市議会が市民にもっと身近で親しみやすいものになるよう願う要望書

稲城市議会議長 石井直治殿

2004年5月11日
稲城をよくするみんなの会
代表委員 永井博

拝啓 貴職のご活躍に敬意を表します。

 さて,私たちは稲城市の市議会が市民にいっそう開かれた,いっそう身近で親しみやすいものとなることを願って,これまでも議長や議会運営委員会委員長への申し入れや懇談を重ねてきました(例,2001.9.26,2004.2.27)。つきましては今回も下記の要望についてに,(1)貴職のご尽力を切望しますとともに,(2)議員各位でのご検討と,(3)私たちと議会運営委員会のみなさんなど関係議員の方々との懇談の機会を設けて下さいますようよろしくお取りはからいください。なお,今回の要望内容は,全国市議会議長会が「分権時代における議会運営のあり方の調査研究報告書」〔2002年2月発行〕で,「新しいモデル」,「理想的なモデル」として示した「新しい市議会会議規則」,「新しい市議会委員会条例」の精神や事例にも則ったものです。

敬具

要望内容

1 請願,陳情は市民の権利と目線にそって扱ってください

 請願,陳情権は憲法,請願法,地方自治法が定める国民,市民の基本的権利です。これを提出しやすく,また実効あるものにするために次の点を改善してください。

  1. 請願,陳情の審議の際は,行政当局の意見を聞くだけでなく,委員相互の論議を行い,また請願・陳情者が希望すれば,稲城市議会委員会条例に則って,請願・陳情者の参考人招致を行ってください〔何らかの形で請願,陳情者の参考人発言を認めている議会は,多摩で19市,区部で16区あります〕。
  2. 請願,陳情の裁決の際,請願,陳情事項が複数のものは,委員全員の一括採択以外の場合は項目別に採決してください。また,採決については,法的根拠も拘束力もない,「不採択」の隠れ蓑とも言われている「趣旨採択」は原則としてなくしてください。
  3. 提出された陳情〔とくに稲城市民からのもの〕は,原則として内容の如何に関わらず審議してください〔内容の“事前審査”による「門前払い」は,市民の請願〔陳情〕権の侵害です)。また,不採択となった陳情でも,会期の異なる議会に再提出されれば,状況の変化も勘案し,当然のことながら新たに審議してください(一議不再議の原則は当該議会会期内のみに適用されるもので,会期の異なる議会での「門前払い」は審議なしの不採択としか言えず,これも市民の請願〔陳情〕権の侵害です)。
  4. 請願の際の紹介議員については,人数制限,議長,正副委員長の除外をなくしてください。
  5. 請願,陳情には押印は不要とし,住所の略記(〃)も可能にしてください。〔「直接請求」署名の要件と峻別する必要があります。因みに請願法では押印を求めておらず,国会請願,東京都議会請願,陳情とも押印は不要です〕
  6. 請願,陳情の提出締切日は所信表明や議案説明が行われた以後としてください。そうでないと該当議会へのリアルタイムの市民の意見・要望の表明〔請願,陳情〕ができません〔かつては開会日当日まで→3日前まで→現在は1週間前まで[土,日曜をはさむと9日前まで]となった)。

2 市民に開かれた委員会などの運営をしてください

  1. 予算審議など重要議案の審議にあたっては公聴会を開催してください。
  2. 議会運営委員会と,「所管事務調査」など議会閉会中の各常任委員会も公開してください。
  3. 各委員会の議事録を公開してください(「情報公開請求」手続をしないと公表しないというのは,市民を議会から遠ざけるものです)。
  4. 市議会交渉団体代表者会議とその議事録を公開してください。また,非公開の席や議事録に載せないで重要な確認をするべきではありません。

3 傍聴ルールは,傍聴者の気持ちを汲んで,傍聴しやすいものに改善してください

  1. 傍聴者にも議案の骨子,請願,陳情の写し(または要旨〕,一般質問同様に代表質問の通告書などを配付してください。
  2. 傍聴の申請の際の傍聴者の年齢記入欄はなくしてください〔受付窓口に置かれている傍聴者一覧表に年齢を書くことの心理的抵抗感をわかってください)。
  3. 傍聴者アンケートの回答内容とその対応結果を公表してください(意見を出してもどう扱われたか聞いたことがないからもう欠かないという人がいます)。

4 その他

  1. 平日夜間や,土曜日,日曜日の議会開催も工夫してください〔例えば当面は請願,陳情審議からでも)。
  2. 本会議議事録と「議会だより」の作成時期を早めてください。
  3. 議会図書室を整備・充実させ,市民の行政〔議会含む〕研究にも役立ててください。
  4. 法的根拠のない〔ときには法律,条例違反の疑いもある),また議員が自らの議案審議の権利と責任を狭めるばかりか,請願,陳情の制限など市民の参政権を制約し,市民を議会から遠ざける内容を含む「稲城市議会先例・申し合わせ」は,市民に公表の上,その意見も聞いて抜本的に見直してください。
  5. 議会の行政に対する独自性・対当性を強め,また,市民の問い合せや資料請求にも積極的に対応できるように,議会事務局の機能と体制の強化をはかってください。
  6. 市民に開かれた身近な議会にするために,市議会は随時,市民との対話,議会運営についての意見聴取を行ってください。

以上