東京都の福祉を根底から崩そうとしている石原都政が、都民の文化の財産である都響(東京都交響楽団=石原慎太郎理事長)のリストラをすすめようとしてることが24日、わかりました。 都教育庁が、補助金3割削減方針を来年度予算要求に盛り込んだことから明るみになったもの。
都響は「世界的に評価をうけているオーケストラ」として知られており、補助金削減のほこ先を楽団員の削減や給料の大幅削減に向けていることから、関係者から「オーケストラの質の後退につながる」と心配する声があがっています。
都響のリストラ策「経営改善計画」は、石原都政の「財政再建推進プラン」をもとに策定したもの。 105人の定員を103人に減らし、楽団員の賞与の50%を削減(削減した分は財団の業績に応じて復元する)、調整手当の支給停止、50歳昇給停止、職能給、契約楽員制、勧奨退職の導入を柱にしています。
教育庁の来年度予算要求では、人件費削減などで3億9000万円(今年度比29%減)をカット。 実施されると、40歳の楽団員のモデルケース(配偶者、子ども2人の4人家族)の年収は、776万円から606万円へと、22%の減収になります。
都響ファンの女性(55)は、「9月にサントリーホールの公演を聞きましたが、壮大な演奏でとても感動しました。 都響がリストラされたらすばらしい演奏が聞けなくなるのでは・・・。 都自身が芸術家を育てることも難しくなります」と話します。
都教育庁では、「補助金の対象となっている人件費に直接手をつけざるをえない。 都響には公演回数の増加などの収入増などの営業努力を求めているが、その努力が実らないと優秀な人材確保は難しくなる事態も想定される」としています。
都響が日本有数のオーケストラに成長した背景には、東京都の補助や支援があったからにほかならない。
たんに採算ベースで評価して、補助を3割も削減するやり方は、文化のなりたちを理解していないばかりか、都響の活動に大きな困難を生み出すことになる。
破たんが明らかな臨海副都心開発など大型公共事業こそ根本から見直すべきで、福祉や教育、文化・芸術、スポーツの予算の削減には反対です。
東京都交響楽団 1965年に東京都が設立した財団法人。 上野の東京文化会館に本拠地をおき、青少年むけ音楽鑑賞教室、定期演奏会、低料金のコンサート、若手音楽家の育成、国際親善のために活動。
「77年から海外演奏旅行を行ない、世界的に高い評価を得ている」「短期間のうちに急成長を遂げ、メジャー・オーケストラとして意欲的な活動を続けているが、特にマーラーの演奏に関しては定評がある」(「日本オーケストラ連盟総覧」99年度)と紹介されています。
都の今年度の補助は13億5000万円で、12月31日の「東京21世紀カウントダウンコンサート」(東京文化会館)をはじめ、143回の公演を予定しています。
東京都交響楽団の理事会(石原慎太郎理事長)は、都知事を理事長から外すという規則の「改正」案を評議員会に提案しましたが、反対意見がつよく、継続審議となったことが24日までにわかりました。
評議員会は3日開かれ、理事会側は「理事長は、東京都知事をもってあたる」という現行規則を、「理事長は、理事の互選により定める」に改定する案を提案。
これにたいし、学識経験者委員などから「知事が理事長から外れるのは、都が都響の運営に責任をもつことをやめるためではないか」と批判の声があがり、議決できませんでした。
都教育庁や都響では、理事会が提案した議題が継続審議となったことは異例のことだと説明しています。