東京地検

複数都議を聴取

中小企業向け融資悪用

2000年11月3日(金)「しんぶん赤旗」より


  中小企業向け融資制度をめぐる出資法違反事件で、東京地検特捜部は2日までに、複数の都議らから参考人として事情聴取したもようです。 聴取の対象は、同違反容疑で逮捕されたブローカーらから依頼を受け、東京信用保証協会や東京都に「口利き」したとされる都議らで、特捜部は今後、慎重に捜査を進める方針です。

  この事件をめぐっては、国が1998年に貸し渋り対策として創設した「中小企業金融安定化特別保障制度」などをめぐり、中小企業への融資を仲介し、法定限度額(融資額の5%)を超える手数料を受け取ったとして、出資法違反容疑でブローカー19人が逮捕されています。

  各ブローカーは複数の親しい都議を抱え、19人の関与した16件の融資案件すべてで、都議らがブローカーらからの依頼を受け、融資を審査する東京信用保証協会や都の労働経済局に口利きしていました。

  逮捕されたブローカーらに渡った法外な手数料の一部が、謝礼として都議らに渡っていた疑いも出ています。


東京都中小企業不正融資事件

公明党・創価学会人脈が浮上

逮捕ブローカーに元参院議員秘書ら

  中小企業向け融資制度をめぐる出資法違反事件で逮捕されたブローカーのなかに公明党・創価学会人脈の存在が浮上、一連の事件への同人脈のかかわりが注目されています。

  融資を仲介し法外な手数料を取ったとして、出資法違反で逮捕されたブローカーは19人。

  そのうち「原経営研究室」室長の原潔容疑者(50)は、創価大第3期卒業生で創価学会に近い企業の元関係者、31日に追加逮捕された「池田企画」社長の池田敏明容疑者(58)は公明党の黒柳明元参院議員の秘書だったことが判明しました。 そのほかにも数人の創価学会関係者の名前が浮かんでいます。

  池田大作創価学会名誉会長を創立者とする創価大学卒業生は池田氏の「本弟子」と位置付けられ、なかでも初期の卒業生は「池田親衛隊」とも呼ばれるエリート的存在。 原容疑者はその3期生で、卒業後は学会員の海外旅行などを担当する旅行会社の経営にかかわっていたといわれます。

  その後、東京・台東区浅草橋のビルに「原経営研究室」を開設し、ここを足場にコンサルタント業をはじめました。

  一方、池田容疑者は1975年から89年まで、公明党の黒柳議員の公設秘書をつとめました。 同議員は95年に参院議員を引退、96年衆院選で小選挙区(東京15区)から立候補し落選しました。 埼玉県川越市の住宅街にある同容疑者の自宅周辺の住人などは「(公設秘書退任後も)議員が落選するまで私設秘書だったと聞いている」といいます。 雨戸を固く閉ざした自宅前には「聖教新聞」の束が置かれていました。


公明都議が突然引退へ

  中小企業向け融資制度をめぐる出資法違反事件で、東京地検特捜部に逮捕されたブローカーと面識があったとされる公明党の原環・東京都議会議員(51)=豊島区選出、2期目=は「一身上の理由」で、来年の都議選の公認取り消しを申し出、2日の同党中央幹事会で、了承されました。

  事実上、今期限りで引退する方針です。

  原議員は、選挙区の豊島区内にポスターをはりめぐらすなど来年の都議選をめざす活動を直前まで続けていました。 10月27日付の公明新聞でも「都議予定候補」の一人として紹介され、「働き盛り、課題解決で本領発揮」などと顔写真つきで宣伝されたばかりでした。

  また、同議員については、2日付の読売新聞が、「中小企業向け融資制度に絡む出資法違反事件で逮捕されたブローカーの一人と以前から面識があった。 さらに多額のパーティー券を購入してもらったことを認めて」いる、と報道していました。

  突然の公認取り消しの理由について、選挙区でも疑問の声が出ています。

  都議会公明党は本紙の取材にたいし「今日は本人と連絡がとれない」と話しています。