石原慎太郎東京都知事は19日、39分間にわたり所信表明をのべました。 はっきりしたのは、大型開発をさらに大規模に推進する一方、都民の福祉や医療サービスからは縮小・撤退するということでした。
石原知事は、都政運営の要(かなめ)となる長期戦略「東京構想2000」を説明し、圏央道、東京外環道路など環状道路をはじめとする幹線道路ネットワーク、東京臨海部の開発、首都圏の業務核都市などの大型開発、「東京圏メガロポリス」構想の推進を強調しました。
政府がすすめる首都機能移転を「むだの典型」と批判しましたが、一方で「週刊朝日」(9月22日号)も「問題公共事業全国ワースト10マップ」にあげた臨海副都心・旧有明貯木場の埋め立て事業は推進しています。
国のむだ遣いだけ批判し、みずからのむだ遣いには無反省で推進では、都民の理解はえられないでしょう。
所信表明で示した「都民サービスの向上」の内容といえば、自宅のパソコンから手続をおこなう「電子申請」程度です。
石原知事は介護保険を、「構造改革の流れの先駆け」と高く評価。 都もこれに追随して、都民に「自立・自助」を求め、福祉・医療サービスを民間に任せていく方向を強調し、年内に「福祉改革推進プラン」を策定する方針を明らかにしました。 これではさらに大がかりな福祉・医療の切り捨てにつながることは明らかです。
都議会開会のこの日、都庁前で開かれた集会では、「三宅の高校生が進学を断念しないでもすむよう、授業料減免、奨学金を」「精神障害者にも無料パスを」「臨海副都心のむだ遣いは中止を」との要求が相次ぎました。 知事はこの声にどうこたえるのでしょうか。
石原知事が19日、9月都議会で述べた所信表明を紹介します。
石原知事は、島外避難した三宅島民への支援について、「国にたいしても強力な支援を要請するほか、万全の体制を整え、島の再生に全力をつくす」とのべました。
陸海空の3自衛隊から7100人が参加した3日の都総合防災訓練を「災害対応能力を高める点で画期的」「他の大都市に先駆けて、都市型防災の範を示すことができた」と自画自賛。 また、来年3月に「災害復興グランドデザイン」を策定することを表明しました。
東京の大気汚染の原因であるディーゼル車規制について、「国の対応はまったく不十分」と批判し、12月都議会に公害防止条例を改正し、厳しいディーゼル車規制を導入する方針を表明。 都営バス34台に低硫黄軽油を使用すると説明しました。
石原知事は、「東京構想2000」「都政改革ビジョン」を都政の要(かなめ)となる二つの長期戦略と位置づけました。
「東京構想について、幹線道路ネットワークや業務核都市の整備をし、「コンパクトな生活圏」を形成するとしています。 65歳以上の元気な「円熟シニア」が社会に貢献しながら人生を送ることを「都市型高齢社会のモデル」にするとしています。
「新しい行政像」として、「民間企業が最大限に能力を発揮できるよう、行政による規制は極力緩和」「行政の役割は、民間での対応が困難な分野に限定」すると強調、市町村の合併を支援するとしています。
「都政改革ビジョン」で石原知事は、都立病院の経営管理の見直しなど、4ヵ年計画を策定するとしています。
石原知事は東京の産業政策として「起業」の活発化を強調し、中小企業全体の底上げから「将来性の高い中小企業を支援する施策」に転換する方針を強調しました。
「商店街は危機的な状況に陥っている」として商店街に「自助努力」をも求め、来春をめどに都の支援策を策定すると説明。
子どもの健全育成のために「心の東京革命行動プラン」をもとに、社会運動を展開したいとのべました。
首都機能移転に反対するとともに、圏央道や東京外環道など環状方向の道路整備や湾岸地域の一体的開発などをすすめる「東京圏メガロポリス構想」を説明。 首都圏の7都県市が共同して東京圏ビジョンを策定、国をふくめた連携体制の強化を強調しました。