9月都議会の焦点

日本共産党都議団 木村陽治幹事長に聞く

2000年9月25日 (月「しんぶん赤旗」より


三宅島支援、介護保険・福祉・・・

逆立ち政治追及へ全力

  開会中の都議会定例会は26日に代表質問、27日に一般質問がおこなわれます。 都議会の焦点を日本共産党都議団の木村陽治幹事長に聞きました。


−−今議会の焦点はどういう点になりますか。

木村 一つは三宅島の災害による空前の被害で、島民が全島避難する事態になりました。 6月末以降、生活が成り立たない事態が続いており、生活を支える緊急の援助体勢を万全にすることが求められています。
  我が党は災害の発生直後から調査団を再三派遣し、都に対策を要望してきました。 島民が避難してからは手分けをして訪問して要求を聞いたり、街頭で募金を訴えたりしています。 この議会でも三宅島を始めとする伊豆諸島の支援に全力をつくしたい。
  もう一つは福祉の問題です。 介護保険が始まって半年余。 利用料が高くてサービスの半分しか利用されていないのに、このうえ来月から保険料の徴収が始まります。 多摩の市長会も都として統一した減免制度の実施を要望しています。 東京都がこの問題にどう対応するのかが問われています。
  しかも東京都は、石原(慎太郎)知事がこれまでどの知事もできなかった福祉の根本的な切り下げをおこないました。 とくにシルバーパスの全面有料化や老人福祉手当の段階的廃止など、3月議会で石原知事が自民、公明などの協力を受けて、革新都政以来の福祉切り下げを押しつけた影響が、いま深刻に現れ始めています。
  私たちは特別養護老人ホームの実態調査をおこないましたが、介護保険導入を口実に都加算事業が廃止され、常勤職員を減らしたり、お花見会を見直したりと深刻な実態が明らかになりました。
  東京都の責任は重大です。 都民の切実な声と運動と連携して、福祉切り下げと対決し、都民要求の実現へ全力をつくしたい。
  また、不況やリストラの対策、中小企業対策など都民の切実な要求をくみ上げ、実態を明らかにする論戦をおこないたい。
  今定例会には精神障害者の都営交通乗車証を実施する条例案が提案されました。 障害者や家族が長年運動し、私たちも協力した成果ですが、都は福祉の無料制度をなくす一環として、有料の制度にしようとしています。 私たちは有料化には反対で、その立場で対応したい。

開発を優先し福祉から後退

−−石原都政は一方で、浪費型の開発はいっそう拡大しようとしていますね。

木村 臨海部の有明北地区の埋め立てに反対する運動が超党派で広がっていますが、石原知事は先日ついに着工を強行しました。 公共事業の見直しが国民的世論となって広がっているときに、あまりにも時代の流れに逆行する態度です。 このような愚行を許さない運動を大いに盛り上げたい。

−−石原知事は先日、就任後初めての長期構想として「東京構想2000」(中間のまとめ)を発表しましたね。

木村 暮らしを支える自治体本来の仕事を完全に投げ捨てるという驚くべき方向を打ち出しました。 とりわけ福祉については「自立自助」で市場メカニズムに任せる。 利潤が期待されないものはNPO(民間非営利組織)がボランティアに任せ、それで困難なものに限って行政がやる、しかもそれは区市町村にゆだねるというものです。 これは東京都が福祉から撤退するということにほかなりません。
  その一方で、都財政をここまで破たんさせた自民党型都政に何の反省もなく、臨海部の開発面積を15倍以上に拡大するなど、東京圏規模で大型開発を推進するという、途方もない開発優先を打ち出しています。
  石原都政がすすめようとしているこの異様な逆立ち政治を、都民の立場からわかりやすく明らかにする論戦をしたいですね。

特異な立場持ち込みと対決

−−暴言を繰り返す石原知事の姿勢も重大ですね。

木村 4月には「三国人」「治安出動」発言に内外の大きな批判が集中しましたが、知事は撤回も謝罪もしていません。
  さらに今月に入って、「日本は武器をどんどんつくって外国に売ったらいい」と発言しました。 石原知事の特異な政治的立場を都政に持ち込むやり方が露骨になってきています。
  自衛隊の大量動員だけが目立った9月3日のねじ曲がった防災訓練は、その象徴的な表れです。
  日本共産党以外の政党は石原都政の悪政の応援団になっており、悪政をきちんと批判し、都民の利益を守れるのは日本共産党しかありません。 この立場で、議会でも地域でも全力をあげて頑張りたいと思います。