3月市議会は,稲城市の256億円に及ぶ2004年度一般会計予算を賛成多数で可決しました。市長が毎年,所信表明演説を大型開発事業の強調から始めることに象徴されるように,今年も開発優先,教育・福祉軽視の予算です。しかも今回の予算では,稲城駅北ロータリーの緑地植栽をなくして有料自転車駐輪場を建てることや,市長専用車(みんなの会は専属運転手付きの専用車の廃止を要求)の買い替えを理由に525万円かけて無線とサイレン付きの専用車を購入する提案まで入っています。
共産党と森本議員(無)は,30人学級の実現,乳幼児医療費所得制限廃止の拡大など教育,福祉予算の拡充と,家庭ごみ有料化撤回,駐輪場の設置場所変更,新たな市長専用車廃止などを求めて予算案に「反対」しました。
問答無用で突っ走る家庭ごみ有料化
市民との「協働」どこへ?
今年10月から,家庭ごみは市の指定する有料のゴミ袋の使用が義務付けられ,標準家庭で年間約6,000円の税外負担が課せられます。これは市長が昨年の12月議会に突然提案し,市民自治,共産党,森本議員(無)の「反対」を押し切り,チェンジ21,公明党,新政会,民主・市民の声ら多数の「賛成」で成立したもの。
山積する問題点
議会の審議では,(1)有料化で本当に減量が続くのか,(2)税金の二重取りではないか,(3)莫大な建設費をかけてつくった大型焼却炉はムダではなかったのか,(4)有料化の積算に施設の償却費まで入れるのは不当,(5)市民が提案を知らないママ有料化を決めたのは民主的手続や,市が言う「市民との協働」の精神に反する,などの問題点が浮き彫りになりましたが市はまともな答弁をしていません。
条例自体に瑕疵の疑いも
3月議会ではさらに,市が家庭ごみ有料化条例(手数料の徴収)の根拠法としてあげた,(1)「容器リサイクル法」の該当条項はすでに廃止されていた,(2)地方自治法227条が認める手数料とは「特定のもの」に限られており市民全体に課すのは違法性が強いことが明らかにされました。条例が虚偽や適法性に疑問のある「根拠」で提案されていたこと,すなわち条例自体の瑕疵が判明したわけで引き続く追及が必要です。
要望や提案を無視,お手盛りシンポ
市は2月8日に中央文化センターでシンポジウムを開きましたが,基調講演は「有料化」の効用を説く大学教授で,パネラーは市長を始め4人とも「有料化」推進の弁士。市長は「有料化は交通違反者へのペナルティのようなもの」と市民全体を法律違反者のように言うありさま。参加者の要望や提案の発言時間はゼロ。
「せめて一定量まで無料に」の陳情も拒否
3月議会に出された「せめて一定量まで無料に」の陳情の受け入れを市は冷たく拒否。有料化に賛成した多くの議員も「せっかく12月に有料化を決めたのだから」と市民の道理のある,切実な要望に背をむけて「不採択」に。市民が,「今後,市民の意見や要望をどのように聞くか」と問いあわせても「有料化の周知徹底に努める」と問答無用で突っ走る回答を繰り返すばかりです。
年金改善の陳情を門前払い
3月議会に向けて年金者組合多摩稲城支部と稲城社保協は「無年金・低年金者をなくし,男女格差是正・老後の安心確保のために市の独自の施策と最低年金制度創設の意見書を求める陳情」を提出していましたが,議会運営委員会は法律や条例にない独自の「市議会申し合わせ」をたてに,「12月議会で否決したのと同様の陳情をつづけては審議できない(どうせ否決になる)」と門前払いしました。
いま,年金問題は連日テレビ,新聞で大々的に取り上げられている国民的な関心事です。これについて,出された陳情の審議もしないというのは,市民の代表としての市議会の基本姿勢が問われているものです。
議会運営委員長に抗議
年金者組合らの代表は2月27日,荒井議運委員長に会い,(1)12月の陳情とそっくり同様ではない,(2)12月の陳情の「反対」討論では,「厚生労働大臣らが協議中なのに(政府案が出ていないのに)意見書を出すのは無理がある」(公明党大久保議員)との理由だったが,(その理由もおかしいが)今は政府案が出ている。それを門前払いするなら,いつなら審議できるというのか,(3)条例にもない,市民を議会から遠ざける「申し合わせ」は違法の疑いもあり見直すべきだ,と抗議の申し入れをしました。荒井委員長は次回の議運で申し入れの内容は伝えると答えました。
ちなみに,多摩の3月市議会は同趣旨の陳情を,自民党を含む議会改革連名,共産党,民主・生活者ネットの賛成多数(反対は公明党など3会派)で採択しています。
医療費,所得制限廃止は1歳児まで
乳幼児医療費無料の所得制限廃止は父母の強い願いです。稲城は他市に較べて立ち後れていますが,くり返しの請願・陳情で,2年前にゼロ歳児への適用が実現,今年10月からは1歳児にも広がることになりました。
新婦人の会は昨年の請願で,当面2歳児までを要請,12月議会で「趣旨採択」までこぎつけた結果,行政も歩み寄ったものです。引き続きの運動が重要です。