東京都議会の政務調査費

”ガラス張り”化を否決

共産党提案 自民,公明,民主の各党

2001年3月23日(金)「しんぶん赤旗」より

  地方議員の調査・研究活動の経費として会派に交付される「政務調査費」の使途の透明性をどう確保するかに関心が高まるなか,東京都議会の政調費条例案が22日,都議会財政委員会で,日本共産党の反対,自民,公明,民主各党の賛成で可決されました。
  日本共産党は政調費の支出の実態をガラス張りにするために,各会派が議長に提出する「収支報告書」に領収書の添付を義務づける修正案を提出。自公民各党は,同修正案に対していっさい発言しないまま反対し,多数で否決しました。
 東京都の政調費は,議員1人当たり月額60万円を議員数に乗じた金額を各会派に交付するもの。 年間では9億円にのぼる都民の税金が各会派に交付されています。 各会派が提出する収支報告書は,情報公開の対象とされています。
 ところが収支報告書はA4版の紙1枚で,支出について「調査費」「行動費」など費目ごとの合計金額が書かれているだけで,都民から「透明度が低い」「議員の「第2給与」ではないか」と強い批判があがっていました。
 委員会で修正案の趣旨説明に立った日本共産党の渡辺やすのぶ都議は,「「機密費」問題を見ても,税金の使途を明確にするのは当然。 透明性を確保する規定を設けることが都民の期待にこたえる唯一の道」と強調しました。
 日本共産党都議団は第2党に躍進した直後の97年9月,政調費の使途の公開を提案してきました。


情報公開の時代に逆行

情報公開市民センター代表の高橋利明弁護士の話

 領収書を添付させず,費目の支出報告書だけで議員に政務調査費を渡す現行の制度に,住民の批判は強い。 実際には何に使われたかわからないからだ。 都の条例案は,それを合法化するもので,情報公開の時代に逆行する。 議長の「調査」も形だけのものだ。 外務省の機密費ですら,減額あるいはなくせという世論が強くなっているのに,その感覚が住民には理解できない。 猛省を促したい。


政務調査費条例案

日本共産党の領収書添付(修正)案

「問答無用」9分で否決

情報公開やる気問われる自,公,民

 都民の税金から毎年9億円以上が都議会各会派に交付される政務調査費。 22日の都議会財政委員会で,その使途を都民の前にガラス張りにしようと日本共産党都議団が提案した条例案の修正案は,自民,公明,民主の各党が”問答無用”で反対し,否決されました。

税金ガラス張り 民の声なのに…

 日本共産党の渡辺やすのぶ都議(足立区選出)が修正案の趣旨説明をはじめると,自公民3党の議員は急にそわそわしはじめました。 自民・大西英男理事は,「何か悪いことでもやってんのかよ。 誇りをもて,議員としての」と口汚いヤジを飛ばし,これに隣の席にいた公明議員も同調,顔を見合わせてうなずきました。
 日本共産党の松村友昭都議(練馬区選出)の修正案への賛成討論にも「わざとらしい。 議事録に残したいだけだろ」(公明・鈴木貫太郎議員)とヤジは続きました。
 同委員会での政務調査費条例案の修正案についての審議はたった9分間。 自民,公明,民主の各党は正規の発言は一切せず,討論抜きで日本共産党都議団の修正案に反対しました

反対理由は? 各党に聞くと

 都民の税金の使い道を明らかにするために領収書の添付を義務づける修正案のどこがいけないというのか−同委員会終了後,各党の理事らに取材しました。
 自民党の大西理事(江戸川区選出)は,「われわれは公明正大な政務調査活動をおこなっている。 ただ,政務調査活動にはだれと食事をしたか,どこで会合したかなど公にはできない部分がある」。
 民主党の西条庄治(文京区選出)理事は,「政党にとって政策はいわば武器。 言い方は悪いけど,戦争しているときに,手の内を全部バラすことになってしまう。 政策の調査のために公開できないものもある」と自民と共通する言い分です。
 公明党の大木田守副委員長(北区選出)は,赤旗の名刺を見せたとたん,「ノーコメント」。 あとは「いいです,いいです。 いいです」の一点張りで,足早に去りました。

時代の流れに逆行の態度

 政調費は,「議員の「第2の報酬」とも呼ばれ,「不透明」との批判も根強い」(「読売」97年11月21日付)と,一般マスコミからも長年批判を浴びているもの。
 全国市民オンブズマン連絡会議は昨年9月5日,全国都道府県議長会会長の渋谷守生東京都議会議長に「具体的な使途が明らかになるよう詳細な報告書の提出を義務付け,併せて関係する証票の提出を義務付けるべき」だと申し入れています。
 税金を消費税導入の「国会対策」に使っていた機密費問題がつぎつぎと明らかになるなかで,「税金の使い道を明らかにせよ」というのが国民,都民の声です。 都議会がみずからえりを正し,政調費の使途を一点のくもりもなく明らかにする領収書添付にふみきることは,都民の声にこたえる最低限の責務でした。
 まともな反対理由をのべることもできないまま修正案を否決した自民,公明,民主の3党は,情報公開を求める世論と時代の流れに対する”逆行”ぶりを浮かび上がらせています。

(中村圭吾記者)


政務調査費条例案修正案

党都議団 渡辺氏が趣旨説明

 日本共産党の渡辺やすのぶ都議団政策調査委員長が22日の財政委員会で行った都議会政務調査費条例修正案の趣旨説明(要旨)は次の通りです。

 提案されている「東京都政務調査費の交付に関する条例」案の最大の問題点は,政務調査費の使途の透明性の確保という規定が欠落していることにある。
 国会での地方自治法改正の趣旨説明でも「情報公開を促進する観点から,その使途の透明性を確保することが重要」だと指摘されており,政務調査費の使途については領収書を添付すべきだという多くの都民からの要望も出されている。
 機密費問題など税金の使途の透明性についての国民の関心が大きく高まっている。 政務調査費においてもその使途を明確にするのは当然であり,「条例」案に透明性を求める規定を設けることが都民の期待にこたえる唯一の道である。 以上の立場から,政務調査費の支出報告書に領収書など支出を証明する書類の添付を義務付ける条例案の修正を提案する。
 都議会はみずからの高い自覚で,都議会情報公開条例をつくったが,それにふさわしく政務調査費の透明性確保でも全国に誇りうるものとすることが,すべての会派と議員の責務と考える。