石原知事の「東京構想2000」

都民生活支える視点なし

2000年9月19日 (火)「しんぶん赤旗」より


大型開発突出にメスを

都議会特別委員 渡辺議員が批判

  18日開かれた都議会行政改革基本問題特別委員会で、日本共産党の渡辺康信都議は、石原慎太郎都知事による「東京構想2000(中間のまとめ)」が介護など都民の生活、願いに冷淡な一方で、大型公共事業を突出させているときびしく批判しました。


  渡辺氏は、都が6月に行った調査でも介護サービスの利用量が高くて、サービスの利用率が半分未満であることを示し、年金が月額3万8000円の高齢者が利用料の負担で苦しんでいることを、88歳の独り暮らしの女性が生活できないとしてサービスを辞退した例を紹介。

  「東京構想」が不況や介護の現状と悩み、解決方向についてまったくふれていないと指摘して、「少なくとも生活の実態を調査し、改善の手立てを講じよ」と迫りました。

  渡辺氏は、「東京構想」と連動した「都政改革ビジョン」(中間のまとめ)が、福祉は「役割分担の見直し」の名で区市町村と民間に押しつける一方、臨海副都心開発関連第三セクターの巨額の赤字を棚上げしていることを「一番肝心な問題を棚上げして、つけを都民施策に押しつけるやり方や許せない」ときびしく批判。 先延ばしせず、メスを入れるよう迫りました。

  都政策報道室の関谷保夫計画部長は、構想の策定にあたって「各分野の実態を把握している部局と協議する」とのべるにとどまりました。

都財政破たんまねく不要不急の事業見直せ

  渡辺氏は、政府も公共事業の「見直し」に踏み出さざるをえなくなるなか、「東京構想」が「環状メガロポリス構造」の名で、大型開発をいっそう拡大しようとしていることを批判、その転換を迫りました。

  渡辺氏は、「臨海」開発を例にあげ、事業会計が毎年350億円の赤字、毎日1億円の赤字をたれ流ししていることを指摘。 都が破たんの現実から目をそむけ、開発面積を481ヘクタールから7000ヘクタールに拡大する無責任ぶりを示し、「「構想」をそのままやったら都財政は破たんする」ときびしく批判しました。

  「東京構想」の開発方針が首都圏への集中投資、3本の環状道路の整備、広域的自治制度など財界の要望内容と一致していると強調し、「「構想」がだれの願いにそったものかは明らか。 いま必要なのは公共事業を見直し、過度な集中を抑制することだ」とのべました。

  そのうえで(1)財政力を無視した同時多発型を改め、不要不急の事業を見直し、財政投入を避ける、(2)圏央道、有明地区埋め立てなど自然破壊や自動車公害などをもたらす開発は一時凍結し、トミン参加で再検討する、(3)都市計画道路は未計画、未着手の路線は凍結する、と提案しました。

  関谷計画部長は「「環状メガロポリス構造」は東京圏全体の活力をつくる上で欠かせないもの」と答えました。

「臨海」進出の3セク国際貿易センター

2年間で158億円の借金

  臨海副都心に進出した東京都の第三セクター、「株式会社東京国際貿易センター」(本社・江東区有明、資本金12億円、谷口晴康社長)が、この2年間で158億円も長期借り入れをしていたことが18日、明らかになりました。 都議会行財政改革特別委で渡辺康信都議が追及しました。

  東京国際貿易センターは昨年6月に、地上22階建て、述べ床面積7万平方メートルの、「有明パークビル」を開業しています。 渡辺氏の質問にたいし、山内隆夫総務局行革推進室長は、同社の長期借入金が97年度決算のゼロから、98年度決算で60億円、99年度決算で158億8000万円にふくらみ、オフィスビルの入居率が、9月1日現在で6%しかないと説明しました。

  渡辺都議は、「同社は、晴海の国際展示場の土地を売却して留保資金が潤沢にあるはずだが、なぜ巨額に資金を借り入れる必要があったのか疑問だ。 赤字の(経営破たんした「臨海」第三セクターの)タイム24、東京ファッションタウンとの事業統合のために、吸収する側の東京国際貿易センターが借り入れ、資金運用の失敗でばく大な損失をだしていると聞いている」と追及し、同社の経営関係資料の提出を要求。

  山内室長は、資金運用問題について、「事実関係を確認する必要がある」と答弁しました。