年金改悪法案の審議が緊迫しています。 自自公3党は3月前半の1日でも早い採決をめざし、審議を急いでいます。 改悪法案について、岡田たかおさんに聞きました。
Q. 国民にどんな影響がありますか。
今回の年金改悪は、サラリーマンなど労働者の多くが加入している厚生年金を、65歳になるまでもらえないようにすることです。 実は、厚生年金は5年前の改悪で基礎部分(定額部分)の支給開始年齢はすでに繰り延べが来年から始まるんです(下図参照)。 現在の60歳から、12年間かけて順次65歳まで繰り延べていきます。
それがまだ始まってもいないのに、残りの2階部分の報酬比例部分も65歳以上に引き上げるというのが今回の改悪です。繰り延べが完成する2025年度には60歳から65歳までは年金はなくなってしまう大改悪です。Q. 支給開始が65歳になるとどうなりますか。
厚生省の試算でも、現在35歳の夫婦がもらえる年金の生涯支給額が1000万円カットされます。 日本国中全体でどれだけ支給減になるか。 衆院予算委員会で児玉健次議員が質問し、厚生年金だけに限った数字ですが、2025年に11兆円の支給減になるという事態も明らかになりつつあります。 将来不安をかきたてる大改悪といっていいでしょう。
Q. 積立金運用の問題もありますね。
そもそも5.5年分140兆円という年金積立金を持っているのは異常です。 アメリカは1.5年分、イギリスが1.2ヶ月分、ドイツの1ヶ月分と比較しても大変な年金積立金です。 私たちは計画的に取り崩して給付にあてるべきだと主張しています。
今回の改悪案はさらに、莫大な年金積立金を、いつ下落するかわからない株式などで運用するという仕組みが盛り込まれています。
アメリカではクリントン大統領が、今年1月に公的年金の株式運用を議会に提案しました。FRB(連邦準備制度理事会)のグリーンスパン議長はこれに猛然と反対したわけです。 なぜ反対かというと、もし株価が下がったら年金財政が不安定になる、そして政府による市場介入になる、これは好ましくないと主張し、結局クリントン大統領は株式運用を撤回しました。Q. 今後の国会審議はどうなりますか。
自自公3党は、早ければ2月24日から法案審議に入ろうとしています。 国民生活に関わる重大法案ですから充実した審議が保証されなければなりません。 私も国会外の運動と世論をさらに発展させ、廃案をめざして頑張りたいと思います。 さらに自自公の悪政に審判を下す解散・総選挙で、年金問題についても国民の厳しい審判が下るよう、たたかいを強化することが重要です。