」などと語っているのです。
当日世田谷会場で、石原氏がヘリで会場につき、午前10時40分ヘリで立ち去るまでの一挙手一投足をみてきた唯一の「赤旗」記者として、その談を読んで驚きました。 同氏が語る「世田谷会場で『赤旗』記者とのやりとり」などなかったからです。 世にも不思議な物語を読む思いでした。
○…当日、石原氏が世田谷会場にいたのはほんの30分ほど。 ヘリで降り立った知事の横には、迷彩服の自衛隊員が説明員として終始ぴったり寄り添っていたほか、大勢の自衛隊員、防災服姿の都職員やSPなどをぞろぞろと引き連れていました。 途中自動車も使って移動する視察です。一行を追った私は、広い公園内を駆け足で追っかけるのが、やっと。 石原氏と対話できるほど近づくには“お付き”の人が多すぎたし、不可能なことで、実際、話もかわしていないのです。
○…世田谷会場では、私だけでなく、「市民」と訓練について議論する場面などもありませんでした。 逆に当日、市民に声を掛けたのは石原氏でした。 自衛隊の医療救援訓練を視察したとき。「みなさん、中をのぞいてくださいよ。これだけのことをやっているんだから」と呼びかけたものの、市民は遠巻きにみていただけ。 その呼びかけに「冷笑」でなく高笑いで答えたのは、自衛隊員でした。 この場面は「赤旗」日曜版9月10日号に書いた通りです。 ちなみに、「赤旗」の腕章をした私は、その医療救援の自衛隊車両に入ろうとして、SPによって阻まれました。
いずれにしても、『諸君!』にある「赤旗記者とのやりとり」などまったくの虚構、妄想のたぐいです。
石原式「創作」の世界では常とうの手法かもしれませんが、知事の発言としてはゆるされないものだと指摘しておきます。
(赤旗日曜版阿部活士記者)