福祉後退続きの石原都政

自民、公明、民主など「福祉大リストラ」問われる

2000年 9月 15日 (土)「しんぶん赤旗」より


石原都政が切りすてた主な高齢者福祉
制 度 内 容 切りすての内容
老人福祉手当 65歳以上の寝たきりの人に支給 3年で廃止
老人医療費助成 65歳から69歳が対象 6年で廃止
重度心身障害者手当 重度心身障害者に月額6万円を
支給
 65歳以上の
 新規対象者
 を除外
心身障害者福祉手当 月額15,000円を支給
(所得制限あり)
心身障害者医療費助成 医療費を助成して無料化
(所得制限あり)

  都営交通と民営バスに自由に乗れる無料パスの制度は、革新都政時代の1974年、「東京都敬老乗車証」として始まりました。 長く社会に貢献してきたすべての高齢者に、文字通り「敬老」の心をこめて交付したのです。 80年に鈴木知事(当時)自民、公明など与党とともに、都民の反対を押しきり所得制限による一部有料パスを導入、「シルバーパス」制度としました。

  今回の全面有料化で、これまで無料だった約80万人のうち70万人(住民税非課税者)が1000円、10万人(同課税者)が2万510円(経過措置として無料だった人は今回5000円、2001年度1万円、2002年度1万5000円、2003年度から全額)になると都は見込んでいます。 値上げも都議会にかけずにできるようになりました。

  交付方法も大きく変わりました。 これまでシルバーパスは東京都が発行し、区市町村が郵送や民生委員を通じて高齢者一人ひとりに届けていました。 それがバス会社が発行し、希望者みずからバス営業所などに出向かなければならなくなりました。 今回、暫定措置として区市町村の施設などに、臨時窓口415ヵ所を設けましたが、10月以降は、バス営業所など都内165ヵ所の常設窓口でしか購入できなくなりました。 高齢者には大きな負担です。

  都の推計では、経過措置が終わる2003年度には、2万510円のパス購入対象は40万8000人となるが、うち26万人は購入しなくなるとみています。

  石原知事は、全国に誇るシルバーパス制度を、根本から変質させました。

  シルバーパスの全面有料化は、ことしの3月都議会で老人医療費助成や老人福祉手当の段階的廃止、障害者の諸手当への新たな所得制限の導入・強化など、石原都知事がおしすすめる福祉大リストラ計画の一環として強行されました。

  日本共産党は無料パスを守るため、議会内外でたたかいをくりひろげ、老人クラブや町会など幅広い都民との共同を広げました。 東京都生活と健康を守る会(我伊野徳治会長)は、24万3000の署名を集めました。

  自民、公明両党も、97年の都議選で「現行制度の存続」を公約。 両党を含めて7割の都議が「無料パス存続・拡充」を公約していました。 ところが、ことしの3月議会では、「都民の理解を得られる範囲だ」などとして、公約に背いて賛成。 民主、無所属クラブ、生活者ネット、社民などの各党も賛成しました。

  日本共産党中央委員会には、シルバーパス有料化を知らせる東京都広報を見て「ただただ驚いた」という投書も届いています。 それには、「公明党も反対していたから大丈夫だと思っていた」という率直な怒りの声がつづられていました。

  公明党は「無料乗車券「シルバーパス」について都は、公明党の主張をうけて存続を決定。当初の有料化年間6000円をシルバーパス発行に必要な事務手数料のみの1000円までに大幅に減額」(公明党渋谷総支部ニュース2月号)と各地域で大宣伝しました。

  しかし、「すべての方が有料」(広報としま)「無料パスはなくなり・・・」(なかの区報)とあるように、同党がくりひろげた宣伝は、都民を欺くものでした。

  9月19日から都議会定例会が始まります。 大型開発を推進する一方、都民が築いてきた全国に誇る福祉を根こそぎにする石原都政にたいし、各党がどういう態度をとるのか、鋭く問われています。