成立した動物愛護法 共生社会の一歩に

20日から動物愛護週間

日本共産党参議院議員 緒方靖夫

2000年9月17日 (日)「しんぶん赤旗」より


  動物にたいする虐待や生き・劣悪飼育を防ぐための動物愛護法が昨年12月に成立、この12月施行されます。 20日から始まる動物愛護週間を前に、同法成立に尽力した日本共産党参議院議員・緒方靖夫さんに動物愛護への思いを寄せてもらいました。

猫たちが中心のわが家

  わが家には、現在3匹の猫がいます。 すべて元捨て猫で、14年目のクロ(当時大きくなっていたので、推定16歳のおじいさん)、3年目のタロ(以上黒猫)、そして先の総選挙のときに妻がビラまきしていて見つけたとらぶちのコマ(足をけがしており警戒心が強く、捕まえるときには動物愛護団体「タマの会」の方にお世話になりました)。

  野良時代に苦労したのでしょう、警戒心を崩さなかったコマもいまでは、腹を出して仰向けに寝て甘えます。 猫も自己変革するのだなと感心しています。

  タロは膀胱(ぼうこう)炎、結石を繰り返し、先日も国会質問前日に症状が悪化して、夜中に救急病院へ連れていきました。 そんなときには、わが家では、猫優先でどんな理由も成り立ちません。

  私の「赤旗」パリ特派員時代に、東京に赴任した友人のジョルランから受け継いだ黒猫ジプシー以来、猫を飼い続けています。 数匹飼うだけでなく、のら猫を捕まえては不妊手術をするなど、わが家は猫中心家庭です。 高2になる娘は生まれたときから、猫と共存しています。 同居していた母が亡くなってからは、猫が心配で家族一緒に旅行したこともありません。

  わが家と動物とは深い縁があり、わが家で野辺送りをした猫は5匹を数えます。 娘は命の大切さをはじめ多くのことを動物を通じて学んできたと思います。

動物立法史上画期的な成果

  こういう私ですから、昨年12月に議員立法として成立した動物立法史上画期的な「動物愛護法」の議論に、議案を扱った国土環境委員会理事としても参加し、成立に尽力したのは当然のことでした。 旧法(名称は「動物の保護・管理法」)から26年目の改正であり、ここにこぎつけるためには、署名77万という市民運動の背景があり、国会では全会一致で可決されました。

  今年12月に施行されるこの法律は、(1)動物は命あるものであり、動物との共生に配慮するという2点を基本原則に追加して、これにそって動物の所有者や国、自治体などの努力義務規定を設ける。 (2)動物取り扱い業者を新たな規制対象に加える。 (3)虐待や動物取り扱い業者の法令違反への重い罰則を新設(最高で、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金)というものです。

  これでやっと欧米並みの法律に近づいたというのが正直な思いです。 この法律がどのように運用されるか総理府令を監視し、各自治体の条例などに注目していきたいと思います。

  動物愛護は、法律的な整備と同時に、国民的な動物愛護精神の向上、飼い主のモラルの強化につながると思います。 これは文化の問題でもあります。 フランスでは、抵抗するすべを持たない動物をいじめることがいちばん卑劣な行為だと小さいころからしつけられます。 そうしたモラルの確立が大切でしょう。 そして、私もこの運動のなかで学びましたが、動物愛護団体・飼い主、獣医師協会、行政の共同した取り組みが不可欠です。

  よく環境との共生といわれますが、それは同時に「命にやさしい社会」、動物と人間との共生でもあります。 今度の改正は画期的ですが、動物愛護は人が人として生きていくときの永遠の課題ととらえれば、次への発展をつくりだす過程でもあります。 わが家では「猫をかわいがるゆとりを持ちなさい」といわれます。 猫をかわいがりながら、次の課題を考えていきたいと思います。