都営交通

精神障害者にようやく乗車証

都議会厚生委  条例可決

発行手数料1000円

共産党が削除の修正案  自公民が否決

2000年10月3日(火)「しんぶん赤旗」より


  精神障害者に都営交通の乗車証を発行する条例案が2日の都議会厚生委員会で、全会一致で可決されました。 4日の本会議で採決にかけられ、乗車証の交付は10月中旬から実施される予定です。


10月中旬から交付

  精神障害者の都営交通乗車証は、精神障害者の社会参加を進めるために、関係団体などが長年にわたり強く要望してきたもの。 これまで、身体障害者や知的障害者を対象とした都営交通無料乗車証はありましたが、精神障害者にはなく、遅れた精神障害者福祉施策の拡充、他の障害者との格差解消が求められていました。

  この間、日本共産党都議団は何度も都議会質問で早期実施を迫り、98年には、全会一致で精神障害者都営交通無料乗車証の実現を求める請願が趣旨採択されました。

  可決された条例案は、精神障害者福祉手帳をもつ人を対象に、2年間有効な都営交通の乗車証を交付し、発行事務手数料1000円を徴収するもの。 手数料徴収については、関係団体から「手数料なしの無料制度で早期実現してほしい」との陳情が提出されています。

  日本共産党は2日の厚生委員会で、採決に先立ち、手数料徴収を削除する修正案を提出しましたが、日本共産党、生活者ネットの賛成、自民、公明、民主の反対で否決されました。 これをうけて日本共産党は、関係者が長年要望してきた制度の創設、早期実施の立場から手数料徴収に反対の姿勢を明確にしつつ、最終的には原案に賛成しました。

  修正案の提案趣旨説明に立った日本共産党の吉田信夫都議は、「身体、知的障害者の無料乗車証には、手数料負担がない。 それは障害者施策として当然のことだ」とのべました。 また、議案への意見表明を行なった同党の田中智子都議は、「条例・事業の名称も無料乗車証とすべきと考えるが、修正案は、手数料削除の一点に限定したもの」と賛同をよびかけました。

解説  「いずれ有料」心配の声も

  精神障害者へ都営交通乗車証を発行する条例案が2日の都議会厚生委員会で可決され、関係団体や家族などが長年要望してきた精神障害者の都営交通乗車証がようやく実現します。

  しかし、今回の条例案では、「無料」の文字が取りはずされ、手数料の徴収が盛り込まれました。 これは、無料パス制度がある身体・知的障害者との格差解消という条例の趣旨に反し、新たな格差を生み出すもので、「無料パスを」と運動してきた精神障害者と家族、関係者の願いに背を向けるものです。

  厚生委員会の審議では、同様の制度のあるすべての政令都市で手数料負担はないこと、都衛生局の試算でも今回の手数料徴収による増収は450万円でしかないことが明らかになりました。 都の今年度予算でも「無料乗車証の交付」がうたわれており、手数料徴収は盛り込まれていませんでした。

  こうしたことから、日本共産党が、手数料徴収を削除する修正案を提出したのは当然です。

  今回の手数料徴収は、シルバーパス全面有料化につづいて、「福祉サービスはお金で買いなさい」という石原都政の冷たい姿勢を改めて鮮明にしたものです。 また心身障害者で実施されている都営交通無料乗車証もいずれ有料化されるのではないか、という心配の声が広がっています。

無料パスと思っていたのに・・・

精神障害の当事者でつくるドロップインセンターの理事長の話

  都営交通無料パスは、精神障害者が長年要望してきたものです。 精神障害者は自宅に閉じこもっているといわれるが、外に出ろといわれてもお金がなくて、出られないのです。

  無料パスがようやくできるというので、3月議会に予算書に出てきたときには、画期的なこととみんなで喜びました。 ところがそのときにはなかった手数料徴収が、今度、急に出されてきました。

  そもそも障害者は国が支えるというのが根本で、外国では、精神障害者も含めて、きちんと予算をつけています。 障害者手帳や無料パスの制度はそういう根本理念にもとづいてできたものです。 無料化有料化は、金額の問題ではありません。 この根本問題を社会的に理解してもらわないと障害者には立つ瀬がないのです。

  いくらなんでも手数料徴収はおかしい。 他の障害者も、シルバーパスが有料化され、精神障害者のパスも有料で、今度は、身体・知的障害者のパスもなるんじゃないか、と、みんな反対しています。


地下鉄・大江戸線で増員ゼロのしわよせ

都営バスの短縮・廃止やめよ

公営企業委  東都議質問

  9月29日に開かれた都議会公営企業委員会で、日本共産党の東ひろたか議員は、大江戸線等開通に伴う都営バス路線の再編整備」計画について、大江戸線開通に必要な約800人の職員を、交通局職員を一人も増員せずに、一方を切り捨てて間に合わせようとする安全無視が根本にあることを厳しく指摘し、バス路線の短縮・廃止の撤回を求めました。

  東委員は、廃止の対象に上がっている江東区潮見駅から東京駅八重洲口(東17系統)について、住民の声や町会、区などの聞き取り調査をもとに、(1)「廃止」計画について事前に関係者と協議したのか (2)利用者の利用目的等について質問したのか−−と質問。 交通局側ははっきりとした回答をできませんでした。

  東委員は、このバスが高齢者の買い物や通院の足として利用されていることを指摘。 バスの廃止はその日から困るという住民の声や、バス運転手の「赤字だから廃止というのでは、民間会社と同じ。 私たちが都民の交通を担っている誇りもある」との声を紹介しながら、廃止を全面的に見直すよう求めました。

大山都議  地下鉄はバスの代わりにならない

  日本共産党の大山とも子都議は、9月29日の都議会公営企業委員会で、都営バス路線を廃止・縮小する計画について、都民の移動する権利を守る立場から交通局をただしました。

  大山都議は、交通局の都バス路線の廃止・縮小計画が出された以降、バス停で聞き取り調査を行ない、71人から回答をえました。

  その調査の結果、ほとんどの方が廃止や縮小に困惑し、バス路線を継続してほしいと望んでいること、地下鉄は高齢者や障害者には地下に降りていくこと自体が大変なことを利用者の声とともに具体的に示した大山議員は、「都は代替の交通機関があるといっているが、地下鉄はバスの代替になりえない」と迫りました。

  さらに大山議員は、文京区、新宿区、港区の区議会から意見書、区長から要望書が出ていることも示して「都民・利用者の声を聞いて、再検討すべきだ」と改めて求めました。


警察消防委員会

「ぼったくり」規制条例を可決

「乱用するな」池田都議質問し賛成

  「性風俗営業などに係わる不当な勧誘、料金の取立て等に関する条例」、いわゆる「ぼったくり」規制新設条例の審議が9月29日の都議会警察消防委員会で行なわれ、可決されました。 日本共産党の池田梅夫都議は、公安委員会が指定する規制区域に、どの地域を予定しているのか、その根拠を含めてただしました。

  警視庁の寺尾正大生活安全部長は、「現にぼったくりにかんする被害が発生し、または将来発生するおそれがあると認められる区域として新宿、上野、池袋、渋谷の4地区を検討している」と答弁しました。

  池田都議は「通常酒を伴うレストラン、ラーメン屋、すし屋などは対象にならないと解してよいか」と質問し、寺尾部長は、「通常接待をしている事実がないことから、条例が規定する対象営業には該当しない」と答えました。

  さらに池田氏が、「条例案は風営適性化法より対象範囲を広く、警察職員の「立ち入り」規定や直接罰則規定、営業停止なども含まれていることから、条例の運用にあたっては乱用を避け、憲法の基本的人権を侵害してはならない」と強調したのにたいし、「表現の自由、営業の自由など憲法が保障する基本的人権を尊重することは当然であり、この方針を第一線の警察職員に周知徹底させ、本条例の適正な運用に努める」との答弁でした。 日本共産党は、この条例案に賛成の態度をとりました。