日本共産党東京都議団都議会報告 2000年1月

赤字の原因=大型開発は拡大する一方で

福祉軒なみ切りすて案

石原知事が発表

 石原知事が、かけがえのない東京の福祉・医療を根こそぎ切りすてる方針案を発表しました。 福祉の無料制度を全廃し、都民のいのちと健康の支えをうばう、とんでもない内容です。 深刻な不況、政府の年金改悪や老人医療費の大幅値上げなど、都民のくらしはたいへんなのに・・・
  一方で、臨界副都心開発にこれから2兆円もつぎこむなど、財政難の原因である大型開発の浪費は拡大しようとしています。 あまりに逆立ちしているのではないでしょうか。

シルバーパスを全面有料化

現在無料の8万人に年2万円、住民税非課税の70万人にも1000円

マル福(老人医療費助成)、寝たきり手当(老人福祉手当)を廃止

日本一手厚い、お年寄りの命綱なのに・・・
  通院や買い物など、お年寄りのくらしの足として定着している無料パス。 78万人に交付されています。 石原知事の方針は、これを全面有料化。 所得制限を強化し、住民税を払っている人には年2万510円、非課税の人にも年1000円の負担を押しつけようというのです。
  いま全国すべての政令市が無料パスを実施しています。 そのうち7割は所得制限もなし。 有料化を計画しているところなどどこにもありません。
  石原知事の方針案は、65歳から69歳の人への老人医療費助成を順次引き上げ6年間で廃止、老人福祉手当も、毎年支給額を削減し、3年間で廃止するとしています。
  マル福がなくなれば、医療費負担が急増。 受診抑制や医者にかかれなくなる人が広がることは明らかです。 また、福祉手当の廃止は、寝たきりのお年寄りと家族の死活にかかわります。 介護保険も、高い保険料や基盤整備のおくれなど問題だらけ。 廃止の理由にはなりません。

マル福がなくなったら・・・

都が明らかにしたモデル試算でも
(98年度実績より推計)
現行(マル福) 3割負担
平均負担額 2,148円 7,710円

<具体例>

現行 3割負担
糖尿病で月1回外来通院 1,370円 5,290円
気管支炎で14日入院 16,800円 63,600円


障害者、ひとり親家庭など 医療費無料制を撤廃

福祉の手当にも所得制限導入・強化

心身障害者医療費助成 → 所得制限強化・本人負担導入

重度心身障害者手当 → 所得制限導入

心身障害者福祉手当・児童育成手当 → 所得制限強化

乳幼児医療費助成・ひとり親家庭医療費助成 → 本人負担導入

  知事の方針案は、障害者や乳幼児、ひとり親家庭への医療助成や手当も軒なみ切り下げ、公害患者や被爆者の子などへの医療助成にも本人負担を導入しようとしています。 年金ぐらしの高齢者や障害者、母子家庭など、行政の支援がもっとも必要な人たちをねらいうちするとは、福祉・くらしを守るべき自治体の役割を投げ捨てるものではないでしょうか。

力をあわせて福祉・医療を守りましょう


都議選では7割の都議がシルバーパス現行どおり存続を公約

2年前には老人医療費助成(マル福)とりあげを一致して否決

公約と都民福祉を守るのがどうか

各党・都議の態度が問われています

  石原知事の福祉見直し案は、来年度予算案と条例改正案として、2月の都議会定例会に提出され、各党・都議の態度が問われます。

  前回の都議選では、当選した都議の72%がシルバーパスの無料交付について、「現行のまま」「拡充」と公約しました。
  公明党は、ビラなどで、「断じて後退させません」と主張し、「東京の福祉は全国トップレベル」とマル福・老人福祉手当の意義を強調、「私たちがつくったものを、自分の手でなくすわけがない」(藤井代表=当時)と宣伝しました。

  都議会はまた、2年前には、青島前都政の財政健全化計画にもとづく福祉切り下げに一致して反対、シルバーパスとりあげ、障害者医療費助成カットなどを断念させました。 マル福についても、各党は、98年度予算への要望で存続を求め、知事が提案したとりあげの条例案を一致して否決しました。

老人医療費助成についての
各党の98年度予算要望から
自民 後退しないように
共産 現行どおり継続すること
公明 現行制度を基本的に維持すること
民主 高齢者が負担増となるような見直しは行なわないこと
生ネ 現行水準を確保すること
社民 現行どおりおこなうこと

自民 公明

福祉切り捨て知事案を評価

  今回の石原知事の福祉切り捨て案にたいして、自民党は「わが会派の申し入れを全面的に受け止められました知事の誠意を高く評価」するとし、公明党も「われわれの主張を大筋で受け入れた」もので、「評価する」、「東京の福祉を守りました」などといっています。
  いのちの支えをうばう石原都政の計画に協力するというのなら重大です。

公約と都民福祉を守る立場に立つべきではないでしょうか


福祉の根本見直し

都議会での徹底審議こそ求められています

  知事案は、かつてない福祉の根本的見直しなのに、都は、都民生活への影響などについて調査すらせず、都民の意見もまともに聞いていません。 7割をこえる区市町村議会が福祉見直しに反対する意見書をあげ、区長会や区の議長会、市長会も「慎重な対応」を都に求めています。
  また知事案は、青島前都政の福祉切り下げを拒否した都民と都議会の意思も踏みにじり、各党・都議の公約とも相いれないものです。
  「東京の福祉・医療を守れ」「都議会は徹底審議を」の世論と運動をさらに大きく広げ、都民いじめをやめさせましょう。