3月1日 党と後援会の決起集会での若林義春候補の決意表明

 みなさん。こんばんは。都知事選候補者の若林義春です。

 都委員長になってから5年4ヶ月あまり。まさか都知事選の候補者になるとは考えもしませんでした。しかし,歴史の舞台は,そうした決断をせまる局面を生み出しました。微力ながら,みなさんのご期待にこたえられるよう全力をつくします。

 ■石原都政の4年間とは何だったのか

 石原都政の4年間とは何でしょうか。彼は,さかんに都政改革の「苗」を植えてきたと言ってきましたが,それが実際にはどんな「苗」なのでしょうか。今日は,とくに2つの角度から吟味したいと思います。

 ■他に例をみない福祉の切りすて

 ひとつは,福祉切り捨ての問題です。シルバーパスの全面有料化やお年寄りの医療費助成の切り捨て,寝たきりのお年寄りのための福祉手当の廃止,障害者の医療費助成の切り下げなどを強行しましたが,これはこれまでの自民党都政もやれなかったことです。他の大都市でもこんな無残な切り捨ては,今なお東京だけです。しかも,問題は,石原知事が,切り捨てのかわりの「福祉改革」の最大の目玉としてきた,「認証保育所」です。多くは駅前につくられている,民間企業の力も使っての簡易な保育所です。いま,これが矛盾を広げはじめています。それは何と言っても保育料の高さです。駅前につくられた場合,調査した53箇所のうち,ゼロ歳児で月10万円以上が4箇所,8万円以上が12箇所,6万円以上が21箇所といった具合です。2人あずけた場合の兄弟割引もないので,2人になったら月20万円以上のところもあります。これでは金持ち保育所です。いま都は,このままでは認証保育は失敗すると危機感を持ち,普通の保育所への補助をとりやめて,みな保育所を大幅に値上げさせようとねらっています。まさに東京の保育を根底から壊そうとしています。これこそ,石原流「福祉改革」の破たんではないでしょうか。

 ■「都市再生」の名で,破たんずみの高速道路と超高層ビルづくり

 ふたつは,「都市再生」の名で何をやろうとしているかということです。高速道路と超高層ビルづくりです。23区内で新宿に林立している超高層ビル61棟分をつくる計画です。いま「2003年問題」と言われるオフィスビルのラッシュがあります。これ以上,ビルは不要です。無理につくれば,大量に空きビルを造ることになります。

 しかも,いま石原流「都市再生」には,致命的な問題点が明らかになってきました。それは,交通渋滞をとてつもなくひどくするという問題です。石原知事は高速道路,特に3つの環状道路−中央環状線,外郭環状線,圏央道をつくって交通渋滞を緩和すると言って,3つの高速道路建設で都心から減る自動車台数は1日に約10万台と見込んできました。ところが,都の超高層ビル建設がやられ,仮に空きビルができないとすると,それによって増える自動車台数は,1日に24万台余りです。差し引き,14万台が増える計算になります。渋滞はさらに深刻になります。しかも,そのことによる大気汚染のいっそうの深刻化で,本当に東京はいっそう人が住めないまちになります。喜ぶのはゼネコンだけです。これもまた,石原流「東京づくり」の破たんではないでしょうか。

 ■都政の基本姿勢を改めれば,都民のくらしを守る東京はできる

 石原都政というのは,銀行税とかディーゼル車の規制とか,首都機能移転反対とか,わが党が以前から提唱してきた施策の実効もありますが,地方自治体としてのカナメの仕事では,最悪の自民党流政治です。都政の「営利企業化」「開発会社化」を極限まで進めようとしています。だからこそ,平気で福祉を切り捨て,カジノにまで手を出そうとしているのです。都政が賭博に手を出すことなどもってのほかといえます。

 いま都政にあたる基本姿勢を,地方自治体本来の「住民の福祉の増進」に切りかえれば,財政難の中でも多くの都民施策が実現できます。たとえば,30人学級です。全国的には,すでに21の道県が実施にふみだしています。東京でも,いま小学校1学年あたり31億円で実施できます。まさに,都政にあたる姿勢次第です。大型開発のムダ使いを是正し,7兆円近い借金を減らしながら,都民のくらしと営業を守り,環境をよくすることなど,くらしやすい東京にふみだせます。そのために全力をつくします。

 ■イラク戦争に反対の声を首都東京から

 今回,党公認で立候補を決意しましたが,私も人の子です。本当に悩みました。

 石原知事は,突出したタカ派であるとともに,異常な共産党ぎらいの政治家です。都議会のなかでも,議会の品位を根底から傷つけるような傍若無人の日本共産党攻撃をほしいままにしています。

 ■反共は戦争とファシズムの前夜の声

 私の脳裏には,そのありさまをみるたびに,「反共は戦争とファシズムの前夜の声」という言葉がたえず思い浮かびました。不破さんがしばしば口にされるNHKの「その時,歴史が動いた」というスペシャル番組がありますが,昨年放映されたなかに,「ヒットラーとその時代」がありました。その前編がいまでも強烈な印象に残っています。それは1933年1月30日,当時のドイツの大統領ヒンデンブルグがヒットラーをドイツの首相に任命した事件を中心に描いたものです。その時の事情をこう描いていました。ヒットラーのナチス党は世界大恐慌の混乱の中で急速に勢力を広げ,その前の年の7月の総選挙で,第1党になりました。共産党も躍進します。それが11月の総選挙では,ナチスは後退します。共産党はさらに躍進し,社会民主党に迫ります。ナチスの後退と共産党の躍進の中で,大統領ヒンデンブルグは,共産党を延ばすより,ナチスを選びました。それが,1933年1月30日のヒットラーの首相任命です。ヒットラーは首相になると,全権委任法なる法律を成立させ,全権力を自身に集中させると同時に,共産党や社会民主党まで禁止しました。そのことが,あの悲惨な第二次世界大戦への地獄の扉を開くことになったのです。番組は,いいまでもドイツの人々は,あのとき,もしヒットラーの首相就任を阻止できたら,その後の悲劇はなかったのではないか−そのドイツの人々の声に涙が出ました。

 「反共は戦争とファシズムの前夜の声」にほかなりません。

 いま,世界では,アメリカのイラク戦争に反対する,空前の運動が広がっています。世界のどの主要都市でも,数十万人から数百万人規模の行動が起きています。歴史の歩みはムダではありません。2度にわたる悲惨な世界大戦があり,その後のベトナム戦争を始めとした侵略戦争がありました。こうした戦争が支配する世界に終止符を,というのは世界の声です。ところが,そんなとき,日本の首都東京の都知事はどうなっているでしょうか。2月25日のTBSラジオ番組のインタビューで石原知事は,アメリカのイラク攻撃について,「日本はアメリカの行動を容認すべき。日本のいろいろな国益を考えて」と語りました。何が「ノーといえる日本」ですか。石原氏への1票は,イラク戦争賛成への1票だと思います。

 ■石原知事との対決は,反戦平和の伝統をもつ日本共産党の誇りある責任

 日本共産党は,戦前命がけで侵略戦争に反対し,戦後も一貫して反戦平和の党として不屈の奮闘をしてきました。そして,いま都民のくらしと平和を守るため,この石原都政と候補者として対決する責任が日本共産党にはあると確信します。

 私の政治家としての原点は,中学校時代の横田基地撤去を求める運動への参加にあるとリーフに書きました。よくよく考えてみると,その当時,ベトナム戦争が始まった時期で,この戦争への心からの怒りをいまでもよく覚えていますし,反戦集会に出たことも覚えています。私の政治家としての原点は,米軍基地反対とともに,ベトナム戦争反対です。大学入学後,すぐに日本共産党に入ったのも,戦前命がけで戦争反対を貫いた党だからです。今回,まさに私の日本共産党員としての真価がためされていると重い,立候補を決意しました。まだ未熟なところのある私ですが,精一杯がんばります。

 私はビートルズ世代ですが,そのビートルズのジョン・レノンの奥さんのオノ・ヨーコさんが,先月1月6日付のニューヨークタイムズに出した反戦公告の言葉「声をあげよう。光を放とう。そして平和のために立ち上がろう」−これこそ,私自身の決意の言葉にし,ごあいさつといたします。

 都民がくらしやすい福祉・平和の東京にするため,全力でがんばります。