みんなの稲城

第47号 2003年10月9日

編集:このままでいいのか稲城をよくするみんなの会


来年こそ「30人学級」の実現を!

「実現させる会」,市議会請願署名運動を開始

 「稲城で『30人学級』を実現させる会」(新婦人の会,教職員組合などで構成)では,稲城でも「すべての子どもにゆきとどいた教育を」とこれまで2年にわたって「30人学級」の実現を求めて運動をすすめてきましたが,「来年こそ本当に実現を」と3回目の市議会,市長への請願署名運動を始めました(3月議会に提出予定)。

 稲城市では今年度,30人を超えるクラスは小学校低学年だけでも1年生で24クラス中8クラス,2年生で25クラス中7クラス(全学年では144クラス中52クラス,若葉台小では23クラス中21クラスが31人超),中学では全54クラス中32クラスにのぼっています。

 この運動を成功させるために,「会」では小・中学校区ごとに教育懇談会を開く,多数の賛同者を募る,諸団体等へ要請する,街頭宣伝・署名を行なうなど,多彩な活動をすすめています。

稲城市で「30人学級」の実現を求める請願

請願項目

  1. 稲城市の小中学校で「30人学級」を実現してください。当面,(1)小学校低学年での「少人数学級」を早期に実現してください。(2)36人以上の学級を直ちになくしてください。
  2. 国および東京都に対し,「30人学級」実現の意見書をあげてください。

請願趣旨

 子どもたちはどの子も楽しく学び,豊かな学校生活を送りたいと願っています。
 しかし,最近,友だちとうまく接することができずに困っている子や,週5日制が始まって本当に基礎学力がつくのだろうかと不安を抱く親も増えています。
 稲城では,一部の教科に少人数授業を取り入れたりティーム・ティーチングを行なっていますが,「30人学級」にすればすべての学級・教科で少人数授業ができます。
 すでに全国各地の29道府県といくつかの市で少人数学級が始まっています。先行実施している自治体では,学級規模を小さくしてよかったとの評価が圧倒的です。
 子どもたちが減っている今こそ,少人数学級導入の好機です。稲城でも子どもたちがゆきとどいた豊かな教育が受けられますよう,英断を奮ってくださることを願います。


「住民要望」,「知る権利」どこへ?

9月市議会 「乳幼児助成」では一歩前進

 9月市議会では,若い父母らの切実な要求である乳幼児医療費助成制度の拡充(所得制限の撤廃)が一歩前進しました。質疑を通じて,市側からゼロ歳児だけに適用されている「所得制限なし」を当面1歳児まで引き上げさせる見通しを引きだしたもの。

 この要求は新婦人の会などが長年取り上げ,今回も請願署名(紹介議員は岡田まなぶ(共産党),森本喜三郎(無所属)の両氏)を提出していました。また岡田議員は6月の発質問で,財源を示して実施を迫っていたものです。

 ただし請願の当面2歳児までへとの要望は継続審査になり,運動の継続強化が重要になっています。

 他方,9月議会では住民の切実な要望が拒否されたり,「知る権利」があいまいにされる事例が目立ちました。

「年金陳情」 年金積立金の安全運用や在日外国人差別是正の陳情をチェンジ21,公明,新政会,民主・市民,田中議員(無所属)が不採択(市民自治,共産は採択を主張)。

「図書館請願」 市民の「知る権利」である行政の説明責任の追及をうやむやに。共産党と森本議員のみ採択を主張。

「田中市議の傷害事件への対応と公表求める陳情」 議会運営委員会で審議自体を拒否。


9月議会 疑問点置き去りでPFI導入(民間委託)にゴーサイン

市立中央図書館の建設・運営問題

 9月議会は,乳幼児医療費助成の論議の前進など住民要求が反映した反面,市民の知る権利への理解不足,行政の透明化の追求不足など市民の目線にたった市議会のあり方で問題点も浮き彫りにしました。

 長年の住民要求であった市立中央図書館の建設が始まろうとしています。ところが最近になって突然,市が図書館の建設・運営をセットで,基本的に民間営利業者にPFI(Private Finance Initiative)方式で20年という長期契約で委ねてしまう方針が明らかになりました。

 しかも市は,住民,市議会,教育委員会,図書館協議会などに「PFI導入可能性」の委託調査の「概要」の説明をしただけで,9月議会にはPFI事業者からの入札作業を始めるために,見学も示さないで(総額は50億円を超える見込み)白紙委任を求めるという異例なやり方で債務負担行為の「補正予算の承認」を求め,共産党と森本議員(無所属)をのぞくすべての会派がこれに賛成しました。議会はPFI導入にゴーサインを出してしまったのです。

疑問点山積,説明の訂正もなし

 PFI導入問題をめぐっては住民や図書館利用者,専門からの間から,(1)社会教育の機関である公共と所管の建設・運営を営利団体に委ねていいのか,(2)運営費用が安上がりになるのは主として人件費削減によるもので図書館の使命の質の低下を招くのではないか,(3)20年の独占契約では競争原理が働かず,その点でも図書館の使命が低下するのではないか等の疑問が解けていません。

 市が開いたインターネットでも住民からこれらに関わるさまざまな疑問や意見,説明不足への不満が出されています。しかし,例えば図書館長(市が派遣)は司書資格所有者にしてほしいといった肝心の要望には回答なしです。また質問者が述べてもいない「意見」を「引用」して反論するといった訳のわからない対応までしています。

 6月14日の住民説明会で約束した再質問や相互討論の機会も設けられていません。さらに市は金科玉条にした「PFI導入可能性」の委託調査報告書の公表を拒み続けました。市民の情報公開請求でしぶしぶ公表するといったありさまで,これでは市民との「協働」といえるのでしょうか。

 しかも市は最近までPFI導入のメリットとして「設計・建設費は頭金なしの20年ローンのようなもので当初の財政負担が大幅に軽くなる」と強調してきましたが,8月に発表された「実施方針」では,結局,市が直接図書館を建設する場合と同様に多額の借金(起債)をして開設当初に設計・建設費(約20億円)の75%を,あと5年間でPFI事業者に全額支払うと改められていました。これではPFI導入の重要な理由の一つがなくなったことになります。しかし議事録を見るかぎり教育委員会でも図書館協議会でも訂正説明や再討論はされていません。まして6月14日の住民説明会で行なった説明への訂正手続はされていません。

なぜ「みんなの会」の請願を不採択?

 「みんなの会」は9月市議会に,住民や図書館関係者らの疑問が解けないままのPFI導入の見切り発車はやめ,住民説明会のやり直しなど市民的な議論と納得のもとで図書館建設をすすめるよう「中央図書館の新設手続の民主性,透明性を求める請願」を提出しました(紹介議員は岡田まなぶ(共産党),森本喜三郎(無所属)の両氏)。

 ところがこの請願を審議した福祉文教委員会や本会議では,「議会ではそれなりの説明を聞いてきた」「『みんなの稲城』(46号)が『虚偽の説明』と書いたのはけしからん」といった発言が出されて,請願は「不採択」とされました(共産党と森本議員のみが採択を主張)。

 住民らへの説明の訂正がされなければ,結果として市は虚偽の説明をしたままPFI導入を急いだといわれても仕方がないでしょう。住民の憤りの言葉を非難して市の無責任を追及しない態度は残念です。また自分たちは(それも8月21日などは市民の傍聴を拒んで)話を聞いたから市民への再説明は不必要との態度は,住民の要望や知る権利を軽視し,市民の上に議会・議員をおく態度ではないでしょうか。


田中事件,公式審議を避けた市議会

情報公開請求でやっと記録を公表

 田中繁夫市議は今年4月1日,息子を切り出しナイフで刺して逮捕され,新聞,テレビで全国に報道されました。当時の市議会は警察から事件の事実を確認して議長と各会派代表者連名で「市民の信頼を失い,議会不信を招いた」としてた仲仕に議員辞職を勧告しましたが,同市は4月27日投票の市議選で住民に「報道のようなことはなく…」と述べて再選され,5月8日に新しい石井議長にも文書で同様の態度を表明しました。

 これに対して今回議員を退いた前・元議長らの4人の全議員は石井議長にあらためて事件の全容解明と善処を申し入れました。「稲城をよくするみんなの会」も同様の申し入れをして,6月27日には両者が一緒に石井議長,藤原副議長に面会し最戸の要請もしました。さらに「みんなの会」は9月危害に対して「議会の適切な対応と審議経過の公表を求める陳情書」を提出しました。

 石井議長らはあらためて警察で事件の事実を確認。しかし議会は「陳情」を却下(審議拒否),田中氏に「猛省を促」しただけで幕引きを市,審議資料の公開も拒みました。

 田中氏が住民や議会に「事実がない」と欺いたことに対して議会が毅然と対処せず,しかも市民が出した陳情の審議を拒んだことはまことに遺憾です。「みんなの会」は審議経過の情報を条例を用いて公開請求し,議会にやっと記録文書を公表させましたが,議会の自浄作用の弱さ,秘密主義,請願・陳情件の拒否が続けば,市民の間での議会の権威と信頼はさらに揺らぐことになるでしょう。